少年法 第20条(検察官への送致)
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- 家庭裁判所は、拘禁刑以上の刑に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。
- 2.前項の規定にかかわらず、家庭裁判所は、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であつて、その罪を犯すとき十六歳以上の少年に係るものについては、同項の決定をしなければならない。ただし、調査の結果、犯行の動機及び態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、この限りでない。
この条文の基本情報
検察官への送致とは何ですか?
定義検察官への送致とは、少年法第20条に定められた規定で、「家庭裁判所は、拘禁刑以上の刑に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第20条(検察官への送致)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第20条の条文原文は「家庭裁判所は、拘禁刑以上の刑に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対…」で始まります。
- 少年法第20条は第三節 調査及び審判に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第20条の前の条は少年法第19条です。
- 少年法第20条の次の条は少年法第21条です。
- 少年法第20条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第20条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第20条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法20条は、家庭裁判所が刑事処分を相当と認めた少年事件を検察官に送致(逆送)する規定。16歳以上の少年が故意の犯罪で人を死亡させた事件は原則逆送となる。
Q · 少年が事件を起こしたら、どんなときに大人と同じ刑事裁判になるの?
家裁が刑事処分相当と判断したとき。16歳以上の故意致死は原則逆送
少年法20条1項により、家庭裁判所は拘禁刑以上の刑に当たる罪の事件で、罪質と情状から刑事処分が相当と認めると、事件を検察官に送致(逆送)します。2項により、行為時16歳以上の少年が故意の犯罪行為で被害者を死亡させた事件は原則逆送となり、動機・態様・犯行後の情況・性格・環境などから刑事処分以外の措置が相当と認められる場合に限り保護処分の道が残ります。18・19歳の特定少年は62条が適用されます。
解説
家庭裁判所の審判廊下で、付添人弁護士がいちばん警戒する言葉がある。「逆送」だ。少年事件は、少年法の保護のレールで扱うのが原則である。本条は、その事件を検察官に送り返し、大人と同じ刑事裁判のレールに乗せる切替スイッチにあたる。1項は、拘禁刑以上の刑に当たる罪について、罪質と情状から刑事処分が相当と家裁が判断した場合である。2項はさらに強い。16歳以上の少年が故意の犯罪行為で被害者を死なせた場合は、逆送が原則になる。保護処分に戻すには、刑事処分以外の措置が相当だといえる事情が要る。事実上、「なぜ保護処分なのか」を説明しなければならない側が入れ替わるのである。家族が知っておくべきなのは、判断材料の中心が家裁調査官の社会調査と少年鑑別所の鑑別結果だという点だ。動機、事件後の態度、生育環境、被害者にどう向き合っているか。審判までの数週間に何を積み上げたかで、少年院になるか刑事裁判になるかが分かれる。
法的な位置づけ
検察官送致(逆送)とは、家庭裁判所が少年事件について保護処分ではなく刑事処分を相当と判断した場合に、決定により事件を検察官に送り返す手続であり、少年法20条がその要件を定める。1項は拘禁刑以上の罪で罪質・情状から刑事処分相当と認めた場合を、2項は行為時16歳以上の少年による故意の致死事件を原則として対象とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.付添人弁護士を直ちに選任する 逮捕・家裁送致の連絡を受けたら、その日のうちに弁護士会の当番弁護士または私選弁護士に連絡し、家裁段階の付添人(少年法10条)として選任する。重大事件では国選付添人の対象になる場合もある
- 2.謝罪と弁償の具体的計画を作る 付添人を通じて被害者側への謝罪文と弁償の見通しを用意する。2項ただし書は「犯行後の情況」を考慮事情に挙げているため、調査官面接より前に形にしておく
- 3.生育歴・環境の資料を整理して提出する 学校の記録、医療・発達特性に関する資料、家庭の監督体制や就学・就労の受け皿などを付添人と整理し、調査官・鑑別所の判断材料として提出する
- 4.審判で刑事処分以外の措置の相当性を主張する 審判では付添人が、動機・態様・犯行後の情況・性格・年齢・環境を踏まえ、保護処分が相当である理由を具体的に述べる。2項事件では保護処分を選ぶ側に説明の重心が移る点を前提に準備する
- 5.逆送された場合は刑事裁判で55条移送を主張する 逆送・起訴後は弁護人として、保護処分相当を理由とする家裁への移送(55条)、執行猶予、18歳未満なら51条・52条の適用を主張する
よくある質問 AI による整理
Q1逆送とは何ですか?
家庭裁判所が少年事件を検察官に送り返し、成人と同じ刑事手続に乗せる決定です。少年法20条が根拠で、正式名称は検察官送致といいます。
Q2原則逆送の対象になる罪は?
行為時16歳以上の少年が故意の犯罪行為で被害者を死亡させた罪です。殺人、傷害致死、強盗致死などが典型で、過失による致死は含まれません。
Q3逆送されたら実名報道される?
