要点独占禁止法 7 条の 9 は私的独占への課徴金を定め、支配型は売上額の 10 パーセント、排除型は 6 パーセント。算定額が 100 万円未満のときは命じられない。
Q · 市場を支配して独禁法違反になったら、課徴金っていくら取られるの?
支配型は売上の 10%、排除型は 6% です
独占禁止法 7 条の 9 により、私的独占をした事業者には公正取引委員会が課徴金を命じます。他社の事業活動を支配する支配型は実行期間の売上額の 10 パーセント、締め出す排除型は 6 パーセントです。2019 年改正で、違反対象の売上だけでなく密接関連業務の対価や子会社等の売上まで算定基礎に入りました。算定額が 100 万円未満なら命じられませんが、私的独占でその水準に収まることはまずありません。
市場を支配したら独占禁止法違反、それは多くの人が知っている。だが本当に効くのは「いくら取られるか」の部分だ。第7条の9は、私的独占をやった企業に公正取引委員会が課徴金を命じる根拠条文である。ここで知っておくべき分岐がある。価格を操る「支配型」なら売上の10%、ライバルを締め出す「排除型」なら6%。この4ポイントの差が、数十億円規模の事件では数億円を左右する。さらに2019年改正で、違反対象の売上だけでなく「密接関連業務」の対価や、子会社が稼いだ分まで算定基礎に取り込まれるようになった。「この取引は子会社がやったから本体は関係ない」という言い逃れは、もう通用しない。課徴金額が100万円未満なら命じられないが、私的独占でその水準に収まることはまずない。あなたが法務担当なら、引当金をどの桁で積むかは、この条文の読み方で決まる。
独占禁止法 7 条の 9 は、私的独占に対する課徴金の賦課根拠を定める規定である。他の事業者の事業活動を支配する支配型については実行期間の売上額に 10 パーセントを、排除する排除型については違反行為期間の売上額に 6 パーセントを乗じた額を課徴金とし、公正取引委員会が国庫への納付を命じる。
他の事業者の事業活動を支配または排除して市場を実質的に制限する行為です。独占禁止法 3 条が禁止し、7 条の 9 が課徴金の対象とします。
支配型は実行期間の売上額の 10 パーセント、排除型は違反行為期間の売上額の 6 パーセントです。算定額が 100 万円未満なら命じられません。
支配型は他社の価格や供給を実質的に操る行為で 10 パーセント、排除型はライバルを市場から締め出す行為で 6 パーセント。率が 4 ポイント違います。
本条ただし書により、算定額が 100 万円未満のときは納付を命じることができません。ただし私的独占でこの水準に収まることはまれです。
違反行為がなくなった日から 7 年です。2019 年改正で 5 年から 7 年に延長されました。過ぎると課徴金を命じられません。
課徴金納付命令を出す前に、名宛人が算定基礎などについて反論できる手続です。命令後の取消訴訟より、この段階で争う方が算定額を削りやすいとされます。
ありません。課徴金減免制度は不当な取引制限(カルテル)に適用され、私的独占には減免の仕組みがない点が実務上の大きな違いです。
違反対象の商品・役務の製造・販売・管理などに密接に関連する業務です。2019 年改正で、その対価も課徴金の算定基礎に取り込まれました。
率は支配型私的独占もカルテルも売上の 10% で同じだが、排除型私的独占は 6% と低い(独占禁止法 7 条の 9)。だが本当の差はリーニエンシー(課徴金減免制度、7 条の 4)にある。カルテルなら自主申告で最大全額免除を狙えるのに、私的独占にはこの制度がない。業界裏話ヒント:だから当局対応の初期段階で、行為を私的独占と不当な取引制限のどちらに整理するかが、課徴金の運命を分ける
別物である。課徴金は不当な利益を国が取り上げる行政上の措置で、刑事罰(私的独占は独占禁止法 89 条、5 年以下の拘禁刑または罰金)とは併科されうる。最高裁は両者の併科が二重処罰の禁止(憲法 39 条)に反しないとしている。業界裏話ヒント:私的独占の刑事告発は極めて稀だが、悪質と判断されれば公取委が検事総長に告発し、課徴金とは別軌道で刑事手続が進む
2019年(令和元年)改正で算定基礎が大きく広がり、違反対象の売上だけでなく、密接関連業務の対価や、違反に関わった子会社等が得た売上まで取り込まれるようになった(独占禁止法 7 条の 9 第 1 項)。業界裏話ヒント:グループ再編で算定基礎を逃がす手口を封じる設計だ。だから課徴金の引当金は単体ではなく連結ベースで見積もらないと、桁を間違える
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 課徴金率 | 支配型 10%/排除型 6%(7 条の 9) | — |
| 対象行為 | 私的独占(事業活動の支配・排除) | — |
| 課徴金減免(リーニエンシー) | 適用なし(減免制度の対象外) | — |
| 算定基礎 | 売上額+密接関連業務の対価+子会社等の売上(2019 年改正で拡大) | — |
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