少年法 第6条の5(押収、捜索、検証、鑑定嘱託等)
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- 警察官は、第三条第一項第二号に掲げる少年に係る事件の調査をするについて必要があるときは、押収(刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第百二条の二第一項に規定する電磁的記録提供命令(同項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)を含む。次項及び第十五条において同じ。)、捜索、同法第百二条の二第一項に規定する電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。次項及び第十五条において単に「電磁的記録提供命令」という。)、検証又は鑑定の嘱託をすることができる。
- 2.刑事訴訟法中、司法警察職員の行う押収、捜索、電磁的記録提供命令、検証及び鑑定の嘱託に関する規定(同法第二百二十四条を除く。)は、前項の場合について準用する。この場合において、これらの規定中「司法警察員」とあるのは「司法警察員たる警察官」と、「司法巡査」とあるのは「司法巡査たる警察官」と読み替えるほか、同法第四百九十九条第一項中「検察官」とあるのは「警視総監若しくは道府県警察本部長又は警察署長」と、「政令」とあるのは「国家公安委員会規則」と、同条第三項中「国庫」とあるのは「当該都道府県警察又は警察署の属する都道府県」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
押収、捜索、検証、鑑定嘱託等とは何ですか?
定義押収、捜索、検証、鑑定嘱託等とは、少年法第6条の5に定められた規定で、「警察官は、第三条第一項第二号に掲げる少年に係る事件の調査をするについて必要があるときは、押収(刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第百二条の二第一項に規定…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第6条の5(押収、捜索、検証、鑑定嘱託等)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第6条の5の条文原文は「警察官は、第三条第一項第二号に掲げる少年に係る事件の調査をするについて必要があるときは、押収(刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第百二条の二第一項に規定…」で始まります。
- 少年法第6条の5は第二節 通告、警察官の調査等に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第6条の5の前の条は少年法第6条の4です。
- 少年法第6条の5の次の条は少年法第6条の6です。
- 少年法第6条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第6条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第6条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/6_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法6条の5は、警察官が触法少年の事件の調査に必要なとき、令状に基づく押収・捜索・検証・鑑定の嘱託を行えると定める。逮捕や鑑定留置は含まれない。
Q · 14歳未満の子どもの事件でも、警察は家を捜索したりスマホを押収したりできるの?
令状があれば捜索・押収はできるが、逮捕はできない
少年法6条の5により、警察官は14歳未満の触法少年の事件の調査に必要なとき、押収、捜索、検証、鑑定の嘱託などを行えます。手続には刑事訴訟法の規定が準用されるため、裁判官の令状、住居主の立会い、押収品目録の交付といった大人の事件と同じルールが適用されます。一方で、逮捕や鑑定留置(刑事訴訟法224条)は準用されず、子どもの身柄を拘束する手段は含まれません。
解説
14歳未満の子どもは刑法41条により処罰されない。だから警察は手を出せないと考えているなら、その理解は古い。刑罰法令に触れる行為をした14歳未満の少年を触法少年という。警察官はこうした少年について「調査」を行い、必要があれば裁判官の令状を得て、自宅の捜索、スマホやゲーム機の押収、現場の検証、専門家への鑑定の依頼まで行える。条文には刑事訴訟法の新制度である電磁的記録提供命令も組み込まれ、事業者などにデータを提出させる道まで用意された(施行時期は最新の改正状況をご確認ください)。一方で、できないことも明確である。逮捕はできない。鑑定のために身柄を留め置く鑑定留置も、刑事訴訟法224条を準用から外しているので使えない。捜索には刑事訴訟法の手続がほぼそのまま準用される。だから令状の提示、住居主の立会い、押収品目録の交付という大人の事件と同じ守りが、あなたの家にも働く。処罰はされないが、証拠は集められる。このねじれを知っているかどうかで、令状を持った警察官が玄関に立った朝の対応が変わる。
法的な位置づけ
少年法6条の5は、刑罰法令に触れる行為をした14歳未満の少年(触法少年)の事件について、警察官が調査のために押収、捜索、電磁的記録提供命令、検証及び鑑定の嘱託という物的な強制処分を行える旨を定める規定である。手続には刑事訴訟法の司法警察職員に関する規定が準用されるが、鑑定留置を定める同法224条は準用から除外されている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.令状の有無と記載内容を確認 警察官が来たら、任意の協力依頼か令状による強制かを確かめる。令状があれば「捜索すべき場所」「差し押さえるべき物」の記載を読み、メモや写真で記録する
- 2.住居主として捜索に立ち会う 保護者として捜索に立ち会い、令状の範囲外の場所や物に及んでいないかを確認する。疑問点はその場で指摘し、記録に残す
- 3.押収品目録を受け取る 押収が行われたら、押収品目録の交付を必ず受ける。家族共有の端末やデータが含まれていないかを確認する
- 4.弁護士を付添人に選任する 調査段階のうちに弁護士を付添人に選任し(少年法6条の3)、押収の範囲や子どもへの質問方法について意見を記録に残す
- 5.還付・仮還付を請求する 調査に不要な物や家族の生活に必要な端末について、還付または仮還付を求める。転居した場合は警察に新住所を必ず伝え、公告による帰属を防ぐ
よくある質問 AI による整理
Q1触法少年とは何ですか?
