受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

少年法 第42条(検察官の送致)

クイックジャンプ
  1. 検察官は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、第四十五条第五号本文に規定する場合を除いて、これを家庭裁判所に送致しなければならない。犯罪の嫌疑がない場合でも、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料するときは、同様である。
  2. 2.前項の場合においては、刑事訴訟法の規定に基づく裁判官による被疑者についての弁護人の選任は、その効力を失う。

この条文の基本情報

検察官の送致とは何ですか?

定義検察官の送致とは、少年法第42条に定められた規定で、「検察官は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、第四十五条第五号本文に規定する場合を除いて、これを家庭裁判所に送致しなけ…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 少年法第42条(検察官の送致)は、日本の少年法に含まれる条文です。
  2. 少年法第42条の条文原文は「検察官は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、第四十五条第五号本文に規定する場合を除いて、これを家庭裁判所に送致しなけ…」で始まります。
  3. 少年法第42条は第二節に置かれています。
  4. 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
  5. 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 少年法第42条の前の条は少年法第41条です。
  7. 少年法第42条の次の条は少年法第43条です。
  8. 少年法第42条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第42条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168
  • 本サイト収録少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第42条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/42
裁判例 6件に引用されています

関連度の高い3件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点少年法42条は、検察官が捜査の結果犯罪の嫌疑ありと考えた少年事件を、原則すべて家庭裁判所へ送致するよう義務づける。成人のような起訴猶予はない。

Q · 子どもの事件、示談が済んでいても家庭裁判所に送られるの?

はい。示談しても少年事件は原則すべて家裁に送られます

少年法42条1項により、検察官は犯罪の嫌疑がある少年事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。成人のように検察官の判断で起訴猶予(刑事訴訟法248条)とする道はなく、これを全件送致主義といいます。示談は事件を消すものではなく、家裁が処分を決める際の重要な判断材料になります。また送致の時点で、裁判官が選任した国選弁護人の選任は効力を失うため(42条2項)、家裁での付添人を事前に手配しておく必要があります。

解説

大人の事件なら、初犯で軽微、しかも示談が成立していれば、検察官が「起訴猶予」として手元で事件を終わらせる道がある(刑事訴訟法248条)。20歳未満の少年事件には、この出口がない。少年法42条は、嫌疑があると検察官が考えた事件をすべて家庭裁判所へ送るよう義務づけている。これを「全件送致主義」という。犯罪の嫌疑がなくても、非行を繰り返すおそれがあるといった「審判に付すべき事由」があれば、やはり家裁へ送られる。狙いは処罰ではない。少年がなぜそうなったのかを、家裁調査官(少年の家庭環境や生い立ちを調べる専門職)が調べるためだ。親として押さえておくべき点は二つある。第一に、示談をすれば事件が消えるという大人の常識は通用しない。示談は家裁の処分を軽くする材料になるだけだ。第二に、家裁に送られた時点で、裁判官が選んだ国選弁護人の選任は自動的に効力を失う(2項)。昨日まで面会に来ていた弁護士が、次の日から来なくなることがある。その空白を誰が埋めるのかを先に決めておいた家庭だけが、審判の準備に間に合う。

法的な位置づけ

少年法42条は、検察官による少年事件の家庭裁判所送致義務を定める規定である。犯罪の嫌疑があると思料する少年の被疑事件、および嫌疑がなくても家裁の審判に付すべき事由がある事件について、検察官の起訴猶予裁量を排除して家裁への送致を義務づける(全件送致主義)。送致により、刑事訴訟法に基づき裁判官が選任した被疑者国選弁護人の選任は失効する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.送致予定日と身柄の見通しを確認する 逮捕・勾留された場合、担当の国選弁護人に家裁送致の予定日と観護措置(少年鑑別所収容)の見込みを確認する。送致日が全ての準備の締切になる
  2. 2.送致前から被害弁償・謝罪に着手する 検察官には事件を止める権限がないが、送致記録と処遇意見に被害回復の事実が載れば家裁調査の出発点が変わる。示談書には可能なら宥恕文言を入れてもらう
  3. 3.家裁での付添人を手配する 42条2項で国選弁護人の選任は送致時に失効する。同じ弁護士に付添人として継続受任できるか、国選付添人の対象事件か、日弁連の少年保護事件付添援助制度が使えるかを送致前に確認する
  4. 4.家裁調査官面接に向けた環境調整資料をまとめる 学校・勤務先の意見、家庭での監督体制の見直し案、交友関係の整理などを書面にし、家裁調査官の面接と審判で示せるようにする
  5. 5.20歳が近い場合は年齢超過リスクを共有する 審判前に20歳に達すると家裁は事件を検察官に送り返す(少年法19条2項・23条3項)。誕生日から逆算した手続の見通しを付添人と確認する

よくある質問 AI による整理

Q1全件送致主義とは何ですか?

