少年法 第14条(証人尋問・鑑定・通訳・翻訳)
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- 家庭裁判所は、証人を尋問し、又は鑑定、通訳若しくは翻訳を命ずることができる。
- 2.刑事訴訟法中、裁判所の行う証人尋問、鑑定、通訳及び翻訳に関する規定は、保護事件の性質に反しない限り、前項の場合に、これを準用する。
この条文の基本情報
証人尋問・鑑定・通訳・翻訳とは何ですか?
定義証人尋問・鑑定・通訳・翻訳とは、少年法第14条に定められた規定で、「家庭裁判所は、証人を尋問し、又は鑑定、通訳若しくは翻訳を命ずることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第14条(証人尋問・鑑定・通訳・翻訳)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第14条の条文原文は「家庭裁判所は、証人を尋問し、又は鑑定、通訳若しくは翻訳を命ずることができる。」で始まります。
- 少年法第14条は第三節 調査及び審判に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第14条の前の条は少年法第13条です。
- 少年法第14条の次の条は少年法第15条です。
- 少年法第14条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第14条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第14条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法14条は、家庭裁判所が少年審判で証人尋問や鑑定・通訳・翻訳を命じる権限を定める。刑事訴訟法の規定は保護事件の性質に反しない限り準用される。
Q · 少年審判で、息子の無実を示す証人を呼んでもらうことはできますか?
申出はできるが、実施するかは裁判所の合理的裁量で決まる
少年法14条は、家庭裁判所に証人尋問や鑑定・通訳・翻訳を命じる権限を与えています。少年・保護者・付添人は少年審判規則29条の3により証拠調べの申出ができますが、請求権ではなく、実施するかどうかは裁判所が判断します。ただし最高裁昭和58年10月26日決定(流山事件)は、この判断が完全な自由裁量ではなく合理的な裁量に委ねられるとしています。非行事実を争うなら、早い段階で書面により申し出ることが重要です。
解説
少年審判には、原則として検察官と弁護人が向き合う対決の構図がない。裁判官が自分で記録を読み、自分で証拠を集め、自分で判断する「職権主義」である。14条はその裁判官に、証人尋問と、鑑定・通訳・翻訳を命じる権限を与えている。見落とされやすいのは、ここに「少年側が請求すれば必ず行われる」とは書かれていない点だ。少年と付添人(少年審判で弁護士が務める代理人役)にできるのは証拠調べの「申出」(少年審判規則29条の3)までで、実施するかどうかは裁判所の合理的な裁量で決まる。しかも少年審判では伝聞法則(本人以外の供述を書いた調書を原則として証拠にしない刑事裁判のルール)は適用されないと解されており、警察が作った供述調書はそのまま裁判官の机に載る。「あの目撃証言はおかしい」と思っても、その証人を法廷に呼ぶ申出をしなければ、調書が事実として扱われていく。わが子が「やっていない」と言っているなら、この条文は争うための数少ない入口になる
法的な位置づけ
少年法14条は、家庭裁判所が少年保護事件において、証人を尋問し、または鑑定・通訳・翻訳を命ずる権限を定める規定である。同条2項により、刑事訴訟法中の裁判所の行う証人尋問・鑑定・通訳・翻訳に関する規定が、保護事件の性質に反しない限り準用される。少年側には請求権はなく、申出を受けた裁判所の合理的な裁量により実施の要否が決まる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.付添人を選任する 非行事実を争う場合は、すぐに弁護士を付添人として選任する。国選付添人の対象事件かどうかも確認する
- 2.本人の言い分と記録の矛盾を洗い出す 付添人が少年と面会し、本人の言い分を固める。記録を閲覧し、共犯少年や目撃者の供述調書の矛盾点を整理する
- 3.証拠調べの申出を書面で提出する 少年審判規則29条の3に基づき、証人尋問・鑑定・通訳などの申出を書面で早期に提出する。必要性と争点を具体的に記載する
- 4.申出の結果を記録に残す 申出が却下された場合も、その経過を記録に残しておく。保護処分決定への抗告(32条、告知から2週間以内)を検討する材料になる
よくある質問 AI による整理
Q1少年審判の証人尋問とは?
