検察庁法 第12条
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検事総長、検事長又は検事正は、その指揮監督する検察官の事務を、自ら取り扱い、又はその指揮監督する他の検察官に取り扱わせることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 検察庁法第12条は、日本の検察庁法に含まれる条文です。
- 検察庁法第12条の条文原文は「検事総長、検事長又は検事正は、その指揮監督する検察官の事務を、自ら取り扱い、又はその指揮監督する他の検察官に取り扱わせることができる。」で始まります。
- 検察庁法の公布日は昭和22年4月16日です。
- 検察庁法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 検察庁法第12条の前の条は検察庁法第11条です。
- 検察庁法第12条の次の条は検察庁法第13条です。
- 検察庁法第12条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)第12条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000061 - 本サイト収録
検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)第12条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000061/12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点検察庁法12条は、検事総長・検事長・検事正が、指揮監督する検察官の事務を自ら取り扱い、または他の検察官に取り扱わせることができると定める規定である。
Q · 捜査の途中で担当検事が替わることはあるの?
替わりうる。上司が事件を引き取り、別の検事に移せる
検察庁法12条により、検事総長、検事長、検事正は、指揮監督する検察官の事務を自ら取り扱うことも、別の検察官に取り扱わせることもできます。担当が替わっても手続は最初からやり直しにはならず、前任者の捜査や供述調書はそのまま後任に引き継がれます(検察官同一体の原則)。刑事訴訟法には検察官を忌避する制度がないため、当事者が交代を権利として求めることはできません。
解説
検察官は一人ひとりが独立した「官庁」(自分の名前で起訴・不起訴を決められる国の機関)である。それなのに、担当検事が途中で交代することがある。その仕組みが本条だ。検事総長、検事長、検事正は、部下の検察官が扱っている事件を自分で引き取ることができる(事務引取権)。別の検察官に回すこともできる(事務移転権)。ここで押さえておきたいのは、担当が替わっても手続は最初からやり直しにならない、という点だ。前任者が作った供述調書も、進めていた捜査も、そのまま後任に引き継がれる。検察官全体が一つの組織として動くというこの考え方を「検察官同一体の原則」と呼ぶ。事件の当事者から見ると、担当が替わったことは、方針が見直される合図かもしれない。一方で、前任者とのやり取りがそのまま記録に残っていることも意味する。「担当者が替わったから一からやり直せる」と考えて供述を変えると、前の調書と食い違っていることがそのまま問題になる。
法的な位置づけ
検察庁法12条は、検事総長、検事長または検事正が、その指揮監督する検察官の事務を自ら取り扱う権限(事務引取権)と、指揮監督する他の検察官に取り扱わせる権限(事務移転権)を定める規定である。検察官同一体の原則を支える中核規定とされ、担当者が交代しても手続の効力は維持される。
よくある質問 AI による整理
Q1事務引取移転権とは何ですか?
検事総長・検事長・検事正が、部下の検察官が扱う事件を自ら引き取る権限(引取)と、別の検察官に担当させる権限(移転)を合わせた呼び方です。根拠は検察庁法12条です。
Q2検察官同一体の原則とは?
検察官は一人ひとりが独立した官庁でありながら、上命下服の指揮監督系統のもとで一体として活動するという原則です。検察庁法7〜12条がその根拠とされています。
Q3担当検事が異動したら事件はどうなる?
事件は消えず、後任の検察官が引き継ぎます。前任者の捜査結果や供述調書はそのまま効力を持つため、手続が最初からやり直しになることはありません。
Q4担当検事の名前を知る方法は?
告訴人や弁護人は、事件を扱う検察庁に問い合わせて担当者を確認するのが一般的です。担当が替わった場合も、後任の名前を確認しておくと書面を届けやすくなります。
Q5区検察庁の検察官の事件も引き取れる?
検事正は、地方検察庁に対応する区検察庁の検察官も指揮監督するため、その事務を引き取ったり移したりできます。検事長・検事総長も指揮監督の範囲内で同様です。
Q6事務引取移転権は誰が持っている?
条文上は検事総長、検事長、検事正の三者です。いずれも自分が指揮監督する検察官の事務に限られ、指揮監督の範囲外の検察官の事件には及びません。
Q7法務大臣は担当検事を替えられる?
替えられません。法務大臣が個々の事件の取調べや処分について指揮できるのは検事総長のみです(検察庁法14条)。本条の権限は法務大臣には与えられていません。
Q8担当替えで起訴の判断は変わる?
処分が決まる前なら、後任の判断や上司の意向で方針が見直される可能性はあります。一方で、すでにされた起訴は担当が替わっても取り消されません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1担当の検事がどうしても信用できないんですが、替えてもらえますか?
