少年法 第31条(費用の徴収)
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- 家庭裁判所は、少年又はこれを扶養する義務のある者から証人、鑑定人、通訳人、翻訳人、参考人、第二十二条の三第三項(第二十二条の五第四項において準用する場合を含む。)の規定により選任された付添人及び補導を委託された者に支給した旅費、日当、宿泊料その他の費用並びに少年鑑別所及び少年院において生じた費用の全部又は一部を徴収することができる。
- 2.前項の費用の徴収については、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百二十一条第一項、第二項及び第四項並びに刑事訴訟法第五百八条第一項本文及び第二項並びに第五百十四条の規定を準用する。この場合において、非訟事件手続法第百二十一条第一項中「検察官」とあるのは、「家庭裁判所」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
費用の徴収とは何ですか?
定義費用の徴収とは、少年法第31条に定められた規定で、「家庭裁判所は、少年又はこれを扶養する義務のある者から証人、鑑定人、通訳人、翻訳人、参考人、第二十二条の三第三項(第二十二条の五第四項において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第31条(費用の徴収)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第31条の条文原文は「家庭裁判所は、少年又はこれを扶養する義務のある者から証人、鑑定人、通訳人、翻訳人、参考人、第二十二条の三第三項(第二十二条の五第四項において準用する場合を含む。」で始まります。
- 少年法第31条は第三節 調査及び審判に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第31条の前の条は少年法第30条の2です。
- 少年法第31条の次の条は少年法第31条の2です。
- 少年法第31条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第31条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第31条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/31
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法31条は、家庭裁判所が少年または扶養義務者から、国選付添人や通訳人に支給した費用、少年鑑別所・少年院の費用の全部または一部を徴収できると定める。
Q · 少年事件の付添人や少年院の費用は、あとで親が払わされるの?
法律上は徴収されうるが、実務で徴収される例は少ないとされる
少年法31条1項により、家庭裁判所は少年本人または扶養義務者から、国選付添人・通訳人・証人などに支給した費用や、少年鑑別所・少年院で生じた費用の全部または一部を徴収できます。ただし「できる」規定なので、徴収するかどうかと金額は裁判所の裁量です。徴収命令は2項の準用規定により強制執行の根拠になるため、支払いが難しい場合は早めに家計事情を裁判所へ伝えることが重要です。
解説
少年事件は国が子どもを立ち直らせる手続だから、費用もすべて国が持つ。そう思い込んでいる親は多い。条文はそうなっていない。少年法31条は、家庭裁判所が少年本人か扶養義務者(多くは親)から、手続で生じた費用の全部または一部を「徴収することができる」と定めている。対象は、証人・鑑定人・通訳人の旅費や日当、国選付添人(家庭裁判所が選んだ弁護士)に支払った費用、試験観察中に子どもを預かった補導委託先への支払い、少年鑑別所と少年院で生じた費用である。徴収は家庭裁判所の命令で行われ、その命令は非訟事件手続法と刑事訴訟法の規定を準用して、判決と同じように強制執行の根拠になる。ただし「できる」規定なので、徴収するかどうか、いくら徴収するかは裁判所の裁量に任されている。実務上、実際に徴収されることは多くないとされる。だからこそ、家計の事情を早めに裁判所へ伝えておいた家庭と、何も伝えなかった家庭とでは、結果が変わる余地がある。
法的な位置づけ
少年法31条は少年保護事件における費用の徴収を定める規定であり、家庭裁判所が少年または扶養義務者から、証人・鑑定人・通訳人・翻訳人・参考人・国選付添人・補導受託者に支給した旅費・日当・宿泊料等と、少年鑑別所および少年院で生じた費用の全部または一部を裁量により徴収できる旨を定める。執行には非訟事件手続法121条および刑事訴訟法508条等が準用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.付添人の種類と費用負担を確認する 付添人が国選(少年法22条の3)か、私選で日弁連の少年保護事件付添援助制度を使っているかを確認し、最終的な償還の要否を書面で説明してもらう
- 2.調査官面接で家計状況を伝える 家庭裁判所調査官との面接で、収入・借入・扶養家族・住居費などの家計状況を具体的に伝え、記録に残してもらう。審判前に事情を伝えておくことが裁量判断の土台になる
- 3.徴収命令の費目と金額を確認する 徴収命令が届いたら、通訳料・補導委託費・少年鑑別所や少年院の費用など、費目ごとの内訳と金額を確認する。疑問点は書記官に問い合わせる
- 4.免除・一部負担・分割を相談する 一括で払えない場合は放置せず、全部の免除、一部負担、分割払いを家庭裁判所に相談する。不服申立ての可否と方法は解釈が分かれるため付添人・弁護士に確認する
よくある質問 AI による整理
Q1少年法31条とは何ですか?