家庭裁判所が少年法14条に基づき、事件の関係者を呼んで直接質問する証拠調べです。刑事訴訟法の尋問規定が、保護事件の性質に反しない限り準用されます。
Q2少年審判で証拠調べの申出はできる?
できます。少年・保護者・付添人は少年審判規則29条の3により、証人尋問や鑑定などの申出ができます。ただし実施するかは裁判所の判断です。
Q3少年審判に伝聞法則は適用される?
適用されないと解されています。警察の供述調書もそのまま証拠資料になるため、内容を争うには証人尋問の申出が事実上の手段となります。
Q4少年審判の通訳は誰が選ぶ?
家庭裁判所が少年法14条に基づき通訳人を選任します。少年の母語や理解度に不安があれば、付添人を通じて選任や配慮を求めることができます。
Q5少年審判で精神鑑定はできる?
できます。14条の鑑定として、裁判所が精神科医などの専門家に鑑定を命じることがあります。少年鑑別所の鑑別とは別の手続きです。
Q6少年審判の証人が嘘をついたら偽証罪になる?
宣誓したうえで虚偽の陳述をすれば、刑法169条の偽証罪の対象となりえます。刑事訴訟法の宣誓に関する規定が準用されるためです。
Q7少年審判の証人尋問は公開される?
公開されません。少年審判は非公開が原則です(少年法22条2項)。証人尋問も審判の中で行われるため、傍聴人のいない場で実施されます。
Q8少年審判の付添人とは?
少年の権利を守り、審判に協力する立場の人で、多くは弁護士が務めます。証拠調べの申出や意見の提出など、少年側の防御の中心を担います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1息子は否認してるのに、裁判官が証人を呼んでくれないって、そんなことあるんですか?
あります。14条は裁判所に権限を与えた規定で、少年側の請求権を定めたものではありません。ただし最決昭和58.10.26は、証拠調べの範囲も家庭裁判所の完全な自由裁量ではなく合理的な裁量に委ねられるとしています。実務のポイント:却下されても、その判断は抗告理由(32条)の材料になります。申出を書面で残しておくこと自体が、後の争いの布石になります
Q2少年審判で呼ばれた証人の旅費とか通訳代、うちが払うことになるんですか?
31条により、家庭裁判所は証人・鑑定人・通訳人などに支給した費用を、少年本人や扶養義務者から徴収できる規定になっています。実務で全額が請求されるとは限らず、事案と資力によります。実務のポイント:費用を恐れて申出をためらうのは本末転倒です。気になるなら付添人を通じて事前に裁判所の運用を確認できます(最新の運用をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 少年事件は刑事裁判より緩いから、少年に有利な手続きだと思われがちである。実際は逆の面がある。刑事裁判なら被告人は証人審問権(憲法37条2項)を正面から主張でき、伝聞証拠は原則排除される。少年審判ではどちらもそのままの形では保障されず、非行事実を争う場面では、むしろ防御の足場が狭い
- 「鑑定」と聞くと少年鑑別所の鑑別を思い浮かべる人が多いが、両者は別物である。鑑別は観護措置(17条)に伴って少年鑑別所が行う資質の調査である。14条の鑑定は、裁判所が外部の専門家(精神科医、DNA 鑑定人など)に命じる証拠調べだ。「鑑別所で調べてもらったから十分」と考えて、責任能力や発達障害の精神鑑定の申出を見送るのは危うい
- 裁判官が真実を探してくれるのだから、親は待っていればいいと考えるのは視点がずれている。裁判官から見れば、手元の記録で非行事実が一応認定できる以上、追加の証人を呼ぶ動機は乏しい。家族の目には明らかな冤罪でも、記録の上では「争いのない事件」に見えている。そのずれを埋めるのは付添人の申出だけである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 少年法14条:証人尋問、鑑定・通訳・翻訳の命令 | 少年法15条:検証・押収・捜索 少年法17条:観護措置(身体の保全) |
