食品衛生法 第88条
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- 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。ただし、その人が食品衛生管理者として、前条の規定により罰金刑を科せられるべきときは、その人については、この限りでない。
- 一第八十一条又は第八十二条(第十三条第二項(第六十八条第一項及び第二項において準用する場合を含む。)又は第三項、第十九条第二項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)及び第二十条(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定に係る部分に限る。)1一億円以下の罰金刑2
- 二第八十二条(第十三条第二項(第六十八条第一項及び第二項において準用する場合を含む。)又は第三項、第十九条第二項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)及び第二十条(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定に係る部分を除く。)、第八十三条又は第八十五条1各本条の罰金刑2
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 食品衛生法第88条は、日本の食品衛生法に含まれる条文です。
- 食品衛生法第88条の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その…」で始まります。
- 食品衛生法第88条は第十一章に置かれています。
- 食品衛生法の公布日は昭和22年12月24日です。
- 食品衛生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 食品衛生法第88条の前の条は食品衛生法第87条です。
- 食品衛生法第88条の次の条は食品衛生法第89条です。
- 食品衛生法第88条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第88条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000233 - 本サイト収録
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第88条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000233/88
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点食品衛生法88条は両罰規定であり、従業者が業務に関し違反したとき行為者とともに事業主も罰する。法人は81条違反等で一億円以下の罰金となる。
Q · 従業員が食品衛生法に違反したら、会社も罰せられるの?
罰せられる。事業主が監督を尽くしたと示さない限り責任を負う
食品衛生法88条により、従業者が業務に関して81条などに違反すると、行為者本人に加えて会社にも罰金が科されます。法人の場合、81条違反や規格基準・残留農薬・表示基準・虚偽誇大表示の違反では上限が一億円です。判例は事業主に選任・監督上の過失があったと推定する立場(最大判昭和32年11月27日)を取っており、社長が知らなかったというだけでは免責されず、監督を尽くしたことを事業主側が示す必要があります。
解説
同じ規格外の食品を売っても、請求される罰金の上限は、売ったのが個人商店か株式会社かで大きく変わる。食品衛生法88条は「両罰規定」である。従業員やパート、代表者が業務として違反したとき、違反した本人を罰するだけでなく、その事業主にも罰金を科す。事業主が個人の場合は各本条の罰金にとどまる。たとえば81条なら300万円以下である。ところが法人の場合、81条違反と、82条のうち特定の違反では、上限が一億円まで跳ね上がる。82条のうち対象になるのは、規格基準違反(13条2項)、残留農薬のポジティブリスト違反(13条3項)、表示基準違反(19条2項)、虚偽・誇大表示(20条)である。これを「法人重科」という。「社長は知らなかった」は、そのままでは免罪符にならない。判例は、事業主が従業員の選任・監督で注意を尽くさなかったと推定する立場を取っている。つまり事業主の側が「注意を尽くした」ことを立証しない限り、責任を免れない。現場のアルバイトがひとつ手を抜けば、会社の決算書が揺らぐ。売上規模を問わず、食品を扱う法人の経営者はこの構造を知っておく必要がある。(金額は最新の改正状況をご確認ください)
法的な位置づけ
食品衛生法88条は、法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が法人又は人の業務に関し所定の罰則規定に違反した場合に、行為者に加えて事業主である法人又は人にも罰金刑を科す両罰規定である。法人については一定の違反につき一億円以下の罰金に加重する法人重科を採用し、事業主が食品衛生管理者として87条により処罰される場合は適用を除外する。
よくある質問 AI による整理
Q1両罰規定とは何ですか?
従業者が業務に関して違反行為をしたとき、行為者本人だけでなく、その事業主である法人や個人にも罰金を科す規定です。食品衛生法では88条が該当します。
Q2食品衛生法違反で法人の罰金はいくらまで?
81条違反と、82条のうち規格基準・残留農薬・表示基準・虚偽誇大表示に係る違反は一億円以下です。それ以外の82条・83条・85条違反は各本条の罰金額です。
Q3食品衛生法 両罰規定 個人事業主にも適用される?
