この章の規定は、労働争議の当事者が、双方の合意又は労働協約の定により、別の仲裁方法によつて事件の解決を図ることを妨げるものではない。
要点労働関係調整法 35 条は、労働争議の当事者が双方の合意または労働協約の定めにより、労働委員会とは別の仲裁方法で事件の解決を図ることを妨げないと定める規定である。
Q · 労働争議の仲裁は、労働委員会に頼むしかないんですか?
いいえ、合意や労働協約で別の仲裁も選べます
労働関係調整法 35 条により、労働争議の当事者は双方の合意または労働協約の定めによって、労働委員会の仲裁とは別の仲裁方法で事件を解決できます。仲裁に関する章の規定は、この別ルートを妨げません。スピードや非公開性を重視するなら、平時の労働協約に仲裁条項を入れておくことで、業界団体の仲裁機関や合意した第三者による迅速な仲裁を確保できます。なお仲裁裁定は労働関係調整法 34 条により労働協約と同一の効力を持つため、結論は単なる助言ではなく双方を法的に拘束します。
労使の対立がストライキ寸前まで来たとき、多くの人事担当者は「最後は労働委員会の仲裁に持ち込むしかない」と思い込んでいる。労働関係調整法 35 条は、その思い込みを正面から否定する。この章(仲裁)の規定は、争議の当事者が双方の合意または労働協約の定めにより、別の仲裁方法で事件を解決することを妨げない、と明記している。つまり公的な労働委員会の順番を待たず、あなたの会社と組合が取り決めた私的な仲裁(業界団体の仲裁機関、合意した第三者の専門家、仲裁法に基づく仲裁など)で決着をつける道が、法律上はっきり開かれている。スピード、非公開性、専門性、この三つで公的ルートを上回る選択肢を、労働協約に一行書き込んでおくだけで確保できる。35 条は、争議解決の出口が一つではないことを保証する条文である。
労働関係調整法 35 条は、仲裁に関する章の規定が、労働争議の当事者による別の仲裁方法の選択を妨げないことを定める規定である。当事者は双方の合意または労働協約の定めにより、労働委員会の仲裁とは別個の仲裁手続によって集団的労使紛争の解決を図ることができ、公的仲裁を唯一の出口としない労使自治の余地を確保する。
第三者が労使双方を拘束する裁定を下して争議を終わらせる手続です。労働関係調整法では労働委員会の仲裁が原則ですが、35 条は当事者が別の仲裁方法を選ぶ余地も認めています。
入れられます。労働関係調整法 35 条は、当事者が労働協約の定めにより別の仲裁方法を選べると明記しています。平時の協約改定時に仕込んでおくのが実務上の定石です。
あります。労働関係調整法 34 条により仲裁裁定は労働協約と同一の効力を持ち、当事者が合意した枠組みで出た結論も双方を法的に拘束します。
労働関係調整法 30 条の要件に従い、関係当事者の申請や労働協約の定めなどにより開始されます。35 条の別ルートとは開始の仕組みが異なります。
調停は調停案の受諾を当事者に委ねますが、仲裁は仲裁裁定が双方を拘束する点が異なります。仲裁の方が解決の終局性が高い手続です。
使えます。協約に別の仲裁条項を入れておけば、争議が燃え上がる前に合意した仲裁人へ持ち込み、ストライキ突入前に決着を図れます。
公的には労働委員会、別ルートとして業界団体の仲裁機関や当事者が合意した第三者の専門家などがあります。中立性の確保が選定の要点です。
仲裁裁定は労働協約と同一の効力を持ち終局的なため、内容そのものを争うのは原則困難です。だからこそ仲裁人と手続の事前設計が重要になります。
結論の拘束力という点では大きく変わりません。労働関係調整法 34 条により仲裁裁定は労働協約と同一の効力を持ち、当事者が合意して設けた別の仲裁でも、その枠組みで出た結論は双方を拘束します。業界裏話ヒント:違いはむしろスピードと非公開性です。労働委員会は順番待ちと記録公開のリスクがあるが、私的仲裁は当事者が手続も仲裁人も自分で設計できる。だから労使関係を外に出したくない企業ほど、協約に私的仲裁条項を仕込んでいる
難しいです。労働関係調整法は集団的労使紛争(組合と使用者の争議)を対象とし、35 条もその文脈の規定です。個人と会社の個別労働紛争には別の枠組み(個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律に基づくあっせん、労働審判など)が用意されています。業界裏話ヒント:仲裁法の附則は、当分の間、将来生じる個別労働関係紛争を対象とする仲裁合意を無効としています。つまり個人がサインした「紛争は仲裁で」という条項は効かない可能性が高い。個人なら労働審判(原則 3 回以内で終わる迅速手続)の方が現実的な武器になる(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 仲裁の主体 | 35 条:当事者が合意または協約で選んだ別の仲裁機関・第三者 | — |
| 開始の仕組み | 双方の合意または労働協約の定めによる | — |
| 裁定の効力 | 34 条により労働協約と同一の効力(公的仲裁と同等) | — |
| 実務上の強み | スピード・非公開性・専門性を当事者が設計できる | — |
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