要点手形法 9 条は、為替手形の振出人が引受と支払を担保すると定める。引受無担保の記載は有効だが、支払無担保の記載は書かなかったものとみなされ無効となる。
Q · 手形を振り出した人は「支払の保証はしない」と書けば、責任を切れますか?
切れません。支払無担保の記載は無効で、振出人は最後まで支払責任を負います
手形法 9 条 1 項により、為替手形の振出人は引受と支払の双方を担保します。2 項で振出人は「引受を担保しない」旨を記載できますが、「支払を担保しない」旨の一切の文言は、記載しなかったものとみなされます。つまり、振出人がどんな文言を書こうと、満期の支払に関する最終的な担保責任からは逃れられません。支払人が引受や支払を拒んでも、所持人は振出人に遡って請求できます(手形法 43 条以下)。
取引先から為替手形を受け取った。額面 300 万円、満期は三か月後。あなたは「支払人」の欄に書かれた会社の信用だけを気にするかもしれない。だが手形法 9 条が教えるのは、本当の最後の砦は手形を振り出した相手、つまり振出人だという事実だ。1 項は明快に言う。振出人は引受と支払の両方を担保する、と。支払人が引受を拒んでも、満期に金を払わなくても、あなたは振出人に遡って請求できる。さらに 2 項に玄人だけが知る非対称がある。振出人は「引受は担保しない」とは書ける。だが「支払は担保しない」と書いても、その一文は最初から無かったものとみなされる。つまり振出人は、どんな文言を並べても支払の最終責任から逃げられない。この一方通行の構造を知っているかどうかで、手形を受け取るとき誰の信用を見るべきかが変わる。
手形法 9 条は、為替手形の振出人の担保責任を定める規定である。振出人は手形所持人に対し、引受と支払の双方を担保する。振出人は引受を担保しない旨を記載できるが、支払を担保しない旨の文言は記載しなかったものとみなされ、支払担保責任を放棄することは認められない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
為替手形の振出人が引受と支払の双方を担保することを定める規定です。振出人は引受無担保は記載できますが、支払無担保の記載は無効となり、支払責任から逃れられません。
手形が決済手段として信用されるには、振出人の支払担保という核が不可欠だからです。手形法 9 条 2 項は支払無担保文言を「記載しなかったもの」とみなし、放棄を許しません。
引受無担保の記載は有効で、満期前の遡求ができなくなるだけです。支払無担保の記載は無効で、振出人の満期の支払担保責任はそのまま残ります(手形法 9 条 2 項)。
できます。支払人が支払を拒んでも、拒絶証書の作成等の手続を経れば、所持人は振出人へ遡って請求できます(手形法 9 条 1 項、43 条以下)。
引受人がいれば主たる債務者として絶対的支払義務を負います(28 条)。引受人が支払わない場合、振出人は担保責任を負う遡求の相手となります(9 条)。資力のある者を選べます。
拒絶証書作成日(無費用償還文言の場合は満期日)から 1 年で時効消滅します(手形法 70 条 2 項)。早めに内容証明や仮差押えで資産を押さえることが重要です。
でんさいには手形法 9 条そのものは適用されませんが、電子記録債権法に基づく保証記録等で類似の担保構造が設計されています。紙が消えても支払を担保する骨格は引き継がれます。
政府は約束手形を 2026 年末までに利用廃止する方針ですが、為替手形やでんさいは残ります。振出人が支払を最後まで担保する原則は、電子債権の保証構造へ移行します。
振出人が倒産しても、裏書人がいればその全員に遡って請求できます(合同責任、手形法 47 条)。全員が無資力なら回収は困難ですが、一人でも資力ある者が連なっていれば取り立てられます。業界裏話ヒント:手形を受け取る瞬間に裏書の連鎖を見て、資力のある会社が一社でも署名しているか確認する。署名者の中で一番強い相手を最初から狙えるので、振出人の信用だけで諦める必要はない
引受無担保の文言は有効です(手形法 9 条 2 項前段)。意味は満期前の遡求ができなくなるだけで、満期の支払担保責任は振出人に残ります。業界裏話ヒント:引受無担保は振出人が「満期までは遡求するな」と言っているサイン。資金繰りや信用にやや不安を抱えている相手の可能性があるので、額が大きいなら現金や別の決済手段を交渉する材料になる
違います。為替手形の振出人は担保責任を負う二次的な遡求の相手ですが、約束手形の振出人は主たる債務者で、為替手形の引受人と同じ絶対的な支払義務を負います(手形法 78 条)。業界裏話ヒント:だから約束手形の方が振出人を直接追える。為替手形は「支払人に請求→拒絶→振出人へ遡求」という段取りが要るぶん、回収の手間と時間が一段増える
所持人は振出人にも各裏書人にも、また全員に対しても同時に請求できます(合同責任、手形法 47 条)。順番に請求する義務はありません。業界裏話ヒント:実務では署名者の中で最も資力のある一人を狙い撃ちするのが定石。律儀に支払人→裏書人→振出人と順番を踏む必要はなく、最初から本丸に内容証明を打てる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 責任の性質 | 為替手形 振出人(9 条):引受と支払を担保する二次的な遡求義務者 | — |
| 無担保文句の可否 | 引受無担保は有効、支払無担保は無効(記載なしとみなす) | — |
| 請求の段取り | 支払人へ呈示→拒絶→拒絶証書→振出人へ遡求 | — |
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