少年法 第64条(保護処分についての特例)
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- 第二十四条第一項の規定にかかわらず、家庭裁判所は、第二十三条の場合を除いて、審判を開始した事件につき、少年が特定少年である場合には、犯情の軽重を考慮して相当な限度を超えない範囲内において、決定をもつて、次の各号に掲げる保護処分のいずれかをしなければならない。ただし、罰金以下の刑に当たる罪の事件については、第一号の保護処分に限り、これをすることができる。
- 一六月の保護観察所の保護観察に付すること。
- 二二年の保護観察所の保護観察に付すること。
- 三少年院に送致すること。
- 2.前項第二号の保護観察においては、第六十六条第一項に規定する場合に、同項の決定により少年院に収容することができるものとし、家庭裁判所は、同号の保護処分をするときは、その決定と同時に、一年以下の範囲内において犯情の軽重を考慮して同項の決定により少年院に収容することができる期間を定めなければならない。
- 3.家庭裁判所は、第一項第三号の保護処分をするときは、その決定と同時に、三年以下の範囲内において犯情の軽重を考慮して少年院に収容する期間を定めなければならない。
- 4.勾留され又は第十七条第一項第二号の措置がとられた特定少年については、未決勾留の日数は、その全部又は一部を、前二項の規定により定める期間に算入することができる。
- 5.第一項の保護処分においては、保護観察所の長をして、家庭その他の環境調整に関する措置を行わせることができる。
この条文の基本情報
保護処分についての特例とは何ですか?
定義保護処分についての特例とは、少年法第64条に定められた規定で、「第二十四条第一項の規定にかかわらず、家庭裁判所は、第二十三条の場合を除いて、審判を開始した事件につき、少年が特定少年である場合には、犯情の軽重を考慮して相当な限…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第64条(保護処分についての特例)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第64条の条文原文は「第二十四条第一項の規定にかかわらず、家庭裁判所は、第二十三条の場合を除いて、審判を開始した事件につき、少年が特定少年である場合には、犯情の軽重を考慮して相当な限…」で始まります。
- 少年法第64条は第一節に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第64条の前の条は少年法第63条です。
- 少年法第64条の次の条は少年法第65条です。
- 少年法第64条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第64条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第64条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/64
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法64条は、18・19歳の特定少年の保護処分を6か月保護観察・2年保護観察・少年院送致の3種に限り、犯情の軽重に応じた相当な限度内で選ぶよう定める。
Q · 19歳で少年院送致になったら、何年入ることになるの?
上限は3年以下。必ず満期までいるわけではない
少年法64条3項により、特定少年(18歳・19歳)を少年院に送致する場合、家庭裁判所は決定と同時に3年以下の範囲で収容期間を定めます。期間は犯情の軽重、つまり行為の悪質さや被害の大きさなどを考慮して決まります。定められた期間は上限であり、少年院での成績や帰住環境によっては期間満了前の仮退院もあり得ます(更生保護法41条)。観護措置で鑑別所にいた日数を算入できる余地もあります(64条4項)。
解説
