金融商品取引法 第4条(募集又は売出しの届出)
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- 有価証券の募集(特定組織再編成発行手続を含む。第十三条及び第十五条第二項から第六項までを除き、以下この章及び次章において同じ。)又は有価証券の売出し(次項に規定する適格機関投資家取得有価証券一般勧誘及び第三項に規定する特定投資家等取得有価証券一般勧誘に該当するものを除き、特定組織再編成交付手続を含む。以下この項において同じ。)は、発行者が当該有価証券の募集又は売出しに関し内閣総理大臣に届出をしているものでなければ、することができない。ただし、次の各号のいずれかに該当するものについては、この限りでない。
- 一有価証券の募集又は売出しの相手方が当該有価証券に係る次条第一項各号に掲げる事項に関する情報を既に取得し、又は容易に取得することができる場合として政令で定める場合における当該有価証券の募集又は売出し
- 二有価証券の募集又は売出しに係る組織再編成発行手続又は組織再編成交付手続のうち、次に掲げる場合のいずれかに該当するものがある場合における当該有価証券の募集又は売出し(前号に掲げるものを除く。)
- 一組織再編成対象会社が発行者である株券(新株予約権証券その他の政令で定める有価証券を含む。)に関して開示が行われている場合に該当しない場合
- 二組織再編成発行手続に係る新たに発行される有価証券又は組織再編成交付手続に係る既に発行された有価証券に関して開示が行われている場合
- 三その有価証券に関して開示が行われている場合における当該有価証券の売出し(前二号に掲げるものを除く。)
- 四外国で既に発行された有価証券又はこれに準ずるものとして政令で定める有価証券の売出し(金融商品取引業者等が行うものに限る。)のうち、国内における当該有価証券に係る売買価格に関する情報を容易に取得することができることその他の政令で定める要件を満たすもの(前三号に掲げるものを除く。)
- 五発行価額又は売出価額の総額が一億円未満の有価証券の募集又は売出しで内閣府令で定めるもの(前各号に掲げるものを除く。)
- 2.その有価証券発行勧誘等(取得勧誘及び組織再編成発行手続をいう。以下同じ。)又は有価証券交付勧誘等(売付け勧誘等及び組織再編成交付手続をいう。以下同じ。)が次に掲げる場合に該当するものであつた有価証券(第二号に掲げる場合にあつては第二条第三項第一号の規定により多数の者から除かれた適格機関投資家が取得した有価証券に限り、第四号に掲げる場合にあつては同条第四項第一号の規定により多数の者から除かれた適格機関投資家が取得した有価証券に限る。)の有価証券交付勧誘等で、適格機関投資家が適格機関投資家以外の者に対して行うもの(以下「適格機関投資家取得有価証券一般勧誘」という。)は、発行者が当該適格機関投資家取得有価証券一般勧誘に関し内閣総理大臣に届出をしているものでなければ、することができない。ただし、当該有価証券に関して開示が行われている場合及び内閣府令で定めるやむを得ない理由により行われることその他の内閣府令で定める要件を満たす場合は、この限りでない。
- 一第二条第三項第二号イに掲げる場合
- 二第二条第三項第二号ハに掲げる場合(同項第一号の規定により多数の者から適格機関投資家を除くことにより同号に掲げる場合に該当しないこととなる場合に限る。)
- 三第二条第四項第二号イに掲げる場合
- 四第二条第四項第二号ハに掲げる場合(同項第一号の規定により多数の者から適格機関投資家を除くことにより同号に掲げる場合に該当しないこととなる場合に限る。)
- 五第二条の三第四項第二号イに掲げる場合
- 六第二条の三第五項第二号イに掲げる場合
- 3.次の各号のいずれかに該当する有価証券(第二十四条第一項各号のいずれかに該当するもの又は多数の特定投資家に所有される見込みが少ないと認められるものとして政令で定めるものを除く。以下「特定投資家向け有価証券」という。)の有価証券交付勧誘等で、金融商品取引業者等に委託して特定投資家等に対して行うもの以外のもの(国、日本銀行及び適格機関投資家に対して行うものその他政令で定めるものを除く。以下「特定投資家等取得有価証券一般勧誘」という。)は、発行者が当該特定投資家等取得有価証券一般勧誘に関し内閣総理大臣に届出をしているものでなければ、することができない。ただし、当該特定投資家向け有価証券に関して開示が行われている場合及び当該特定投資家等取得有価証券一般勧誘に関して届出が行われなくても公益又は投資者保護に欠けることがないものとして内閣府令で定める場合は、この限りでない。
