少年法 第63条
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- 家庭裁判所は、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号。他の法律において準用する場合を含む。)及び政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)に規定する罪の事件(次項に規定する場合に係る同項に規定する罪の事件を除く。)であつて、その罪を犯すとき特定少年に係るものについて、前条第一項の規定により検察官に送致するかどうかを決定するに当たつては、選挙の公正の確保等を考慮して行わなければならない。
- 2.家庭裁判所は、公職選挙法第二百四十七条の罪又は同法第二百五十一条の二第一項各号に掲げる者が犯した同項に規定する罪、同法第二百五十一条の三第一項の組織的選挙運動管理者等が犯した同項に規定する罪若しくは同法第二百五十一条の四第一項各号に掲げる者が犯した同項に規定する罪の事件であつて、その罪を犯すとき特定少年に係るものについて、その罪質が選挙の公正の確保に重大な支障を及ぼすと認める場合には、前条第一項の規定にかかわらず、同項の決定をしなければならない。この場合においては、同条第二項ただし書の規定を準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第63条は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第63条の条文原文は「家庭裁判所は、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号。」で始まります。
- 少年法第63条は第一節に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第63条の前の条は少年法第62条です。
- 少年法第63条の次の条は少年法第64条です。
- 少年法第63条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第63条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第63条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/63
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法63条は、18歳・19歳の特定少年による連座制対象の選挙犯罪について、罪質が選挙の公正に重大な支障を及ぼす場合、家庭裁判所に原則として検察官送致を義務付ける規定。
Q · 18歳・19歳が選挙違反をしたら、少年でも刑事裁判になるの?
連座制につながる罪なら原則として刑事裁判へ回される
少年法63条により、特定少年(18歳・19歳)の選挙犯罪では、家庭裁判所は選挙の公正の確保等を考慮して検察官送致を判断します。とくに公職選挙法247条の罪や、総括主宰者・秘書・親族・組織的選挙運動管理者等による連座制対象の罪で、罪質が選挙の公正に重大な支障を及ぼすと認めるときは、原則として検察官送致(逆送)となります。ただし62条2項ただし書の準用により、刑事処分以外の措置が相当と認められれば例外となります。
解説
少年法の条文に、公職選挙法の条番号がいくつも並んでいる。2022年4月から、18歳・19歳は「特定少年」として扱われる。少年事件ではふつう、家庭裁判所が保護処分(少年院送致や保護観察など、罰ではなく立ち直りのための措置)にするか、刑事裁判に回すために検察官へ送り返すか(逆送)を決める。本条はこの判断に、選挙犯罪についてだけ特別なルールを加えた。1項は、選挙違反や政治資金規正法違反の事件について、家裁は「選挙の公正の確保等」を考えて判断しなければならないと定める。2項はさらに厳しく、連座制(陣営の一定の立場の人が有罪になると、候補者本人の当選が無効になる仕組み)につながる罪について、罪質が選挙の公正に重大な支障を及ぼすと認めれば、原則として逆送しなければならないとする。理由ははっきりしている。連座制は「刑に処せられた」ことが条件なので、保護処分で終われば発動しない。若い実行役を使えば連座を避けられる、という抜け道を塞いだのが本条である。
法的な位置づけ
少年法63条は、特定少年の選挙犯罪に関する検察官送致の特則である。1項は公職選挙法・政治資金規正法違反事件の送致判断に選挙の公正の確保等の考慮を求め、2項は連座制の対象となる罪で罪質が選挙の公正に重大な支障を及ぼす場合に原則逆送とし、62条2項ただし書を準用して例外の余地を残す。
手順・フロー
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手順
- 1.弁護士と付添人をすぐに確保する 取調べや家裁送致の前に弁護士へ連絡し、家裁段階での付添人選任を急ぐ。初回は当番弁護士制度も利用できる
- 2.陣営内での役職と権限を整理する どの役職に就き、誰を指揮し、どの金銭を扱ったかを時系列で整理する。組織的選挙運動管理者等に当たるかどうかが2項適用の分かれ目となる
- 3.大人からの指示・勧誘の証拠を保全する LINE、メール、名簿など、誰から誘われ、誰の指示で動いたかを示す資料を消さずに付添人へ渡す。役割の小ささや従属性を示す材料になる
- 4.逆送決定前に例外事情を資料化して提出する 家裁調査官の面接と付添人意見書で、動機、経緯、反省、今後の環境を具体的に示し、62条2項ただし書の「刑事処分以外の措置が相当」を支える事実を決定前に積み上げる
よくある質問 AI による整理
Q1特定少年とは何ですか?
