少年法 第24条の2(没取)
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- 家庭裁判所は、第三条第一項第一号及び第二号に掲げる少年について、第十八条、第十九条、第二十三条第二項又は前条第一項の決定をする場合には、決定をもつて、次に掲げる物を没取することができる。
- 一刑罰法令に触れる行為を組成した物
- 二刑罰法令に触れる行為に供し、又は供しようとした物
- 三刑罰法令に触れる行為から生じ、若しくはこれによつて得た物又は刑罰法令に触れる行為の報酬として得た物
- 四前号に記載した物の対価として得た物
- 2.家庭裁判所は、前項に規定する少年について、第十八条、第十九条、第二十三条第二項又は前条第一項の決定をする場合には、決定をもつて、次に掲げる物を没取することができる。
- 一私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(平成二十六年法律第百二十六号)第三条第一項から第三項までの規定に触れる行為を組成し、若しくは当該行為の用に供した私事性的画像記録(同法第二条第一項に規定する私事性的画像記録をいう。)が記録されている物若しくはこれを複写した物又は当該行為を組成し、若しくは当該行為の用に供した私事性的画像記録物(同法第二条第二項に規定する私事性的画像記録物をいう。)を複写した物
- 二性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(令和五年法律第六十七号)第二条第一項又は第六条第一項の規定に触れる行為により生じた物を複写した物
- 3.没取は、その物が本人以外の者に属しないときに限る。ただし、刑罰法令に触れる行為の後、本人以外の者が情を知つて第一項の物を取得し、又は前項の物を保有するに至つたときは、本人以外の者に属する場合であつても、これを没取することができる。
この条文の基本情報
没取とは何ですか?
定義没取とは、少年法第24条の2に定められた規定で、「家庭裁判所は、第三条第一項第一号及び第二号に掲げる少年について、第十八条、第十九条、第二十三条第二項又は前条第一項の決定をする場合には、決定をもつて、次に掲げる…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第24条の2(没取)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第24条の2の条文原文は「家庭裁判所は、第三条第一項第一号及び第二号に掲げる少年について、第十八条、第十九条、第二十三条第二項又は前条第一項の決定をする場合には、決定をもつて、次に掲げる…」で始まります。
- 少年法第24条の2は第三節 調査及び審判に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第24条の2の前の条は少年法第24条です。
- 少年法第24条の2の次の条は少年法第25条です。
- 少年法第24条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第24条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第24条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/24_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法24条の2は、家庭裁判所が犯罪少年・触法少年について、審判不開始や不処分を含む決定の際、犯行の供用物や取得物などを没取できると定める。本人以外の者の物は原則対象外。
Q · 少年事件で審判不開始になったのに、押収されたスマホは返ってこないの?
保護処分がなくても没取は付けられる。親名義なら原則対象外
少年法24条の2第1項により、家庭裁判所は審判不開始(19条)や不処分(23条2項)の決定にも没取を付けることができます。没取は刑罰ではなく保護手続上の措置のため、処分の有無とは別に判断されます。ただし第3項により、親など本人以外の者に属する物は原則として没取できません。所有関係を示す資料は決定前に付添人を通じて提出することが重要です。
解説
「没収」ではなく「没取」。字は一文字しか違わないが、法的な性格はまったく違う。刑法の没収は刑罰(主たる刑に付け加えて科す付加刑)である。一方、少年法24条の2の没取は刑罰ではない。そのため、保護処分(保護観察や少年院送致など、少年の立ち直りを目的とする家庭裁判所の措置)を受けた場合だけでなく、児童相談所長等への送致(18条)、審判不開始(19条)、不処分(23条2項)のように保護処分まで至らない決定にも付けることができる。対象は14歳以上の犯罪少年と、14歳未満の触法少年である。ぐ犯少年(罪は犯していないが、将来犯すおそれがあるとされる少年)は含まれない。取り上げられうるのは、犯行に使ったスマホや工具、盗品を転売して得た現金などである。第2項は、リベンジポルノや盗撮の画像を複写したSDカードやパソコンまで対象に広げた。一方で第3項が歯止めになる。親や友人など本人以外の人の所有物は、原則として没取できない。「事件は終わったのにスマホが戻らない」ことと「被害者の盗品は返ってくる」ことは、同じ条文の表と裏である。
法的な位置づけ
少年法24条の2は没取を定める規定であり、家庭裁判所が犯罪少年および触法少年について所定の決定をする際、刑罰法令に触れる行為の組成物、供用物、取得物、報酬、その対価、ならびに私事性的画像記録や性的姿態の影像の複写物を国庫に帰属させる措置を認める。刑罰である刑法上の没収とは性格を異にし、本人以外の者に属する物は原則として対象外とされる。
手順
- 1.押収物のリストを付添人と確認する 押収された物のうち、どれが供用物・取得物・複写物として没取の対象になりうるかを付添人と早めに洗い出す
- 2.本人以外の所有物を資料で示す 親名義のスマホなど本人以外の者に属する物は、購入レシート、携帯電話の契約書、支払記録などで所有関係を示す準備をする
- 3.決定前に家庭裁判所へ提出する 所有関係の資料は審判の決定が出る前に、付添人を通じて家庭裁判所に提出する。決定後に覆すのは格段に難しい
- 4.決定内容を確認し不服があれば抗告を検討 決定の告知で没取の有無と対象物を確認し、保護処分決定に不服があれば2週間以内に抗告を検討する(少年法32条)
よくある質問 AI による整理
Q1没取とは何ですか?
