金融商品取引法 第79条(役職員の秘密保持義務等)
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第七十二条の規定は、認定協会の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者について準用する。
この条文の基本情報
役職員の秘密保持義務等とは何ですか?
定義役職員の秘密保持義務等とは、金融商品取引法第79条に定められた規定で、「第七十二条の規定は、認定協会の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者について準用する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 金融商品取引法第79条(役職員の秘密保持義務等)は、日本の金融商品取引法に含まれる条文です。
- 金融商品取引法第79条の条文原文は「第七十二条の規定は、認定協会の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者について準用する。」で始まります。
- 金融商品取引法第79条は第一款 認定及び業務に置かれています。
- 金融商品取引法の公布日は昭和23年4月13日です。
- 金融商品取引法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 金融商品取引法第79条の前の条は金融商品取引法第78条の8です。
- 金融商品取引法第79条の次の条は金融商品取引法第79条の2です。
- 金融商品取引法第79条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第79条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000025 - 本サイト収録
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第79条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000025/79
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点金融商品取引法79条は、同法72条を準用し、認定金融商品取引業協会の役員・職員および元職員に、職務上知り得た秘密の漏示と盗用を禁じる。条文に終期の定めはない。
Q · 協会を辞めたあとでも、在職中に見た会員社の情報は話しちゃダメなんですか?
退職後も義務は続き、条文に終わりの日はありません
金融商品取引法79条は、同法72条の秘密保持義務を認定金融商品取引業協会に準用します。対象は認定協会の役員・職員に加え、「これらの職にあつた者」、つまり退職者・転職者も含まれます。禁止されるのは職務上知り得た秘密の漏示と、自己または第三者の利益のための盗用です。条文に義務の終期が定められていないため、退職から何年経っても義務そのものは残ります。ただし公益通報者保護法の要件を満たす通報は、別の法律によって保護されます。
解説
たった一行の条文が、業界団体を辞めた人の口を生涯ふさぐ。金融商品取引法79条は「第七十二条の規定は、認定協会の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者について準用する」とだけ書く。準用とは、別の条文を読み替えて当てはめる立法テクニックで、72条の「認可協会」を「認定協会」に置き換えて読む。つまり日本投資顧問業協会、投資信託協会、第二種金融商品取引業協会といった認定金融商品取引業協会の役員・職員は、職務上知り得た秘密の漏示と盗用(自分や第三者の利益のために使うこと)を禁じられる。ここで効くのが「これらの職にあつた者」の六文字だ。あなたが転職しても、退職しても、義務は追いかけてくる。しかも期限が書かれていない。前職で見た会員社の検査資料、苦情処理の中身、処分の検討過程。それを新しい職場の面接で実績として語った瞬間、あなたは条文の射程内に入る。
法的な位置づけ
金融商品取引法79条は、同法72条の秘密保持義務を認定金融商品取引業協会に準用する規定である。対象は認定協会の役員および職員のほか、これらの職にあった者を含む。禁止される行為は、職務上知り得た秘密の漏示と、自己または第三者の利益を図る目的での盗用であり、義務の存続期間について条文上の定めはない。
手順
- 1.退職前に持出可否と返却範囲を書面で確定する 在職中に扱った検査資料・苦情処理記録・処分検討メモについて、返却するもの、削除するもの、持ち出しが許されるものを一覧化し、協会の担当部署にメールで確認と回答を取る。口頭確認だけで退職すると、後日「黙示の許諾があった」という主張は事実上立証できない
- 2.個人端末・クラウドの残存データを棚卸しする 業務で使用した個人のメールボックス、チャット履歴、クラウドストレージ、手元の手帳やメモまで対象に、会員社の非公表情報が残っていないか点検し、削除ログを保存する。物理的に持っていない状態を作ることが、事後の盗用主張への最大の防御になる
- 3.転職先で話せる範囲の線引きをつくる 公表済み資料に基づく一般論、協会の公開ルールの解説はよいが、特定の会員社が識別できる事実、非公表の処分検討経緯、苦情の具体的内容は話さない。面接・入社後の業務説明でも同じ基準を適用し、線引きをメモとして残しておく
- 4.不正を外に出す必要があるときは通報先と順序を先に決める 内部の不正を告発する場合、79条の守秘義務ではなく公益通報者保護法の要件を満たすかで保護の有無が決まる。内部窓口、行政機関(金融庁等)、報道機関の順に要件が重くなるため、原則として行政機関を先に選び、通報日時と内容の記録を残す
よくある質問 AI による整理
Q1準用とはどういう意味ですか?
他の条文を、対象や用語を読み替えて当てはめる立法技術です。79条では72条の「認可協会」を「認定協会」と読み替えて適用します。条文を書き写さずに規律だけを引き込む手法です。
Q2認定金融商品取引業協会にはどんな団体がありますか?