18歳と19歳の非行には、17歳以下とは別の天井がある。17歳以下なら、家庭裁判所は「この子の立ち直りに何が必要か」を中心に処分を選べる。軽い万引きでも、家庭環境が荒れていれば少年院送致になりうる。18歳・19歳の特定少年(少年法62条)には、この考え方がそのまま当てはまらない。64条は「犯情の軽重」(何をどれだけ悪質にやったか)を考えて、相当な限度を超えない処分しか選べないと定める。選べるのは6か月の保護観察、2年の保護観察、少年院送致の三つだけである。児童自立支援施設への送致はない。罰金以下の刑しかない罪なら、6か月の保護観察が上限になる。少年院に送る場合は、決定と同時に3年以下の収容期間を決めなければならない。2年の保護観察でも、違反した場合に少年院へ入れられる期間を1年以下で先に決めておく必要がある。成人の刑罰と同じく、上限が最初に示される仕組みである。審判で争う軸は「本人の更生に何が必要か」だけではない。「やった行為に見合う重さか」も争点になる。
法的な位置づけ
少年法64条は、特定少年に対する保護処分の特例を定める規定である。一般の保護処分(同法24条)に代えて、6か月の保護観察、2年の保護観察、少年院送致の3種を定め、犯情の軽重を考慮した相当な限度内での選択を求める。罰金以下の刑に当たる罪は6か月の保護観察に限られ、収容期間等の上限は決定と同時に定められる。
手順
- 1.観護措置が決まったら付添人を選任 鑑別所への収容が決まった段階で、少年事件を扱う弁護士に付添人を依頼する。一定の重大事件では国選付添人が付く場合もあるため、対象かどうかも確認する
- 2.犯情を軽くする事実を資料化 関与の程度、報酬額、主導性の低さ、被害弁償や謝罪の状況など、行為の重さを軽く評価させる事実を整理し、家庭裁判所調査官の調査が終わる前に付添人から意見書として提出する
- 3.帰住環境と就労・通学先を固める 処分の上限は犯情で決まるが、上限の中での処分選択と将来の仮退院には帰住環境が影響する。家族の受け入れ態勢、通学先・就労先の見込みを書面で準備する
- 4.最終意見で期間の短縮と日数算入を求める 少年院送致や2年の保護観察が見込まれる場合、審判の最終意見で収容期間(3年以下)または収容可能期間(1年以下)を短くすべき具体的事情を述べ、観護措置の日数の算入(64条4項)も求める
- 5.決定内容を確認し、必要なら2週間以内に抗告 決定書に書かれた処分の種類と期間を確認する。重大な事実誤認や処分の著しい不当があると考えるなら、告知から2週間以内に抗告する(32条)
よくある質問 AI による整理
Q1特定少年とは何歳のこと?
18歳以上20歳未満の少年を指します(少年法62条)。2022年4月の改正法施行で新設された区分で、17歳以下とは処分の仕組みが異なります。
Q2特定少年の保護処分は何種類ある?
6か月の保護観察、2年の保護観察、少年院送致の3種類だけです(少年法64条1項)。児童自立支援施設・児童養護施設への送致は選べません。
Q3特定少年は児童自立支援施設に送られる?
送られません。64条は24条1項の一般の保護処分に代わる特例で、選択肢から児童自立支援施設・児童養護施設への送致が外されています。
Q4罰金以下の罪で少年院に行くことはある?
特定少年の場合はありません。罰金以下の刑に当たる罪の事件では、6か月の保護観察しか選べないと64条1項ただし書が定めています。
Q5保護観察中に少年院に入れられるのはどんな手続?
2年の保護観察で遵守事項違反があり情状が重い場合、保護観察所長の申請を受けて家庭裁判所が決定します(66条1項)。期間は当初決定の枠内です。
Q6鑑別所にいた日数は少年院の期間に入る?
入れられる余地があります。勾留や観護措置で身柄を拘束された日数は、全部または一部を収容期間に算入できます(64条4項)。付添人から求めるのが実務です。
Q718歳の家出や夜遊びで少年院に行く?
行きません。特定少年にはぐ犯(罪を犯すおそれ)を理由とする家庭裁判所送致が適用されません(65条1項)。実際に犯罪がなければ保護処分の対象外です。
Q8少年院の収容期間は誰がいつ決める?
家庭裁判所が少年院送致の決定と同時に、3年以下の範囲で犯情の軽重を考慮して定めます(64条3項)。後から裁判所が上限を引き上げることは想定されていません。
この条文についての質問 AI による整理
Q119歳の息子が少年院送致になりました。決定書の「3年」って、必ず3年いるんですか?
3年は収容できる期間の上限であり、必ずその期間いるわけではありません(64条3項)。少年院での成績や帰住先の状況を見て、地方更生保護委員会が期間満了前に仮退院を許すことがあります(更生保護法41条)。実務のポイント:実務で仮退院を左右するのは、少年院の中の頑張りだけではありません。家族の受け入れ態勢と、就労先・通学先が早く決まっているかも大きく影響します。親の側で面会の段階から帰住環境を固めておくと、出られる時期が変わってきます
Q2保護処分になったら前科がつくんですか?就職で不利になりますか?