2022年4月施行の改正少年法で設けられた区分で、18歳・19歳の少年を指します。少年法の適用は続きますが、逆送の範囲拡大や起訴後の実名報道解禁など特例があります。
Q2逆送とはどういう意味ですか?
家庭裁判所が少年事件を刑事処分相当として検察官に送り返すことです。逆送後、検察官が起訴すれば成人と同じ刑事裁判の法廷で審理されます。
Q3少年法63条2項の対象になる罪は?
公職選挙法247条の罪と、251条の2・251条の3・251条の4に掲げる者が犯した連座制対象の罪です。いずれも候補者の当選無効につながりうる罪に限られます。
Q4組織的選挙運動管理者等とは誰ですか?
候補者と意思を通じた組織の選挙運動で、計画の立案・調整や運動員の指揮・監督などを担う人です(公職選挙法251条の3)。電話かけの責任者なども含まれえます。
Q5選挙違反で逆送された19歳は実名報道されますか?
逆送後に起訴されると、特定少年は推知報道禁止が解除され実名報道が可能になります(少年法68条)。略式手続の場合は解除されません。
Q618歳は選挙運動をしてもいいですか?
できます。2016年施行の選挙権年齢引下げで18歳以上は選挙運動が可能になりました。18歳未満の選挙運動は公職選挙法137条の2で禁止されています。
Q7政治資金規正法違反も原則逆送になりますか?
原則逆送は2項の連座制関係の罪に限られます。政治資金規正法違反は1項の対象で、家裁が選挙の公正の確保等を考慮して逆送するかを判断します。
Q8選挙違反で有罪になると公民権停止は何年ですか?
買収罪などで罰金刑なら原則5年間、拘禁刑なら刑の執行終了後5年間など、選挙権・被選挙権が停止されます(公職選挙法252条)。裁判所が期間を短縮する場合もあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q118歳で選挙のバイトして捕まったら、やっぱり前科がつくんですか?
家裁が保護処分にすれば前科にはならない。ただし連座制につながる罪で罪質が重大と判断されると、本条2項により原則として逆送され、起訴されて有罪になれば前科になり、公民権停止(公職選挙法252条)も付く。実務のポイント:逆送決定に対しては抗告できないというのが実務の扱いで、決定後に争う道はほぼない。付添人の意見書は決定前に出すことが決定的に重要である
Q2少年が有罪になっただけで、候補者の当選まで無効になるなんて本当にあるんですか?
ある。連座制(公職選挙法251条の2、251条の3)は、秘書、親族、組織的選挙運動管理者等が買収などで刑に処せられた場合に、検察官の訴訟などを経て候補者の当選無効や立候補制限をもたらす。保護処分は刑ではないため連座は発動しない。だからこそ本条2項は逆送を原則にした。実務のポイント:陣営側の弁護士は、事件が起きるとまず実行役の年齢と役職を確認する。18歳・19歳の運動員は、連座の防波堤にはならない
間違えやすい点 AI による整理
- 「少年だから保護処分で終わるか、それとも刑事罰か」という問いの立て方が、特定少年の選挙犯罪では出発点から間違っている。本条2項に当たる事件では原則が逆送に反転しており、問うべきは「62条2項ただし書の例外に当たる事情を示せるか」である。守る側が証明する構図に変わっている
- 若いスタッフから見れば、日当をまとめて配っただけの軽い手伝いにすぎない。法律から見れば、組織的選挙運動管理者等による買収は、候補者の当選無効とその選挙区での5年間の立候補禁止につながる入口である。この感覚の落差が、本人だけでなく陣営全体を潰す
- 逆送されれば刑事裁判になることは多くの人が知っている。だが特定少年は起訴されると実名報道の禁止が解除される(少年法68条、略式手続は除く)こと、そして選挙犯罪で有罪になれば一定期間、選挙権と被選挙権が止まる(公職選挙法252条)ことまで知っている人は少ない。初めての投票より先に、公民権を失うことがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 63条:特定少年(18歳・19歳)の選挙犯罪 | 62条:特定少年の犯罪全般 20条:18歳未満の少年の犯罪 |
| 原則逆送となる罪 | 連座制対象の罪(公選法247条、251条の2〜251条の4関係)で罪質が重大なもの | 故意の犯罪行為で被害者を死亡させた罪、短期1年以上の刑に当たる罪など 16歳以上で故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪 |
| 判断の考慮要素 | 選挙の公正の確保等(1項)、罪質が選挙の公正に重大な支障を及ぼすか(2項) | 罪質・情状に照らした刑事処分相当性 罪質・情状に照らした刑事処分相当性 |