行為時18歳未満なら逆送・起訴後も推知報道は禁止されます(少年法61条)。18・19歳の特定少年は起訴されると禁止が解除されます(68条)。
Q4逆送の決定までどのくらいかかる?
身柄事件では観護措置の期間内(原則最長4週間、事実に争いのある重大事件は最長8週間)に調査と審判が行われ、逆送か保護処分かが決まります。
Q5逆送後の裁判は裁判員裁判になる?
故意の犯罪行為で被害者を死亡させた事件などが起訴されれば裁判員裁判の対象です。少年でも市民が加わる法廷で審理されることになります。
Q6少年院と少年刑務所の違いは?
少年院は家裁の保護処分で送られる教育施設、少年刑務所は逆送後に刑事裁判で拘禁刑の実刑を受けた場合に収容される刑事施設です。
Q7逆送を避けるために家族ができることは?
早期に付添人弁護士を選任し、謝罪・弁償の計画、生育歴や支援環境の資料を調査官面接の前に整えることです。審判当日の反省だけでは遅いとされます。
Q8逆送されると前科がつく?
逆送されただけでは前科になりません。起訴されて刑事裁判で有罪判決が確定すれば前科となります。家裁の保護処分は前科ではありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1逆送されたら、もう刑務所に行くしかないんですか?
そうとは限らない。刑事裁判所が保護処分を相当と認めれば家裁へ移送される(少年法55条)。執行猶予もありうる。18歳未満で罪を犯した者には51条の刑の緩和や52条の不定期刑が適用される。実務のポイント:特定少年には51条・52条の特例が適用されない(67条)。同じ逆送でも、17歳と18歳では刑事裁判での「武器」の数が違う
Q214歳の子が人を死なせたら、原則逆送になるんですか?
2項の原則逆送は、行為時16歳以上が対象である。14・15歳は1項により、刑事処分相当かどうかが個別に判断される。13歳以下は刑事責任がないため(刑法41条)逆送されず、児童相談所を経由するルートになる。実務のポイント:14歳未満でも、おおむね12歳以上なら少年院送致はありうる。「刑罰がない」ことと「施設に入らない」ことは別の話だ
Q3被害者の遺族が「刑事裁判にしてほしい」と求めることはできますか?
逆送を申し立てる権利はない。家裁への意見陳述(少年法9条の2)で処分への意見を述べる形になる。その意見は、刑事処分相当性を判断する材料のひとつとして扱われる。実務のポイント:逆送決定は保護処分ではないため、少年側も抗告できないと解されている。審判の結論は一回勝負に近く、準備の差がそのまま結果の差になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「少年は何をしても刑務所には行かない」と思われがちだが、2000年の改正以降は14歳以上であれば逆送されうる。逆送されて起訴されれば、少年でも拘禁刑の実刑判決を受け、少年刑務所に収容されることがある
- 「何歳から大人と同じ裁判になるのか」という問いの立て方自体がずれている。決め手は年齢だけではない。罪の種類(拘禁刑以上か、故意の致死か)、行為時の年齢(16歳以上か)、調査結果の三つの掛け算で決まる。しかも18・19歳の特定少年は、本条ではなく62条という別の入口で判断される
- 逆送されたら刑務所行きが確定すると考える家族は多い。実際には、刑事裁判所が保護処分を相当と判断すれば家裁へ事件を戻す移送(55条)があり、執行猶予の可能性も残る。18歳未満で罪を犯した者には死刑を無期刑に緩和する51条も適用される。ただし、原則逆送事件で55条移送が認められる例は限られていると言われる。逆送後に挽回する余地は、家裁の段階よりもはるかに狭い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 少年法20条:行為時18歳未満を含む少年一般(1項)、16歳以上の故意致死(2項) | 少年法62条:18・19歳の特定少年 少年法55条:逆送・起訴後の刑事裁判所 |
| 判断の方向 | 家裁から検察官へ(保護→刑事) | 家裁から検察官へ(原則逆送の範囲が20条より広い) 刑事裁判所から家裁へ(刑事→保護) |
| 原則逆送の範囲 | 16歳以上の故意の犯罪行為による致死事件 | 故意致死に加え、短期1年以上の拘禁刑に当たる罪の事件 該当なし(保護処分相当性を個別判断) |
| 判断者 | 家庭裁判所 | 家庭裁判所 地方裁判所等の刑事裁判所 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も少年法院が先に審理し、重罪などの一定の事件を検察官に移送する構造をとる。日本の逆送に最も近い制度である
韓国の少年部も、禁錮以上の刑事処分が必要と認めれば事件を検察官に送致できる。日本の1項に近い裁量型の制度である
ドイツでは少年裁判所が刑事手続として審理を完結させるため、成人手続への移送制度はない。18〜20歳の青年には、成熟度に応じて少年刑法を適用できる(§105)
