要点独占禁止法7条の2は、カルテルを行った事業者に対し、公正取引委員会が違反期間中の対象売上額の10%(中小企業4%)を課徴金として国庫に納付させる規定である。
Q · カルテルで摘発されたら、儲けた分を返せば済むの?
違反期間中の対象売上の10%(中小4%)を国庫に納めます
独占禁止法7条の2により、カルテル等の不当な取引制限を行った事業者は、違反期間中の対象売上額の10%(中小企業は4%)を課徴金として国庫に納めます。原価も経費も差し引かず、赤字取引でも算定され、実際の利益額は計算式に入りません。公正取引委員会に裁量はなく「命じなければならない」と規定されています。額を左右できる唯一の手段は課徴金減免制度(リニエンシー、7条の4)で、調査開始前に最初に申請すれば全額免除されます。
談合やカルテルで公正取引委員会に摘発されたとき、多くの経営者が最初に犯す誤解がある。「儲けた分を返せばいい」と思うのだ。違う。課徴金は不当利得の没収ではない。違反期間中、その商品や役務であなたの会社が上げた売上の10%(中小企業は4%)を、まるごと国庫に納める。原価も経費も差し引かない。赤字で売っていても払う。しかも公取委に裁量はない。条文は「命じなければならない」と書いている。情状酌量も温情の分割払いもなく、機械のように算定される。2019年の改正でこの装置はさらに牙を剥いた。算定期間は最長3年から10年へ延び、子会社の売上や談合金(受注を譲る見返りの手数料)まで課徴金の対象に組み込まれた。一件のカルテルで動く金額は数十億円規模。そしてこの額は、刑事罰金とも被害者への損害賠償とも、すべて別腹である。
独占禁止法7条の2は、カルテル等の不当な取引制限に対する課徴金を定める規定である。公正取引委員会は、違反期間中の対象商品・役務の売上額に10%(中小企業4%)を乗じた額を国庫に納付するよう命じる。課徴金は不当利得の没収ではなく、実際の利益額を問わず対象売上を基礎に機械的に算定される行政上の金銭的負担である。
独占禁止法違反に対し公正取引委員会が課す行政上の金銭的負担です。カルテルの場合、違反期間中の対象売上額の10%(中小4%)を国庫に納めます。刑事罰金とは別物です。
違反期間中の対象商品・役務の売上額に率(原則10%、中小企業4%)を乗じます。2019年改正で子会社の売上や談合金も算定基礎に加わり、算定期間は最長10年に延びました。
立入検査など調査開始の前に最初に申請した1社は全額免除です。調査開始後や二番手以降は減算率が段階的に下がるため、一秒でも早く申請するほど有利になります。
違反行為がなくなった日から7年を経過すると納付命令を出せません。令和元年改正で5年から7年に延長されました(最新の改正状況はご確認ください)。
差し引けません。課徴金は対象売上額に定率を乗じるだけで、原価も経費も控除されず、赤字取引でも算定されます。実際にいくら儲けたかは計算に一切入りません。
対象になります。2019年改正で、受注を譲る見返りに得た手数料等(談合金)も課徴金の算定に組み込まれました。売上10%分とは別に上乗せされます。
増えます。カルテルを主導した事業者や繰り返し違反した事業者には、7条の3により課徴金が割増されます。「指示されただけ」でも参加事実で課される点も要注意です。
命令の取消しを求めて裁判所に取消訴訟を提起できます。ただし課徴金額に情状酌量の余地はほぼなく、争点は違反の存否や算定基礎の当否が中心になります。
両方あり得ます。課徴金(7条の2)は公取委が課す行政上の金銭的負担、罰金は裁判所が科す刑事罰(89条)で、性質が別です。最高裁は両者の併科は二重処罰(憲法39条)に当たらないと判断しています。業界裏話ヒント:社内の予算想定が課徴金だけで止まっていることが多く、刑事罰金と被害者への損害賠償(25条)まで合算した本当の負担額を最初に試算できている会社は少ない
されます。調査開始前に最初に申請した一社は課徴金が全額免除され(7条の4)、二番手以降や調査開始後は減算率が段階的に下がります。協力義務の履行が条件です。業界裏話ヒント:あなたが迷っている間に、同じ談合に加わった競合がすでに公取委と話しているかもしれない。相手が先に一番手の枠を取った瞬間、あなたの全額免除は永遠に消える。早さが全てを決める制度
率は10%から4%に下がりますが(7条の2第2項)、ゼロにはなりません。なお算定額が100万円未満なら納付は命じられません。業界裏話ヒント:軽減を受けるには資本金(または出資総額)と従業員数の両方の基準を満たす必要があり、しかも『主たる事業』がどの業種かで線引きが変わる。複数事業を持つ会社は、ここの判定で軽減を受けられないことがある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制裁の性質 | 7条の2:行政上の金銭的負担(課徴金) | — |
| 誰が科すか | 公正取引委員会 | — |
| 裁量の有無 | なし。要件充足で自動算定・強制(命じなければならない) | — |
| 金銭の帰属先 | 国庫(被害者には配分されない) | — |
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