| 例外の余地 | 62条2項ただし書を準用し、刑事処分以外の措置が相当なら逆送しない | 62条2項ただし書 20条2項ただし書 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の少年事件処理法は18歳未満が対象で、18・19歳は成人として通常の刑事手続に服する。日本の特定少年に相当する中間区分はない
韓国の少年法は19歳未満が対象。選挙事務長等の選挙犯罪による当選無効(連座)制度があり、構造は日本と類似する
ドイツは18〜20歳の「Heranwachsende」に、成熟度に応じて少年刑法を適用しうる。年齢の中間層を個別判断する点で特定少年制度と発想が近い
米国では少年裁判所から成人裁判所への移送(waiver)が州法で定められ、連邦最高裁は移送判断に適正手続を要求した
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大学2年、19歳。ゼミの先輩に誘われて市議選陣営の電話かけチームのリーダーになり、メンバーに「日当5千円」を手渡した。あなたの立場は、公職選挙法251条の3の組織的選挙運動管理者等(陣営組織の中で運動の計画や指揮、監督をする人)にあたりうる。家裁が罪質を重大と認めれば、原則として検察官へ送致され、刑事裁判の法廷に立つことになる
- 候補者と意思を通じて運動していた18歳の息子が、有権者に商品券を配っていたら、どうなる? 親族による連座は拘禁刑以上の刑が条件である。家裁で保護処分に収まるか、逆送されて刑事裁判になるかで、父親の議席の行方が変わる
- 身柄が家裁に送られて観護措置が始まった。期間は原則2週間で、通常は更新しても4週間まで。その間に逆送か保護処分かの方向がほぼ固まる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 対立陣営の買収や、若いスタッフを使った違反を目撃したら、日時、場所、金額、渡した人と受け取った人を記録し、写真やメッセージを保存する2. 選挙管理委員会ではなく警察(捜査二課など選挙違反の担当)へ情報を提供する3. 自分の子どもが巻き込まれた被害者側の立場なら、誰から指示を受けたかの証拠(LINE、メール、名簿)を消さずに確保する。これが後で本人の役割の小ささを示す材料になる
訴えられた側:1. 取調べの前に弁護士へ連絡し、付添人の選任を急ぐ(初回は当番弁護士も使える) 2. 自分の役職と権限を正確に整理する。組織的選挙運動管理者等に当たるかどうかが2項適用の分かれ目3. 大人からの指示や勧誘の経緯を示す証拠を付添人に渡す4. 家裁の調査官面接では、動機、経緯、反省、今後の環境を具体的に示し、62条2項ただし書の「刑事処分以外の措置が相当」を支える事実を積み上げる
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。ただし家裁送致後の観護措置は原則2週間、通常1回更新まで(少年法17条)で、その間に逆送か否かの方向が固まりやすい。家裁の決定前に20歳に達すると、年齢超過で検察官送致となる(少年法19条2項、23条3項)。連座対象事件は起訴から100日以内の判決が求められる(公職選挙法253条の2)。選挙犯罪の公訴時効には特則がある(公職選挙法253条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
立法趣旨(連座制の実効性確保):連座制は関係者が「刑に処せられた」ことを要件とするため、特定少年が保護処分で終われば連座が発動しない。本条2項は、若年の実行役を使った連座回避を防ぐため、連座制対象の罪を原則逆送とした
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)改正、令和4年(2022年)4月1日施行 特定少年に関する第5章の新設に伴い本条を新設。選挙犯罪について家裁の検察官送致判断に選挙の公正の考慮を義務付け、連座制関連の罪を原則逆送の対象とした
改正の年表
- 1.令和3年(2021年) 新設:少年法等の一部を改正する法律により、特定少年に関する第5章の新設に伴い本条を新設。令和4年(2022年)4月1日施行。選挙犯罪の逆送判断に選挙の公正の考慮を義務付け、連座制関連の罪を原則逆送の対象とした
- 少年法 第62条特定少年の検察官送致とただし書の準用元
- 少年法 第20条一般少年の検察官送致の原則規定
- 少年法 第64条特定少年の保護処分の特例
- 少年法 第68条起訴された特定少年の推知報道禁止の解除
- 公職選挙法 第251条の2総括主宰者・秘書・親族等による連座制
- 公職選挙法 第251条の3組織的選挙運動管理者等による連座制
- 公職選挙法 第221条買収罪、連座対象となる典型的な罪
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