金融商品取引法 第92条(出資及び責任)
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- 会員は、定款の定めるところにより、出資をしなければならない。
- 2.会員の金融商品会員制法人に対する責任は、定款に定める経費及び当該会員が当該金融商品会員制法人に与えた損害の負担のほか、その出資額を限度とする。
この条文の基本情報
出資及び責任とは何ですか?
定義出資及び責任とは、金融商品取引法第92条に定められた規定で、「会員は、定款の定めるところにより、出資をしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 金融商品取引法第92条(出資及び責任)は、日本の金融商品取引法に含まれる条文です。
- 金融商品取引法第92条の条文原文は「会員は、定款の定めるところにより、出資をしなければならない。」で始まります。
- 金融商品取引法第92条は第三目 会員に置かれています。
- 金融商品取引法の公布日は昭和23年4月13日です。
- 金融商品取引法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 金融商品取引法第92条の前の条は金融商品取引法第91条です。
- 金融商品取引法第92条の次の条は金融商品取引法第93条です。
- 金融商品取引法第92条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第92条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000025 - 本サイト収録
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第92条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000025/92
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点金融商品取引法92条は、金融商品会員制法人の会員に定款に基づく出資義務を課し、会員の責任は定款所定の経費と与えた損害の負担を除き、出資額を限度とすると定める。
Q · 金融商品会員制法人の会員って、出資した金額より多く払うことはあるの?
あります。経費と与えた損害は出資額の枠外です
金融商品取引法92条2項は、会員の法人に対する責任を出資額限度としつつ、定款に定める経費と、当該会員が法人に与えた損害の負担を、その限度の外に置いています。したがって出資額を失えば終わりではなく、毎年の経費負担と、自らの行為により法人に生じた損害の賠償は別枠で負います。加入判断では出資額よりも、定款が経費をどう賦課する設計になっているかを先に確認すべきです。
解説
証券取引所や金融商品取引業協会といった「金融商品会員制法人」の内側には、株式会社とは別種の出資と責任の設計図が敷かれている。金融商品取引法92条は、その二本の柱をわずか二項で立てる。第1項は、会員に対し定款の定めに従って出資する義務を課す。第2項が実務上の急所で、会員の法人に対する責任は「定款に定める経費」「その会員が法人に与えた損害の負担」に加えて、出資額を限度とすると定める。ここを読み違える人が多い。出資額を限度とするのは、あくまで一般的な責任部分であって、定款所定の経費負担と自ら与えた損害の賠償は、出資額の枠外で別途負う。つまり「出資した金額を失えばそれで終わり」ではない。あなたが会員法人の運営に関わる立場なら、加入時に確認すべきは出資額ではなく、定款の経費条項がどこまで会員に負担を回す設計になっているかである。
法的な位置づけ
金融商品取引法92条は、金融商品会員制法人における会員の出資義務と対法人責任の限度を定める規定である。1項は定款の定めに従った出資義務を課し、2項は会員の責任を出資額限度としつつ、定款所定の経費および当該会員が法人に与えた損害の負担をその限度の外に置く。株主有限責任とは異なる責任構造を形成する。
よくある質問 AI による整理
Q1金融商品会員制法人とは何ですか?
金融商品取引法に基づき会員の出資によって設立される社団法人で、会員組織の取引所や協会がこれにあたります。株式会社とは出資と責任の設計が異なります。
Q2会員の有限責任はどこまでですか?
92条2項の「出資額を限度とする」は残余部分にのみ及びます。定款に定める経費と、自らが法人に与えた損害の負担は限度の外で別に負います。
Q3定款に定める経費とは具体的に何ですか?
法人の運営費を会員に配分する負担で、年会費・賦課金などの名称で定款と関連規則に算式が置かれます。金額は法人が存続する限り毎年発生します。
Q4会員が法人に損害を与えたらいくら払うのですか?
92条2項が損害の負担を出資額限度の外に置いているため、出資額での頭打ちは主張できません。損害額に応じた負担を負うのが条文の構造です。
Q5株主の有限責任と何が違いますか?
株主は会社から経費を賦課されませんが、会員は定款に基づき毎年経費を負担します。同じ「有限責任」でも財務負担の構造が異なります。
Q6出資の金額はどうやって決まりますか?
92条1項は「定款の定めるところにより」とするのみで、金額や払込方法は各法人の定款に委ねられます。加入前に定款の出資条項の確認が必要です。
Q7経費を払わないとどうなりますか?
定款上の法定の負担義務の不履行となり、会員たる地位に関わる制裁や法人からの履行請求の対象になりえます。単なる会費の滞納とは重みが違います。
Q8金融商品会員制法人と株式会社の取引所は違いますか?
違います。会員制法人は会員の出資と経費負担で運営され、株式会社形態の取引所は株主の出資と資本市場から資金を得ます。責任規定も別系統です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会員をやめれば、もう払わなくていいんですか?
脱退しても、脱退前に発生済みの経費負担義務と損害賠償債務は消えない。金融商品取引法92条2項が挙げる二つの負担は、会員たる地位と切り離して債務として残る。実務のポイント:脱退時の清算で、出資の払戻しと未払債務の相殺をどう処理するかは定款次第で差が大きい。加入前に脱退条項まで読んでおく実務担当者は少なく、そこで差がつく
Q2出資額って、あとから増やされることはありますか?
