金融商品取引法 第1条(目的)
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この法律は、企業内容等の開示の制度を整備するとともに、金融商品取引業を行う者に関し必要な事項を定め、金融商品取引所の適切な運営を確保すること等により、有価証券の発行及び金融商品等の取引等を公正にし、有価証券の流通を円滑にするほか、資本市場の機能の十全な発揮による金融商品等の公正な価格形成等を図り、もつて国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資することを目的とする。
この条文の基本情報
目的とは何ですか?
定義目的とは、金融商品取引法第1条に定められた規定で、「この法律は、企業内容等の開示の制度を整備するとともに、金融商品取引業を行う者に関し必要な事項を定め、金融商品取引所の適切な運営を確保すること等により、有価証券の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 金融商品取引法第1条(目的)は、日本の金融商品取引法に含まれる条文です。
- 金融商品取引法第1条の条文原文は「この法律は、企業内容等の開示の制度を整備するとともに、金融商品取引業を行う者に関し必要な事項を定め、金融商品取引所の適切な運営を確保すること等により、有価証券の…」で始まります。
- 金融商品取引法第1条は第一章 総則に置かれています。
- 金融商品取引法の公布日は昭和23年4月13日です。
- 金融商品取引法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 金融商品取引法第1条の次の条は金融商品取引法第2条です。
- 金融商品取引法第1条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第1条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000025 - 本サイト収録
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第1条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000025/1
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点金融商品取引法1条は、開示制度の整備と業者規制により公正な価格形成を図り、国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資することを目的とする規定である。
Q · 金融商品取引法の「投資者の保護」って、損した分を返してもらえるという意味ですか?
違います。守られるのは情報と市場であり、投資の結果ではありません
金融商品取引法1条が掲げる投資者保護は、開示制度・業者規制・不公正取引規制によって、正しい情報と公正な価格形成の下で投資判断ができる環境を整えることを指します。投資結果そのものの補填ではなく、むしろ証券会社による損失補填は原則禁止です(金商法39条)。ただし適合性原則違反(40条1号)や虚偽記載(21条の2)など、違法行為に起因する損害の賠償は別問題として請求できます。
解説
目的規定は飾りだと思われている。金融商品取引法1条は違う。この一文が、あなたが投資で損をしたときに使える武器の射程を決めている。ポイントは末尾の並び方だ。「国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資する」。投資者保護が単独の目的ではなく、市場機能の確保と並列に置かれている。ここから実務上の重大な帰結が出る。証券会社の説明が不十分で損をしたとき、あなたが「投資者保護が目的なのだから損失を補填せよ」と主張しても通らない。この法律は損失を補填する法律ではなく、公正な価格形成と情報開示を確保する法律だからだ。逆に言えば、開示書類の虚偽記載、インサイダー取引、相場操縦、適合性原則違反、これらは「目的に反する行為」として裁判所が厳しく見る。あなたの請求が通るかどうかは、自分の被害をこの目的規定のどの柱に接続できるかで決まる。
法的な位置づけ
金融商品取引法1条は同法の目的規定であり、企業内容等の開示制度の整備、金融商品取引業者に関する規律、金融商品取引所の適切な運営確保等を手段として、有価証券の発行及び取引の公正、流通の円滑、資本市場の機能発揮による公正な価格形成を図り、もって国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資することを目的として掲げる規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1金融商品取引法とはどんな法律ですか?
企業内容の開示、金融商品取引業者の登録・行為規制、取引所の運営確保、不公正取引の禁止を通じて、資本市場の公正な価格形成と投資者保護を図る法律です。
Q2金融商品取引法の目的は何条に書いてありますか?
第1条です。開示制度の整備、業者規制、取引所運営の確保を手段とし、国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資することを目的と明記しています。
Q3証券取引法と金融商品取引法の違いは?
2006年改正で名称変更と同時に規制対象が拡大し、集団投資スキーム持分(ファンド出資等)まで横断的に射程に入りました。単なる改称ではありません。
Q4金融商品取引法は個人にも適用されますか?
されます。インサイダー取引(166条)、相場操縦、風説の流布(158条)の名宛人は「何人も」で、一般の会社員や個人投資家も対象になります。
Q5金融商品取引法の主管庁はどこですか?
金融庁です。違反調査は証券取引等監視委員会(SESC)が担い、課徴金勧告や刑事告発を行います。取引所の自主規制も併走します。
Q6投資で損したら証券会社に返金してもらえる?
原則できません。損失補填は金商法39条で禁止です。ただし適合性原則違反や説明義務違反など違法行為があれば、損害賠償として請求できます。
Q7仕組債で損したときの相談先は?
まず FINMAC(証券・金融商品あっせん相談センター)のあっせんが費用・期間の面で有利です。並行して弁護士に適合性原則違反の成否を検討させます。
Q8友人から出資を集めるのは違法ですか?
