少年法 第31条の2(被害者等に対する通知)
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- 家庭裁判所は、第三条第一項第一号又は第二号に掲げる少年に係る事件を終局させる決定をした場合において、最高裁判所規則の定めるところにより当該事件の被害者等から申出があるときは、その申出をした者に対し、次に掲げる事項を通知するものとする。ただし、その通知をすることが少年の健全な育成を妨げるおそれがあり相当でないと認められるものについては、この限りでない。
- 一少年及びその法定代理人の氏名及び住居(法定代理人が法人である場合においては、その名称又は商号及び主たる事務所又は本店の所在地)
- 二決定の年月日、主文及び理由の要旨
- 2.前項の申出は、同項に規定する決定が確定した後三年を経過したときは、することができない。
- 3.第五条の二第三項の規定は、第一項の規定により通知を受けた者について、準用する。
この条文の基本情報
被害者等に対する通知とは何ですか?
定義被害者等に対する通知とは、少年法第31条の2に定められた規定で、「家庭裁判所は、第三条第一項第一号又は第二号に掲げる少年に係る事件を終局させる決定をした場合において、最高裁判所規則の定めるところにより当該事件の被害者等から申出…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第31条の2(被害者等に対する通知)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第31条の2の条文原文は「家庭裁判所は、第三条第一項第一号又は第二号に掲げる少年に係る事件を終局させる決定をした場合において、最高裁判所規則の定めるところにより当該事件の被害者等から申出…」で始まります。
- 少年法第31条の2は第三節 調査及び審判に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第31条の2の前の条は少年法第31条です。
- 少年法第31条の2の次の条は少年法第32条です。
- 少年法第31条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第31条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第31条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/31_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法31条の2は、家庭裁判所が終局決定をした場合、被害者等の申出により少年と法定代理人の氏名・住居、決定の主文と理由の要旨を通知する。申出は確定後3年まで。
Q · 加害者が少年だと、被害者は相手の名前や処分を知ることはできないの?
家裁に申し出れば氏名・住所と処分の要旨が通知される
少年法31条の2により、家庭裁判所が少年事件を終局させる決定をした場合、被害者等が申し出れば、少年とその法定代理人(通常は親)の氏名・住居、決定の年月日・主文・理由の要旨が通知されます。通知は自動では届かず、申出が必要です。申出は決定確定後3年を過ぎるとできません。少年の健全な育成を妨げるおそれがあり相当でない場合は通知されないこともあります。受け取った情報はみだりに広めてはならず、被害回復の目的で使う必要があります。
解説
加害者が少年だと、被害者の側には驚くほど何も知らされない。警察は名前を教えず、報道は少年法61条で実名を伏せる。家庭裁判所の審判は非公開だ。そのため「相手が誰で、どんな処分になったのか」を知らないまま終わる被害者は少なくない。ただ、家庭裁判所に自分から申出をすれば、少年と親権者など法定代理人の氏名・住所、決定の日付・主文・理由の要旨を書面で知らせてもらえる。それを定めるのが本条である。対象は、14歳以上の犯罪少年と、14歳未満の触法少年(刑罰法令に触れる行為をしたが年齢で罪に問えない子ども)の両方にわたる。黙って待っていても通知は来ない。申出をするかどうかで結果が分かれる。しかも期限があり、決定が確定してから3年たつと申出はできなくなる。通知を受けた後は、知った情報をみだりに広めない義務を負う(5条の2第3項の準用)。ただし、加害者側に損害賠償を請求するために使うのは正当な利用である。
法的な位置づけ
少年法第31条の2は、家庭裁判所が犯罪少年または触法少年に係る事件を終局させる決定をした場合に、被害者等の申出に基づき、少年及び法定代理人の氏名・住居並びに決定の年月日・主文・理由の要旨を通知する制度を定める規定である。申出期間は決定確定後3年に限られ、通知を受けた者には第5条の2第3項の守秘・濫用禁止義務が準用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.担当の家庭裁判所を確認する 事件がどの家庭裁判所に送致されたかを、被害届を出した警察署または担当検察庁に問い合わせて確認する。事件の特定に必要な情報(事件発生日、場所、被害届の受理番号など)を手元にそろえておく
- 2.家庭裁判所の少年係に申出手続を相談する 担当家庭裁判所の少年係に連絡し、被害者等通知の申出書の書式と提出方法を確認する。事件係属中から相談しておくと、終局決定後の手続を取りこぼしにくい
- 3.被害者等通知の申出書を提出する 申出書に必要事項を記入し、被害者等であることを示す資料とともに家庭裁判所へ提出する。申出は決定確定後3年以内に限られるので期限を必ず管理する
- 4.通知の受領日を記録し民事請求の準備に移る 通知書が届いたら受領日を記録する。加害者を知った時として民事の消滅時効が進む可能性があるため、弁護士に相談し、法定代理人への損害賠償請求(内容証明など)を検討する。情報は被害回復以外に使わない
よくある質問 AI による整理
Q1少年事件の被害者等通知制度とは?
