少年法 第21条(審判開始の決定)
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家庭裁判所は、調査の結果、審判を開始するのが相当であると認めるときは、その旨の決定をしなければならない。
この条文の基本情報
審判開始の決定とは何ですか?
定義審判開始の決定とは、少年法第21条に定められた規定で、「家庭裁判所は、調査の結果、審判を開始するのが相当であると認めるときは、その旨の決定をしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第21条(審判開始の決定)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第21条の条文原文は「家庭裁判所は、調査の結果、審判を開始するのが相当であると認めるときは、その旨の決定をしなければならない。」で始まります。
- 少年法第21条は第三節 調査及び審判に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第21条の前の条は少年法第20条です。
- 少年法第21条の次の条は少年法第22条です。
- 少年法第21条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第21条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第21条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法21条は、家庭裁判所が調査の結果、審判を開始するのが相当と認めるときは審判開始決定をしなければならないと定める。処分内容はまだ決まっていない。
Q · 家裁から「審判開始決定」が届いたら、もう処分は決まったということ?
決まっていない。審判を開くという手続上の決定にすぎない
少年法21条の審判開始決定は、家庭裁判所が調査の結果、審判を開くのが相当と判断したときに出す手続上の決定です。処分の内容はまだ決まっていません。審判を開いたうえで不処分(23条2項)となる事件もあり、試験観察(25条)を経て保護観察で終わる事件もあります。一方で、被害者等による記録の閲覧・謄写(5条の2)は、原則としてこの決定の後に申し出ることができます。
解説
家庭裁判所に送られた少年事件は、すべてが「審判」に進むわけではない。家庭裁判所調査官(家裁で少年や家族と面接し、生い立ちや環境を調べる専門職)の調査を経て、裁判所は分かれ道の前に立つ。審判を開かずに終える(19条)か、検察官に送り返して大人と同じ刑事裁判に回す(20条)か、審判を開く(本条)かである。本条は、審判が相当と判断したら必ず「審判開始決定」を出すよう裁判所に義務づけている。ここで誤解が生まれやすい。審判開始は有罪判決に当たるものではない。審判を開いたうえで処分なし(不処分、23条2項)に終わる事件もある。一方で、この決定には別の顔もある。被害者側が事件記録を閲覧・謄写できる権利(5条の2)は、この決定があって初めて動き出す。加害少年の家族にとっては、付添人(少年側で活動する弁護士など)と環境調整を急ぐ合図になる。被害者にとっては、真相に近づく扉が開いた合図になる。同じ一枚の決定書でも、どちら側にいるかで読み方がまったく違う。
法的な位置づけ
少年法21条は審判開始の決定を定める規定である。家庭裁判所は、家庭裁判所調査官による調査の結果、少年審判を開くのが相当であると認めるときは、その旨の決定をしなければならない。審判不開始(19条)および検察官送致(20条)と並ぶ振り分けの一つであり、保護処分の内容を決めるものではなく、審判手続へ移行させる中間的な決定と位置づけられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.審判開始決定の内容と期日を確認する 家庭裁判所から届いた決定書・呼出状で、事件名、審判期日、担当部を確認する。観護措置中かどうかで残り時間が大きく変わるため、まず期日までの日数を把握する
- 2.付添人(弁護士)を選任する 少年側は弁護士を付添人に選任する。観護措置中の一定の事件では国選付添人がつく場合もある(22条の3)。被害者側も、記録の閲覧・謄写や意見陳述について弁護士に相談できる
- 3.調査官面接までに環境調整の材料をそろえる 学校や職場の受け入れ表明、家庭内のルールづくり、被害者への謝罪と弁償の経過を具体的な書面にまとめる。調査官の意見が固まる前に示すことが重要
- 4.被害者側は記録閲覧・意見陳述を申し出る 審判開始決定を知ったら、家庭裁判所に記録の閲覧・謄写(5条の2)や意見陳述(9条の2)を申し出る。一定の重大事件では傍聴(22条の4)の申出も検討する
- 5.審判期日に出席し、処分の根拠を示す 少年と保護者が審判期日に出席する。付添人は不処分や試験観察を求める場合、その根拠を整理して意見を述べる
よくある質問 AI による整理
Q1審判開始決定とは何ですか?