出資は定款の定めるところによる(92条1項)ので、定款が変更されれば追加出資の定めが置かれる余地はある。定款変更には総会の決議が必要で(金融商品取引法の会員制法人に関する規定による)、一会員が単独で拒める構造ではない。実務のポイント:加入判断では、現在の出資額よりも定款変更の決議要件を見る方が実態に近い。要件が緩い法人ほど、将来の負担が読みにくい
間違えやすい点 AI による整理
- 「有限責任だから出資額を失うのが最悪ケース」という理解は、2項の読み方を一段階で止めている。条文は『定款に定める経費及び当該会員が当該金融商品会員制法人に与えた損害の負担のほか』と明示的に外している。出資額限度という言葉は、外された二つを差し引いた残余部分にしかかからない
- 問いの立て方そのものがずれている例が多い。「いくら出資するのか」ではなく「定款が経費をどう配分するのか」が本当の与信リスクである。出資額は加入時に確定するが、経費負担は法人が存続する限り毎年発生し、しかも定款変更で算式が動きうる
- 会員の側から見れば「協会に会費を払っている」だけに見える。だが法人の側から見れば、それは法定の負担義務であり、履行しなければ会員たる地位に関わる制裁の対象になりうる。この視点の落差が、支払遅延を軽視した会員を追い詰める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 金商法92条:会員の出資義務と対法人責任の限度 | 金商法91条:会員の資格・加入に関する定め 金商法93条:経費負担に係る配套規律 |
| 発生するタイミング | 加入時の出資 + 在籍中の責任として継続 | 加入の可否を判断する入口段階 法人の運営に伴い継続的に発生 |
| 金額の確定性 | 出資額は定款で確定、損害負担は事後に変動 | 金額概念はなく資格要件の充足が問題 定款の算式により毎期変動しうる |
| 実務で先に読む順序 | 責任の三層構造を把握する起点 | 自社が加入できるかの前提確認 加入後の実質コストを試算する条項 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も会員制と株式会社制の二本立てで取引所を規律し、会員の出資と経費分担を定款・章程に委ねる構造は日本と近い
韓国取引所は株式会社形態に移行済みで、会員制の色彩は金融投資協会の会員規律に残る。日本ほど会員責任を条文上明示しない
ドイツの取引所は公法上の営造物で、取引参加者は許可制。会員の出資という私法的構成ではなく、公法上の負担金として費用を配分する
米国は取引所および登録証券業協会の会員規律を連邦法で定め、会費・賦課金は自主規制機関の規則に委ねる。日本の会員制法人規定の直接の源流にあたる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社が金融商品取引業協会に加入する。稟議書には出資金額しか書かれていない。だが92条2項の構造上、定款に定める経費の負担は出資額とは別枠。年間賦課金がどの算式で決まり、市況悪化時にどこまで膨らみうるか、加入前に定款と関連規則を読まないと稟議の金額は絵に描いた餅になる
- 会員法人のシステムに、ある会員がルール違反の発注を流し込み、清算処理が停止した。復旧費用は数億円。この会員は「出資額を限度とする」と抗弁できるか。できない。自らが法人に与えた損害の負担は2項が出資額限度の外に置いている
- もし法人が解散し、債務が資産を上回っていたとしたら、会員はどこまで払うのか。一般的な責任部分は出資額まで。ただし未払いの経費負担分と、既に生じた損害賠償債務は別に残る
- 加入手続の締切まであと5日。法務部に回ってきた定款は80ページ。真っ先に開くべきは出資条項ではなく、経費の賦課方法を定めた条項と、会員の損害賠償責任を具体化した条項である
取るべき行動
被害を受けた側:会員法人の側で損害を受けた場合、1. 損害を発生させた会員の行為と損害との因果関係を、システムログ・取引記録で時系列に固める2. 定款および業務規程のどの条項に違反したかを特定する3. 請求書面では92条2項が損害の負担を出資額限度の外に置いている点を明示する4. 並行して民法709条・415条による構成も検討し、時効の短い方を基準に動く
訴えられた側:会員として損害賠償を求められた場合、1. まず自社の行為が定款・業務規程上の義務違反にあたるかを逐条で検証する2. 損害額の算定根拠(復旧費用の内訳、逸失利益の範囲)を明細レベルで開示させる3. 法人側や他会員にも原因の一端があれば過失相殺(民法722条2項)を主張する4. 経費の未払分と損害賠償を混同した一括請求が来ていないか、項目を分離させる
時効(請求できる期限):本条に固有の時効はない。経費の支払義務や損害賠償債務は、一般の消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から10年)による。不法行為構成をとる場合は民法724条(知った時から3年)が適用されうる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 改正:証券取引法が金融商品取引法に改称される大改正により、会員組織の取引所等に関する規律が「金融商品会員制法人」として整理された
- 金融商品取引法 第88条金融商品会員制法人の法人格と目的の定め
- 金融商品取引法 第91条会員の資格および加入に関する定め
- 金融商品取引法 第93条会員の経費負担に係る配套規律
- 金融商品取引法 第2条金融商品取引業等の定義による適用範囲の画定
- 会社法 第104条株主有限責任との構造的対比
- 民法 第709条会員が与えた損害の賠償請求の一般的根拠
- 民法 第166条経費債務・損害賠償債務の一般消滅時効
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