- 一その取得勧誘が第二条第三項第二号ロに掲げる場合に該当する取得勧誘(以下「特定投資家向け取得勧誘」という。)であつた有価証券
- 二その売付け勧誘等が特定投資家向け売付け勧誘等であつた有価証券
- 三前二号のいずれかに掲げる有価証券の発行者が発行する有価証券であつて、前二号のいずれかに掲げる有価証券と同一種類の有価証券として内閣府令で定めるもの
- 四特定上場有価証券その他流通状況がこれに準ずるものとして政令で定める有価証券
- 4.有価証券の募集又は売出し(適格機関投資家取得有価証券一般勧誘(有価証券の売出しに該当するものを除く。)、特定投資家等取得有価証券一般勧誘(有価証券の売出しに該当するものを除く。)及び特定組織再編成交付手続を含む。次項及び第六項、第十三条並びに第十五条第二項から第六項までを除き、以下この章及び次章において同じ。)が一定の日において株主名簿(優先出資法に規定する優先出資者名簿を含む。)に記載され、又は記録されている株主(優先出資法に規定する優先出資者を含む。)に対し行われる場合には、当該募集又は売出しに関する前三項の規定による届出は、その日の二十五日前までにしなければならない。ただし、有価証券の発行価格又は売出価格その他の事情を勘案して内閣府令で定める場合は、この限りでない。
- 5.第一項第五号に掲げる有価証券の募集若しくは売出し若しくは第二項ただし書の規定により同項本文の規定の適用を受けない適格機関投資家取得有価証券一般勧誘若しくは第三項ただし書の規定により同項本文の規定の適用を受けない特定投資家等取得有価証券一般勧誘のうち、有価証券の売出しに該当するもの若しくは有価証券の売出しに該当せず、かつ、開示が行われている場合に該当しないもの(以下この項及び次項において「特定募集」という。)をし、又は当該特定募集に係る有価証券を取得させ若しくは売り付ける場合に使用する資料には、当該特定募集が第一項本文、第二項本文又は第三項本文の規定の適用を受けないものである旨を表示しなければならない。
- 6.特定募集又は第一項第三号に掲げる有価証券の売出し(以下この項において「特定募集等」という。)が行われる場合においては、当該特定募集等に係る有価証券の発行者は、当該特定募集等が開始される前に、内閣府令で定めるところにより、当該特定募集等に関する通知書を内閣総理大臣に提出しなければならない。ただし、開示が行われている場合における第四項に規定する有価証券の売出しでその売出価額の総額が一億円未満のもの、第一項第三号に掲げる有価証券の売出しで当該有価証券の発行者その他の内閣府令で定める者以外の者が行うもの及び同項第五号に掲げる有価証券の募集又は売出しでその発行価額又は売出価額の総額が内閣府令で定める金額以下のものについては、この限りでない。
- 7.第一項第二号イ及びロ並びに第三号、第二項、第三項並びに前二項に規定する開示が行われている場合とは、次に掲げる場合をいう。
- 一当該有価証券について既に行われた募集若しくは売出し(適格機関投資家取得有価証券一般勧誘又は特定投資家等取得有価証券一般勧誘に該当するものを除く。)に関する第一項の規定による届出、当該有価証券について既に行われた適格機関投資家取得有価証券一般勧誘に関する第二項の規定による届出又は当該有価証券について既に行われた特定投資家等取得有価証券一般勧誘に関する第三項の規定による届出がその効力を生じている場合(当該有価証券の発行者が第二十四条第一項ただし書(同条第五項において準用し、及びこれらの規定を第二十七条において準用する場合を含む。)の規定の適用を受けている者である場合を除く。)
- 二前号に掲げる場合に準ずるものとして内閣府令で定める場合
この条文の基本情報
募集又は売出しの届出とは何ですか?