少年保護事件の手続で国が支出した費用を、家庭裁判所が少年本人や扶養義務者から徴収できると定めた規定です。徴収するかどうかは裁判所の裁量です。
Q2少年鑑別所の費用は親が払う?
少年鑑別所で生じた費用は、少年法31条1項で扶養義務者からの徴収対象に含まれています。ただし実際に徴収するかどうかは家庭裁判所の裁量です。
Q3補導委託の費用は誰が負担する?
補導委託先には国から費用が支払われますが、その費用は少年法31条により少年本人または扶養義務者から徴収されることがあります。
Q4少年事件の費用徴収 払えない場合どうする?
収入・支出・扶養家族の状況を書面にまとめ、全部の免除または一部負担を家庭裁判所に相談します。放置すると強制執行の対象になりえます。
Q5少年事件の通訳費用 請求される?
通訳人・翻訳人に支給した旅費や日当も、少年法31条1項の徴収対象として条文に明記されています。徴収するかどうかは裁判所が判断します。
Q6少年法の費用徴収命令は差押えできる?
31条2項が非訟事件手続法121条と刑事訴訟法508条を準用するため、徴収命令は執行力ある債務名義と同一の効力を持ち、差押えの根拠になりえます。
Q7少年事件の費用 刑事裁判の訴訟費用と違う?
刑事訴訟法181条は有罪時に原則として被告人に負担させる仕組みです。少年法31条は「徴収できる」にとどまり、裁判所の裁量の幅が大きい点が異なります。
Q8少年院の費用 徴収 実際にある?
条文上は徴収可能ですが、実務で徴収される例は多くないとされます。制度として存在することと、実際に適用される頻度は別に考える必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1子どもが少年院に入ったら、毎月の生活費を親が払わなきゃいけないんですか?
少年法31条1項は、少年院で生じた費用を扶養義務者から徴収することを認めています。ただし「できる」規定なので、徴収するかどうかは家庭裁判所の裁量です。実務で徴収されることは多くないとされます。実務のポイント:審判前に調査官へ家計の苦しさを具体的に伝えておいた家庭は、後で徴収の話が出たときに相談の土台ができています。何も記録がない家庭ほど、話が一から始まります
Q2国選の付添人って、本当にタダなんですか?
国選付添人(22条の3)に支払われた費用は、31条1項で徴収対象に明記されています。最初に家族が払うことはなくても、後から徴収される可能性は条文上残っています。実務のポイント:私選で依頼し、日弁連の少年保護事件付添援助制度を使えば、原則として償還が要らない運用があります(最新の運用をご確認ください)。どの制度を使っているかを入口で確認するかどうかで、最終的な負担が変わりえます
Q3離婚して親権もないのに、元配偶者が育てている子の費用を請求されることはありますか?