保護処分は刑罰ではないので、前科にはなりません。記録上は「前歴」の扱いです。起訴されずに家庭裁判所の保護処分で終われば、本人が特定される報道の禁止(61条)も維持されます。実務のポイント:特定少年でも、逆送されて起訴されると実名報道の禁止が解除されます(68条。略式手続は除く)。家庭裁判所で保護処分にとどめられるかどうかは、処分の重さだけでなく、本人の名前がネットに一生残るかどうかの分かれ目でもあります
Q36か月の保護観察と2年の保護観察って、何が違うんですか?
違いは期間だけではありません。2年の保護観察では、遵守事項に違反して情状が重ければ、決定時に定めた1年以下の期間、少年院に収容されることがあります(64条2項、66条1項)。6か月の保護観察には、この仕組みがありません。実務のポイント:6か月の保護観察は比較的軽い事件向けの処分として想定されています。軽微な事件で2年を求める意見が出たら、「罰金以下の刑の罪ではないか」「犯情に見合っているか」の二点から反論する余地があります
間違えやすい点 AI による整理
- 「成人年齢が18歳に下がったから、18歳・19歳はもう大人と同じ刑事裁判になる」と考える人は多い。実際には、今も全件が家庭裁判所に送られ、多くは保護処分で終わる。刑事裁判に回るのが原則になるのは、死刑、無期、または短期1年以上の拘禁刑に当たる罪などに限られる(62条2項)
- 「少年院に行けば、いつ出てこられるか分からない」という不安は、17歳以下なら半分当たっている。特定少年の場合、収容期間の上限は決定の時点で書面に書かれ、3年を超えない(64条3項)。さらにその期間の中でも、仮退院で早く出られる道がある。本当の問題は「何年か分からないこと」ではない。どの上限が付けられるかである
- 親から見れば「家庭環境を整えたので、もう大丈夫」が最大の弁護材料に思える。法律から見ると、特定少年の処分の上限を決めるのは犯情である。いくら環境を整えても、行為の重さが示す上限は下がらない。逆に、行為が軽ければ、環境が悪くても重い処分は選べない。この二つを混同すると、審判で出す資料の順番を間違える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 少年法64条:特定少年(18歳・19歳) | 少年法24条:特定少年以外の少年 少年法66条:2年の保護観察中の特定少年 |
| 選べる処分 | 6か月保護観察、2年保護観察、少年院送致の3種 | 保護観察、児童自立支援施設・児童養護施設送致、少年院送致 遵守事項違反時の少年院収容 |
| 処分の重さの物差し | 犯情の軽重を考慮した相当な限度内(上限を決定時に明示) | 要保護性(立ち直りに必要な処遇)が中心 64条2項で定めた1年以下の期間の範囲内 |
| ぐ犯の扱い | 対象外(65条1項) | ぐ犯少年も保護処分の対象 該当なし |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の少年法制は12歳以上18歳未満を対象とし、18歳・19歳に相当する特別区分はない。保護処分の種類は訓誡・保護管束・安置輔導・感化教育などで、日本の一般少年の処分に近い。
韓国は19歳未満を少年とし、1号から10号までの多様な保護処分を定める。19歳は少年法の対象外で、日本の特定少年のような上限画定の仕組みはない。
ドイツは18歳以上21歳未満を青年(Heranwachsende)とし、成熟度などに応じて少年刑法を適用できる。年長者に少年法の手段を残す発想は日本の特定少年と近い。
米国の少年司法は州ごとに異なり、18歳以上の若年成人には州法の youthful offender 制度などで軽減措置を設ける例がある。連邦法は原則18歳未満の行為を対象とする。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 19歳の大学生の息子が、闇バイトで特殊詐欺の受け子をして逮捕された。刑事事件として起訴されなければ、家庭裁判所で保護処分になる。そこで少年院送致が決まれば、裁判官は収容期間を3年以下の範囲で決定書に書く。親が知るべきことは二つある。期間の長さは、受け取った金額、関与した回数、指示役との距離など「犯情」で決まる。どれだけ反省しているかだけでは決まらない