定義募集又は売出しの届出とは、金融商品取引法第4条に定められた規定で、「有価証券の募集(特定組織再編成発行手続を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 金融商品取引法第4条(募集又は売出しの届出)は、日本の金融商品取引法に含まれる条文です。
- 金融商品取引法第4条の条文原文は「有価証券の募集(特定組織再編成発行手続を含む。」で始まります。
- 金融商品取引法第4条は第二章 企業内容等の開示に置かれています。
- 金融商品取引法の公布日は昭和23年4月13日です。
- 金融商品取引法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 金融商品取引法第4条の前の条は金融商品取引法第3条です。
- 金融商品取引法第4条の次の条は金融商品取引法第5条です。
- 金融商品取引法第4条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第4条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000025 - 本サイト収録
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第4条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000025/4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点金融商品取引法4条は、有価証券の募集・売出しに発行者の内閣総理大臣への届出を義務付ける。ただし総額1億円未満の少額募集など1項各号に該当すれば届出は不要となる。
Q · 自分の会社の株を知人50人に買わないかと声をかけたら、届出がいるんですか?
原則いる。ただし総額1億円未満なら免除
金融商品取引法4条1項は、有価証券の募集または売出しを行うには発行者が内閣総理大臣へ届出をすることを原則としています。一般個人50名以上への勧誘は「募集」に当たり、無届なら勧誘行為自体が違法です。ただし1項各号の除外(1号=情報を容易に取得できる相手、3号=開示が行われている銘柄の売出し、4号=外国証券の売出し、5号=総額1億円未満)に該当すれば届出は不要になります。5号に乗る場合でも5項の表示義務と6項の通知書提出義務が残ることがあります。
解説
クラウドファンディングで自社株を配る、従業員60人に新株を割り当てる、暗号資産連動のファンドを知人100人に紹介する。こうした行為が「有価証券の募集」に当たると、金融商品取引法4条1項が牙を剥く。届出をしていなければ、その勧誘行為そのものが禁止される。あなたが押さえるべきは、この条文が「詐欺をするな」と言っているのではない点だ。中身が正直でも、儲かる案件でも、届出なしに50名以上へ勧誘した時点で違法になる。逆に、1項各号の除外に乗れば届出は不要になる。総額1億円未満(5号)、既に開示済み銘柄の売出し(3号)、情報を容易に取得できる相手(1号)。スタートアップの資金調達実務とは、この除外規定のどこに着地させるかの設計そのものである。届出を怠れば5条以下の開示規制違反として刑事罰(197条の2)、加えて課徴金(172条)が待つ。
法的な位置づけ
金融商品取引法4条は、有価証券の募集および売出しに関する発行開示規制の入口規定である。発行者が内閣総理大臣に届出をしていない有価証券の募集・売出しを禁止し、あわせて適格機関投資家取得有価証券一般勧誘および特定投資家等取得有価証券一般勧誘についても届出を要求する。1項各号は届出を要しない場合を限定列挙する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.勧誘を始める前にスキームの区分を確定 投資家候補リストを作る前に、想定する調達が「募集」か「私募」かを確定する。勧誘の相手方の人数と属性(適格機関投資家・特定投資家・一般個人)、過去6か月の同種発行との通算を洗い出す
- 2.4条1項各号の免除に乗れるか検証 1号(情報を容易に取得できる相手)、3号(開示が行われている銘柄の売出し)、4号(外国証券の売出し)、5号(総額1億円未満)のいずれかに該当しないか確認する。5号は発行価額または売出価額の総額で判定する
- 3.免除に乗るなら表示義務と通知書を手当て 1項5号の特定募集に当たる場合、勧誘資料に「届出を受けていないものである旨」を表示する(5項)。あわせて特定募集等が開始される前に、内閣総理大臣への通知書を提出する(6項)
- 4.免除に乗らないなら届出書を作成し待機期間を逆算 有価証券届出書を作成して提出する。届出は原則として効力発生まで待機期間があり(8条)、株主割当型なら基準日の25日前までという4項の期限もある。監査法人レビューと引受審査の期間を含めて逆算する
- 5.届出後も目論見書交付と継続開示を管理 届出の効力発生後、15条の目論見書交付義務を履行して取得させる。以後は24条の継続開示義務が発生しうるため、有価証券報告書の提出体制を整える
よくある質問 AI による整理
Q1有価証券届出書はいつ必要ですか?