スキーム次第です。出資を受け事業の利益を分配する形は集団投資スキーム持分(2条2項5号)に当たりうるため、登録または特例業務届出の要否判定が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1目的規定って裁判で意味あるんですか、ただのお題目では?
実際に効きます。条文の文言が曖昧で複数の解釈が成り立つとき、裁判所は1条の目的に照らして解釈を選びます。特にインサイダー取引や相場操縦の境界事案では「公正な価格形成を害したか」が判断の軸になる。実務のポイント:金融庁のノーアクションレター照会や監督指針の解釈も、突き詰めると1条の目的適合性で説明されている。規制当局と交渉するとき、目的規定からの論理で組み立てた主張は、条文の字面だけの主張より通りやすい
Q2友達数人から出資を集めるだけでも、この法律に引っかかるんですか?
引っかかる可能性があります。出資を受けて事業を行い利益を分配するスキームは、集団投資スキーム持分として有価証券に該当しうる(金商法2条2項5号)。該当すれば自己募集にも登録が必要な場合があります。実務のポイント:適格機関投資家等特例業務(金商法63条)の届出で済ませられる設計があり、この枠組みを知っているかどうかでコストが桁違いになる。ベンチャー法務に強い事務所なら初回相談で教えてくれる
Q3証券取引法と金融商品取引法って、名前が変わっただけですよね?
違います。2006年(平成18年)の改正で、規制対象が株式・債券中心から集団投資スキーム持分まで横断的に拡大し、投資サービス法としての性格を持ちました。銀行や保険が扱う投資性商品にも規定が準用されます。実務のポイント:この横断化により、これまで規制の外にあった不動産ファンド、匿名組合、一部の権利商品が一気に射程に入った。古い解説書で「うちは対象外」と判断している事業者が、いまだに摘発されている
Q4投資で損したら「投資者の保護」を理由に返してもらえないんですか?
返してもらえません。1条の投資者保護は、正しい情報と公正な市場の下で自己責任の投資判断ができる環境を整えることを指し、結果の補填ではありません。むしろ証券会社による損失補填は原則禁止されています(金商法39条)。実務のポイント:ただし違法行為に起因する損害の賠償は損失補填には当たらず、裁判上の和解や ADR の和解であれば金融機関側も応じられる。「補填できません」と言われても、違法性を立てれば経路は残っている
間違えやすい点 AI による整理
- 「投資者の保護が目的なのだから、損したら救済されるはず」という前提そのものが誤っている。1条が守るのは投資判断に必要な情報と公正な市場であって、投資判断の結果ではない。正しい問いは「私は救済されるか」ではなく「私が受けた不利益は、情報の欠落か市場の歪みに由来するか」である。この問いの立て方を変えた瞬間、争える事案と争えない事案が自分で見分けられるようになる
- 「金融商品取引法は証券会社と上場企業を縛る法律で、個人には関係ない」と思われている。実際には、インサイダー取引規制も相場操縦規制も風説の流布も、名宛人は「何人も」である。会社員が社内情報で自社株を売れば刑事事件になり、SNS の投稿が課徴金の対象になる。規制される側に個人が含まれていることを、多くの個人投資家は知らない
- この法律が証券取引法から名称変更しただけだと理解している人は、深刻度を見誤っている。2006年(平成18年)の改正は、規制対象を株式・債券から集団投資スキーム持分(ファンド、匿名組合出資など)まで包括的に広げた。未公開株投資、クラウドファンディング型出資、一部の暗号資産関連スキームまでが射程に入った。「うちは証券会社じゃない」という感覚のまま出資を募る事業者が、無登録営業(金商法29条)で摘発される構造がここにある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 金商法1条:目的規定、解釈の最終的な指針 | 金商法2条:定義規定、適用範囲を画定 金商法40条:行為規制、適合性原則の実体ルール |
| 直接の効果 | 単独で権利義務を発生させない(解釈基準として機能) | 有価証券該当性を決し、登録義務等の発動点となる 違反すれば業務改善命令等の監督処分、民事責任の根拠 |
| 実務での使い方 | 境界事案で「公正な価格形成・投資者保護に資するか」を論じる | 自社商品が規制対象か否かの入口判定に使う 勧誘の違法性を争う際の中心的な条文として主張する |
| 名宛人 | 法律全体(解釈者・規制当局・裁判所) | 法律全体(定義の適用を受ける全当事者) 金融商品取引業者等 |
他国ではどう定めているか 4 か国
「發展國民經濟,並保障投資」と規定し、国民経済の発展と投資保護を並列に置く構造は日本の金商法1条と酷似する。台湾証交法は日本の証券取引法を強く参照して立法された
2007年に証券取引法等を統合した横断的立法。資本市場の公正性・信頼性・効率性の確保と国民経済の発展を掲げ、日本の2006年改組を強く意識した構成
ドイツは目的規定を簡素にし、実体規律の多くを EU 規則・指令に依拠する。投資者保護の枠組みは MiFID II 由来の適合性審査義務として具体化されている
米国は「必要な規制の根拠」として州際通商や公益を掲げる立法目的条項を置く。開示主義(full disclosure)を中核とし、投資判断の当否には踏み込まない設計が日本法の原型となった
