金融商品取引法 第72条(役職員の秘密保持義務等)
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- 認可協会の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
- 2.認可協会の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、その職務に関して知り得た情報を、認可協会の業務の用に供する目的以外に利用してはならない。
この条文の基本情報
役職員の秘密保持義務等とは何ですか?
定義役職員の秘密保持義務等とは、金融商品取引法第72条に定められた規定で、「認可協会の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 金融商品取引法第72条(役職員の秘密保持義務等)は、日本の金融商品取引法に含まれる条文です。
- 金融商品取引法第72条の条文原文は「認可協会の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。」で始まります。
- 金融商品取引法第72条は第三款 管理に置かれています。
- 金融商品取引法の公布日は昭和23年4月13日です。
- 金融商品取引法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 金融商品取引法第72条の前の条は金融商品取引法第71条です。
- 金融商品取引法第72条の次の条は金融商品取引法第73条です。
- 金融商品取引法第72条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第72条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000025 - 本サイト収録
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第72条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000025/72
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点金融商品取引法72条は、認可協会の役員・職員および元役職員に、職務上知り得た秘密の漏示・盗用の禁止(1項)と、秘密性を問わない目的外利用の禁止(2項)を課す。
Q · 協会を辞めた後も、そこで知ったことは一生しゃべれないんですか?
はい。条文に期間の定めはなく、退職後も義務は続きます
金融商品取引法72条は「認可協会の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者」を名宛人とし、退職者を明示的に含めています。1項は職務上知り得た秘密の漏示と盗用を禁止し、2項は秘密かどうかを問わず、職務上知り得た情報を協会業務以外の目的に利用することを禁止します。いずれの項にも期間の定めはなく、退職後何年で消滅するという規定は存在しません。転職先での発言や自己の営業判断への利用も射程に入ります。
解説
日本証券業協会。名前は聞いたことがあっても、そこにどんな情報が集まっているかを想像したことはないはずだ。会員である証券会社の内部資料、報告や検査で提出された未公表データ、投資家から持ち込まれた苦情と紛争の中身。認可金融商品取引業協会は現在この一つだけであり、業界の弱点情報が一点に集まる構造になっている。72条はその出口に二枚の板を打つ。1項は漏らすことと盗用することの禁止。盗用とは、自分や第三者の利益のために使うことだ。2項はさらに射程が広い。秘密かどうかを問わず、職務に関して知り得た情報を協会業務以外の目的に使うだけで違反になる。そして名宛人には「これらの職にあつた者」が含まれている。退職しても、期間の定めはどこにも書かれていない。あなたが協会を辞めた十年後に書く回顧録も、この条文の射程内にある。
法的な位置づけ
金融商品取引法72条は、認可金融商品取引業協会の役員・職員および元役職員に対する守秘義務を定める規定である。1項は職務上知り得た秘密の漏示および盗用を禁止し、2項は秘密性の有無を問わず、職務上知り得た情報の協会業務以外の目的への利用を禁止する。義務の存続期間は条文上定められていない。
手順
- 1.自分が1項の話か2項の話かを切り分ける 問題になっている行為が「外部へ出した(漏示・盗用)」のか「外に出していないが協会業務以外に使った(目的外利用)」のかを最初に特定する。争点も必要な反証資料もまったく異なるため、ここを曖昧にしたまま対応を始めると防御が崩れる
- 2.退職前に「語れる知見/語れない情報」を書面で線引きする 一般的な業界知識・手法として身についたものと、特定の会員社・顧客・案件に紐づく情報を、退職の意思表示より前に自分で文書化して日付を残す。後日争いになったとき、意図的な盗用ではなく一般知見であったことを示す最強の資料になる
- 3.退職時の電子データと私物の切り分けを記録化 業務 PC・クラウド・個人端末に残る案件フォルダ、メール、メモを棚卸しし、返却・削除した対象と日時を一覧化して協会側の確認を得る。削除の事実を自分だけが知っている状態は、後日の疑義に対して無防備である
- 4.転職先での最初の会話ルールを事前に設計する 前職での担当や内部評価を問われた際の回答定型を、着任前に自分で用意しておく。「前職の守秘義務があるため、特定社に関わる事項はお答えできません」と最初に一度宣言しておけば、以後の質問圧力そのものが下がる
- 5.執筆・講演・SNS 発信前に特定可能性を第三者チェック 社名を伏せた一般論であっても、業界関係者から見れば対象が特定できる場合は秘密の漏示と評価されうる。公表前に業界を知る第三者へ匿名化の十分性を確認し、確認の経緯を残す
よくある質問 AI による整理
Q1認可金融商品取引業協会とは?