少年保護事件で家庭裁判所が犯行に関係する物を取り上げ、国庫に帰属させる措置です。少年法24条の2が根拠で、刑罰である没収とは性格が異なります。
Q2少年事件で押収されたスマホはいつ返ってくる?
没取されなければ事件終結後に還付されるのが原則です。没取は決定と同時に言い渡されるため、まず決定の告知内容で没取の有無を確認します。
Q3触法少年の持ち物も没取できる?
できます。24条の2は3条1項1号・2号の少年、つまり14歳以上の犯罪少年と14歳未満の触法少年を対象とします。ぐ犯少年は対象外です。
Q4少年事件の盗品は没取される?
被害者の所有物である盗品は、本人以外の者に属するため原則として没取されず、被害者への還付の対象になります。転売代金は没取されうる物です。
Q5リベンジポルノ画像のコピーは没取できる?
できます。24条の2第2項1号により、私事性的画像記録が記録された物やその複写物が没取の対象になります。パソコンやUSBメモリも含まれえます。
Q6没取に不服があるときはどうする?
保護処分決定に対しては2週間以内に抗告を検討します(少年法32条)。ただし抗告理由は法令違反、重大な事実誤認、処分の著しい不当に限られます。
Q7没取された物は被害弁償に使われる?
使われません。没取物は国庫に帰属します。被害者の損害賠償は、民法709条等に基づき少年本人や監督義務のある保護者に民事で請求します。
Q8少年事件で使ってしまったお金は追徴される?
少年法には刑法19条の2(追徴)に相当する規定がありません。犯行で得たお金を使い切っていれば、その価額を没取手続で追いかける仕組みはありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1審判不開始だったのに、スマホが返ってこないのはおかしくないですか?
おかしくはない。24条の2第1項は、19条の審判不開始決定にも没取を付けられると明記している。没取は刑罰ではないため、保護処分の有無とは切り離して判断される。実務のポイント:没取は決定の中で言い渡されるので、まず決定の告知内容を確認するとよい。スマホが単に押収されたままなのか、没取されたのかによって、取れる手段がまったく違う
Q2親の名義で買ったスマホでも取り上げられるんですか?
第3項は、本人以外の人に属する物の没取を原則として禁じている。親の所有物であれば、原則として没取できない。ただし所有の判断は名義だけで決まるとは限らず、購入資金や使用実態も考慮されうる。実務のポイント:所有関係を示す資料は、決定が出る前に付添人を通じて提出するのが勝負である。決定後に異議を述べても、覆すのは難しい
Q3盗撮の被害者です。犯人の少年が持っている画像のコピーは処分してもらえますか?
第2項により、盗撮で生じた物の複写物は没取の対象になりうる。性的姿態撮影処罰法には、押収物に記録された影像を消去する仕組みも設けられている(最新の運用状況をご確認ください)。実務のポイント:没取の網は、捜査機関が把握した媒体にしかかからない。どこに送られたか、どこに保存されたかを具体的に伝えた被害者ほど、回収される範囲が広がる
Q4没取された転売代金は、被害者の自分に回ってきますか?