金融商品取引法4条1項により、有価証券の募集または売出しを行うときに必要です。総額1億円未満(5号)や開示済み銘柄の売出し(3号)なら不要になります。
Q2募集と私募の違いは?
勧誘の相手方が50名以上の一般投資家なら募集、限定された相手なら私募です。募集は4条1項の届出対象、私募は対象外ですが転売制限が課されます。
Q3無届募集の罰則は?
197条の2により5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(併科あり)、法人には両罰規定が適用され、172条の課徴金納付命令も並行します。
Q41億円未満なら届出はいらない?
4条1項5号の少額免除に該当すれば届出は不要です。ただし5項の「届出を受けていない旨」の表示義務と6項の通知書提出義務は残る場合があります。
Q5株主割当ての届出はいつまで?
4条4項により、株主名簿の基準日の25日前までに届出が必要です。内閣府令で定める場合は例外がありますが、実務は逆算でスケジュールを組みます。
Q6プロ私募の社債は個人に転売できる?
できません。4条2項の適格機関投資家取得有価証券一般勧誘に当たり、発行者が届出をしていなければ転売勧誘は禁止されます。
Q7クラウドファンディングは届出が必要?
株式投資型クラウドファンディングは4条1項5号の総額1億円未満の枠内で運営されるため、通常は届出不要です。枠を超えれば届出が必要になります。
Q8特定投資家向け有価証券とは?
4条3項が定める、プロ向け市場で流通する有価証券です。特定投資家等以外へ勧誘するには発行者の届出が必要で、開示済みなら免除されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1友達50人に自社の株を買わないかって声をかけたら、それだけでアウトなんですか?
相手が一般個人で50名以上なら、金融商品取引法2条3項の「多数の者」に当たり、4条1項の募集として届出が必要になります。ただし総額1億円未満なら1項5号の少額免除が使えます。実務のポイント:人数は「実際に買った人」ではなく「勧誘した相手」で数えます。49人に絞ったつもりでも、断られた人を数え忘れていると一発で超える。弁護士は勧誘リストの下書きから確認する
Q2適格機関投資家だけに売ったプロ私募の社債を、後で個人に転売するのは自由ですよね?
自由ではありません。4条2項が「適格機関投資家取得有価証券一般勧誘」として、発行者の届出がなければ転売勧誘を禁止しています。届出義務を負うのは転売する投資家ではなく発行者という点が構造上のねじれです。実務のポイント:だからプロ私募の社債には契約上の転売制限が必ず付く。転売制限条項を読み飛ばして売却すると、発行者を巻き込んだ法令違反になり、以後その発行体から二度と買えなくなる
Q3有価証券届出書って、出すのにいくらぐらいかかるんですか?
案件によりますが、監査法人のレビュー、弁護士のリーガルチェック、証券会社の引受審査を含め、数百万円から一千万円超に及ぶことが珍しくありません。だからこそ4条1項各号の免除設計が実務の中心になります。実務のポイント:コストは金額だけでなく時間。届出は効力発生まで原則15日(8条)の待機期間があり、その間に市況が変われば調達条件が崩れる。資金調達のスケジュールは、この待機期間から逆算して組む
Q4クラウドファンディングで株を買いましたが、会社が届出をしていませんでした。取り消せますか?