家庭裁判所が調査の結果、少年審判を開くのが相当と判断したときに出す決定です(少年法21条)。処分の内容を決めるものではありません。
Q2審判開始決定から審判期日まではどのくらい?
法定の期限はありません。観護措置中は収容期間内(通常最長4週間)に審判が開かれるのが実務です。在宅事件では数週間から数か月かかることもあります。
Q3審判開始決定に不服申立てはできる?
できません。抗告の対象は保護処分の決定(32条)であり、審判開始決定は審判に進むための中間的な決定にすぎないためです。
Q4審判不開始と審判開始の違いは?
審判不開始(19条)は審判を開かずに事件を終える決定、審判開始(21条)は審判を開いて処分を判断する決定です。どちらになるかは調査結果で決まります。
Q5少年審判に親は出席しなければならない?
保護者は通常、審判期日に呼び出されます。家庭環境は処分選択の重要な判断材料で、保護者の監督体制や姿勢も審判で確認されます。
Q6少年事件の被害者は記録を見られる?
審判開始決定があった後、被害者等は家庭裁判所に記録の閲覧・謄写を申し出ることができます(5条の2)。一定の場合には許されないこともあります。
Q7少年審判は非公開ですか?
非公開です(22条2項)。ただし一定の重大事件では、被害者等が審判を傍聴できる制度があります(22条の4)。
Q8特定少年も審判開始決定の対象になる?
なります。18・19歳の特定少年も家裁の手続を通りますが、一定の重大事件は原則として検察官送致となります(62条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1審判開始って、もう少年院が決まったってことですか?
違う。本条の決定は、審判を開くのが相当だという手続上の判断にすぎない。審判を開いたうえで不処分(23条2項)になる事件もあれば、試験観察(25条)を経て保護観察で終わる事件もある。実務のポイント:処分を大きく左右するのは調査官の意見であり、その意見は審判より前の面接で形づくられる。審判当日の涙より、面接前に固めた受け入れ体制のほうがはるかに効く
Q2被害者なのに、加害者の審判の中身を全然教えてもらえません。
少年審判は非公開(22条2項)だが、被害者等には個別の権利がある。審判開始決定後は記録の閲覧・謄写(5条の2)ができ、一定の重大事件では傍聴(22条の4)や審判状況の説明(22条の5)を受けられ、終局後には結果の通知(31条の2)もある。実務のポイント:これらはどれも申出制で、黙っていれば何も届かない。家裁の窓口で「5条の2の申出をしたい」と条文番号を添えて伝えると、話が早く進む
間違えやすい点 AI による整理
- 審判開始決定が出た時点で「うちの子は少年院行きが決まった」と思い込み、諦めて何もしなくなる家庭がある。審判開始は審判を開くという手続上の決定にすぎない。審判を開いたうえでの不処分決定(23条2項)や、試験観察(25条)を経て保護観察に落ち着く道も残っている。期日までの行動が結論を動かす
- 被害者側は、少年事件は非公開で「何も知らされないまま終わる」と感じやすい。非公開であることは事実である。しかし審判開始決定を境に、記録の閲覧・謄写(5条の2)、一定の重大事件での審判傍聴(22条の4)、審判状況の説明(22条の5)、結果の通知(31条の2)と、使える手段は段階的に増えていく。制度を知らないまま、閉ざされた扉だと思い込んでいるだけのことが多い
- 少年の親からすれば、審判は「子どもが裁かれる場」に見える。だが少年法から見れば、審判は子どもの環境を立て直す場でもあり、親自身も調査・審判の対象になりうる(家庭環境は処分選択の中心的な判断材料である)。自分は付き添いの立場だと構えている親ほど、この落差に足元をすくわれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 決定の内容 | 少年法21条:審判を開始する | 少年法19条:審判を開かずに終える(審判不開始) 少年法20条:検察官へ送致し刑事手続に回す |
| 判断の基準 | 調査の結果、審判を開くのが相当と認めるとき | 審判に付することができず、または付するのが相当でないとき 罪質・情状に照らし刑事処分が相当と認めるとき(一定の重大事件は原則送致) |
