仲裁委員会に、委員長を置く。委員長は、仲裁委員が互選する。
要点労働関係調整法 31 条の 3 は、労働争議の仲裁委員会に委員長を置き、その委員長は仲裁委員が互選すると定める。外部任命を排し委員会の独立性を担保する規定である。
Q · 労働争議の仲裁委員会の委員長は、誰がどうやって決めるの?
仲裁委員三人が互選で決め、外部任命ではない
労働関係調整法 31 条の 3 により、仲裁委員会には委員長が置かれ、その委員長は三人の仲裁委員が互選で決めます。役所が外部から任命するのではなく、委員自身が内部から長を立てる仕組みです。これは、仲裁委員会が下す裁定が労働協約と同一の効力を持ち(同法 34 条)当事者を法的に拘束するため、その決定機関の独立性を制度的に担保する狙いがあります。仲裁委員自体も労働委員会の公益委員から選ばれており、二段構えで中立性が守られています。
労使がもめて団体交渉が決裂したとき、解決の道は三つある。斡旋(あっせん)、調停、仲裁だ。前の二つは当事者が結果を蹴ることができるが、仲裁だけは違う。仲裁委員会が下した裁定は労働協約と同じ法的効力を持ち(第34条)、あとから「やっぱり嫌だ」が通らない。その唯一の拘束力ある決定を出す委員会のトップが、この条文の言う「委員長」である。注目すべきは選び方だ。外部の役所が任命するのではなく、仲裁委員三人が互いに選び合う「互選」で決まる。なぜそうするのか。委員会が誰かの差し金で動くのではなく、独立して判断するという建前を担保するためだ。あなたが組合役員でも人事担当でも、いざ仲裁に進むなら、あなたの会社の賃金や労働時間を縛る決定を、この互選で立った委員長が主導することになる。
労働関係調整法 31 条の 3 にいう仲裁委員長の互選とは、労働争議の仲裁委員会に置かれる委員長を、三人の仲裁委員が相互の選挙によって決定する手続をいう。外部の行政庁による任命を排し、委員会内部から長を選出することで、拘束力ある仲裁裁定を下す機関の独立性を確保する制度的仕組みである。
労働関係調整法による労使紛争の解決手続の一つで、仲裁委員会が下す裁定が労働協約と同一の効力を持ち、当事者を法的に拘束します。斡旋・調停と違い結果を拒否できません。
仲裁裁定は労働協約と同一の効力を持つため(同法 34 条)、これに反する取扱いは労働協約違反となります。一方的に「やっぱり嫌だ」と降りることはできません。
仲裁委員は原則三人で構成され、その三人が互選で委員長を選びます。委員は労働委員会の公益を代表する委員(公益委員)の中から選ばれます。
労使いずれにも偏らない中立の立場で選ばれる委員で、学識経験者などが就きます。仲裁委員はこの公益委員の中から指名されるため、中立性が担保されます。
労使双方が仲裁を申請して合意した場合などに開始されます(開始要件は現行条文を要確認)。団体交渉が決裂し、双方が拘束力ある解決を望むときに用いられます。
構成員が相互に選挙して代表を決めることです。本条では仲裁委員三人がお互いの中から委員長を選びます。外部からの任命ではない点が要点です。
単なる司会ではなく、委員会の議事を主宰し裁定の方向性を主導する立場です。拘束力ある仲裁裁定の取りまとめを担うため、その人選は判断に影響します。
仲裁が最も強い手続です。斡旋・調停は当事者が結果を拒否できますが、仲裁裁定だけは労働協約と同一の効力を持ち、降りられない一本道になります。
三つとも労働関係調整法による労使紛争の解決手続ですが、拘束力が違います。斡旋は斡旋員が間を取り持つだけ、調停は調停委員会が調停案を示すが、どちらも当事者は拒否できる。仲裁だけは仲裁委員会の裁定が労働協約と同一の効力を持ち(第34条)、当事者を法的に縛ります。委員長を互選で立てる本条は、その拘束力ある仲裁の入口にある。業界裏話ヒント:実務では圧倒的に斡旋が使われ、仲裁はほとんど発動されない。労使とも「結果を蹴れない」のを嫌うからだ。だが社会的影響の大きい争議では、仲裁の重みが効いてくる。
外部から送り込まれるのではなく、仲裁委員三人の互選で決まります(本条)。その仲裁委員自体が、労働委員会の公益を代表する委員(公益委員)の中から選ばれる(第31条、第31条の2)ので、もともと中立性を担保された人たちです。業界裏話ヒント:互選という形を取るのは、委員会が行政や一方当事者の意向で動くのではなく独立して判断する建前を守るため。労働委員会という準司法機関の独立性は、こうした小さな手続規定の積み重ねで支えられている。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 結果の拘束力 | 仲裁:裁定は労働協約と同一の効力(同法 34 条)、拒否できない | — |
| 担当機関 | 仲裁委員会(公益委員から選ばれた三委員、委員長は互選) | — |
| 実務での利用頻度 | ほとんど発動されない(結果を蹴れないため労使とも回避しがち) | — |
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