要点労働関係調整法 35 条の 2 は、争議行為が国民生活を著しく危うくする虞が現実にあるときに限り、内閣総理大臣が中央労働委員会の意見を聴いて緊急調整を決定でき、公表日から五十日間ストを禁止できると定める。
Q · 総理大臣って、本当にストライキを法律で止められるんですか?
できます。緊急調整の決定で五十日間ストを禁止できます
労働関係調整法 35 条の 2 により、内閣総理大臣は緊急調整を決定できます。公益事業や大規模事業の争議行為が国民経済や日常生活を著しく危うくする虞が現実に存するときに限られ、事前に中央労働委員会の意見聴取が必須です。決定が公表されると、その日から五十日間は当事者の争議行為が全面的に禁止されます(38 条)。ただし要件が極めて厳しく、憲法 28 条の争議権を凍結する重い制度のため、発動は一九五二年の一度きりです。
電車が止まり、電気が消え、ガスも水道も止まる。複数の公益事業が同時にストライキへ突入したら、国民生活はその日のうちに麻痺する。この事態に備えて、日本には内閣総理大臣がストライキそのものを止められる制度が一つだけ用意されている。それが緊急調整だ。総理は、公益事業や大規模事業、特別の性質の事業の争議行為によって国民経済の運行が著しく阻害される、または国民の日常生活が著しく危うくなる、その虞が現実に存在するときに限り、緊急調整を決定できる。決定すれば、公表の日から五十日間、当事者は争議行為を一切打てなくなる。ただし総理の一存ではない。あらかじめ中央労働委員会の意見を聴き、理由を付して公表し、当事者へ通知する手続が義務づけられている。憲法二十八条が保障する争議権を国家が正面から凍結する、それほど重い制度だからこそ、発動の歴史はたった一度しかない。
緊急調整とは、公益事業・大規模事業・特別の性質の事業の争議行為が国民経済の運行や国民の日常生活を著しく危うくする虞が現実に存するときに限り、内閣総理大臣が中央労働委員会の意見を聴いたうえで決定する制度をいう。決定の公表日から五十日間、当事者の争議行為が禁止される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
内閣総理大臣が大規模争議を五十日間凍結し、その間に中央労働委員会が調停・仲裁で解決を図る制度です。労働関係調整法 35 条の 2 が根拠です。
内閣総理大臣のみです。ただし事前に中央労働委員会の意見聴取が義務づけられ、総理の一存だけでは決定できません。
決定の公表日から五十日間、当事者の争議行為が全面的に禁止されます(労働関係調整法 38 条)。起算点は決定の日ではなく公表の日です。
公益事業等の争議で国民経済や日常生活が著しく危うくなる虞が「現実に存する」ことです。単なる懸念では足りず、極めて高いハードルです。
必須です。35 条の 2 第 2 項により、決定前にあらかじめ中央労働委員会の意見を聴かなければならず、欠けば手続違反になります。
違います。公務員のストは別系統の法律で最初から全面禁止です。緊急調整は民間の公益事業等を緊急時に五十日凍結する制度です。
争議行為は止まりますが、中央労働委員会の調停・仲裁の場(35 条の 3)に舞台が移ります。論理と世論で出口を設計できます。
要件不充足や中央労働委員会の意見聴取を欠く手続違反があれば、決定の効力を争う余地があります。公表された理由の精査が出発点です。
憲法二十八条が団体行動権として争議権を保障し、労働組合法八条は正当な争議行為に民事免責を与える。だが争議権も無制限ではない。電気・医療・水道のように国民生活を直撃する大規模争議では、無関係の第三者の生存と衝突する。労働関係調整法三十五条の二は、その衝突が現実化する一点でだけ国家介入を認めた。業界裏話ヒント:公益事業の労使交渉では、この緊急調整の存在自体が、組合の長期スト戦略に対する無言の牽制として効いている。発動されなくても、抑止力として機能している
一九五二年(昭和二十七年)の炭鉱と電力の大争議で一度発動されたきり、その後七十年以上、一度も使われていない。理由は要件の厳しさと、憲法上の争議権を制限する政治的リスクの重さにある。業界裏話ヒント:実務家の間では「死文化に近い制度」とも語られるが、消えてはいない。だからこそ大規模争議の局面では、政府の口から緊急調整という言葉が出るかどうかが、交渉の潮目を測る指標になる
労働関係調整法三十八条で公表日から五十日間は争議行為が全面的に禁止され、違反すれば四十条の罰則(罰金)の対象になる。さらに正当な争議行為としての保護も外れるため、解雇や損害賠償のリスクに直結しうる。業界裏話ヒント:この期間中に重要なのは「何をしないか」だけではない。委員会の調停・仲裁の場で主導権を握れるかが勝負で、五十日を受け身で過ごすか、出口設計に使うかで結果が大きく変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 発動・適用の主体 | 35 条の 2:内閣総理大臣が緊急調整を決定 | — |
| 効果 | 公表日から五十日間、争議行為を全面禁止 | — |
| 違反時 | 40 条の罰則(罰金)+正当性の喪失 | — |
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