適用されます。ただし個人事業主に科されるのは各本条の罰金刑で、一億円の法人重科は法人のみが対象です。
Q4法人重科とは?
両罰規定で法人に科す罰金の上限を、行為者個人の罰金より大幅に高く設定する仕組みです。食品衛生法88条では一部の違反で一億円以下とされています。
Q5食品衛生法違反 会社 免責される?
判例上、事業主の過失は推定されます。従業者の選任・監督に必要な注意を尽くしたことを事業主側が示せれば、処罰を免れる余地があります。
Q6食品衛生法違反の公訴時効はいつまで?
81条・82条違反などの罰金刑を含む罪は、おおむね犯罪行為が終わった時から3年とされます(刑事訴訟法250条2項6号)。最新の改正状況をご確認ください。
Q7食品衛生管理者が罰せられたら事業主も罰せられる?
事業主本人が食品衛生管理者として87条で罰金刑を科されるべきときは、88条による事業主としての処罰は重ねて科されません(本条ただし書き)。
Q8両罰規定で従業員は罰せられないの?
罰せられます。88条は「行為者を罰するほか」と定めており、違反した従業員本人も各本条で処罰され、事業主への罰金はそれとは別に科されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1パートさんが勝手にやったことで、なんで会社まで罰金なんですか?
食品衛生法88条は、従業者が業務に関して違反したとき、行為者と並べて事業主も罰すると定めている。判例は、事業主に選任・監督上の過失があったと推定する立場である(最大判昭和32.11.27)。実務のポイント:推定を崩す決め手は、注意していたという言い分ではなく、日付入りの研修記録と点検表である。記録のない会社は、ほぼ争えない
Q2個人でやってる店なら、1億円の罰金は関係ないですよね?
関係ない。本条は、法人には各号で定める罰金(最高一億円)を科し、個人事業主には各本条の罰金を科すと定めている。81条なら300万円以下である。実務のポイント:法人成りを勧める税理士や記帳代行業者は、この上限の跳ね上がりまでは説明しないことが多い。会社を作る日が、衛生管理の記録体制を作る期限だと考えておく(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「両罰規定は会社が身代わりに払う制度だ」と思われがちだが、代わりに払うのではない。行為者の従業員も罰せられ、会社も別に罰せられる。二重に処罰される構造であり、従業員を切り捨てても会社の責任は消えない
- 罰金の存在は知っていても、その規模を知らない人が多い。81条の本人向け罰金が300万円以下であるのに対し、法人への上限は一億円である。中小の食品メーカーなら、年間の純利益を丸ごと失いかねない水準である
- 「社長が知らなければ会社は無罪だ」という発想そのものが外れている。問われているのは社長が知っていたかどうかではなく、選任・監督で注意を尽くしたかどうかである。しかも判例上、注意を尽くしたことの立証責任は事実上、事業主の側にある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰の対象 | 88条:違反行為者に加え、事業主である法人又は人 | 81条:違反行為をした者本人 87条:食品衛生管理者本人 |
| 罰金の上限 | 法人は81条違反等で一億円以下、個人事業主は各本条の罰金 | 行為者は300万円以下の罰金(拘禁刑との選択・併科あり) 同条所定の罰金刑 |
| 責任の根拠 | 従業者の選任・監督上の過失(判例上推定) | 行為者自身の違反行為 食品衛生管理者としての義務違反 |
| 重複処罰の調整 | 事業主が87条で罰せられるべきときは本条を適用しない | 調整規定なし 88条ただし書きの前提となる規定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も行為者のほか法人・自然人事業主を罰する両罰規定を置き、法人等には各項の罰金の数倍までを科す加重方式を採る
韓国も両罰規定を置き、事業主が相当な注意と監督を怠らなかった場合は免責するただし書きを明文化している
ドイツには法人の刑事責任がなく、監督義務違反を媒介に法人へ秩序違反金(Geldbuße)を科す行政制裁方式で対応する