日本投資顧問業協会、投資信託協会、第二種金融商品取引業協会などが代表例です。内閣総理大臣の認可を受けた日本証券業協会(認可協会)とは制度上の位置づけが異なります。
Q3金融商品取引法72条には何が書かれていますか?
協会の役員・職員およびこれらの職にあった者に対し、職務上知り得た秘密を漏らし、または自己もしくは第三者の利益のために盗用してはならない旨を定める規定です。79条はこれを準用します。
Q4協会職員の守秘義務違反に罰則はありますか?
金融商品取引法は秘密保持義務違反に罰則規定を置いていますが、適用条文と法定刑は改正で変動するため、最新の条文確認が必要です。あわせて協会内部の懲戒、民事の損害賠償も並行して問題になります。
Q5協会を辞めて同業他社に転職しても大丈夫ですか?
転職自体は自由ですが、79条の義務は職を離れた者にも及びます。前職で見た検査資料や苦情処理の内容を新しい職場で使えば、漏示または盗用と評価される可能性があります。
Q6業界セミナーで前職の事例を話すのは違法ですか?
社名を伏せても、関係者が具体的に特定できる程度の情報であれば開示と評価されうるため危険です。公表済みの資料に基づく一般論に限定し、登壇前に主催者と範囲を文書で確認しておくのが安全です。
Q7公知になった情報なら話してもいいですか?
非公知性が失われれば秘密性の前提は崩れますが、その判定は事後に第三者が行います。報道された部分と自分が知っている周辺事情は範囲が異なるため、自己判断は避け、公表日付を特定できる資料で裏づけてください。
Q8協会に提出した社内資料は守られますか?
79条が準用する72条により、提出先の役職員には秘密保持義務が及びます。提出時の送り状や受領記録を残しておくと、流出が疑われたときに責任追及の起点を確保できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1協会を辞めてもう5年経つんですけど、当時の話はもう時効じゃないんですか?
時効という発想が当てはまらない。79条が準用する72条は「これらの職にあつた者」を名指しし、期間の定めを置いていないため、5年でも20年でも義務は残る。消えるのは義務ではなく、漏らした事実を相手が立証できる可能性だけである。実務のポイント:実務で問題になるのはほぼ転職先での発言と業界セミナーの事例紹介で、社名を伏せても関係者が特定できる具体性なら開示と評価されうる
Q2協会の中で見た不正を告発したら、守秘義務違反で逆に自分がやられるんですか?
守秘義務があっても、公益通報者保護法の要件を満たす通報は保護される。同法は2022年6月施行の改正で、退職後1年以内の退職者と役員も通報者に加えた。通報先が内部窓口、金融庁などの行政機関、報道機関のどれかで、要求される要件が段階的に重くなる。実務のポイント:迷ったら報道ではなく行政機関へ。外部公表は保護要件が最も厳しく、順番を間違えると保護の外に出る
Q3認可協会と認定協会って、そもそも何が違うんですか?
日本証券業協会は内閣総理大臣の認可を受けた認可金融商品取引業協会、日本投資顧問業協会・投資信託協会・第二種金融商品取引業協会などは認定金融商品取引業協会である(金融商品取引法78条以下)。認定協会には認可協会向けの規定が直接適用されないため、79条が72条を準用して守秘義務だけを引き込んでいる。実務のポイント:準用されている条文の一覧を見ると、その団体にどこまで公的性格が認められているかが読める。準用されていない条文こそ権限の限界を示す
間違えやすい点 AI による整理
- 「退職したら義務も終わる」ではなく、そもそも条文が「これらの職にあつた者」を名指ししている。多くの人はここまでは知っている。知られていないのは、この義務に終了時期の定めが一切ないという深刻さだ。競業避止義務が年単位で切れるのに対し、こちらは切れる日が条文に存在しない
- 「守秘義務契約にサインしていないから自由に話せる」という問いの立て方そのものが誤っている。義務の根拠は契約ではなく法律であり、契約書の有無も退職時の合意内容も、79条の適用を左右しない
- あなたから見れば「一部は報道されたから、もう公知の話」だが、法から見れば公知性の有無は事後に第三者が判定する。報道された部分と、あなたが知っている周辺事情は同じ範囲ではない。この落差を自分で判定してしまった人が、事後に反証できず追い込まれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用される団体 | 79条:認定金融商品取引業協会(日本投資顧問業協会、投資信託協会など) | 72条:認可金融商品取引業協会(日本証券業協会) 78条:認定協会の認定要件そのものを定める規定 |
| 条文の性質 | 準用規定(72条を読み替えて適用) | 本体規定(秘密保持義務の実体を定める) 組織規定(団体の法的地位を画する) |
| 義務の対象者 | 認定協会の役員・職員、およびこれらの職にあった者 | 認可協会の役員・職員、およびこれらの職にあった者 対象者規定なし(団体の認定基準) |
| 実務上の争点 | 退職者の発言範囲、転職先での情報利用、セミナー登壇 | 同左(認可協会側で同じ構造の問題が生じる) どの規定が準用されるかが団体の公的性格を示す |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も同業公會による自律規制を採るが、職員の保密義務を法律で名指しする条文は置かず、公會章程と營業秘密法に委ねる点で日本と構造が異なる