少額免除(1項5号)に該当すれば適法で、その場合取消しはできません。免除に該当しない無届であれば、4条違反を前提に16条(届出前の勧誘による損害賠償)や民法709条での請求が検討できます。実務のポイント:5項は特定募集の勧誘資料に「届出を受けていない」旨の表示を義務付けています。資料にその表示がなかったこと自体が、投資判断を誤らせた証拠として効く。だから勧誘資料は必ず PDF で保存しておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「未上場会社には開示規制は関係ない」と信じている経営者が多いが、4条は上場・未上場を区別していない。判断軸は勧誘の相手方の人数と属性であって、上場しているかどうかではない。未上場のまま無届で50名以上に株式を勧誘すれば、それだけで金商法違反が成立する
- 無届募集は「行政指導で済む軽い手続ミス」と理解されがちだが、深刻度の桁が違う。4条1項違反は197条の2により5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(併科あり)、法人には両罰規定で重い罰金、さらに課徴金納付命令(172条)が並行して来る。加えて投資家から「無届だったから」と返還を求められたとき、企業の信用は一撃で消える
- 「何人に勧誘したか」を数えれば足りると考えている人が多いが、問いの立て方が間違っている。金商法は勧誘の相手方の人数(2条3項)だけでなく、相手が適格機関投資家か、特定投資家か、転売制限が付いているか、同一種類の有価証券を過去6か月以内に発行していないか(通算規定)まで見る。人数だけ49人に抑えても、通算や転売制限の設計を落とせば私募は崩れる
- 投資家の立場では「届出があるかどうかは会社の問題で、自分には関係ない」と映るが、法律から見ればあなたは保護の対象であると同時にリスクの引受人だ。無届で買った有価証券は、開示書類が存在しないため、後から損害を主張しようにも比較対象となる公式情報がない。この情報の非対称が、紛争になった瞬間にあなたを潰す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 4条:募集・売出しの届出義務(勧誘そのものの可否) | 5条:届出書の記載事項と提出手続 15条:届出後に取得させる行為の制限と目論見書交付 |
| 違反したときの効果 | 無届勧誘は禁止。197条の2の刑事罰、172条の課徴金 | 虚偽記載なら18条・21条以下の賠償責任と刑事罰 目論見書不交付は取得させる行為の違法化 |
| タイミング | 勧誘開始前(株主割当ては基準日の25日前まで) | 届出時 届出の効力発生後、取得させる時点 |
| 免除の有無 | 1項各号(少額1億円未満、開示済み、外国証券など) | 組込方式・参照方式による記載簡素化 適格機関投資家等への交付免除 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も有価証券の募集・発行には主管機関への申報が生効しなければ行えないとする事前規制型。免除の設計は金管会の規則に委ねられる点が日本の内閣府令構造と類似する
韓国は50名以上への청약の勧誘を모집と定義し、증권신고서の提出を義務付ける。人数基準の立て方は日本の2条3項に極めて近い
ドイツは EU 目論見書規則により公衆への提供に目論見書を要求する。150名未満の投資家や一定金額未満の提供が免除される点は日本の少額免除と機能的に対応する
米国は SEC への登録を原則とし、Reg D による私募免除、Reg CF によるクラウドファンディング免除を用意する。日本の4条1項各号は構造上この免除体系に対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- シード期のスタートアップで、創業者の知人ネットワーク80人に「うちの株を買いませんか」と LINE で一斉送信した。相手が適格機関投資家でも特定投資家でもない一般個人なら、これは50名以上への取得勧誘であり「募集」に該当する。総額が1億円未満なら1項5号の少額免除に乗れるが、それでも6項の通知書提出義務は残る場合がある。「知り合いだけだから大丈夫」は法的に無意味
- 上場企業の IR 担当として、大株主が保有株をまとめて市場外で売却する案件を任された。これは発行者の新規発行ではなく「売出し」だが、4条1項は売出しも届出の対象にしている。ただし既に有価証券報告書を出している銘柄なら1項3号の「開示が行われている場合」で免除される。この一行を知っているかどうかで、有価証券届出書の作成コスト数百万円が消える
