少年法 第45条(検察官へ送致後の取扱い)
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- 家庭裁判所が、第二十条第一項の規定によつて事件を検察官に送致したときは、次の例による。
- 一第十七条第一項第一号の措置は、その少年の事件が再び家庭裁判所に送致された場合を除いて、検察官が事件の送致を受けた日から十日以内に公訴が提起されないときは、その効力を失う。公訴が提起されたときは、裁判所は、検察官の請求により、又は職権をもつて、いつでも、これを取り消すことができる。
- 二前号の措置の継続中、勾留状が発せられたときは、その措置は、これによつて、その効力を失う。
- 三第一号の措置は、その少年が満二十歳に達した後も、引き続きその効力を有する。
- 四第十七条第一項第二号の措置は、これを裁判官のした勾留とみなし、その期間は、検察官が事件の送致を受けた日から、これを起算する。この場合において、その事件が先に勾留状の発せられた事件であるときは、この期間は、これを延長することができない。
- 五検察官は、家庭裁判所から送致を受けた事件について、公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑があると思料するときは、公訴を提起しなければならない。ただし、送致を受けた事件の一部について公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑がないか、又は犯罪の情状等に影響を及ぼすべき新たな事情を発見したため、訴追を相当でないと思料するときは、この限りでない。送致後の情況により訴追を相当でないと思料するときも、同様である。
- 六第十条第一項の規定により選任された弁護士である付添人は、これを弁護人とみなす。
- 七第四号の規定により第十七条第一項第二号の措置が裁判官のした勾留とみなされた場合には、勾留状が発せられているものとみなして、刑事訴訟法中、裁判官による被疑者についての弁護人の選任に関する規定を適用する。
この条文の基本情報
検察官へ送致後の取扱いとは何ですか?
定義検察官へ送致後の取扱いとは、少年法第45条に定められた規定で、「家庭裁判所が、第二十条第一項の規定によつて事件を検察官に送致したときは、次の例による。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第45条(検察官へ送致後の取扱い)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第45条の条文原文は「家庭裁判所が、第二十条第一項の規定によつて事件を検察官に送致したときは、次の例による。」で始まります。
- 少年法第45条は第二節に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第45条の前の条は少年法第44条です。
- 少年法第45条の次の条は少年法第45条の2です。
- 少年法第45条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第45条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第45条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/45
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法45条は、家庭裁判所が事件を検察官に送致(逆送)した後の取扱いを定める。鑑別所送致は勾留とみなされ、検察官は嫌疑があれば原則として起訴しなければならない。
Q · 逆送されたら、鑑別所にいた期間はどう扱われて、そのあと必ず起訴されるの?
鑑別所送致は勾留とみなされ、原則として起訴される
少年法45条4号により、少年鑑別所送致の措置は裁判官のした勾留とみなされ、その期間は検察官が送致を受けた日から数えます。家裁送致より前に勾留状が出ていた事件では、この期間を延長できません。また同条5号により、検察官は嫌疑があれば原則として起訴しなければなりません。ただし、事件の一部に嫌疑がない場合、情状に影響する新たな事情が見つかった場合、送致後の情況から訴追が相当でない場合は例外となります。
解説
「逆送」という二文字で、少年事件は別の線路に乗り換える。家庭裁判所が「刑事処分が相当」と判断して事件を検察官に送り返した瞬間から、本条が時計を動かし始める。見落とされやすいのは三点だ。第一に、少年鑑別所に入っていた期間(家裁段階で最大8週間)とは別に、検察官が事件を受け取った日から新しく「勾留」の10日間が数え直される。ただし、家裁送致の前に勾留状が出ていた事件なら延長はできない。第二に、検察官は原則として起訴しなければならない。大人の事件なら使える「起訴猶予(罪は認められるが、あえて起訴しない処分)」の裁量が、ここでは大きく削られている。第三に、家族が自分で頼んだ弁護士付添人は、そのまま弁護人として扱われる。あなたの子どもや身内が逆送されたとき、「ここから先は大人の刑事手続」と覚悟するだけでは足りない。10日という短い窓で何を検察官に示せるかが、その後の人生を左右する
法的な位置づけ
少年法45条は、家庭裁判所が同法20条1項に基づき事件を検察官に送致した後の取扱いを定める規定である。観護措置の失効と存続、少年鑑別所送致を勾留とみなす扱い、検察官の起訴義務とその例外、弁護士付添人を弁護人とみなす扱い、被疑者国選弁護規定の適用を定めている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.逆送当日に基準日と過去の勾留状を確認 検察官が事件の送致を受けた日付と、家裁送致前に勾留状が出ていたかを確認する。前者はみなし勾留10日の起算日、後者は延長が可能かどうかを決める(45条4号)
- 2.弁護体制の切り替えを確認 付添人が私選(10条1項)か国選(22条の3)かを確認する。私選ならそのまま弁護人とみなされる(6号)。国選なら被疑者国選弁護の選任(7号)を直ちに進める
- 3.送致後の情況を書面化 示談、謝罪、家族の監督計画、就学・就労先の確保など、情状に影響する新たな事情や送致後の情況を、起訴判断の前に意見書としてまとめる
- 4.10日以内に検察官へ提出 作成した意見書と資料を、みなし勾留の期間内に検察官へ提出し、45条5号但書による不起訴と家庭裁判所への再送致を求める
- 5.起訴後は55条移送の主張を準備 起訴された場合、刑事裁判所で保護処分が相当であることを主張し、家庭裁判所への移送(55条)を求める準備を進める
よくある質問 AI による整理
Q1逆送とは何ですか?