| その後の流れ | 審判期日で保護処分・不処分・試験観察などを判断 | 家裁の手続はそこで終了 検察官が起訴を判断し、成人と同じ刑事裁判へ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも少年法院が調査の結果に基づき開始審理の裁定をする構造をとり、日本の審判開始決定と機能が近い
韓国でも少年部判事が調査官の調査報告などに基づき、審理の必要があると認めるときに審理開始決定をする
ドイツは独立した保護審判ではなく、少年裁判所法が刑事訴訟法を修正適用する構造。公判手続の開始決定がこれに近い局面となる
米国では州ごとに手続が異なり、事実認定の adjudicatory hearing に進むかを判断する段階がある。Gault 判決により少年手続にも適正手続保障が及ぶとされた
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 息子が万引きグループに加わって補導された。在宅のまま数か月後、家裁から審判期日の呼出状が届く。「開始」の二文字に親は青ざめるが、この時点ではまだ何の処分も決まっていない。勝負どころは、期日までに家庭と学校で何を立て直したかを具体的に示せるかどうかである
- 同級生からの暴行で子どもが骨折した。加害少年の事件に審判開始決定が出たと聞いたとき、被害者の親として何ができるのか? 記録の閲覧・謄写を家裁に申し出ることができる(5条の2)。被害の実態を文書で知る道が、ここで初めて開く
- あなたの娘は17歳で、観護措置(少年鑑別所に収容して心身の状態を調べる措置)がとられた。収容期間は原則2週間で、延長されても多くは4週間以内に審判が開かれる。残された時間は3週間ほどしかない。付添人の選任、学校や職場の受け入れ先の確保、被害者への謝罪の準備を並行して進めるしかない
- 19歳の弟が在宅事件で家裁に送られ、調査が長引いている。20歳の誕生日が来ると、家裁は保護処分を出せなくなり、事件は検察官へ送られる(19条2項・23条3項)。審判開始がいつ出るかは、弟の将来を左右する時間との勝負でもある
- SNS で知り合った相手とのトラブルで、あなた自身が18歳の「特定少年」として家裁送致された。審判開始決定の通知を受け取った。黙って期日を待つだけでは何も変わらない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 加害少年の事件に審判開始決定が出たかどうかを家裁に確認する2. 記録の閲覧・謄写を申し出る(5条の2、原則として審判開始決定後に可能) 3. 意見陳述を申し出て、被害の実情と処分への思いを伝える(9条の2) 4. 故意の犯罪で被害者が死亡した事件や、生命に重大な危険を生じさせた傷害事件などでは、審判の傍聴を申し出る(22条の4) 5. 損害賠償は別途民事で請求する(民法709条)。記録の謄写が証拠集めの近道になる
訴えられた側:1. 審判開始決定を受けたら、すぐ弁護士を付添人に選ぶ(観護措置中の一定の事件では国選付添人がつく場合もある、22条の3) 2. 調査官面接の前に、家庭・学校・職場の受け入れ体制を具体化しておく3. 被害者への謝罪と弁償を付添人経由で進め、経過を記録に残す4. 不処分や試験観察を求める根拠を整理して審判に臨む5. 審判開始決定そのものに対しては不服申立てができない。力を注ぐべきは審判の中身である
時効(請求できる期限):審判開始決定そのものに法定の期限はない。ただし観護措置がとられている場合、収容は原則2週間、更新されても通常は最長4週間であり(一定の事件では特別更新により最長8週間、少年法17条)、実務上はその期間内に審判が開かれる。在宅事件で少年が20歳に達すると保護処分はできず、検察官送致となる(19条2項・23条3項)
学説
通説:審判開始決定は審判手続への移行を示す中間的な決定であり、不服申立ての対象とならない。審判開始の相当性には、審判条件の具備、非行事実の蓋然的心証、要保護性の見込みが必要とされる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行少年法の制定に伴い、家庭裁判所が調査の結果に基づいて審判開始を決定する規定として設けられた
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