要点独占禁止法25条は、3条・6条・19条に違反した事業者と8条に違反した事業者団体に無過失の損害賠償責任を課す。加害者は故意・過失がなかったと証明しても免責されない。
Q · カルテルや談合の被害に遭ったら、相手の落ち度を証明しないと賠償は取れないの?
無過失責任なので相手の落ち度の証明は不要です
独占禁止法25条は、3条・6条・19条に違反した事業者と8条に違反した事業者団体に、被害者への損害賠償責任を課します。2項により加害者は「故意も過失もなかった」と証明しても免責されず、民法709条と違い被害者は相手の過失を立証する必要がありません。ただし26条により、排除措置命令が確定するまで裁判上この請求を主張することはできず、行使できる時から3年で時効消滅します。命令確定を待つ25条か、先に動ける709条かの選択が回収の成否を分けます。
長年、業界大手から原材料を仕入れてきたとする。ある日、公正取引委員会がその大手を含む数社の価格カルテルを摘発したと報じられる。「大企業同士の話で自分には関係ない」と思うかもしれない。だが独占禁止法25条は、まさにあなたのような被害者のために用意された武器だ。3条・6条・19条に違反した事業者、8条に違反した事業者団体は、被害者に損害賠償の責めを負う。しかも2項が決定的である。加害者は「故意も過失もなかった」と証明しても、この責任からは逃れられない。民法709条なら被害者が相手の過失を立証しなければならないが、25条ではその必要がない。無過失責任、つまり違反の事実と損害さえあれば賠償が認められる。ただし落とし穴がある。26条により、この請求は公取委の排除措置命令が確定するまで裁判では主張できない。代わりに709条で先に攻めるか、命令確定を待って25条で確実に取るか、最初の一手の選び方が勝負を分ける。
独占禁止法25条は、独占禁止法の実体規定に違反した事業者に対する損害賠償責任を定める規定であり、3条・6条・19条に違反した事業者および8条に違反した事業者団体が被害者に負う無過失の賠償責任を規律する。民法709条の一般不法行為に対する特則として機能し、加害者の故意・過失の立証を不要とする点に特色がある。
AI 輔助整理,以條文原文為準
独禁法違反の被害者に対する無過失の損害賠償責任を定めた規定です。3条・6条・19条に違反した事業者と8条に違反した事業者団体が対象で、加害者は過失がなくても責任を免れません。
カルテルがなければ成立したであろう想定価格と実際の支払額との差額が損害の基準です。取引量が大きく水増し期間が長いほど賠償額も大きくなります。損害額の立証が実務上の難所です。
排除措置命令の確定を待って25条で無過失請求するか、命令確定前でも民法709条で先行提訴します。取引記録・請求書・支払記録を保全し、想定価格との差額を算定して提訴します。
26条2項により、請求権を行使できる時から3年で時効消滅します。かつ26条1項で排除措置命令が確定するまで裁判上主張できないため、確定後の残り時間内に提訴する必要があります。
公正取引委員会が独禁法違反企業に対し、違反行為の排除を命じる行政処分です。命令自体は被害者への賠償を意味しませんが、25条の裁判上の主張はこの命令の確定を前提とします。
加害者の故意・過失を問わず、違反行為・損害・因果関係があれば賠償責任が生じる制度です。25条2項はこれを採用し、被害者から加害者へ立証の重荷を移しています。
25条は無過失責任だが排除措置命令の確定を待つ必要があり、709条は過失の立証が要るが命令確定前でも提訴できます。時効と立証負担を天秤にかけて使い分けます。
違います。課徴金は国が違反企業から徴収する行政上の金銭で、被害者には渡りません。損害賠償は被害者が自ら請求するもので、25条・709条が根拠になります。
もらえない。排除措置命令は役所が違反企業に下す行政処分であって、被害者への賠償は別物だ。25条で自分から請求しなければならず、しかも26条で命令確定までは裁判で主張できない。業界裏話ヒント:実務では確定を待たず709条で先に提訴し、確定後に25条へ切り替える二段構えが定石。ただ待つだけだと時効や記憶の風化で不利になる
訴えられる。25条の被害者に規模の制限はない。難所は損害額の立証で、「カルテルがなければいくらで買えたか」という想定価格との差額を示す必要がある。業界裏話ヒント:損害額については84条で裁判所が公取委に意見を求める仕組みがあり、被害者が単独で完璧な経済鑑定を用意しなくても、公取委の知見が援用される場面がある
25条のルートは命令確定まで裁判で主張できない(26条)。だが民法709条の一般不法行為なら、命令を待たず今すぐ提訴できる。業界裏話ヒント:709条では相手の故意・過失の立証負担があるが、カルテルは性質上「合意して値段を吊り上げた」ので故意の立証は比較的しやすい。命令確定前から動くなら709条、確実性重視なら25条、という使い分けが鍵になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 過失の要否 | 25条:無過失責任(加害者は過失がなくても免責されない) | — |
| 提訴の前提 | 25条:排除措置命令の確定が裁判上の主張の前提(26条1項) | — |
| 時効・期間 | 25条:行使できる時から3年(26条2項) | — |
| 得られる救済 | 25条:既に生じた損害の金銭賠償 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。
以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。