家庭裁判所が少年事件について刑事処分が相当と判断し、事件を検察官に送り返すことです(少年法20条)。送致後の取扱いは少年法45条が定めています。
Q2逆送後の勾留は何日ですか?
鑑別所送致の措置は勾留とみなされ、検察官が送致を受けた日から原則10日間です。やむを得ない場合は延長できますが、家裁送致前に勾留状が出ていた事件では延長できません。
Q3逆送されたら前科がつきますか?
逆送だけでは前科はつきません。起訴され、刑事裁判で有罪判決が確定した場合に前科となります。逆送後は原則起訴とされるため、起訴前の対応が重要です。
Q4逆送後に家庭裁判所へ戻ることはできますか?
可能性はあります。検察官が新たな事情や送致後の情況から訴追を相当でないと考えれば起訴しない例外があり、事件は家裁へ送致されます(少年法42条)。起訴後は55条の移送も検討されます。
Q5逆送されやすい事件はどんな事件ですか?
少年法20条2項は、16歳以上の少年が故意の犯罪行為で被害者を死亡させた事件を原則逆送としています。18・19歳の特定少年は原則逆送の対象がさらに広がっています。
Q6逆送後も付添人弁護士に続けてもらえますか?
少年や保護者が選任した弁護士付添人なら、そのまま弁護人とみなされます(45条6号)。国選付添人は対象外で、被疑者国選弁護の選任手続が別に必要です。
Q7逆送された少年が20歳になったら観護措置はどうなりますか?
家庭裁判所調査官の観護(17条1項1号)は、20歳に達した後も効力を持ち続けます(45条3号)。誕生日を迎えても自動的には消えません。
Q8逆送後に起訴されないと観護措置はどうなりますか?
調査官観護の措置は、事件が家裁に再送致される場合を除き、検察官が送致を受けた日から10日以内に起訴されなければ効力を失います(45条1号)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1逆送されたら、もう絶対に起訴されるんですか?
絶対ではない。本条5号は起訴を原則としつつ、事件の一部に嫌疑がない場合や、情状に影響する新事情が見つかった場合、送致後の情況から訴追が相当でない場合を例外としている。その場合、事件は家庭裁判所に戻りうる。実務のポイント:例外が使われるのは実務上まれで、だからこそ10日以内に示談書や監督計画を「新たな事情」として形にし、検察官の机に載せることが重要になる
Q2家裁のときに頼んだ弁護士さん、逆送後も続けてもらえますか?
