要点独占禁止法7条の5は、課徴金減免を申告した事業者が公正取引委員会との協議・合意により、調査協力の度合いに応じて課徴金をさらに減額できる調査協力減算を定める。2019年改正で新設された。
Q · カルテルがバレたら、課徴金は満額払うしかないの?
いいえ、協力すれば大幅に減額できる制度があります
独占禁止法7条の5により、課徴金減免を自主申告した事業者は、公正取引委員会との協議・合意を経て、調査への協力度合いに応じて課徴金をさらに減額できます。申告順位で決まる法定減免(7条の4)に、提出した証拠が事件解明にどれだけ役立ったかで決まる協力減算が上乗せされる二段構えです。申告順位が低くても証拠の質次第で挽回でき、協議が決裂しても説明内容は証拠に使えません(7項)。
公正取引委員会の立入検査が入った朝、多くの経営者はまず「どう否認するか」を考える。だが本当に巧い企業は逆を行く。第7条の5は、課徴金を自主申告した事業者(報告等事業者)が、公取委との「協議」を経て「合意」を結べば、調査への協力度合いに応じて課徴金をさらに上乗せで減額できる制度を定める。2019年改正で新設された、日本版の司法取引に近い仕組みだ。鍵は二つ。第一に、申告順位(7条の4)で決まる法定の減額率に、この協力減算が積み増しされる。早く申告し価値ある証拠を出すほど、減る金額が跳ね上がる。第二に、協議が決裂してもそこで話した内容は証拠に使えない(7項)。腹を割って交渉できる安全装置まで組み込まれている。否認するか、協力して減らすか。その分岐点に立つのは、検査を受けた直後のあなただ。
調査協力減算とは、独占禁止法第7条の5が定める制度であり、課徴金減免を申告した事業者が公正取引委員会と協議し合意することで、事件の真相解明への協力度合いに応じて課徴金額をさらに減額できる仕組みをいう。申告順位に基づく法定減免(7条の4)に上乗せされる裁量的な減算であり、2019年改正で新設された。
AI 輔助整理,以條文原文為準
独占禁止法7条の5が定める制度で、課徴金減免を申告した事業者が公取委と協議・合意し、調査への協力度合いに応じて課徴金をさらに減額できる仕組みです。2019年改正で新設されました。
調査開始日の前後で減額率が大きく変わり、立入検査前の第1順位なら全額免除の可能性があります。手続の詳細は公正取引委員会規則で定められ、数時間の差が減額率を左右します。
公正取引委員会に事実の報告と資料の提出を行った順番で決まります。7条の4が申告順位に応じた法定減免率を定め、早く価値ある証拠を出すほど減る金額が大きくなります。
違反対象の売上額に業種・規模ごとの算定率を乗じて計算されます。7条の2が本体額を定め、7条の4の減免と7条の5の協力減算で最終額が下がります。実額は事案で異なります。
2019年改正で申告数の上限が撤廃され、順位に応じて減額率が逓減する方式になりました。上位ほど減免率が高く、下位でも協力減算で挽回できる設計です。
あります。不当な取引制限は同法89条により懲役・罰金の刑事罰の対象となり、行政上の課徴金と刑事罰が併存しうるため、対応は両にらみで設計する必要があります。
正当な理由なく検査を拒否・妨害すると罰則の対象になります。検査自体は受けざるを得ず、拒否ではなく減免申告と協力減算をどう活かすかが実務上の分岐点です。
デューデリジェンスで過去のカルテル関与を洗い出し、未申告リスクは買い手に承継されます。買収前に対象会社を自主申告・協力減算へ動かせるかが買収価格の交渉材料になります。
別物で、二段構えです。まず7条の4の減免が申告順位に応じて法定の減額率を決め、その上に本条の協力減算が調査への協力度合いで上乗せされます。順位だけでなく、出した証拠が事件解明にどれだけ役立ったかで最終的な減額が変わる。業界裏話ヒント:公取委は協力の価値を評価して評価後割合(2項)を決めますが、その評価基準は調査協力減算制度の運用方針というガイドラインに書かれています。協議に入る前にこれを読み込み、どの証拠が高く評価されるかを逆算してから手札を切る企業が、減額幅で差をつけている
なりません。7項が、協議が成立しなかった場合、協議での説明を記録した文書その他の物件を証拠にできないと定めています。だから企業は決裂を恐れず本音の交渉ができる。業界裏話ヒント:ただし保護には範囲があり、求めに応じず協力減算なしの合意だけ成立したようなケースは例外扱いです。決裂のさせ方を一つ間違えると保護が外れることがあるので、協議の出口設計は最初に弁護士と詰めておくのが鉄則です
代理人は弁護士または弁護士法人に限られます(特定代理人、9項)。税理士・公認会計士は不可です。しかも公取委には、代理人を選任できる旨を書面で教示する義務があります(10項)。業界裏話ヒント:教示が来てから動くのは遅い。立入検査の当日から独禁法・カルテル事案の経験が深い弁護士を入れておくと、協議の進め方や証拠提出の順序で主導権を握れる。検査直後の数日が、その後の減額率を実質的に決めると言っても過言ではない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 7条の5:協力度合いに応じた裁量的な協力減算(上乗せ) | — |
| 減額の決まり方 | 提出証拠の価値を公取委が評価(評価後割合) | — |
| 手続の前提 | 報告等事業者による協議の申出+合意(書面) | — |
| 使いどころ | 順位が低くても証拠の質で挽回したいとき | — |
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