少年法 第15条(検証、押収、捜索等)
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- 家庭裁判所は、検証、押収、捜索又は電磁的記録提供命令をすることができる。
- 2.刑事訴訟法中、裁判所の行う検証、押収、捜索及び電磁的記録提供命令に関する規定は、保護事件の性質に反しない限り、前項の場合について準用する。
この条文の基本情報
検証、押収、捜索等とは何ですか?
定義検証、押収、捜索等とは、少年法第15条に定められた規定で、「家庭裁判所は、検証、押収、捜索又は電磁的記録提供命令をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第15条(検証、押収、捜索等)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第15条の条文原文は「家庭裁判所は、検証、押収、捜索又は電磁的記録提供命令をすることができる。」で始まります。
- 少年法第15条は第三節 調査及び審判に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第15条の前の条は少年法第14条です。
- 少年法第15条の次の条は少年法第16条です。
- 少年法第15条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第15条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第15条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/15
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法15条は、家庭裁判所が検証・押収・捜索・電磁的記録提供命令をできると定める。手続は刑事訴訟法を準用するが、保護事件の性質に反しない限りに限られる。
Q · 家庭裁判所は、少年事件で子どもの部屋を捜索したりスマホを押収したりできるの?
できる。ただし刑訴法の手続を保護事件の性質に反しない範囲で準用する
少年法15条1項により、家庭裁判所は検証・押収・捜索・電磁的記録提供命令をすることができます。同条2項により、刑事訴訟法中の裁判所が行うこれらの処分に関する規定(令状の発付、立会い、押収品目録の交付、還付など)が、保護事件の性質に反しない限り準用されます。実務では証拠の多くが警察・検察からの送致記録で届くため、家裁が自ら強制処分に踏み切る例はまれです。
解説
家庭裁判所には「話を聞いて、更生の道を一緒に探してくれる場所」というイメージがある。ところが少年法15条は、その家裁に刑事裁判所と同じ強制の手段を与えている。具体的には、検証(裁判官が現場や物を自分の目で確かめること)、押収(証拠物を取り上げて裁判所で保管すること)、捜索(家や持ち物を探すこと)、そして電磁的記録提供命令(データそのものを差し出すよう命じること)である。手続の細部は刑事訴訟法の規定を借りるが、「保護事件の性質に反しない限り」という条件が付く。手段は刑事裁判と同じでも、目的は処罰ではない。少年に合った処遇を選ぶための事実確認である。実務では証拠の大半が警察や検察からの送致記録として届くため、家裁が自分で捜索に動くことはめったにない。だから家裁が自ら動いたときは、送致記録だけでは非行事実か要保護性(立ち直りのために保護が必要な度合い)が固まっていないというサインになる。何が押さえられたのかを把握している親と付添人は、審判の争点を先回りして読める。
法的な位置づけ
少年法15条は、家庭裁判所の強制的な証拠収集権限を定める規定であり、少年保護事件において検証・押収・捜索・電磁的記録提供命令をすることができる旨を定める。手続は刑事訴訟法中の裁判所が行う同種処分の規定を準用するが、その準用は保護事件の性質に反しない限度に限られる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.付添人を選任する 押収・捜索を受けたら、少年本人または保護者はまず付添人(多くは弁護士)を選任する(少年法10条)。以後の目録確認や還付請求は付添人を通じて進めるのが確実
- 2.押収品目録を確認する 交付された押収品目録で、何が押さえられたかを一点ずつ確認する。非行と関係のない物(学校のタブレット、家族共用端末など)が含まれていないかをチェックする
- 3.還付・仮還付を申し出る 非行と関係のない物や生活に不可欠な物について、付添人を通じて家庭裁判所に還付または仮還付を申し出る(刑事訴訟法123条の準用)。観護措置の期間中に動くことで生活への支障を短くできる
- 4.証拠に手を加えない データの削除や物の処分など、証拠に手を加える行為は一切しない。監護能力の評価を下げ、社会内処遇の選択肢を狭める原因になる
よくある質問 AI による整理
Q1少年法15条とは何ですか?