少年や保護者が選任した弁護士付添人(10条1項)なら、本条6号でそのまま弁護人とみなされ、改めて選任届を出さなくても継続できる。国選付添人の場合は条文上このみなし規定の対象外で、被疑者国選弁護の選任(7号、刑事訴訟法37条の2以下)が必要になる。実務のポイント:同じ弁護士が国選弁護人として選ばれ直すことも多いが、自動ではない。空白期間が生まれないよう、逆送当日に本人へ確認すること
間違えやすい点 AI による整理
- 「鑑別所に何週間もいたのだから、逆送後はすぐ判断が出るはず」と考えがちだが、本条4号は鑑別所送致を「裁判官がした勾留」とみなし、その期間を検察官が送致を受けた日から数えると定める。家裁段階の拘束は、刑事手続の勾留期間とは別勘定である。延長できない例外は、家裁送致の前に勾留状が出ていた事件に限られる
- 逆送を「大人と同じ扱いになること」と理解している人は、深刻さの半分しか見ていない。大人の事件では検察官が起訴猶予を選べるのに、逆送事件では嫌疑が十分なら原則として起訴しなければならない(5号)。家庭裁判所がすでに一度、刑事処分相当と判断しているためだ。検察段階での「寛大な処分」への期待は、大人の事件より通りにくい
- 「弁護士さえついていれば手続の切り替えも自動で進む」という発想は前提がずれている。本条6号が弁護人とみなすのは、少年や保護者が選任した弁護士付添人(10条1項)である。国選付添人(22条の3)はこの規定の対象外で、7号が準用する被疑者国選弁護の手続を別に動かす必要がある。空白の一日が生まれないよう、切り替えを誰がやるのか確認しておくこと
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の段階 | 少年法45条:逆送後、検察官の起訴判断の段階 | 少年法20条:家庭裁判所が検察官送致を決定する段階 少年法55条:起訴後、刑事裁判所の段階 |
| 判断主体 | 検察官(原則起訴、例外は不起訴) | 家庭裁判所 刑事裁判所 |
| 家裁に戻る道 | 5号但書の例外で不起訴とされれば42条により家裁へ送致 | 送致決定前なら保護処分の選択が可能 保護処分が相当と認めれば決定で家裁に移送 |
| 身柄の扱い | 鑑別所送致は勾留とみなされ、送致を受けた日から起算 | 観護措置(17条)の継続中 被告人勾留(刑事訴訟法) |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾も少年法院が刑事処分相当と判断した事件を検察官に移送する仕組みを持つ。検察官が一定の軽い罪について不起訴とし、少年法院へ戻す道が規定されている点で日本と構造が近い
米国では少年裁判所から成人裁判所への移送(waiver)について、聴聞・弁護人の関与・理由付けといった手続保障が必要とされた。州ごとに制度が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 17歳の息子が傷害致死の疑いで逮捕され、少年鑑別所に4週間。審判の日、裁判官は「検察官送致」を告げた。やっと出られると思った翌日、検察官から「ここから勾留です」と連絡が来る。鑑別所で過ごした日数は、この勾留期間に一日も算入されない
- 逆送された事件で、送致の直後に被害者との示談がまとまったらどうなる? 本条5号但書は、送致後の情況によって訴追が相当でないと検察官が考えるときは起訴しなくてよいと定める。その場合、事件は家庭裁判所に戻る道がある。残された時間は、検察官が事件を受け取ってから10日
- あなたは付添人弁護士として、家裁段階から少年を担当してきた。逆送が決まった。私選の付添人なら、そのまま弁護人とみなされる。国選付添人なら、同じ条文では引き継がれない。選任の書類を今日中に確認しなければならない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 逆送の知らせを受けたら、検察庁の被害者支援員に連絡し、起訴の見通しと処分結果の通知を依頼する2. 起訴されれば被害者参加(刑事訴訟法316条の33以下)の対象となりうるので、弁護士と早めに相談する3. 加害少年側から示談の打診があった場合、その合意が5号但書の「新たな事情」として起訴判断に影響しうることを理解したうえで応否を決める。急いで応じる必要はない
訴えられた側:1. 逆送当日、検察官が事件を受け取った日付と、家裁送致前の勾留状の有無を確認する2. 付添人が私選か国選かを確認する。国選なら被疑者国選弁護の選任手続(7号)を直ちに進める3. 10日以内に、示談、謝罪、家族の監督計画、就学や就労先の確保など「送致後の情況」を書面で検察官に提出する4. 起訴された場合は、刑事裁判所から家庭裁判所への移送(55条)を求める主張を準備する
時効(請求できる期限):在宅観護の措置(17条1項1号)は、検察官が送致を受けた日から10日以内に起訴されなければ効力を失う(1号)。鑑別所送致の措置は、同じ日から起算する勾留とみなされ、原則10日、やむを得ない場合は最大10日延長(刑事訴訟法208条)。家裁送致前に勾留状が出ていた事件では延長できない
学説
通説:45条5号は、家庭裁判所の刑事処分相当判断を尊重し、検察官の起訴便宜主義(刑事訴訟法248条)を修正した規定と理解される。家裁と検察の判断の往復を防ぐ趣旨であり、但書の例外は限定的に運用される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行少年法の制定に伴い、検察官送致後の取扱いを定める規定として設けられた
- 少年法 第20条検察官送致決定、本条適用の前提
- 少年法 第17条観護措置、本条で失効・みなし勾留化
- 少年法 第42条検察官の家裁送致義務、再送致の根拠
- 少年法 第55条起訴後の家庭裁判所への移送
- 少年法 第22条の3国選付添人、6号のみなし対象外
- 刑事訴訟法 第208条勾留期間10日と延長の原則
- 刑事訴訟法 第248条起訴便宜主義、5号が修正
- 刑事訴訟法 第37条の2被疑者国選弁護、7号で適用
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