- もし、あなたが適格機関投資家私募(プロ私募)で買った社債を、友人の個人投資家に転売したらどうなる? 2項の「適格機関投資家取得有価証券一般勧誘」に該当し、今度は発行者が届出をしていないと転売できない。買った本人ではなく発行者が届出義務者という構造の逆転が、実務で最も見落とされる落とし穴
- 既存株主全員に新株予約権を無償割当てするライツ・オファリングを企画中。取締役会決議から効力発生日まで30日しかない。4項が「基準日の25日前までに届出」を要求しているため、逆算すると届出書の起案期限は今日から5日後。監査法人のレビューが間に合わず、スケジュール全体を組み直すことになる
- 海外の証券会社を通じて米国上場株を日本国内の顧客に勧誘販売している。1項4号の外国証券売出しの免除に乗るには、国内での売買価格情報が容易に取得できるなど政令要件を満たす必要がある。要件を外れれば、その販売行為全体が無届募集になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 無届の有価証券を買わされた疑いがあるなら、勧誘時の資料、メール、LINE、説明会の録音をすべて保全する。5項の「届出を受けていない旨の表示」があったかが最初の争点になる2. 発行者が EDINET に届出書を出しているか確認、なければ無届の可能性が高い3. 金融庁・財務局または証券取引等監視委員会の情報提供窓口へ申告4. 民事回収は金融商品取引法16条(届出前勧誘の損害賠償)、消費者契約法、民法709条の三つの経路を並行検討する
訴えられた側:1. まず勧誘の相手方リストと勧誘開始日を時系列で確定、人数のカウント基準(2条3項)と6か月通算の有無を精査2. 1項各号の除外(少額1億円未満、開示済み銘柄、情報取得容易な相手、外国証券)のいずれかに該当しないか徹底的に洗う3. 該当しない場合は、直ちに勧誘を停止し、金融商品取引法に精通した弁護士へ。自主的な報告と是正が課徴金の判断で考慮されうる4. 既に払込みを受けているなら、返還の可否と投資家対応を同時設計する
時効(請求できる期限):4項の株主割当型では基準日の25日前までに届出(内閣府令の定める場合は例外)。無届募集の罰則(197条の2)の公訴時効は、法定刑から刑事訴訟法250条2項により5年。課徴金納付命令は金融商品取引法178条以下の手続によるが、除斥期間の定めがあるため個別に確認を要する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(発行開示制度の趣旨):4条の届出義務は投資者保護のための情報開示規制であり、発行者と投資家の情報の非対称を是正する点に趣旨がある。したがって勧誘内容が真実であっても、無届であること自体が違法評価の対象となる
実務通説(募集該当性の判定基準):募集か私募かは取得勧誘の相手方の人数と属性で判定され、実際の取得者数では判定しない。転売制限の設計と6か月通算の有無を落とすと、人数を絞っても私募構成が崩れると解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:証券取引法の制定により、米国1933年証券法の登録制を範とする発行開示規制として届出義務が導入された
- 2.平成18年(2006年) 改正:証券取引法から金融商品取引法への改組にあたり、投資性金融商品を横断的に規律する体系のもとで発行開示規制が再編された
- 金融商品取引法 第2条募集・売出し・私募の定義、人数要件の判定基準
- 金融商品取引法 第5条有価証券届出書の記載事項と提出手続
- 金融商品取引法 第8条届出の効力発生までの待機期間
- 金融商品取引法 第15条目論見書交付義務、届出後の取得させる行為の制限
- 金融商品取引法 第16条届出前勧誘による損害賠償責任
- 金融商品取引法 第24条継続開示義務、開示が行われている場合の前提
- 金融商品取引法 第197条の2無届募集に対する刑事罰
- 金融商品取引法 第172条無届募集に対する課徴金納付命令
- 会社法 第199条募集株式の発行手続、会社法上の別個の規律
- 不動産特定共同事業法 第3条不動産投資スキームにおける別枠の許可規制
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