金融商品取引法に基づき内閣総理大臣の認可を受けた自主規制機関で、現在は日本証券業協会が唯一です。会員証券会社の自主規制、苦情処理、あっせんを担います。
Q2金融商品取引法72条の守秘義務は退職後いつまで?
条文に期間の定めはありません。名宛人に「これらの職にあつた者」が含まれるため、退職後も終期なく継続すると読むのが素直な解釈です。
Q372条1項と2項の違いは?
1項は秘密を外部に漏らす・盗用する行為の禁止です。2項は秘密性を要件とせず、職務上知り得た情報を協会業務以外の目的に利用すること自体を禁じます。
Q4盗用とはどういう意味?
職務上知り得た秘密を、自己または第三者の利益のために用いる行為を指します。外部に漏らさず自分の判断材料にしただけでも該当しうる点が特徴です。
Q5協会の外部委員にも守秘義務はある?
本条が直接縛るのは役員・職員および元役職員ですが、自主規制委員会の外部委員は「役員」側に位置づけられる場合があり、実務では委嘱状や誓約書で同等の義務が課されます。
Q6公表されている情報なら話しても違法にならない?
公知の事実は1項の「秘密」に当たらないのが原則です。ただし2項は秘密性を要件としないため、公知情報でも協会業務以外の目的に利用すれば別途問題になります。
Q7協会職員がインサイダー取引規制にかかることはある?
職務上知り得た未公表情報の性質と立場によっては、72条に加え金融商品取引法166条・167条の2や157条の問題に発展しうる領域です。該当性は事案ごとの判断となります。
Q8守秘義務違反を見つけたらどこに相談する?
まず協会の苦情・監察窓口に申告し、必要に応じて金融庁へ情報提供します。民事は民法709条の損害賠償、営業秘密に当たれば不正競争防止法の差止めも並行検討します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1協会を辞めて証券会社に移るんですが、前の職場で見た資料の記憶を仕事に使うのもダメなんですか?
一般的な知識や経験として身についたものと、特定の会員社や顧客に紐づく情報は分けて考える必要がある。72条2項は「職務に関して知り得た情報」を協会業務以外の目的に利用することを禁じており、特定性のある情報を転職先の営業判断に使えば射程に入る。実務のポイント:実務で線を引くのは記憶か記録かではなく、特定の第三者に利益や不利益が及ぶかどうかである。転職前に自分の担当案件を「語らないリスト」として文書化しておくと、後で疑われたとき最強の防御資料になる
Q2秘密ってどこまでが秘密なんですか? 新聞に出ている話ならいいですよね?
公知の事実は1項の「秘密」に当たらないのが原則である。ただし公知の断片と職務で得た非公開情報を組み合わせて意味のある事実を作れば、その組合せ自体が秘密になりうる。さらに2項は秘密性を要件にしていないため、公知情報でも協会業務以外の目的で使えば別途問題になる。実務のポイント:争いになったとき「公知だった」と主張する側が、公知であった証拠(報道日時、公表資料)を出せない例が非常に多い。主張ではなく日付入りの一次資料を、今のうちに保存しておく
Q3認可協会って結局どこのことですか? 自分には関係ない気がするんですが
認可金融商品取引業協会は現在、日本証券業協会が唯一である。ただし会員証券会社の役職員として協会の委員会や自主規制の審議に関わる立場になると、協会の職員でなくとも同等の守秘を求められる。実務のポイント:本条が直接縛るのは協会の役職員だが、実務では委嘱状や誓約書で外部委員にも同等の義務を及ぼす設計になっている。委嘱を受ける前に、その誓約書が本条と同じ二段構え(漏示禁止+目的外利用禁止)になっているかを確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「守秘義務くらい知っている」という人ほど、2項を読み飛ばす。1項は秘密を外へ出すことの禁止だが、2項は秘密かどうかを問わず、職務で得た情報を協会業務以外に使うことの禁止である。誰にも話していなくても、自分のために使った瞬間に成立する。同じ「守秘義務」という言葉で括ると、深刻度を一段見誤る
- 「退職後、何年で守秘義務は切れるのか」という問いの立て方そのものが成り立っていない。本条は「これらの職にあつた者」を名宛人に含めたうえで、期間を一切書いていない。切れる日を探すのではなく、一生続く前提で転職先での立ち回りと語り方を設計する、それが正しい問いである
- あなたから見れば「社名を伏せた一般論」でも、業界の当事者から見れば誰の話か三秒で特定できる。匿名化したつもりの事例紹介が、法的には秘密の漏示と評価される。この落差が、講演や SNS 発信に慣れた人ほど足元をすくう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 金商法72条:認可協会の役員・職員・元役職員の情報の取扱い | 金商法166条:会社関係者等による未公表重要事実の売買等への利用 金商法157条:不正の手段・計画・技巧の包括的禁止 |
