少年法 第24条(保護処分の決定)
クイックジャンプ
- 家庭裁判所は、前条の場合を除いて、審判を開始した事件につき、決定をもつて、次に掲げる保護処分をしなければならない。ただし、決定の時に十四歳に満たない少年に係る事件については、特に必要と認める場合に限り、第三号の保護処分をすることができる。
- 一保護観察所の保護観察に付すること。
- 二児童自立支援施設又は児童養護施設に送致すること。
- 三少年院に送致すること。
- 2.前項第一号及び第三号の保護処分においては、保護観察所の長をして、家庭その他の環境調整に関する措置を行わせることができる。
この条文の基本情報
保護処分の決定とは何ですか?
定義保護処分の決定とは、少年法第24条に定められた規定で、「家庭裁判所は、前条の場合を除いて、審判を開始した事件につき、決定をもつて、次に掲げる保護処分をしなければならない。ただし、決定の時に十四歳に満たない少年に係る事…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第24条(保護処分の決定)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第24条の条文原文は「家庭裁判所は、前条の場合を除いて、審判を開始した事件につき、決定をもつて、次に掲げる保護処分をしなければならない。ただし、決定の時に十四歳に満たない少年に係る事…」で始まります。
- 少年法第24条は第三節 調査及び審判に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第24条の前の条は少年法第23条です。
- 少年法第24条の次の条は少年法第24条の2です。
- 少年法第24条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第24条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第24条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/24
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法24条は、家庭裁判所が審判を開始した事件で、保護観察、児童自立支援施設等送致、少年院送致の保護処分を決定すると定める。14歳未満の少年院送致は特に必要な場合に限る。
Q · 子どもが家庭裁判所で少年院送致になったら、前科がつくの?
前科はつかない。三つの処分はすべて刑罰ではなく保護処分
少年法24条が定める保護観察、児童自立支援施設・児童養護施設への送致、少年院送致は、いずれも立ち直りを目的とする「保護処分」であり、刑罰ではないため前科にはなりません。ただし警察・検察の内部記録には前歴として残ります。また決定時14歳未満の少年の少年院送致は特に必要な場合に限られ、18歳・19歳の特定少年には本条ではなく64条が適用されます。
解説
子どもが家庭裁判所に呼ばれたとき、親の頭に浮かぶのは「刑務所に行くのか」「前科がつくのか」という二つの恐怖だろう。少年法24条が裁判官に渡している選択肢は、刑罰ではない。保護観察、児童自立支援施設または児童養護施設への送致、少年院送致。この三つはすべて「保護処分」(罰ではなく、立ち直らせるための措置)であり、どれを受けても前科にはならない。ここで押さえておくべきことは、どの処分になるかは事件の重さだけで決まらない、という点だ。家庭裁判所調査官(少年の家庭や学校を調べる専門職)は、家庭環境、学校や職場との関係、本人の反省の程度まで調べて報告する。つまり処分が決まる前に、親がどれだけ環境を立て直せるかが結論を動かす。さらに決定の時点で14歳未満の子は、「特に必要」な場合でなければ少年院に送れない。そして18歳と19歳の「特定少年」には、本条ではなく64条という別のルールが適用される。子どもの年齢を一歳間違えるだけで、見えている景色がまったく変わる。
法的な位置づけ
少年法24条は保護処分の種類を定める規定であり、家庭裁判所が審判を開始した少年事件について、23条の場合を除き、決定により保護観察所の保護観察、児童自立支援施設または児童養護施設への送致、少年院送致のいずれかを行う旨を定める。決定時14歳未満の少年への少年院送致は特に必要と認める場合に限られ、2項は保護観察所長による環境調整措置を認める。
手順
- 1.弁護士付添人を選任する 家庭裁判所への送致が分かった時点で、弁護士に付添人(少年法10条)を依頼する。観護措置を受けた一定の重大事件では国選付添人がつく場合もある
- 2.家庭の監督計画を書面化する 調査官面接の前に、門限、スマホ管理、通学の見守り、生活環境の変更予定など具体的な監督体制を書面にまとめ、付添人を通じて提出する
- 3.学校・勤務先の受け入れと被害弁償を整える 在籍校や勤務先に受け入れ意思を確認し、可能なら書面をもらう。被害者への謝罪や被害弁償の状況も資料化する
- 4.必要に応じて試験観察を求める 少年院送致か保護観察かで判断が分かれそうな場合、付添人を通じて試験観察(少年法25条)を求め、観察期間中に生活を立て直した実績を示す
- 5.決定後2週間以内に抗告を検討する 決定に法令違反、重大な事実誤認、処分の著しい不当があると考える場合、告知から2週間以内に付添人と抗告(少年法32条)を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1保護処分とは何ですか?
