要点手形法28条は、引受をした支払人(引受人)が満期に手形金を支払う主たる債務者になると定める。所持人は引受人に対し原因関係を立証せず直接請求できる。
Q · 手形が不渡りになったら、まず誰に請求すればいいの?
引受人。引受人が主たる債務者です(28条)
手形法28条により、引受をした支払人(引受人)が満期に手形金を支払う主たる債務者となります。振出人は引受と支払を担保する二次的な立場(9条)にすぎません。所持人は引受人に対し、原因関係を立証することなく手形そのものから生じる直接の請求権を持ち、48条・49条で算定される金額全額を請求できます。手形が流通の末に振出人の手元へ戻ってきた場合でも、引受人に請求できます(28条2項)。請求先を取り違えると、満期から3年の時効(70条)が進む間に最も確実に取れる相手を後回しにすることになります。
取引先から受け取った為替手形を満期に銀行へ持ち込んだら、残高不足で支払を受けられず、不渡付箋の貼られた一枚が戻ってきた。ここで多くの事業者は、手形を振り出した相手(振出人)に電話をかけ続ける。だが手形法28条が突きつけるのは、もっと逃げられない相手がいるという事実だ。「引受」(支払人が手形の表面に署名し、自分が支払うと約束する行為)をした者は、満期に手形金を支払う「主たる債務者」になる。振出人は引受と支払を保証する二次的な立場(9条)にすぎないが、引受人は一次的な義務を負い、原則として逃げ場がない。しかも所持人は引受人に対し、手形そのものから生じる「直接の請求権」を持つ。元になった売買契約がどうだったかを一切立証せず、手形という紙一枚で請求できる。2項はさらに、手形が流通の末にあなた(振出人)の手元へ戻ってきた場合でも、引受人に請求できると明言する。最初に誰を撃つかを誤ると、回収できるはずのものまで取り逃がす。
手形法28条は、為替手形の支払人が引受によって主たる債務者となることを定める規定である。引受人は満期に手形金を支払う一次的な義務を負い、所持人は引受人に対し、原因関係を立証することなく手形から生じる直接の請求権を取得する。振出人の引受・支払担保責任が二次的であるのと対比される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
支払人が手形の表面に署名し、満期に自分が支払うと約束する行為です。引受によって支払人は主たる債務者となり、手形金の一次的な支払義務を負います(手形法28条)。
引受人は満期に支払う一次的・主たる債務者(28条)。振出人は引受と支払を担保する二次的な責任者(9条)です。回収はまず引受人へ向かうのが原則です。
支払が拒絶され不渡付箋が貼られます。所持人は引受人へ手形金を請求でき、6か月以内に2回不渡りを出した振出人等は銀行取引停止処分となり事実上倒産します。
引受人に対する手形金請求権は満期の日から3年で時効消滅します(手形法70条1項)。振出人・裏書人への遡求権はより短い時効なので早期の対応が必要です。
手形金の支払を求める簡易迅速な訴訟手続です(民事訴訟法350条)。書証中心で進み、反訴も原則できないため、通常訴訟より圧倒的に速く判決が出ます。
為替手形は振出人が第三者(支払人)に支払を委託する三者構造、約束手形は振出人自身が支払を約束する二者構造です。約束手形振出人は引受人と同一責任を負います(78条)。
電子的に記録される金銭債権で、紙の手形に代わる決済手段です。政府は紙の約束手形を2026年をめどに廃止する方針で、主たる債務者の責任構造はでんさいにも受け継がれています。
引受人が支払わない場合に、所持人が振出人や裏書人など他の手形債務者へ支払を求めることです(43条)。手形は複数の責任者が連帯的に責任を負う仕組みです。
引受人が最優先です。引受人は引受によって満期の支払義務を負う主たる債務者(28条)であり、振出人や裏書人は遡求の対象となる二次的な責任者にすぎません。業界裏話ヒント:引受人への手形金請求権は満期から3年(70条)ですが、振出人・裏書人への遡求権はさらに短い時効で消えます。順番を間違えて遡求から手をつけると、最も確実に取れる引受人を後回しにしたまま、短い時効に追われることになる
できます。手形は無因証券で、原因となった取引の内容を立証せずに、手形の文言だけで請求できます(28条の直接の請求権)。引受人は善意の第三者に対しては原因関係の抗弁を出せません。業界裏話ヒント:手形訴訟(民事訴訟法350条)を使えば、通常訴訟より圧倒的に速く判決が出ます。証拠は書証中心、反訴も原則できないため、引受人側は時間を稼ぐ手が限られる。この手続を知っているかどうかで、回収までの月数が変わる
為替手形の利用は減っていますが、約束手形には手形法78条で同じ原理が適用されます。約束手形の振出人は、為替手形の引受人と同一の責任を負う主たる債務者です。業界裏話ヒント:政府は紙の約束手形を2026年をめどに廃止し、電子記録債権(でんさい)への移行を進めています。紙が消えても「主たる債務者は誰か」という28条の発想は電子記録債権の世界に引き継がれる。原理を押さえておく価値は消えない(最新の制度状況をご確認ください)
引受人が無資力なら、振出人や裏書人へ遡求(43条)できます。手形は複数の責任者が連帯的に責任を負う仕組みなので、回収のルートは一本ではありません。業界裏話ヒント:6か月以内に不渡りを2回出すと銀行取引停止処分となり、その会社は事実上倒産します。だから引受人は信用を守るために支払うインセンティブが極めて強い。「払えない」は交渉の最終局面まで本音とは限らない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 責任の性質 | 28条 引受人:主たる債務者(一次的・支払義務) | — |
| 請求権の根拠 | 手形から生じる直接の請求権(原因関係の立証不要) | — |
| 時効 | 満期日から3年(70条1項) | — |
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