| 刑事訴訟法との関係 | 保護事件の性質に反しない限り準用 | 保護事件の性質に反しない限り準用 少年法独自の規律 |
| 少年側の関与 | 申出(少年審判規則29条の3)、請求権ではない | 申出(同上) 異議の申立て等 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も刑事訴訟法の人証・鑑定・通訳等の規定を、少年保護事件の性質に反しない限り準用する構造で、日本とよく似ている
ドイツの少年裁判所法は、特別の定めがない限り一般の刑事手続規定(StPO)を適用する。保護手続と刑事手続を分ける日本とは構造が異なる
米国連邦最高裁は、少年手続にも証人との対面・反対尋問の権利などの適正手続が及ぶとした
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 息子が深夜のコンビニ強盗の共犯として逮捕された。本人は「見張りなんてしていない、たまたまいただけ」と言う。証拠は共犯少年の供述調書だけ。観護措置の期間は原則2週間しかない。付添人がこの共犯少年の証人尋問を今週中に申し出なければ、調書の記載がそのまま非行事実として認定されかねない
- 来日3年目のフィリピン国籍の中学生が万引きで審判を受けることになったら、誰が言葉の壁を埋めるのか? 家庭裁判所は14条で通訳人を選任できる。日本語の日常会話はできても、「保護観察」「少年院送致」の意味まで理解できているかは別問題である
- あなたは被害者として、加害少年の審判に証人として呼ばれた。刑事訴訟法の準用により宣誓したうえでの証言となり、記憶と違うことを述べれば偽証罪(刑法169条)の対象になりうる。「相手は子どもだから」という遠慮も誇張も、法廷では通用しない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 証人として呼び出されたら、事件当時のメモ、LINE 履歴、写真を時系列で整理しておく2. 宣誓のうえ証言するため、記憶が曖昧な点は「覚えていない」と正直に述べる3. 少年の前で話すのがつらい場合は、刑事訴訟法の準用による付添い・遮へい等の配慮を裁判所に相談する(準用の範囲は要確認) 4. 証言とは別に、被害者等の意見陳述(9条の2)や記録の閲覧(5条の2)も検討する
訴えられた側:1. 非行事実を争うなら、すぐに付添人(弁護士)を選任する。国選付添人の対象事件かも確認する(22条の3) 2. 付添人と供述調書の矛盾点を洗い出し、証人尋問・鑑定の申出を書面で早期に出す(少年審判規則29条の3) 3. 発達特性や精神状態が行動に関係する場合、鑑別とは別に精神鑑定の申出を検討する4. 日本語が十分でない場合は、通訳人の選任をためらわず求める
時効(請求できる期限):観護措置は原則2週間、更新は原則1回で最長4週間。非行事実に争いがあり証人尋問等が必要な一定の重大事件は、最長8週間まで延長可能(17条)。保護処分決定への抗告は告知から2週間以内(32条)。最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:少年審判は職権主義的審問構造をとり、伝聞法則は適用されないと解される。その反面、非行事実に争いがある場合には、少年の防御の機会を実質的に保障するため、証人尋問等の証拠調べを適切に行うべきとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行少年法の制定に伴い、家庭裁判所の証人尋問・鑑定・通訳・翻訳の権限と刑事訴訟法の準用を定めた。
- 少年法 第15条検証・押収・捜索の権限、証拠調べの対
- 少年法 第17条観護措置、証人尋問等のための特別延長
- 少年法 第22条審判の方式、懇切和やかな非公開審理
- 少年法 第31条証人・通訳人等の費用の徴収
- 刑事訴訟法 第143条証人適格、準用される尋問規定の中核
- 刑事訴訟法 第175条通訳の規定、準用により審判にも適用
- 刑法 第169条宣誓証人の虚偽陳述を偽証罪で処罰
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