要点労働関係調整法 40 条は、緊急調整の公表後五十日間の争議禁止(38 条)に違反した責任者を二十万円以下の罰金に処す。違反すると刑事・民事免責も外れる。
Q · 緊急調整中にストライキを続けたら、本当に罰金になるんですか?
なります。責任者は二十万円以下の罰金、免責も外れます
労働関係調整法第 40 条により、緊急調整の公表後五十日間の争議行為禁止(第三十八条)に違反すると、責任のある使用者・その団体・労働者の団体・指導した者は二十万円以下の罰金に処せられます。金額以上に深刻なのは、緊急調整中の争議が『正当な争議行為』でなくなり、労働組合法一条二項の刑事免責と民事免責が同時に外れる点です。罰金前科に加え、解雇や損害賠償の追及にも丸腰でさらされます。
ストライキは労働者の権利だ、そう習ったはずだ。だがその権利の上に、国が押せる一個の緊急ボタンが乗っていることを知る人は少ない。電力、鉄道、水道、医療、通信。こうした公益事業や大規模な争議で、国民経済の運行や日常生活が著しく危うくなると内閣総理大臣が判断すれば、緊急調整(第三十五条の二)が決定される。その公表の日から五十日間、関係する労使は一切の争議行為ができなくなる(第三十八条)。この凍結を破って争議を強行した使用者、労働組合、あるいは指導した個人は、第四十条によって二十万円以下の罰金に処せられる。恐ろしいのは金額ではない。緊急調整中の争議は『正当な争議行為』でなくなり、労働組合法が与える刑事免責も民事免責も同時に外れる。罰金前科だけでなく、解雇や損害賠償への盾を一度に失うということだ。
労働関係調整法第 40 条は、緊急調整に伴う争議行為の禁止(第三十八条)に違反した者への罰則を定める規定である。緊急調整の公表日から五十日間の禁止期間中に争議行為を行った場合、責任のある使用者・その団体・労働者の団体その他の者を二十万円以下の罰金に処す。準用規定により予告義務違反の罰則とも連動する。
国民経済の運行や日常生活が著しく危うくなる争議が起きたとき、内閣総理大臣が決定し、公表日から五十日間すべての争議行為を凍結する制度です(労働関係調整法 35 条の 2)。
内閣総理大臣のみが発動できます。中央労働委員会の意見を聴いたうえで決定し、官報等で公表されます。戦後は一九五二年に一度だけ発動されました。
公表の日から五十日間です(第三十八条)。この間は同盟罷業・怠業・作業所閉鎖などの争議行為が労使双方とも禁止されます。
なります。第 40 条の対象は責任のある『使用者若しくはその団体』も含むため、緊急調整中に対抗的なロックアウトを強行すれば使用者も二十万円以下の罰金です。
二十万円以下の罰金です。準用規定により公益事業の予告義務違反の十万円が二十万円に読み替えられています(第 40 条 2 項)。
罰金のみの罪のため公訴時効は三年です(刑事訴訟法 250 条 2 項 7 号)。起算点は争議行為が終了した時点です(最新の改正状況をご確認ください)。
争議が正当でなくなるため、労働組合法一条二項の刑事免責と民事免責が同時に外れます。罰金前科だけでなく解雇や損害賠償の盾も失います。
あります。一九五二年の電気・石炭争議の際に戦後唯一の発動例があります。第 40 条が実際に適用された例はほぼなく、抑止力として機能しています。
争議権は憲法二十八条で保障されますが無制限ではありません。緊急調整が公表されると五十日間は争議行為が禁止され(第三十八条)、これを破ると正当な争議行為でなくなり、労働組合法一条二項の刑事免責が外れて第四十条の罰金対象になります。業界裏話ヒント:緊急調整を発動できるのは内閣総理大臣だけで、戦後ただ一度(一九五二年)しか使われていません。だから実際に第四十条が適用された例はほぼ無いが、条文が生きている限り抑止力として機能し続けている
対象になりえます。労働関係調整法七条の『争議行為』は同盟罷業だけでなく、怠業・順法闘争・作業所閉鎖など業務の正常な運営を阻害する行為を広く含みます。緊急調整中はこれらも凍結されます。業界裏話ヒント:『ストではなく抗議活動だ』『順法しているだけだ』という建前は、緊急調整下では通りにくい。形式名ではなく実態で争議行為かどうかが判断されるため、名前を変えれば逃げられるという発想は危ない
第四十条は『責任のある』使用者・その団体・労働者の団体・その他の者を対象にします。中心は争議を指揮した執行部や団体であり、指示に従っただけの一般組合員が直ちに対象になるとは限りません。業界裏話ヒント:だからこそ執行部は指令文書や議事録の扱いに神経を使う。誰が『責任者』と認定されるかは、結局のところ残された記録で決まるからだ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制裁対象の行為 | 第 40 条:緊急調整中の争議禁止(38 条)違反 | — |
| 罰金額 | 二十万円以下の罰金 | — |
| 発動・適用の前提 | 内閣総理大臣による緊急調整の決定と公表 | — |
| 責任の所在 | 責任のある使用者・団体・労働者の団体・指導した者 | — |
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