家庭裁判所が少年保護事件で検証・押収・捜索・電磁的記録提供命令をできると定めた条文です。手続は刑事訴訟法の規定を準用します。
Q2家庭裁判所の捜索に令状は必要ですか?
刑事訴訟法中の裁判所が行う捜索の規定が準用されるため、捜索状などの形式を踏んで行われます。根拠のない強制ではありません。
Q3少年事件で押収された物に目録はもらえますか?
押収品目録の交付に関する刑事訴訟法の規定も、保護事件の性質に反しない範囲で準用されます。何が押さえられたかは必ず確認しましょう。
Q4電磁的記録提供命令とは何ですか?
端末そのものではなく、必要なデータを記録媒体などで差し出すよう命じる処分です。少年法15条は家裁にもこの権限を認めています。
Q5少年事件で押収されたスマホ 返還請求できる?
留置の必要がなくなれば還付を求められます(刑事訴訟法123条の準用)。生活に必要な場合は仮還付を付添人を通じて申し出る方法もあります。
Q6家裁の押収に親は立ち会えますか?
刑事訴訟法の立会いに関する規定が保護事件の性質に反しない範囲で準用されます。住居主などの立会いが問題となるため、付添人に確認しましょう。
Q7少年審判で押収された物は没取されますか?
非行に使われた物や非行で得た物などは、少年法24条の2により没取されることがあります。押収は一時保管、没取は取り上げの確定で段階が異なります。
Q8家裁が自ら捜索するのはどんなとき?
送致記録や調査官の調査だけでは非行事実や要保護性が固まらないときです。実務ではまれで、多くは少年法16条で警察等に協力を依頼します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1家裁って、警察みたいに家の中を捜索できるんですか?
できる。少年法15条1項が捜索を明文で認め、同条2項により、裁判所が行う捜索についての刑事訴訟法の規定(捜索状の発付など)が準用される。ただし実際に家裁が自ら捜索する例はまれである。実務のポイント:家裁は証拠が足りないとき、自分で捜索するより、少年法16条の援助・協力依頼で警察や検察に補充の捜査を頼むことのほうが多い。家裁自身が動いたときは、それだけ事実認定が揺れている証拠と読める
Q2押収された子どものスマホ、いつ返ってくるんですか?
証拠として留め置く必要がなくなれば、還付(返却)される(刑事訴訟法123条の準用)。一時的に返してもらう仮還付の制度もある。ただし非行に使われた物などは、少年法24条の2により没取されることもある。実務のポイント:審判の終了を待たずに、付添人から「生活に必要なデータだけでも先に取り出したい」と具体的に申し出ると、対応が動くことがある。黙って待つ家庭ほど返却が遅れやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「家裁は刑事裁判所ではないから、家を捜索したり物を取り上げたりはできない」と思われがちだが、少年法15条で検証・押収・捜索が明文で認められている。一方で、刑事訴訟法の令状主義に関する規定も準用されるため、根拠のない強制ではなく、捜索状や差押状という形式を踏んで行われる
- 親から見れば、子どものスマホやノートは家庭内のプライベートな持ち物である。法律から見れば、非行事実と要保護性の両方を裏付けうる証拠物である。この見え方の違いから、親が「子どものためを思って」データを消したり物を処分したりすると、審判で家庭の監護能力(子どもを見守り導く力)そのものが疑われ、社会内処遇の選択肢を自ら狭めることになる
- 「保護処分は刑罰ではないから、取り上げられた物は最終的に全部戻ってくる」と考えるのは半分しか正しくない。少年法24条の2は、非行に使われた物や非行によって得た物などを家裁が「没取」(刑罰の没収とは別の、保護手続上の取り上げ)できると定めている。押収は一時保管、没取は取り上げの確定であり、両者は別の段階である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処分の主体 | 少年法15条:家庭裁判所 | 少年法6条の5:警察官(触法少年事件) 少年法16条:家裁が警察等に援助・協力を依頼 |
| 手段の中身 | 検証・押収・捜索・電磁的記録提供命令 | 押収・捜索・検証・鑑定嘱託など(刑訴法準用) 家裁自身は強制処分をせず関係機関の協力を求める |