嫌疑のある少年事件をすべて家庭裁判所に送る原則です。少年法41条・42条が根拠で、警察や検察官の判断で事件を終わらせることはできません。

Q2少年事件で不起訴になることはありますか?

成人のような不起訴・起訴猶予の仕組みはありません。家裁に送致されたうえで、審判不開始や不処分という形で手続が終わることはあります。

Q3子供が逮捕されたら家裁送致までどのくらい?

逮捕・勾留された場合、最長でおよそ23日で家裁に送致されます。在宅事件なら数週間から数か月かかることもあります。

Q4家裁送致されたら前科がつきますか?

家裁の保護処分は刑罰ではないため前科にはなりません。ただし逆送されて刑事裁判で有罪になれば前科となります。

Q5家裁送致後、国選弁護人はどうなりますか?

少年法42条2項により選任の効力が失われます。家裁では付添人が弁護の役割を担い、国選付添人が付くのは一定の事件に限られます。

Q6犯罪をしていなくても家裁に送られることはありますか?

あります。嫌疑がなくても虞犯(将来罪を犯すおそれ)など審判に付すべき事由があれば、42条1項後段により家裁へ送致されます。

Q718歳・19歳の特定少年も家裁に送られますか?

送られます。令和3年改正後も特定少年は全件送致の対象です。ただし家裁から検察官に戻される原則逆送の範囲は広がっています。

Q8少年の交通違反も家裁送致されますか?

反則金を期限内に納付すれば家裁送致されません(道路交通法130条)。未納の場合や反則行為に当たらない違反は家裁ルートに乗ります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1被害者と示談できたのに、なんで家裁から呼び出しが来るんですか?

少年法42条が、嫌疑のある少年事件をすべて家裁に送るよう検察官に義務づけているからです。成人のような起訴猶予(刑事訴訟法248条)の出口がありません。示談は無駄ではなく、家裁が処分を決める際の重要な材料になります。実務のポイント:示談書には金額だけでなく「被害者は寛大な処分を望む」という一文を入れてもらえるかどうかで、調査官の報告書の書き方が変わりやすい。可能なら宥恕文言を交渉の最初から入れておく

Q2国選の弁護士さん、家裁に行ったら替わっちゃうんですか?

2項により、裁判官が選任した国選弁護人の選任は送致の時点で失効します。家裁で国選付添人が付くのは、観護措置がとられた一定の重い事件などに限られます(少年法22条の3)。実務のポイント:対象外の事件でも、日弁連が法テラスに委託している少年保護事件付添援助制度を使えば、費用負担を抑えて弁護士付添人を付けられることが多い。弁護士の側から言い出さないこともあるので、家族から名前を出して確認する(制度の運用は最新状況をご確認ください)

間違えやすい点 AI による整理

  • 「少年だから軽く済むはず」と考える親は多い。だが仕組みを見ると逆の面がある。成人なら起訴猶予で記録に残るだけの軽い事件でも、少年は家裁で調査を受け、場合によっては少年鑑別所に入り、審判を経る。「入口で見逃す」制度がない分、手続上の負担は大人より重くなることがある。そのかわり、保護処分は刑罰ではなく前科にもならない。重いか軽いかという問いを立てること自体がずれている。少年手続は、処罰の量ではなく立ち直りの道筋を決める場所だ
  • 国選弁護人が付いているから安心だと思っていると、送致の瞬間に落とし穴がある。2項により選任は効力を失い、家裁で国選付添人が付くのは一定の重い事件で観護措置がとられた場合などに限られる(少年法22条の3)。対象外の事件では、家族が自分で付添人を探さないかぎり、少年は審判の準備を一人で迎えることになる
  • 18歳・19歳の「特定少年」も全件送致の対象であり、この点は令和3年(2021年)改正後も変わっていない。ただし家裁から検察官に送り返される「原則逆送」の範囲が広がり、起訴された後は実名報道の禁止も外れる(少年法62条・68条)。入口は同じでも、出口の選択肢は17歳以下とはまったく別物になっている
比較の観点この条文ほかの条文
送致・手続の主体少年法42条:検察官少年法41条:司法警察員
少年法20条:家庭裁判所(逆送)
対象事件犯罪の嫌疑がある少年事件全般、および審判に付すべき事由がある事件罰金以下の刑に当たる犯罪の嫌疑がある事件(検察官を経ず直接家裁へ)
死刑・懲役・禁錮に当たる罪で刑事処分相当と認めた事件等
送り先家庭裁判所家庭裁判所
検察官(その後45条により原則起訴強制)
裁量の有無送致義務あり、起訴猶予による終結は不可送致義務あり
家裁が調査結果に基づき判断(2項は原則逆送)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
少年事件處理法 第18條