刑事訴訟法には、裁判官に対する忌避(21条)はあるが、検察官を忌避する制度はない。権利として交代を求めることはできない。ただ、担当を替える権限は本条により検事正などの上司にあるため、弁護人を通じて上司に具体的な事実を添えた書面で申し入れることはできる。実務のポイント:感情的な苦情より、取調べの日時と発言内容を記録した書面のほうが上司の目に留まりやすい
Q2不起訴になったあと、上の検察庁にもう一度調べてもらうことはできますか?
上級庁の検察官は、指揮監督の範囲内で事務を引き取ったり移したりできる(本条)。そのため、告訴人が上級庁に再検討を求める上申をすること自体は可能である。ただし法律上の不服申立て手続ではない。制度として用意されているのは検察審査会への審査申立てだ。実務のポイント:上申書と並行して検察審査会にも申し立てる二本立てが実務の定石。起訴議決まで進めば、検察の判断とは関係なく起訴される
間違えやすい点 AI による整理
- 起訴・不起訴は担当検事が一人で決めていると思われがちだが、法律上は各検察官に決定権限があっても、実務では上司の決裁を経るのが通例である。そのうえ本条により、上司は事件そのものを取り上げることもできる。個々の判断は独立しているが、最終的には組織のものになる
- 「担当が替わったのだから前の取調べはリセットされる」という期待は、そもそも前提が間違っている。検察官同一体の原則により、前任者の捜査や調書はそのまま効力を持ち続ける。裁判官が替わったときの「公判手続の更新」にあたる手続は、検察官の交代には存在しない
- 被疑者の側から見れば、担当替えは相手が変わったというだけの話だ。しかし検察組織の側から見ると、担当替えは上司が事件に直接手を入れた痕跡であることが多い。このずれに気付かず、交代後も同じ構えで臨むと、方針が変わったことを読み取れない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 権限の内容 | 12条:部下の事務を自ら引き取る・他の検察官に移す | 7〜9条:検事総長・検事長・検事正による職員の指揮監督 14条:法務大臣による検察官の一般的指揮監督 |
| 個別事件への介入 | 事件そのものを取り上げ、担当者を差し替えられる | 指示・監督を通じて事件処理に関与できる 個々の事件は検事総長のみを指揮できる |
| 権限の主体 | 検事総長・検事長・検事正 | 各検察庁の長(検事総長・検事長・検事正) 法務大臣 |
他国ではどう定めているか 4 か国
検察総長・検察長が指揮監督する検察官の事務を自ら処理し、または他の検察官に移転できると定める。日本の本条とほぼ同じ構造である。
検察総長・各級検察庁の検事長・支庁長が、所属検事の職務を自ら処理し、または他の検事に処理させられると定める。
上級検察官が管内の検察事務を自ら引き受け、または他の検察官に委ねられる。「Devolution」「Substitution」と呼ばれ、日本の本条の祖型にあたる。
司法長官が連邦検事を指揮監督する。日本のような独任制官庁の構造ではなく、司法省の行政的な指揮系統として整理されている。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 告訴してから一年経っても音沙汰がない。問い合わせると、担当検事は異動したので後任が引き継いだ、という答えだった。事件そのものは消えていない。ただ、後任が記録を読み込むまで進みが止まることは珍しくない。後任の名前を確認し、告訴の要点と追加の証拠を改めて書面で届けることで、後任が事件を把握しやすくなる
- 家族が被疑者になり、担当検事の取調べが威圧的だと感じたら、担当を替えてもらうことはできるのか? 刑事訴訟法には、検察官を忌避する(公正を疑って担当から外すよう求める)制度がない。それでも、担当を替える権限は本条で検事正などの上司が持っている。弁護人を通じて上司に事情を伝え、書面で申し入れる道は残されている
学説
通説:検察官は独任制官庁であるが、検察庁法の指揮監督規定と本条の事務引取移転権により一体として活動する(検察官同一体の原則)。担当交代後も手続の効力は維持され、裁判官交代時の公判手続の更新に相当する手続は不要とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:検察庁法の制定(昭和22年法律第61号)に伴い新設。裁判所構成法の廃止に伴い、検察官の組織と権限を独立の法律として定めた。
- 検察庁法 第4条検察官の職務権限の基本規定
- 検察庁法 第7条検事総長の指揮監督権
- 検察庁法 第8条検事長の指揮監督権
- 検察庁法 第9条検事正の指揮監督権
- 検察庁法 第14条法務大臣の指揮権とその限界
- 刑事訴訟法 第247条検察官による公訴提起の原則
- 検察審査会法 第2条不起訴処分への外部審査
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