- もし18歳の高校3年生が、軽犯罪法違反(拘留か科料しかない罪)で家庭裁判所に送られたら、どこまで重い処分があり得る? 答えは6か月の保護観察まで。少年院はない。64条1項ただし書が、罰金以下の刑の罪をそこで止めている
- あなたの子は2年の保護観察中で、決定書には「少年院に収容できる期間1年」と書かれていた。子が遵守事項(保護観察中に守るべき約束)を破り、保護観察官との面接をすっぽかし続けている。保護観察所長が家庭裁判所に申請すれば、第5種少年院に最大1年収容されうる(66条)。社会内処遇のまま収まるかどうかは、この数週間の出頭記録で決まる
- 19歳の誕生日から11か月が経って、審判がまだ開かれていない。20歳になった時点で家庭裁判所は保護処分を出せなくなり、事件は検察官に送られる(19条2項、23条3項)。付添人(少年事件の弁護士)と、審判期日をいつ入れるかをすぐに詰める必要がある
- 18歳の子が鑑別所に4週間収容された後、少年院送致になった。この4週間は「ただ待たされた時間」ではない。64条4項により、身柄を拘束されていた日数の全部または一部を収容期間に算入できる余地がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 加害者が18歳・19歳なら、家庭裁判所の手続でも被害者として関われる。記録の閲覧・謄写(5条の2)や、意見の陳述(9条の2)を申し出る2. 処分の上限は犯情で決まるので、被害の大きさや継続性を示す資料(診断書、被害額の明細、生活への影響)を具体的に出す3. 保護処分では損害賠償は決まらない。民法709条に基づく民事請求を別に準備する。その際は親権者の監督責任(714条・709条)を問えるかも検討する
訴えられた側:1. 観護措置が決まったら、すぐに付添人を選任する。国選付添人の対象になるかも確認する2. 被害弁償や謝罪を早く進め、関与の程度、報酬、主導性の低さなど、犯情を軽くする事実を資料にする3. 少年院送致や2年保護観察が見込まれるときは、「期間」を短くすべき事情を最終意見に入れる4. 勾留・観護措置の日数が期間に算入されるよう求める(64条4項) 5. 20歳の誕生日が近いなら、審判日程を最優先で確保する
時効(請求できる期限):観護措置による鑑別所収容は原則2週間で、実務上は1回更新して4週間が多い。一定の重大事件では最長8週間まで延びる(17条)。保護処分決定に不服があれば、決定の告知から2週間以内に抗告できる(32条)。本人が20歳になると保護処分はできなくなり、事件は検察官に送られる(19条2項、23条3項)
学説
二段階構造説(通説的理解):犯情の軽重がまず処分の上限(相当な限度)を画し、その範囲内で要保護性に応じて具体的な処分を選ぶと理解する。行為責任と教育主義を一つの条文で両立させる折衷と位置づけられる。
教育主義後退への批判:犯情による上限画定は、18歳・19歳の可塑性に着目した柔軟な教育的処遇を狭めるとの批判がある。特に、ぐ犯の不適用や児童自立支援施設送致の除外により、支援が届きにくくなる層が生じると指摘される。
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)改正、令和4年(2022年)4月1日施行 民法の成年年齢引下げに合わせ、第5章「特定少年の特例」を新たに設け、本条を新設した。18歳・19歳に対する保護処分を、6か月保護観察、2年保護観察、少年院送致の三つに限定した。処分は犯情の軽重に応じた相当な限度内とし、収容期間などの上限を決定時に定める仕組みを導入した
改正の年表
- 1.令和3年(2021年) 新設:少年法等の一部を改正する法律(令和3年法律第47号)により第5章「特定少年の特例」とともに新設。2022年4月1日施行。特定少年の保護処分を3種に限り、犯情の軽重による上限と期間の事前明示を導入した。
- 少年法 第62条特定少年の定義と原則逆送対象
- 少年法 第24条本条が適用を排除する一般の保護処分
- 少年法 第65条特定少年へのぐ犯規定の不適用
- 少年法 第66条2年保護観察違反時の少年院収容決定
- 少年法 第68条起訴された特定少年の推知報道解禁
- 少年院法 第4条第5種少年院など少年院の種類
- 更生保護法 第41条少年院からの仮退院の許可
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