米国では多くの州が、少年裁判所から成人刑事裁判所への移送(waiver)制度をもつ。連邦最高裁は移送審理に適正手続が必要と判示した。州によっては、検察官の直接起訴や法定の自動移送も認められている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし17歳の息子が、喧嘩の末に相手を死なせたとして傷害致死で家裁に送られたらどうなるか。観護措置は原則として最長4週間、事実に争いがある重大事件なら最長8週間まで延びる。その間に調査官面接と鑑別が進み、審判で逆送か保護処分かが決まる。付添人の選任と被害者側への謝罪の準備は、今週中に動き出さなければ調査記録に間に合わない
- 15歳のあなたは、SNS の「高額バイト」に応募して強盗の見張り役を引き受けた。被害者は重傷を負った。強盗致傷は拘禁刑以上の刑に当たる罪なので、1項の逆送の対象になりうる。「指示されただけ」という事情は、情状のひとつとして考慮されるにとどまる
- 19歳の大学生が強盗で逮捕された。この場合、家裁がよりどころにするのは20条ではなく62条だ。18歳を境に、逆送の入口そのものが広がる。
- 友人の娘が、16歳の少年が運転するバイクの危険運転に巻き込まれて亡くなった。友人は「少年だから軽く済む」と思い込み、泣き寝入りしかけている。危険運転致死は、故意の危険運転を基本とする致死罪として原則逆送の対象と扱われている。逆送されて起訴されれば、刑事裁判で被害者参加制度を使える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 家裁に事件記録の閲覧・謄写(5条の2)、意見陳述(9条の2)、故意致死などの重大事件なら審判傍聴(22条の4)を申し出る2. 逆送されて起訴された後は、刑事裁判で被害者参加(刑事訴訟法316条の33)を検討する3. 民事賠償は刑事手続とは別に動かす。責任能力のある少年本人に加え、監督を怠った親にも民法709条で請求できる場合がある(最判昭和49.3.22)
訴えられた側:1. すぐに弁護士を付添人に選任する(10条)。一定の重大事件では国選付添人の制度もある2. 調査官面接と鑑別には誠実に臨み、生育歴や発達特性など、背景事情の資料を付添人と一緒に整理する3. 被害者への謝罪と弁償を早期に具体化し、「犯行後の情況」として記録に残す4. 逆送された場合は、刑事裁判で55条の家裁移送と執行猶予を主張する
時効(請求できる期限):観護措置は原則2週間、更新で最長4週間、事実に争いのある重大事件の特別更新で最長8週間(少年法17条)。逆送後、検察官は送致を受けた日から原則10日以内に起訴するかどうかを判断する(45条4号。先に勾留されていた事件は延長不可)。審判前に20歳に達すると年齢超過で検察官送致となる(19条2項、23条3項)。民事の損害賠償請求は民法724条・724条の2の時効に服する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(保護優先主義):少年法は保護処分を原則とし、逆送は例外である。1項の刑事処分相当性は、保護処分では矯正の見込みがない場合(保護不能)に加え、事案の重大性から保護処分で対応することが社会的に許容されない場合(保護不適)を含むと解されている。
原則逆送規定の位置づけ:2項は結果の重大性を重視して判断の出発点を刑事処分側に置いたものである。一方で、ただし書が考慮事情を列挙していることから、個別の事情に基づいて保護処分を選択する余地は制度上確保されていると理解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年)改正(平成13年4月施行) 旧ただし書「送致のとき十六歳に満たない少年の事件については、検察官に送致することはできない」を削除し、14歳以上の少年を逆送できるようにした。あわせて、16歳以上の故意致死事件を原則逆送とする2項を新設した
- 令和4年(2022年)刑法等改正(令和7年=2025年6月1日施行) 懲役と禁錮が拘禁刑に一本化されたことに伴い、1項の対象を「死刑、懲役又は禁錮に当たる罪」から「拘禁刑以上の刑に当たる罪」へ改めた
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行少年法の制定により、家庭裁判所が刑事処分相当と認める事件を検察官に送致する規定として設けられた。送致時16歳未満の少年は送致できないとするただし書があった
- 2.平成12年(2000年) 改正:16歳未満の送致禁止のただし書を削除し、14歳以上を逆送の対象とした。行為時16歳以上の故意致死事件を原則逆送とする2項を新設(平成13年4月施行)
- 3.令和4年(2022年) 改正:刑法等改正で懲役・禁錮が拘禁刑に一本化されたことに伴い、1項の対象を「拘禁刑以上の刑に当たる罪」に改めた(令和7年=2025年6月1日施行)
- 少年法 第45条逆送後の検察官の起訴強制
- 少年法 第55条刑事裁判所から家裁への移送
- 少年法 第62条特定少年の逆送特例(20条の特則)
- 少年法 第51条18歳未満の死刑・無期刑の緩和
- 刑法 第41条刑事責任年齢14歳、逆送の下限
- 裁判員の参加する刑事裁判に関する法律 第2条逆送後の故意致死事件の裁判員対象
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