非行のある少年を罰するのではなく立ち直らせるために家庭裁判所が決める措置です。少年法24条は保護観察、施設送致、少年院送致の三種類を定めています。
Q2少年院送致は前科になりますか?
なりません。少年院送致は刑罰ではなく保護処分だからです。ただし警察や検察の記録には前歴として残るため、何も残らないわけではありません。
Q313歳でも少年院に送られることはある?
あります。決定時14歳未満でも、家庭裁判所が特に必要と認める場合に限り少年院送致ができます(少年法24条1項ただし書)。例外的な扱いです。
Q4児童自立支援施設と少年院の違いは?
児童自立支援施設は児童福祉法上の開放的な福祉施設で生活指導が中心です。少年院は法務省所管の矯正施設で、より強い拘束のもと矯正教育を行います。
Q5保護観察の期間はいつまで?
24条の保護観察は原則として20歳に達するまで、20歳までの期間が2年に満たない場合は2年です(更生保護法66条)。特定少年は別枠です。
Q618歳・19歳の少年にも少年法24条は適用される?
適用されません。2022年4月以降、18歳・19歳は特定少年として少年法64条の保護処分の枠組みで扱われ、児童自立支援施設送致の選択肢はありません。
Q7保護処分の決定に不服があるときはどうする?
決定の告知から2週間以内に高等裁判所へ抗告できます(少年法32条)。理由は法令違反、重大な事実誤認、処分の著しい不当に限られます。
Q8環境調整命令とは何ですか?
保護観察や少年院送致の際、家庭裁判所が保護観察所長に家庭などの環境を整える措置を行わせる制度です(少年法24条2項)。帰る場所づくりが目的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保護観察って、具体的に何をさせられるんですか?
自宅で生活を続けながら、保護観察官と保護司(地域のボランティア)の指導監督を受けます。定期的な面接、遵守事項(更生保護法50条、51条)の順守が中心で、期間は原則として20歳まで、20歳までが2年に満たなければ2年です(同法66条)。実務のポイント:保護司との面接を軽く見てすっぽかし続けると、少年法26条の4で施設送致に切り替わることがある。保護観察は執行猶予のようなもので、終わりではない
Q2少年院に行ったら、履歴書に書かないといけないんですか?
少年院送致は刑罰ではなく保護処分なので、「賞罰」欄の「罰」、つまり前科には当たらないと解されています。本籍地の犯罪人名簿にも載りません(最新の運用はご確認ください)。実務のポイント:少年院では高校卒業程度認定試験の受験や職業資格の取得を支援している。出院時に資格や学歴を持って出られるかどうかで、その後の就職の選択肢は大きく変わる。在院中の過ごし方を親が面会で後押しする価値は大きい
Q3初犯でも、いきなり少年院ってあるんですか?
あります。24条は前科前歴の有無を要件にしておらず、事件の重さに加えて、本人の性格や家庭環境から立ち直りの見込み(要保護性)を判断します。初犯でも、家庭に受け皿がないと判断されれば少年院送致になりえます。反対に、処分が必要ないと判断されれば不処分(23条2項)で終わることもあります。実務のポイント:要保護性は審判の日までに変えられる。事件は過去の事実だが、要保護性は現在の状態として見られる
Q4決定に納得できない場合、やり直しはできますか?