家庭裁判所が少年事件の終局決定をした後、被害者等の申出に応じて加害少年と親の氏名・住居、決定の主文と理由の要旨を書面で知らせる制度です(少年法31条の2)。
Q2少年審判の結果 通知 いつまで申出できる?
終局決定が確定してから3年以内です(少年法31条の2第2項)。3年を過ぎると申出そのものができなくなるため、早めの手続が必要です。
Q3被害者等通知を申し出られるのは誰?
被害者本人のほか、法定代理人、被害者が死亡した場合や心身に重大な故障がある場合の配偶者・直系親族・兄弟姉妹などの「被害者等」です(少年法5条の2参照)。
Q414歳未満の加害者でも通知を受けられる?
受けられます。本条は犯罪少年(3条1項1号)だけでなく、14歳未満の触法少年(同2号)の事件も対象にしています。
Q5被害者等通知で分かる内容は?
少年と法定代理人の氏名・住居(法人なら名称と所在地)、決定の年月日、主文、理由の要旨です。保護観察か少年院送致かといった処分内容が分かります。
Q6通知で知った加害者の名前を SNS に書いたら違法?
5条の2第3項の準用により、正当な理由なく漏らしたり関係人の名誉・生活の平穏を害したりすることは禁じられます。名誉毀損で責任を問われるおそれもあります。
Q7被害者等通知の申出先はどこ?
事件を扱った家庭裁判所です。どの家庭裁判所に送致されたかは、警察や検察に確認できます。書式は各家庭裁判所で入手できます。
Q8被害者等通知が拒否されることはある?
あります。通知が少年の健全な育成を妨げるおそれがあり相当でないと認められる場合は通知されません(31条の2第1項但書)。その場合も記録閲覧など別の制度を検討できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1警察に聞いても相手の名前を教えてくれなかった。もう知る方法はない?
方法はある。家庭裁判所が終局決定を出した後、被害者等が申し出れば、少年と法定代理人の氏名・住所、決定の主文と理由の要旨が通知される(少年法31条の2)。実務のポイント:警察の窓口は、この制度について自分から説明しないことが多い。事件が家裁に送られたと聞いた段階で、担当の家庭裁判所の少年係に電話して申出の手続を聞くのがいちばん早い
Q2申し出たのに通知が来ない、なんてことはある?