米国は法人処罰に加え、責任ある地位の役員個人を故意なしに処罰しうる Responsible Corporate Officer Doctrine を判例で確立している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 輸入担当の社員が、残留農薬の検査結果を確認しないまま海外産の冷凍野菜を出荷した。社長は報告すら受けていない。それでも会社は13条3項違反として両罰規定の対象になり、罰金の上限は一億円である
- もし工場長が独断で、指定されていない添加物を「前から使っていたから」と使い続けていたとしたら、会社はどこまで責任を負うのか? 行為者の工場長が罰せられるのに加えて、会社には81条違反で一億円以下の罰金が科されうる。社内規程があっただけでは足りない。実際に監督していた記録がなければ、推定された過失を覆すのは難しい
- あなたは小さな洋菓子店の個人事業主で、来月には法人成りする予定である。同じミスをしても、罰金の上限は法人成りの前後で数十倍違う。定款を作る前に、衛生管理の記録体制を整えておくべきである
- ECで健康食品を売る会社のマーケ担当が、公衆衛生に危害を及ぼしかねない誇大な広告文を出した。20条違反の行為者は担当者本人だが、請求書が届くのは会社である
- 保健所の立入検査で規格違反を指摘された。告発されるかどうかが決まるまで、残された時間は短い。改善記録と監督体制の証拠を、今週のうちにまとめておく必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 健康被害や表示違反の食品を買ったら、現物、レシート、パッケージ写真を保全する2. 管轄の保健所に通報する。行政処分(営業停止や回収命令など、役所が事業者に直接下す決定)や告発のきっかけになる3. 健康被害の損害賠償は、刑事の罰金とは別の軌道になる。民法709条、または製造物責任法3条で、行為者個人ではなく資力のある法人に請求する
訴えられた側:1. 事業主として立件されそうなら、まず選任・監督の記録を集める。研修記録、マニュアル、点検表、是正指示などである2. 行為者の従業員と会社では利害が対立しうるので、弁護人を分けることを検討する3. 自主回収と原因究明を先に進め、再発防止策を書面化する。起訴するかどうかや量刑の判断に影響する4. 自分が食品衛生管理者として87条で罰せられる立場なら、本条ただし書きで二重には罰せられないことを確認する
時効(請求できる期限):特定の民事時効はない。刑事の公訴時効は、81条・82条違反などの行為者罰(長期5年未満の拘禁刑または罰金)ではおおむね3年で、犯罪行為が終わった時から起算する(刑事訴訟法250条2項6号、253条)。法人の罰金についても同様に解されるのが一般的だが、最新の改正状況をご確認ください
学説
過失推定説(判例・通説):事業主処罰の根拠は従業者の選任・監督上の過失であり、その過失は推定される。事業主が注意を尽くしたことを証明すれば免責される余地がある
無過失責任説(旧大審院判例):事業主は従業者の違反について過失の有無を問わず責任を負うとする立場。責任主義に反するとの批判を受け、最高裁で過失推定説に改められた
純過失説:責任主義を徹底し、事業主の過失は検察官が立証すべきであり推定は許されないとする少数説
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)改正(要検証) 食品安全への信頼が揺らいだことを受けた改正で、法人に対する罰金の上限を一億円に引き上げる法人重科が導入されたとされる
- 平成30年(2018年)改正(要検証) HACCPの制度化など大規模な改正に伴って条文番号が繰り下がり、現行の88条として両罰規定が整理されたとされる
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:食品衛生法(昭和22年法律第233号)制定
- 2.平成15年(2003年) 改正:食品安全への信頼確保を目的とする改正で、法人に対する罰金上限を一億円とする法人重科が導入されたとされる(要検証)
- 3.平成30年(2018年) 改正:HACCP 制度化等を含む改正に伴い条文番号が整理され、両罰規定が現行88条となったとされる(要検証)
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