2週間以内なら高等裁判所に抗告できます(32条)。ただし理由は法令違反、重大な事実誤認、処分の著しい不当に限られ、「気に入らない」だけでは認められません。実務のポイント:抗告しても、原則として決定の執行は止まらない。少年院に入った状態で抗告審を待つことになる。だから勝負は審判前にある。また、保護処分を受けた事件は、原則として再び審判にかけられたり起訴されたりしない(46条)
間違えやすい点 AI による整理
- 「少年院は子ども版の刑務所」と思われがちだが、少年院送致は刑罰ではなく保護処分であり、前科にはならない。刑務所は刑罰を執行する場所、少年院は矯正教育(生活指導、教科指導、職業指導)を行う場所であり、目的も中身も違う。ただし警察や検察の内部記録には「前歴」として残るので、「何も残らない」わけでもない
- 問いの立て方そのものがずれている。「少年法で守られるか」を心配する前に、子どもが何歳かを確かめるべきだ。19歳の子に24条の三択は適用されない。特定少年には64条が適用され、保護観察は6か月か2年、少年院送致は3年以下の範囲で期間が決まり、児童自立支援施設という選択肢は最初からない
- 「14歳未満なら少年院に行かない」はもう正確ではない。平成19年(2007年)の改正で、決定時14歳未満の少年も「特に必要と認める場合」には少年院に送れるようになった(少年院法上の対象は、おおむね12歳以上)。例外的とはいえ、制度上の道はある
- 親から見れば事件は「子どもの問題」だが、家庭裁判所から見れば「家庭の問題」でもある。調査官は親の監督能力、親子関係、家庭の生活状況まで調べる。親が「うちの子に限って」と事実を認めない態度をとると、それ自体が「家庭に更生の受け皿がない」という評価につながりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる少年 | 少年法24条:18歳未満の少年(特定少年を除く) | 少年法64条:18歳・19歳の特定少年 少年法23条:年齢を問わず知事送致・検察官送致・不処分となる事件 |
| 処分の選択肢 | 保護観察、児童自立支援施設・児童養護施設送致、少年院送致 | 6か月または2年の保護観察、少年院送致(施設送致なし) 都道府県知事・児童相談所長送致、検察官送致、不処分 |
| 期間の決め方 | 要保護性を基準に判断、決定で期間を固定しない | 犯情の軽重を考慮し相当な限度で期間を定める(少年院は3年以下) 保護処分に至らないか、他機関に手続を移す |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も少年法院が訓誡、保護管束、安置輔導、感化教育などの保護処分を選択する。刑罰と区別された保護処分中心の構造は日本と共通する
韓国は1号から10号までの細分化された保護処分を定め、保護観察や少年院送致を段階的に選択できる
ドイツは少年刑法の中で教育処分(Erziehungsmaßregeln)、懲戒処分、少年刑を段階的に配置し、教育思想を優先する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 高校2年の息子が友人と自転車を盗み、窃盗で家庭裁判所に送致された。審判は3週間後。この3週間で家庭調査官との面接があり、家庭の監督体制、学校の受け入れ意思、本人の反省文が調べられる。「どうせ初犯だから大丈夫」と何もしなければ、調査票に「家庭に監督能力なし」と書かれかねない
- もし中学1年、13歳の娘が傷害事件を起こしたら、いきなり少年院に行くことはあるのか? 14歳未満の触法少年は、まず児童相談所が扱う。家庭裁判所に送られたとしても、少年院送致は「特に必要と認める場合」に限られる。実際には児童自立支援施設への送致が候補の中心になる
- 19歳の弟が特殊詐欺の受け子で逮捕された。家族は「未成年だから少年法で守られる」と考えていた。だが2022年4月以降、18歳と19歳は特定少年として64条の枠組みで扱われ、犯情の重さが処分を直接縛る。罪名によっては検察官に送り返され、成人と同じ刑事裁判になる