| 成立に必要な要素 | 職務上知り得た情報の漏示・盗用(1項)/協会業務外での利用(2項)。取引の有無を問わない | 重要事実の未公表性と、特定有価証券等の売買その他の取引 有価証券の売買等に関し不正の手段等を用いたこと |
| 秘密性の要否 | 1項は秘密であること必要、2項は秘密性を要件としない | 未公表の重要事実であることが必要 秘密性は要件ではない |
| 退職後の射程 | 「これらの職にあつた者」を明示的に名宛人とし、期間の定めなし | 会社関係者でなくなった後一定期間の規律が別途置かれる構造 身分を問わず行為時の態様で判断 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は自主規制機関職員の守秘を同業公會の内部規律と刑法の業務上秘密漏示罪で担保する構造で、日本のような目的外利用禁止の明文は置かれていない
韓国は韓国金融投資協会の임직원に対する비밀유지의무を法律上明記しており、退職者を含める構造は日本と近い
ドイツは監督機関(BaFin)および取引所機関の職員の守秘義務を個別法で規律し、EU 法(MiFID II)の職業上の秘密規定が上位に重なる
米国は自主規制機関 FINRA の内部規範と連邦法上の非公開情報規定の組合せで担保し、単一条文で退職者まで縛る日本型とは設計が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 協会を退職して会員証券会社に転職した初日、新しい上司から「前のところで、うちの内部監査どう見られてた? ちょっとだけ教えてよ」と言われたら、どう答えるのが正解か。ここで口が滑れば1項の漏示、黙って自分の営業判断だけに反映させても2項の目的外利用に触れうる。辞めた時点で義務が切れていない以上、転職先での最初の会話がそのまま証拠になる
- あっせん手続で聞いた投資家の資産額を、家に帰って配偶者に話した。誰の話か特定できる形なら、それで1項違反が成立しうる。漏らした先が家族でも、条文には例外が書かれていない
- 協会職員のあなたが、会員社に対する不利益な措置の検討情報を知った。公表は翌週、間の5営業日が危険地帯になる。その間に知人へ「あの会社の株、今は避けたほうがいい」と伝えれば、72条違反に加え、情報の性質と立場によっては内部者取引規制(金融商品取引法166条、167条の2)や157条の問題にも発展しうる。実務上、協会職員が会社関係者に当たるかは事案ごとの判断であり、解釈が分かれる領域である
- 自主規制の委員会に外部から就任した弁護士や学者。あなたは「役員」の側に立つ。審議で見た会員社の非公開データを、社名を伏せて自分の論文や講演の事例に使った。守秘のつもりで匿名化しても、2項は秘密性を要件にしていない。協会業務以外の目的に使った時点で、条文の要件は満たされる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 漏示または目的外利用の事実を時系列で固定する(誰が、いつ、どの情報を、誰に、どの場面で)。スクリーンショットと日時、同席者を記録2. 協会の苦情・監察窓口へ申告し、必要に応じて金融庁へも情報提供3. 民事は民法709条の損害賠償、営業秘密に当たるなら不正競争防止法に基づく差止めも並行して検討4. 刑事罰の適用可否は、金融商品取引法の該当罰条を弁護士に確認する(該当罰条の条番号と法定刑は最新の改正状況をご確認ください)
訴えられた側:1. まず1項(漏示・盗用)の話か2項(目的外利用)の話かを特定する。争点も反論材料もまるで違う2. 2項なら「協会の業務の用に供する目的」に当たると言えるかを、当時の職務分掌と決裁記録で固める3. 1項なら、公知であったこと、または個別の主体を特定できない情報であったことを一次資料で示して秘密性を争う4. 社内調査のヒアリングに応じる前に弁護士を入れる。そこでの供述は懲戒と刑事の双方で使われる
時効(請求できる期限):本条の義務自体に期間の定めはなく、退職後も終期なく継続する。関連する民事責任のうち不法行為構成は民法724条(損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年)、雇用契約上の義務違反として構成する場合は民法166条(権利行使できることを知った時から5年、権利行使できる時から10年)。刑事の公訴時効は該当罰条の法定刑により決まる(最新の改正状況をご確認ください)
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