回ってこない。没取された物は国庫に帰属し、被害の弁償に充てられる仕組みにはなっていない。賠償は、民法709条に基づき少年本人に、監督義務違反があれば保護者に、民事で請求する。実務のポイント:少年事件では、付添人が示談や被害弁償を審判前に進めようとすることが多い。弁償が少年に有利な事情として評価されうるからである。その打診は、被害者にとっても回収の好機になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「不処分や審判不開始なら、何も失わずに済む」と思われがちだが、実際は違う。24条の2第1項は、19条の審判不開始決定にも23条2項の不処分決定にも没取を付けられると明記している。処分がないことと物が戻ることは、別々に判断される
- 盗撮やリベンジポルノの事件で「元の画像を消したから大丈夫」と考えるのは、問題の深さを見誤っている。第2項が狙っているのは元データではなく複写物である。クラウドから落としたパソコン、バックアップ用のSDカード、友人に渡したUSBなど、複写した先の媒体ごと没取の対象になる。「どれを消したか」ではなく「どこに複写したか」が問われる
- 被害者の立場からは「犯人の物を没取して、その分を賠償に回してほしい」と感じる。しかし法律上、没取された物は国庫に帰属し、被害者の損害の穴埋めには使われない。没取と賠償は別の回路で動いており、賠償は民事で本人や保護者に請求するしかない。この違いを知らずに待っていると、民事の時効だけが進んでいく
- 「没取と没収、どちらが重いのか」という問い自体がずれている。没収は刑罰、没取は保護手続の中の措置であり、性格がまったく異なる。また少年法には、刑法19条の2(没収できない物の価額を追徴する規定)にあたる規定が置かれていない。犯行で得たお金をすでに使い切っていれば、その価額を追いかける仕組みはない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 法的性格 | 少年法24条の2:保護手続上の措置(刑罰ではない) | 刑法19条:付加刑としての没収 少年法20条:検察官送致後は刑事裁判で没収が問題に |
| 付けられる場面 | 18条・19条・23条2項・24条1項の決定(不処分・審判不開始も含む) | 有罪判決で主刑を言い渡す場合 逆送され刑事裁判で有罪となった場合 |
| 価額の追徴 | 規定なし(使い切った金銭は追いかけない) | 刑法19条の2により追徴可能 刑事手続として刑法19条の2の追徴がありうる |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾も少年保護事件と少年刑事事件を区別する二元的手続を採る。物の没収は刑法の沒收規定との関係で整理される
ドイツ少年裁判所法は一般刑法の規定を準用し、少年事件でもEinziehung(収奪)が問題となりうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 14歳の息子が友人とゲームソフトを万引きして転売し、代金3万円をまだ手元に持っていたら、どうなるのか? ソフトは店の所有物なので没取ではなく被害者への還付(押収物を持ち主に返す手続)の対象になる。一方、3万円は盗品の「対価として得た物」(1項4号)にあたり、没取されうる
- あなたは高校2年生。別れた交際相手の画像を腹いせにSNSへ投稿し、同じ画像をパソコンとUSBメモリにもコピーしていた。投稿に使ったスマホは1項の供用物(犯行に使った物)として、パソコンとUSBは2項の複写物として、決定と同時に取り上げられる可能性がある。削除ボタンを押しただけでは、物理的な媒体は手元に残らない
- 13歳の少年がエアガンで他人の窓ガラスを割った。刑事責任を問われない年齢であっても、そのエアガンは没取されうる。
- 審判期日まであと5日。付添人(少年事件で少年側に付く弁護士)から「このスマホ、お父さん名義で買ったものですよね」と確認された。所有者が本人以外なら、3項により原則として没取できない。購入時のレシートや契約書を期日までに提出できるかどうかで、スマホが家に戻るかどうかが分かれうる
- 友達からLINEで盗撮動画が送られてきて、なんとなく消さずに持っている。第3項ただし書は、事情を知ったうえで2項の物を保有するに至った第三者の物でも没取できると定める。ただし第三者の物を没取するには、その第三者に告知と弁解の機会を与える適正手続が前提となる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害届を出す段階で、盗まれた物が自分の所有物であることを明示する。盗品は没取の対象ではなく、還付の対象になる2. 盗撮やリベンジポルノの被害であれば、拡散先、送信先、保存先として思い当たるものを捜査機関に具体的に伝え、複写物の特定に協力する3. ネット上に拡散した画像は、没取とは別に、情報流通プラットフォーム対処法に基づく削除申出を並行して進める4. 没取された物は国庫に帰属する。損害賠償は、民法709条に基づき本人に、監督義務違反があれば保護者に、民事で請求する
訴えられた側:1. 押収された物のうち、没取の対象になりそうな物を付添人と早めに確認する2. 親や友人など本人以外の人の所有物は、レシートや契約書で所有関係を示す(3項) 3. 画像の複写先は自分から正直に申告する。隠した複写物が後から見つかると、要保護性(立ち直りのためにどの程度の保護が必要かという判断)の評価に悪影響を及ぼしうる4. 保護処分の決定に不服がある場合は、2週間以内に抗告を検討する(32条)。ただし抗告できる理由は法令違反、重大な事実誤認、処分の著しい不当に限られる
時効(請求できる期限):没取そのものに時効はない。条文上、没取は18条、19条、23条2項、24条1項の各決定の中で、決定と同時に行う仕組みになっている。保護処分決定に対する抗告期間は2週間(少年法32条)。被害者の民事上の損害賠償請求は、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年)、不法行為の時から20年(民法724条、724条の2)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 改正:私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律の制定に伴い、第2項を設け、私事性的画像記録が記録された物やその複写物を没取の対象に加えた
- 2.令和5年(2023年) 改正:性的姿態撮影処罰法の制定に伴い、同法の撮影罪等に触れる行為により生じた物の複写物を第2項の没取対象に加えた
- 少年法 第3条没取対象となる犯罪少年と触法少年の定義
- 少年法 第19条審判不開始決定、没取を付しうる決定
- 少年法 第24条保護処分決定、没取を付しうる決定
- 少年法 第20条検察官送致後は刑事裁判の没収へ移行
- 少年法 第32条保護処分決定に対する抗告と期間
- 刑法 第19条刑罰としての没収、没取の対応規定
- 刑法 第19条の2追徴、少年法には対応規定なし
- 性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律 第2条撮影罪、2項没取の前提行為
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