- 保護観察中の少年が、保護司との面接を無断で何度もすっぽかした。警告を受けても改善がなければ、家庭裁判所は26条の4に基づいて少年院などへの施設送致を決定できる。保護観察は「実質的に無罪放免」ではない
- あなたが被害者の親で、加害少年の処分が決まったと聞いた。何の処分だったのか、誰も教えてくれない。申出をすれば審判結果の通知を受けられる(31条の2)が、黙っていれば何も届かない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 家庭裁判所に、審判結果の通知(31条の2)と記録の閲覧・謄写(5条の2)を申し出る。申出をしなければ何も届かない2. 被害の心情や処分についての意見を述べたいなら、意見陳述(9条の2)を申し出る3. 保護処分は損害を賠償させる制度ではない。賠償は別に民事で請求する。少年本人に責任能力がなければ親の監督者責任(民法714条)、責任能力があっても親に監督義務違反があれば民法709条で親を訴える道がある
訴えられた側:1. すぐに弁護士の付添人(10条)を選任する。観護措置(鑑別所への収容)を受けた一定の重大事件では国選付添人がつく場合もある2. 調査官面接の前に、家庭の監督体制、学校や勤務先の受け入れ、被害弁償や謝罪の状況を資料にまとめる3. 少年院送致が見込まれるなら、試験観察(25条)を求める4. 決定に納得できなければ、付添人と相談して2週間以内に抗告する(32条)
時効(請求できる期限):保護処分の決定に対する抗告は、決定の告知から2週間以内(少年法32条)。理由は、決定に影響する法令違反、重大な事実誤認、処分の著しい不当に限られる。観護措置は原則2週間、更新を重ねて最長8週間(17条)で、その間に審判まで進むことが多い。被害者の結果通知の申出は、決定確定から3年以内(31条の2)
学説
通説:24条の処分選択は、非行事実の重大性に加え、要保護性(再非行の危険性、矯正可能性、保護相当性)を総合して判断する。処分は少年の健全育成という少年法1条の目的に適合するものでなければならない
改正沿革 AI による整理
- 平成9年(1997年)児童福祉法改正に伴う整備(要確認) 教護院が児童自立支援施設に改称されたことに伴い、第2号の施設名が改められた
- 平成19年(2007年)改正 決定時14歳未満の少年についても、特に必要と認める場合に限り少年院送致ができる旨のただし書が加えられた
- 令和3年(2021年)改正、令和4年(2022年)4月1日施行 本条の文言への影響は要確認だが、18歳・19歳の特定少年については64条が本条に代わって保護処分を定める仕組みとなった
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行少年法の制定により、家庭裁判所が保護処分を決定する仕組みが設けられた
- 2.平成9年(1997年) 改正:児童福祉法改正に伴い、教護院が児童自立支援施設に改称され、第2号の施設名が改められた(要確認)
- 3.平成19年(2007年) 改正:決定時14歳未満の少年についても、特に必要と認める場合に限り少年院送致ができる旨のただし書が加えられた
- 4.令和3年(2021年) 改正:特定少年(18歳・19歳)の特例が新設され、特定少年には本条に代わり64条が保護処分を定める仕組みとなった(2022年4月1日施行)
- 少年法 第23条知事送致・検察官送致・不処分の除外
- 少年法 第25条最終処分前の試験観察
- 少年法 第32条保護処分決定に対する抗告
- 少年法 第64条特定少年には本条に代わり適用
- 少年法 第46条保護処分後の再審判・起訴の禁止
- 少年院法 第4条少年院の種類と収容対象年齢
- 更生保護法 第66条保護観察処分少年の保護観察期間(現行効力を要確認)
- 児童福祉法 第44条児童自立支援施設の目的と役割
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める