台湾も少年事件を少年法院へ移送する仕組みをとり、少年法院が先議する点で日本の全件送致主義に近い

韓国
소년법 제49조

韓国は検察官が保護処分相当か刑事処分相当かを先に判断する検察官先議主義をとり、日本と対照的である

ドイツ
JGG §§ 45, 47

ドイツは検察官・少年裁判所によるダイバージョン(手続打切り)を広く認め、入口での事件終結が可能である

アメリカ
各州 Juvenile Court Acts

米国は少年裁判所のインテーク段階で事件を振り分ける運用が一般的で、州ごとに扱いが異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 高校二年の息子が友人とコンビニで万引きし、警察に呼ばれた。店長は謝罪を受け入れ、被害品の代金も払った。それでも家庭裁判所から呼出状が届く。「話はついたのに、なぜ?」答えは42条にある。家裁へ送らないという選択肢を、検察官は持っていない
  • 逮捕から18日目。17歳の娘についていた国選弁護人から「明日、家裁に送致される予定です。送致後は私の選任が切れます」と電話が来た。観護措置(少年鑑別所への収容)が決まれば、審判まで最長でも原則4週間しかない。付添人(少年審判で少年を支える弁護士)を誰にするか、今夜決めなければ間に合わない
  • もし19歳11か月の少年の捜査が長引いて、家裁の審判前に20歳を迎えたらどうなる? 家裁は事件を検察官に送り返し、成人として刑事裁判を受ける可能性が出てくる(少年法19条2項・23条3項)。誕生日が、法的には最大の締切になる
  • あなたの車に自転車でぶつかってきたのは16歳の少年だった。相手の刑事処分がどうなるかは家裁が決める。一方、あなたの損害賠償請求は別の民事の話であり、親の監督責任(民法714条・709条)を問えるかどうかがポイントになる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 加害者が少年でも刑事手続は家裁で進む。被害届を出したら、家裁に対して記録の閲覧・謄写(少年法5条の2)や意見陳述(同9条の2)を申し出ることができる2. 一定の重大事件では審判の傍聴(同22条の4)や審判状況の説明(同22条の6)も求められる3. 損害賠償は家裁では決まらない。少年本人と親を相手に民事で請求する。親の監督義務違反(民法709条・714条)を立証できるかが回収の鍵になる4. 示談を持ちかけられたら、家裁の処分に影響することを踏まえ、条件を焦って決めない

訴えられた側:(少年本人・保護者の立場)1. 家裁送致は避けられない前提で動く。「不送致を勝ち取る」努力より、家裁で示す材料づくりに力を注ぐ2. 被害者への謝罪と被害弁償は送致前から着手し、書面で記録を残す3. 国選弁護人に、送致後の付添人をどうするか(国選付添人の対象か、私選か、日弁連の付添援助が使えるか)を送致前に確認する4. 学校・勤務先との関係、家庭での監督体制の見直し案をまとめ、家裁調査官の面接に備える5. 20歳が近い場合は、年齢超過による逆送のリスクを弁護人と共有する

時効(請求できる期限):本条そのものに時効の定めはない。実務上の時間軸は、逮捕・勾留された少年なら最長およそ23日で送致、送致後の観護措置は原則2週間・更新1回(重大事件で特に必要なときは通算最長8週間、少年法17条)。審判前に20歳に達すると検察官へ送り返される点が最大の期限になる。被害者の民事請求には、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体侵害は5年)、行為時から20年の期間制限がかかる(民法724条・724条の2)

学説

通説:少年法42条は起訴便宜主義(刑訴248条)を少年事件で排除し、家裁による要保護性の調査を保障する規定である。軽微な非行の背後にある家庭環境等の問題を専門職が把握するための入口と位置づけられる

運用上の論点:簡易送致や交通反則通告制度は、全件送致主義を維持しつつ手続負担を軽減する運用として理解される。一方、全件調査が少年に課す手続負担とのバランスは継続的な論点とされる

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和23年(1948年) 新設:少年法全面改正により制定。大正少年法下の検察官先議を改め、検察官に家庭裁判所への送致を義務づける全件送致主義を採用
  2. 2.平成16年(2004年) 改正:刑事訴訟法改正による被疑者国選弁護制度の導入に伴い、家裁送致時に裁判官が選任した弁護人の選任が失効する旨の第2項を整備

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

少年法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›