韓国は한국금융투자협회を単一の自主規制団体として法定し、職務関連情報の利用禁止を本法に明文で置く。日本のような認可・認定の二層構造は取らない
ドイツは民間自主規制協会ではなく BaFin による行政監督が中心であり、守秘義務は監督当局の職員に対して課される。日本の79条に相当する準用構造は存在しない
米国は SRO を法定しつつ、職員の守秘は SRO 自身の規則と雇用契約で担保する。法律が元職員を名指しして生涯の義務を課す日本型とは規律の置き場所が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 認定協会の自主規制部門で3年働き、会員の証券会社へ転職が決まった。入社は来月1日、引継ぎに残された時間は10営業日。前任者から引き継いだ検査メモのフォルダを、どこまで削除しどこまで協会に返すかを書面で確認しないまま出ていくと、後で「盗用」を問われたときに反証材料がゼロになる
- もし協会の内部で見た会員社の不適切販売を、匿名アカウントで告発したらどうなる? 内容が真実でも、職務上知り得た秘密であれば79条の射程内。守ってくれるのは条文ではなく、公益通報者保護法の要件を満たしているかどうかだけである
- 業界セミナーの登壇依頼が来た。「実際の苦情事例で」と頼まれる。社名を伏せても関係者が特定できる具体性なら、それは開示と評価されうる
- あなたが運用会社の法務担当で、協会の調査に社内資料を提出する側に立ったとする。提出先の職員に生涯の守秘義務がかかっていることを知っているかどうかで、出せる資料の範囲も、出すときに添える一文も変わる
- 協会の元役員が回顧録を書き、在任中の処分案件を実名で書いた。出版前に止められるか、出た後に何を請求できるか。差止めと損害賠償のどちらを選ぶかで動くべき期限が違う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 協会に提出した情報が流出した疑いがあれば、提出時の送り状・メール・受領記録を先に確保し、誰が閲覧しうる立場だったかを時系列で整理する。2. 協会へ書面で事実関係の調査と報告を求める。79条が準用する72条違反は協会の内部処分事由にもなる。3. 流出による損害は民法709条(不法行為)または協会との関係に応じ債務不履行で請求する。4. 発信元が特定できない段階でSNSや報道に出た場合は、ログ保存期間が数か月で切れるため、保全の申立てを先に検討する
訴えられた側:1. まず争点を「秘密に当たるか」「職務に関して知り得たか」「漏示または盗用に当たるか」の三つに分解する。全部を認めて謝罪に走る必要はない。2. 当該情報が既に公表されていた事実(プレスリリース、報道、開示書類)を日付付きで集める。非公知性が崩れれば秘密性の前提が崩れる。3. 内部の不正を告発した事案なら、公益通報者保護法の適用可否を最優先で検討する。通報先と時期の記録が決定的になる。4. 協会の懲戒手続と刑事・民事は別軌道で進むため、弁明書の文言が後の手続で使われる前提で起案する
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない(義務そのものに終期がない点が本条の核心)。民事の損害賠償は民法724条(損害および加害者を知った時から3年、不法行為時から20年)、契約関係に基づくなら民法166条(権利行使できることを知った時から5年、行使可能時から10年)。刑事の公訴時効は法定刑に応じて刑事訴訟法250条により決まる(適用される罰則条文と法定刑は最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:認定協会は民間の自主規制機関であるが、会員業者の非公表情報を集約して初めて機能するため、情報に接した個人へ終期のない守秘義務を課す必要がある。79条の準用は、認可協会に比して公的性格が限定される認定協会に対し、守秘義務という中核規律のみを選択的に及ぼす立法技術と理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:証券取引法(昭和23年法律第25号)が制定され、協会の役職員に対する秘密保持義務の枠組みが置かれた
- 2.平成18年(2006年) 改正:証券取引法が金融商品取引法に改題され、認可金融商品取引業協会と認定金融商品取引業協会の二層構造が現行の形に整備された(個別条文の変遷は e-Gov で要確認)
- 金融商品取引法 第72条準用元、役職員の秘密保持義務の本体規定
- 金融商品取引法 第78条認定金融商品取引業協会の認定、準用対象の範囲を画する
- 金融商品取引法 第67条認可金融商品取引業協会の制度、準用元が本来適用される場面
- 金融商品取引法 第79条の7認定投資者保護団体の制度、類似の準用構造(現行効力を要確認)
- 公益通報者保護法 第3条要件を満たす通報を守秘義務違反から切り離す
- 不正競争防止法 第21条営業秘密の不正使用・開示に対する刑事罰
- 国家公務員法 第100条公務員の守秘義務との対比、民間自主規制機関との差
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