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 退職金2,000万円を証券会社の窓口で仕組債に突っ込まれ、半分が消えた。「元本割れのリスクは説明しました」と言われる。ここで効くのが1条の「投資者の保護」を具体化した適合性原則(金商法40条1号)だ。あなたの年齢・投資経験・資産状況に照らして不適合な商品を勧誘したこと自体が違法になりうる。説明の有無ではなく、そもそも売ってよい相手だったかを争点にする
- 勤務先が上場企業で、決算発表前に業績が大幅に下振れすることを社内会議で知った。その夜、妻に「うちの株、売っといたほうがいいかも」と漏らした。あなたは会社員であって金融のプロではない。だが1条が掲げる「公正な価格形成」を破る行為として、インサイダー取引規制(金商法166条)はあなたにも妻にも及ぶ
- もし、あなたが買った株の会社が有価証券報告書に虚偽記載をしていたと後から判明したら、どうなる? 一般の不法行為(民法709条)と違い、金商法21条の2は提出会社の無過失責任に近い構造を取り、損害額も推定される。立証負担が段違いに軽い
- スタートアップを経営していて、知人60人から1人100万円ずつ集めて新株を発行しようとしている。募集人数と金額の閾値を超えた瞬間、有価証券届出書の提出義務(金商法4条)が発生する。無届けなら刑事罰。あと2週間で払込期日、開示義務の要否判定を今日中にやらないと全体が違法発行になる
- SNS で「この銘柄、来週 S 高確実」と連投して、実際に値が動いた。あなたは煽っただけのつもりでも、風説の流布(金商法158条)に該当しうる。1条の「公正な価格形成」を害する行為の典型類型だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 契約締結前交付書面、勧誘時の録音、担当者とのメールや LINE を全部確保する。金融機関側は通話を録音しているので、開示を求める2. 争点を「説明不足」ではなく「適合性原則違反」(金商法40条1号)に設定できるか検討、年齢・投資経験・資産・投資目的の記録がカギ3. 訴訟の前に FINMAC のあっせんを使う。費用が安く、期間も短い4. 虚偽記載が絡む場合は金商法21条の2の損害賠償特則を検討、民法709条より立証が軽い
訴えられた側:1. 自社スキームが有価証券(集団投資スキーム持分を含む、金商法2条2項)に該当するか、登録・届出の要否を法律事務所に判定させる2. 勧誘記録、適合性確認記録、交付書面の控えを時系列で整備、記録の欠落が最大の弱点になる3. 課徴金調査の通知が来たら、証券取引等監視委員会の審判手続に入る前に弁護士を入れる。答弁の組み立てで課徴金額が変わる4. 顧客との個別和解は監督処分を消さないが、業務改善の実績として評価される
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間制限はない。関連する重要な期間として、虚偽記載による損害賠償請求権は請求権者が虚偽記載等を知った時から2年、有価証券届出書提出から7年(金商法21条の3等)。一般の不法行為構成なら損害と加害者を知った時から3年(民法724条)。証券会社との紛争は契約責任構成で債権の消滅時効(民法166条、権利行使可能と知った時から5年)も併走する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(開示主義中心説):1条の目的は開示制度による情報格差の是正を中核とし、投資者保護とは自己責任原則を前提とした判断環境の確保を意味すると解する。結果責任的な保護は本法の射程外とされる。
市場法説:金商法を個別投資者の救済法ではなく資本市場そのものの機能を維持する市場法と位置づけ、投資者保護は市場の信頼確保の反射的効果として理解する立場。不公正取引規制の射程を広く捉える傾向がある。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:証券取引法として制定。米国1933年証券法・1934年証券取引所法を範に、開示主義を中核とする目的規定が置かれた
- 2.平成18年(2006年) 改正:証券取引法を金融商品取引法へ改組。規制対象を集団投資スキーム持分まで横断的に拡大し、目的規定にも金融商品取引業・資本市場の機能発揮の文言が整理された
- 金融商品取引法 第2条有価証券等の定義、適用範囲の画定
- 金融商品取引法 第4条発行開示、届出義務の中核
- 金融商品取引法 第29条金融商品取引業の登録制、無登録営業の禁止
- 金融商品取引法 第40条適合性原則、投資者保護目的の具体化
- 金融商品取引法 第166条インサイダー取引規制、公正な価格形成の担保
- 金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律 第4条説明義務違反の民事責任を定める特則(通称 金融サービス提供法)
- 消費者契約法 第4条不実告知等による取消し、勧誘規制の補完
- 会社法 第199条募集株式発行手続と発行開示規制の接続
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