要点独占禁止法7条の3は課徴金の割増を定め、過去10年以内の繰り返し違反なら1.5倍、違反の主導的役割なら1.5倍、両方に該当すれば2倍となる。
Q · カルテルで課徴金が2倍になるのはどんなとき?
過去10年に前科があり、かつ違反を主導した場合です
独占禁止法7条の3により、課徴金は二つの割増事由で増額されます。調査開始日から遡り10年以内に納付命令等を受けた繰り返し違反なら1.5倍(1項)、違反を企図し他社に要求・依頼・唆した主導的役割なら1.5倍(2項)、両方に該当すれば2倍になります(3項)。さらに完全子会社の前歴や、合併・事業承継で引き継いだ前歴も繰り返しに算入されるため、自社が初犯でも割増対象になり得ます。
独占禁止法のカルテルや入札談合で課される課徴金は、原則として対象期間の売上額の一定割合で機械的に決まる。だが多くの企業の法務担当者が見落とすのが、その金額が二段階で跳ね上がる仕組みだ。7条の3は二つの割増事由を定める。一つは繰り返し違反で、調査開始日からさかのぼって10年以内に納付命令などを受けていれば1.5倍。もう一つは主導的役割で、自社が違反を企てて他社にやらせた、あるいは価格や数量を継続的に指定していた場合に1.5倍。そして両方に該当すれば、二つを掛けるのではなく端的に2倍になる。さらに怖いのは、あなたの会社が初犯でも、過去に納付命令を受けた完全子会社を抱えていたり、前科のある会社と合併や事業承継をしていれば、繰り返しの割増を引き継ぐ点だ。M&Aのデューデリジェンスで競争法違反歴を見落とすと、買収した瞬間に自社の将来の課徴金リスクが1.5倍化する。
独占禁止法7条の3は、課徴金納付命令における割増を定める規定である。調査開始日から遡り10年以内に納付命令等を受けた繰り返し違反の事業者、または違反を企図し他社に要求・依頼・唆した主導的事業者について、課徴金の合算額を1.5倍とし、双方に該当する場合は2倍とする。
独占禁止法7条の3が定める課徴金の増額制度です。繰り返し違反や主導的役割があると、基本額が1.5倍や2倍になります。売上の一定割合という基本額だけでは支払額は決まりません。
繰り返し違反(過去10年以内の納付命令等)と主導的役割の両方に該当した場合です。1.5倍を掛け合わせるのではなく、7条の3第3項により端的に2倍と定められています。
自社の主観ではなく客観的行為で判断されます。違反を企図し他社に要求・依頼・唆した、あるいは対価・数量・市場占有率などを継続的に指定した場合に、主導的役割として1.5倍の割増対象になります。
当該違反の調査開始日から遡り10年以内に納付命令等を受けていることが要件です。その命令の日以後も違反を続けていた場合に、1.5倍の割増が適用されます。
引き継がれます。10年以内に納付命令等を受けた会社と合併したり、その違反に係る事業を譲り受け・承継した法人は、その前歴が繰り返しの割増事由になります(7条の3第1項三号)。
対象商品・役務の売上額に対し、業種や事業者規模で率が変わります。7条の3の割増は、この基本額(合算額)に1.5倍または2倍を乗じる形で作用します。
公正取引委員会が当該事件について調査を開始した日を指します。割増の繰り返し判定は、この調査開始日を起点に10年遡って納付命令等の履歴を確認します。
課徴金減免制度(リーニエンシー、7条の4以下)の申請順位を早期に確保することが有効です。第一順位なら全額免除となり、割増以前に支払い自体がゼロになる余地があります。
原則は違反対象期間の売上額の一定割合(業種や企業規模で率は変動)ですが、7条の3で繰り返しなら1.5倍、主導的役割なら1.5倍、両方そろえば2倍になります。さらに調査協力の度合いで減算もある(7条の7)。業界裏話ヒント:多くの企業は率ばかり気にするが、本当に効くのは算定基礎となる売上の範囲と期間の取り方。ここを社内で詰めずに当局の数字を鵜呑みにすると、本来争えた額まで払うことになる
親会社自身が違反していることが前提ですが、完全子会社が過去10年に納付命令を受けていれば、親会社本体の繰り返し割増の事由になります(7条の3第1項二号)。業界裏話ヒント:グループのコンプライアンスは各社バラバラでは危ない。子会社の和解や課徴金履歴を親会社が一元管理していないと、グループ内の一社が新たな違反をした瞬間、知らぬ間に割増が発動する。M&A後の統合で真っ先に見るべきはここだ
課徴金減免制度の申請順位次第です。第一順位なら課徴金は全額免除、その場合は割増以前に支払い自体がゼロになります。順位が下がると減免率も下がる(7条の4以下)。業界裏話ヒント:リーニエンシーは秒単位の早い者勝ち。違反に気づいたら、社内調査を完璧にしてから出すより、まず順位を押さえる申請を先行させる弁護士が多い。完璧主義が一番損をする制度だ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 課徴金への効果 | 7条の3:割増(1.5倍・2倍)で増額 | — |
| 適用事由 | 繰り返し違反・主導的役割 | — |
| 作用の方向 | 課徴金を重くする | — |
| 適用のタイミング | 納付命令時に要件該当で自動適用 | — |
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