要点独占禁止法 7 条の 8 は、カルテルの課徴金責任が組織再編で消えないと定める。合併なら存続会社、事業承継なら子会社が引き継ぎ、実行期間終了から 7 年で公取委は命じられなくなる。
Q · 会社を合併で消してしまえば、カルテルの課徴金から逃げられるの?
逃げられない。合併先が課徴金を引き継ぐ
独占禁止法 7 条の 8 第 3 項により、違反行為をした会社が合併で消滅しても、違反行為も課徴金命令も合併後の存続会社・新設会社が引き継いだものとみなされます。違反事業を子会社に切り出して本体を畳んでも、その特定事業承継子会社等が引き継ぎ、複数あれば連帯して課徴金を負います(4 項)。ただし実行期間の終了から 7 年を過ぎると、公正取引委員会は課徴金を命じられません(6 項)。組織再編では逃げられませんが、時間の壁だけは味方になり得ます。
カルテルや談合がバレた。会社は課徴金を命じられそうだ。そこで経営陣はこう考える。「会社を別会社に合併させて消してしまえば、課徴金から逃げられるのではないか」。あるいは「違反に関わった事業だけ子会社に切り出して、本体を畳めばいい」。独占禁止法 7条の8 は、その逃げ道を一つずつ塞ぐ条文だ。合併で消滅しても、違反行為も課徴金命令も合併後の存続会社・新設会社が引き継いだものとみなされる(3項)。事業を子会社に譲渡・分割して本体を消しても、その子会社(特定事業承継子会社等、つまり違反事業を引き継いだ子会社)が違反したものとみなされ、複数あれば連帯して課徴金を負う(4項)。さらに知っておくべきは 6項だ。違反行為の実行期間が終わった日から 7年が過ぎると、公正取引委員会はもう課徴金を命じられない。組織再編で逃げ切ることはできないが、時間だけは味方になりうる。M&A で会社を買うとき、この条文を知らずにいると、売り手が抱えていた課徴金リスクを丸ごと引き受けることになる。
独占禁止法 7 条の 8 は、課徴金の納付義務とその承継および除斥期間を定める規定である。カルテル等の違反事業者が合併で消滅した場合は存続会社・新設会社が、事業承継により合併以外の事由で消滅した場合は特定事業承継子会社等が、それぞれ違反行為と課徴金命令を承継したものとみなす。実行期間の終了から 7 年の経過により課徴金の賦課権限は消滅する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
実行期間の終了日から 7 年です(7 条の 8 第 6 項)。起算点は違反の発覚日や命令日ではなく実行期間の終了日で、令和元年改正で 5 年から 7 年に延長されました。
違反事業を譲受・分割承継した子会社で、本体が合併以外の事由で消滅した場合に違反行為と課徴金命令を承継します(4 項)。複数あれば連帯責任です。
課徴金は不当利得を剥奪する行政上の措置で前科はつきません。罰金は刑罰で前科がつきます(独禁法 89 条)。同じカルテルで二本立てになりえます。
リーニエンシーです。調査開始前に最初に申告した事業者は全額免除、以降は順位に応じて減免されます(7 条の 4)。早い者勝ちのチキンレースです。
逃げられません。違反事業を子会社に分割承継させ本体を消しても、特定事業承継子会社等が引き継ぎます(4 項)。
1 万円未満の端数は切り捨てられます(2 項)。算定率を乗じた額の端数処理として実務上重要です。
買収先の過去のカルテル関与と実行期間の終了日を調査し、7 年の起算点から残期間を計算します。表明保証とエスクローでリスクを留保します。
公正取引委員会です。7 条の 2 以下の算定に基づき納付命令を出します。実行期間の終了から 7 年経過後は命じられません(6 項)。
実行期間が終了した日から7年が経過していれば、公正取引委員会は課徴金を命じられません(7条の8第6項)。ただし起算点は「実行期間の終了日」であって違反開始日ではない点に注意。長期間続いた談合だと終了日が後ろにずれ、まだ7年経っていないことがあります。業界裏話ヒント:この期間は令和元年(2019年)改正で5年から7年に延長されました。古い案件と新しい案件で適用が分かれるため、「5年経ったから安全」という昔の常識は通用しません。(最新の改正状況をご確認ください)
消えません。7条の8第3項で、消滅した会社の違反行為も課徴金命令も、合併後の存続会社・新設会社が引き継いだものとみなされます。違反事業を子会社に切り出して本体を畳んでも、その子会社が引き継ぎます(4項)。業界裏話ヒント:この規定があるからこそ、M&Aのデューデリジェンスでは競争法違反歴が最重要チェック項目になります。買収先の過去のカルテルは、買った会社が払う羽目になる。売買契約の表明保証とエスクローで防御するのが実務の定石です
組織再編では逃げられませんが、合法的に減らす道はあります。課徴金減免制度(リーニエンシー、独占禁止法 7条の4)です。公取委の調査開始前に最初に違反を申告した事業者は全額免除、以降も順位に応じて減免されます。業界裏話ヒント:カルテルは複数社が関与するため、減免は早い者勝ちのチキンレースです。一社が抜け駆けで申告した瞬間、残りの会社は満額の課徴金を負う。社内で違反の兆候を掴んだら、同業他社が動く前に駆け込めるかが命運を分けます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 法的性質 | 7 条の 8:課徴金の承継と除斥期間を定める規定 | — |
| 目的 | 組織再編による制裁の空洞化防止+法的安定性の確保 | — |
| 前科の有無 | なし(行政上の措置) | — |
| 時間的制限 | 実行期間の終了から 7 年(6 項の除斥期間) | — |
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