| 物の最終的な行方 | 押収=一時保管、不要になれば還付 | 少年法24条の2:非行組成物等の没取で取り上げが確定 — |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も刑事訴訟法の搜索・扣押等の規定を、少年保護事件の性質に反しない限り準用する構造をとり、日本と発想が近い
ドイツは少年裁判所法に特則がない限り一般の刑事手続法(StPO)を適用する。保護事件と刑事事件を分ける日本型の二元構造とは異なる
米国では少年手続にも修正第4条の捜索・押収の保障が及ぶとされ、詳細は州法に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 審判の直前、家裁から「お子さんの部屋を捜索する」と告げられたら、親は断れるのか? 裁判所の捜索状があれば断れない。ただし住居主の立会いや押収品目録の交付といった刑事訴訟法上の手続保障も、保護事件の性質に反しない範囲で一緒に準用される。何を持っていかれたかは目録で必ず確認する
- あなたは17歳。共犯とされた先輩とのやり取りが残るスマホを押さえられた。観護措置の期限まで、あと10日しかない。「消したメッセージはもう出てこない」という読みは危うい。解析で復元される前提に立ち、付添人に経緯を包み隠さず話したほうが、処遇を選ぶ段階では信頼を得やすい
- 盗まれた自転車が、少年事件の証拠として家裁に保管されている。審判が終わるまで返してもらえないと思って諦めていた。証拠として置いておく必要がなくなれば、審判前でも返却を求める余地はある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害品が証拠として押収されているなら、家裁または事件を担当する機関に返却の見通しを問い合わせる。刑事訴訟法124条(被害者への還付)の準用の範囲は実務の判断による2. 少年法5条の2に基づく記録の閲覧・謄写を申し出て、どの証拠が押さえられているかを把握する3. 少年法9条の2に基づく意見聴取を申し出て、被害の実情を審判に届ける4. 賠償は保護手続とは別に、民法709条による民事請求として検討する
訴えられた側:1. 少年本人または保護者は、まず付添人(弁護士が務めることが多い、少年法10条)を選任する2. 押収品目録を確認し、非行と関係のない物の還付を求める(刑事訴訟法123条の準用) 3. データの削除や物の処分など証拠に手を加える行為は絶対にしない。監護能力の評価を大きく下げる4. 押収の処分そのものへの不服申立ての可否と方法は、準用の範囲について解釈が分かれるため、付添人と具体的に検討する
時効(請求できる期限):押収そのものについて特定の時効はない。押収物の還付は、留置の必要がなくなればいつでも求められる(刑事訴訟法123条の準用)。保護処分の決定に対する抗告は、決定の日から2週間以内(少年法32条)。観護措置は原則2週間で、更新により最長4週間、一定の重大事件では最長8週間(少年法17条)
学説
通説:少年法15条2項による刑事訴訟法の準用は包括的な全面適用ではなく、保護手続の目的(少年の健全育成)と両立する範囲に限られる。令状主義など人権保障に関わる規定は準用されると解される。
改正沿革 AI による整理
- 昭和23年(1948年)制定 現行少年法の制定時から、家庭裁判所の検証・押収・捜索の権限と刑事訴訟法の準用を定める条文として置かれていたとみられる(要人的検証)
- 令和期の刑事手続 IT 化関連改正 「電磁的記録提供命令」が文言に加えられたとみられる。改正法の成立日・施行日は要人的検証
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行少年法の制定。家庭裁判所の検証・押収・捜索の権限と刑事訴訟法の準用を定める条文として置かれた
- 少年法 第14条証人尋問・鑑定等の証拠調べ権限
- 少年法 第16条警察等への援助・協力の依頼
- 少年法 第6条の5触法少年事件での警察の押収・捜索
- 少年法 第24条の2非行組成物等の没取
- 刑事訴訟法 第99条裁判所の差押えの基本規定、準用元
- 刑事訴訟法 第128条裁判所の検証の規定、準用元
- 刑事訴訟法 第123条押収物の還付・仮還付、準用元
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