ある。少年の健全な育成を妨げるおそれがあり相当でないと判断されると、通知されない(31条の2第1項但書)。実務のポイント:ただ、実務では通知されるのが原則で、断られるのは例外的な事情があるときに限られるとされる。断られた場合も、記録の閲覧・謄写(5条の2)という別の経路が残っているので、弁護士と一緒に組み合わせを考えるとよい(最新の運用状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「少年事件は、被害者でも加害者の名前を知ることができない」と思われがちだが、そうではない。報道規制(61条)が縛るのは報道機関などで、家庭裁判所が被害者に伝えることまでは禁じていない。本条は、被害者が氏名と住所を正式に知るための経路として作られている
- 通知制度があることは知っていても、それが自動では届かず、確定後3年で申出の道が閉じることまでは知られていない。弁護士に相談するのを先延ばしにしているうちに期限が過ぎ、加害者を特定できないまま民事の時効も迫る。二重の期限に挟まれるのが一番の危険である
- 被害者から見れば、通知は自分が当然受け取るべき情報である。一方、法律は「少年の健全な育成を妨げるおそれがあり相当でない」ときには通知しないという但書を置いている。受け取った情報を SNS でさらせば、5条の2第3項(準用)に反し、名誉毀損などで逆に訴えられる側に回りかねない。正当な被害回復のために使う、という線を越えないこと
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 得られる情報 | 31条の2:少年・法定代理人の氏名・住居、決定の年月日・主文・理由の要旨 | 5条の2:保護事件の記録(非行事実に関する部分等)の閲覧・謄写 22条の6:審判期日における審判の状況の説明 |
| 利用できる時期 | 終局決定後、確定から3年まで申出可 | 審判開始決定後から、確定後3年まで 審判の状況について、一定の期間内に申出 |
| 受け取った情報の扱い | 5条の2第3項を準用し、みだりな漏示・名誉等の侵害を禁止 | 5条の2第3項が直接適用 5条の2第3項の準用あり |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も少年事件の非公開原則を維持しつつ、2019年改正で被害人の意見陳述など手続参加を拡充した。審判結果の通知に相当する制度の具体的範囲は要確認
韓国は被害者等の陳述権を定める。審判結果の通知制度の有無と範囲は要確認
ドイツは被害者への手続終結等の通知を刑事訴訟法で定め、少年刑事手続にも原則として準用される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 中学生の息子が同級生グループから暴行を受け、肋骨を折った。警察からは「家庭裁判所に送った」と聞いただけで、その後は何の連絡もない。加害者は保護観察で済んだのか、少年院に送られたのか。治療費を請求したくても、相手の親の住所が分からない。そういうときは家庭裁判所に申出をすれば、少年と親の氏名・住所、処分の内容と理由の要旨が届く
- もし夜道で自転車に突っ込んできたのが13歳の少年だったら、どうなるか。刑事責任は問えないが、触法少年として家庭裁判所の審判に付されれば、本条の通知の対象になる。年齢が低いほど親の監督責任(民法714条・709条)を追及する道が太くなるので、親の氏名と住所が決定的な手がかりになる
- あなたは加害少年の親の立場にいる。審判が終わって一安心していたところへ、被害者の代理人弁護士から内容証明が届いた。住所がなぜ分かったのかといえば、本条の通知である。確定から3年が過ぎるまでは、被害者側が申出をする可能性がずっと残る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 事件を扱っている家庭裁判所を警察か検察に確認する2. その家庭裁判所に被害者等通知の申出をする(書式は裁判所にある。事件の係属中に申出の手続を相談しておくと取りこぼしがない) 3. 通知が届いたら日付を記録し、民事請求の時効管理を始める4. 記録の閲覧・謄写(5条の2)や審判状況の説明(22条の6)も併せて検討する5. 得た情報は損害賠償の請求以外に使わない
訴えられた側:1. 加害少年の親であれば、審判が終わっても確定後3年は被害者側に氏名と住所が伝わりうると考えておく2. 付添人(弁護士)を通じて早めに謝罪と賠償を申し出るほうが、訴訟になるより費用も心理的負担も小さく済むことが多い3. 通知を受けた被害者側が情報を SNS などで拡散した場合は、5条の2第3項(準用)違反と名誉毀損を理由に差止めを検討する
時効(請求できる期限):申出期限は、終局決定が確定してから3年(少年法31条の2第2項)。民事の損害賠償請求は、損害と加害者を知った時から3年、人の生命・身体の侵害なら5年(民法724条、724条の2)、行為時から20年
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年)改正(平成13年施行) 被害者等への配慮のための制度の一つとして、審判結果等を通知する本条が新設された
- その後の改正 平成20年の被害者配慮の拡充や令和3年の特定少年の新設などに伴い、本条の文言や準用条文が改正されたかどうかは人による検証が必要
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 新設:少年法等の一部を改正する法律により、被害者等への配慮の制度(記録の閲覧・謄写、意見聴取と並ぶもの)として審判結果等の通知制度が新設され、平成13年(2001年)に施行された
- 少年法 第5条の2被害者等の記録閲覧謄写と守秘義務
- 少年法 第9条の2被害者等の意見聴取
- 少年法 第22条の4重大事件の被害者等の審判傍聴
- 少年法 第22条の6審判状況の被害者等への説明
- 少年法 第61条推知報道の禁止、通知との対比
- 犯罪被害者等基本法 第18条刑事手続参加機会の拡充の基本理念
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