31条1項が徴収の相手としているのは「扶養する義務のある者」で、親権者に限っていません。親権がなくても、親としての扶養義務は民法上残ります。実務のポイント:実際にどちらの親に請求するかは裁判所の裁量です。別居親は、養育費の支払い状況などの扶養の実態を示す資料を持っておくと、負担の割り振りについて説明しやすくなります
間違えやすい点 AI による整理
- 「国選だから無料」と考えがちだが、国選付添人に支払われた費用も本条の徴収対象として条文に書かれている。国選とは「国が選ぶ」という意味であり、「最後まで国が払う」ことまでは約束していない
- 少年院の費用が話題にのぼることは少ないため、親の負担はありえないと思われている。実際は、少年院と少年鑑別所で生じた費用は条文上、扶養義務者からの徴収が認められている。実務で徴収されることは少ないとされるが、制度として存在するかどうかと、実際に使われる頻度とは別の話である
- 「子どもの問題なのに、なぜ親の財布なのか」と憤る人もいる。法律から見れば、徴収の根拠は親の監督責任ではなく扶養義務である。だから非行に関わっていない別居親や、親権のない親にも向かいうる。怒りを向ける先を取り違えると、交渉の焦点を誤る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 少年法31条:支出した費用を少年・扶養義務者から徴収 | 少年法30条:証人・付添人等に支給する費用の算定 刑事訴訟法181条:刑事被告人に訴訟費用を負担させる |
| 負担させる相手 | 少年本人または扶養する義務のある者 | (支給側の規定であり負担者の定めではない) 被告人 |
| 裁判所の判断 | 「徴収することができる」、全部または一部の裁量 | 刑事訴訟費用に関する法令を準用して算定 刑の言渡しをしたときは原則として負担させる(貧困で納付不能が明らかなときは例外) |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾も保護処分の教養費用を少年または扶養義務者に負担させうる仕組みを持ち、資力に応じて免除できる点で日本と類似する
ドイツは少年刑事手続で少年に費用を負担させないことを裁判所が選択できる規定を置き、教育目的を費用負担より優先させる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 息子が少年鑑別所に入って三日目。国選付添人の弁護士から「費用は心配しなくていい」と言われた。ただ、その費用が後から親に請求されることは法律上ありうる。審判の日までに、家計の状況を調査官に伝えておくのが得策である
- 試験観察で、娘が県外の補導委託先(住み込みで子どもを預かる民間の受け入れ先)で三か月暮らすことになったら、その費用は誰が払うのか? 補導委託先に支払われた費用は、本条の徴収対象に明記されている
- 離婚して別居中の父親のもとに、元妻と暮らす息子の少年院送致の知らせが届いた。親権がなくても扶養義務は残る。本条は徴収の相手を「扶養する義務のある者」と書いている
- ベトナム出身の少年の審判で通訳人が毎回付いた。通訳人の日当と旅費も、条文上は徴収対象に並んでいる
- 家庭裁判所の書記官から費用徴収の話が出た。支払う余力はない。どう動けばいい? まず収入と支出を書面にまとめ、全部の免除か一部だけの負担かを裁判所に相談する。裁量の幅があるのが本条の特徴である
取るべき行動
被害を受けた側:(費用を請求される家族の立場として)1. 付添人に、国選・私選・日弁連援助制度のうちどれを使っているかと、償還の要否を書面で確認する2. 調査官との面接で、収入・借金・扶養家族の状況を具体的に伝える3. 徴収の話が出たら、全部の免除または一部の負担を裁判所に相談し、源泉徴収票などの資料を出す4. 不服申立てができるかどうかや、その方法は実務上解釈が分かれているため、付添人に相談する
訴えられた側:(本人または親が支払いを求められている場合)1. 徴収命令書の費目(通訳料、補導委託費、少年院費用など)と金額の内訳を確認する2. 徴収命令は債務名義(強制執行の根拠になる公的な文書)と同じ効力を持つため、放置すれば差押えの可能性がある3. 一括で払えなければ、早めに裁判所に分割払いを相談する4. 別居親や親権のない親は、自分の扶養の実態を説明する資料を用意する
時効(請求できる期限):本条自体には特定の期限の定めがない。一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用されるかどうかも含め、公的な費用債権の時効の扱いは要確認である。実務上は、審判前の調査の段階で家計事情を伝えられるかどうかが最初の分かれ目になる
学説
裁量規定説(一般的理解):31条1項は「徴収することができる」と定める裁量規定であり、徴収の有無と範囲は、扶養義務者の資力や家庭環境、少年の更生への影響などを考慮して家庭裁判所が判断するものと理解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行少年法(昭和23年法律第168号)の制定により、少年保護事件の費用徴収規定として設けられた
- 2.平成23年(2011年) 改正:非訟事件手続法(平成23年法律第51号)の制定に伴い、2項の準用先が新しい非訟事件手続法121条に改められた
- 少年法 第22条の3国選付添人の選任、徴収対象費用の発生根拠
- 少年法 第25条試験観察と補導委託、委託費用の発生根拠
- 少年法 第17条観護措置、少年鑑別所費用の発生根拠
- 少年法 第24条保護処分、少年院送致による費用発生
- 少年法 第30条証人等に支給する旅費日当の算定根拠
- 非訟事件手続法 第121条費用の裁判の執行手続を準用(現行効力を要確認)
- 刑事訴訟法 第508条執行命令の債務名義効を準用(現行効力を要確認)
- 刑事訴訟法 第181条刑事被告人の訴訟費用負担との対比
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