要点独占禁止法 43 条の 2 は、公正取引委員会が外国競争当局へ職務遂行に資する情報を提供できると定める。提供には相互性・秘密保持・目的外使用禁止の三要件の確認が必要で、刑事手続への使用は防がれる。
Q · 公取委に出した資料って、海外の競争当局にも渡ってしまうんですか?
三要件を満たせば海外の競争当局に渡りうる
独占禁止法 43 条の 2 により、公正取引委員会は外国競争当局へ職務遂行に資する情報を提供できます。ただし 2 項で、相手国の相互提供能力・日本と同程度の秘密保持・目的外使用の禁止という三要件を確認する必要があります。さらに 3 項により、提供情報が外国の刑事手続に使用されないよう適切な措置がとられます。国際カルテル事件では、日本で提出した資料が海外当局の行政・民事の制裁に使われうる点が実務上の焦点です。
公正取引委員会の調査に協力して提出した資料は、日本国内にとどまる。多くの企業の法務担当はそう信じている。だが独占禁止法 43 条の 2 は、公取委が外国の競争当局、たとえば EU 委員会や米国司法省・FTC に対し、職務の遂行に資する情報を提供できると定める。国際カルテルの疑いで日本で調査を受けたとき、あなたが提出した供述や証拠は、国境を越えて海外当局の手元に届きうる。ただし無条件ではない。公取委は提供前に三つを確認しなければならない。相手国も同等の情報提供ができること、秘密保持が日本と同程度に担保されていること、提供目的以外に使われないこと。さらに 3 項は、提供情報が外国の刑事手続に使われないよう適切な措置をとることを求める。つまり海外の行政・民事の競争法執行には流れうるが、刑事訴追の証拠には使わせない。この線引きが、あなたの国際リスク評価の前提になる。
独占禁止法 43 条の 2 は、公正取引委員会による外国競争当局への情報提供を定める規定である。提供対象は外国当局の職務遂行に資する情報に限られ、相互提供能力・秘密保持・目的外使用禁止の三要件を確認した上で行われる。提供情報は外国の刑事手続に使用されないよう措置される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
公正取引委員会が外国の競争当局へ、職務遂行に資する情報を提供できると定めた規定です。国際的な競争法違反の取り締まりに向けた執行協力の根拠となります。
独占禁止法に相当する外国法令を執行する当局を指し、EU 委員会(DG COMP)や米国司法省反トラスト局・FTC、各国の競争当局などが典型例です。
43 条の 2 第 2 項が求める確認事項で、相手国が同等の情報提供を行えること、日本と同程度の秘密保持が担保されていること、目的以外に使用されないことの 3 点です。
日本で減免申請して自ら明かした内容も 43 条の 2 経由で海外当局へ渡りうるため、海外で減免順位を取れていないと、かえって最初の標的になる危険があります。
情報が国境を越える前提で、初動から日本と海外の弁護士を一つのチームに束ね、各国で矛盾しない国際整合した供述を設計することが制裁の連鎖を抑える鍵です。
複数国に届け出る M&A では、公取委へ提出した内部資料が外国当局と共有され、ある国での説明が別の国の審査判断に跳ね返ることがあります。
43 条の 2 第 1 項ただし書により、提供が日本の適正な執行に支障を及ぼす場合や、その他日本の利益を侵害するおそれがある場合には提供しません。
各国当局間には ICN や OECD のネットワーク、二国間協力の枠組みがあり、事件単位で情報のやり取りが調整されます。43 条の 2 はその国内法上の提供根拠にあたります。
無条件ではありません。43 条の 2 第 2 項により、公取委は相手国の相互提供能力、日本と同程度の秘密保持、目的外使用の禁止という三点を確認してから提供します。また同条ただし書で、日本の適正な執行に支障が出る場合や国益を害するおそれがある場合は提供しません。業界裏話ヒント:実務では各国当局間に協力の枠組み(覚書や ICN・OECD のネットワーク)があり、企業が知らないうちに事件単位で情報のやり取りが調整されている。だからこそ初動で各国を同時に見る弁護士を入れるかどうかで、結果が大きく変わる
3 項が、提供情報を外国の裁判所・裁判官が行う刑事手続に使わせないよう適切な措置をとることを求めています。刑事訴追の証拠への流用は防がれます。ただし防がれるのは刑事手続であって、海外の行政・民事の競争法執行(制裁金や排除措置)には使われうる点が落とし穴。業界裏話ヒント:米国の反トラストは刑事罰がある一方、EU は行政制裁が中心。同じ情報でも渡る先の国の制度で意味が変わる。刑事リスクの国と行政制裁の国を分けて戦略を立てるのが実務の常道
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 情報の宛先 | 43 条の 2:外国競争当局(EU・米国等) | — |
| 目的 | 外国当局の職務遂行に資する国際執行協力 | — |
| 制約・条件 | 三要件の確認(2 項)+刑事手続不使用(3 項)+日本の利益を害さない(1 項ただし書) | — |
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