14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年のことです。少年法3条1項2号が定義し、刑法41条により刑事罰は科されません。
Q2触法調査とは何ですか?
触法少年の事件について、警察官が事実を明らかにするために行う調査です。少年法6条の2が基本規定で、目的は処罰ではなく事実の解明です。
Q314歳未満 家宅捜索 できる?
できます。少年法6条の5により、裁判官の令状があれば警察官は触法少年の事件で住居の捜索や物の押収を行えます。
Q4子どものスマホ 押収 返ってくる?
留め置く必要がなくなれば還付されます。データ確認後に端末だけを先に返す仮還付を求める余地もあります。
Q5触法少年の事件で令状は必要ですか?
強制的な捜索・押収には原則として令状が必要です。刑事訴訟法の令状主義の規定が少年法6条の5第2項で準用されます。
Q6子どもの家宅捜索 親は立ち会える?
立ち会えます。刑事訴訟法の住居主等の立会いの規定が準用されるため、住居主である保護者の立会いが求められます。
Q7押収物 還付されない6か月とは?
還付先が分からない押収物は警察署長等が公告し、公告から6か月以内に請求がなければ都道府県に帰属します。
Q8触法少年の調査に弁護士は付けられる?
付けられます。少年法6条の3により、保護者等は調査段階から弁護士を付添人として選任できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q114歳未満って逮捕されないんですよね? じゃあ家宅捜索もないんじゃないですか?
逮捕は刑事責任を前提にした制度なので、触法少年には使えない。しかし本条により、令状に基づく捜索や押収はできる。身柄については、児童福祉法33条の一時保護という別の制度が動く。実務のポイント:一時保護は捜索とは別の法律、別の審査の仕組みで進む。家宅捜索の有無だけを気にしていると、子どもの身柄の問題を見落とす(一時保護の司法審査の導入について、最新の改正状況をご確認ください)
Q2押収された子どものスマホ、いつ返ってくるんですか?
留め置く必要がなくなれば還付される(刑事訴訟法123条を222条で準用し、それを本条2項でさらに準用)。必要なデータの確認が済めば、端末だけを先に返す仮還付を求める余地もある。実務のポイント:押収への不服申立てとして準抗告(刑事訴訟法430条)を使えるかは解釈の確認が要るので、付添人の弁護士に早めに相談する。黙って待つ家庭ほど返却が遅れがちである
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰せられない子どもの事件で、なぜ証拠集めが要るのか」という問い自体がずれている。触法調査の目的は処罰ではなく、事実を確定することである(少年法6条の2)。確定した事実をもとに、児童相談所や家庭裁判所が適切な福祉措置や保護処分を選ぶ。事実が曖昧なままだと、やっていない子が処分を受け、やった子は必要な支援を受けられない
- 令状が必要なことは知っていても、その手続の重さまでは知らない人が多い。刑事訴訟法のうち司法警察職員による押収・捜索の規定がほぼそのまま準用される。そのため令状の提示、住居主の立会い、押収品目録の交付は、大人の事件と同じく守られるべき手続である。子どもの事件だから簡略化されるわけではない
- 親から見れば「子どものスマホ」でも、法律から見れば家族全員のやり取りが入った証拠物である。家族の LINE グループ、保護者の写真、きょうだいと連携したアカウントまで押収の射程に入りうる。中身を把握しないまま任意で提出すると、あとで範囲を争いにくくなる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 少年法6条の5:押収・捜索・検証・鑑定嘱託などの物的強制処分 | 少年法6条の2:触法調査の権限の基本規定 少年法6条の4:少年・保護者等の呼出し・質問 |
| 強制力 | 令状に基づく強制処分が可能 | 任意の調査が中心 質問は強制にわたってはならない |
| 刑事訴訟法との関係 | 司法警察職員の押収等の規定を準用(224条の鑑定留置は除外) | 調査全体の枠組みを定める 供述の強制は認めない |
| 保護者が取れる対応 | 令状確認・立会い・押収品目録受領・還付請求 | 付添人の選任(6条の3) 呼出しへの対応方法を付添人と相談 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では刑事訴訟法の搜索・扣押・勘驗・鑑定等の規定が少年保護事件に性質上反しない限り準用される。対象年齢の区分は日本と異なる
韓国では10歳以上14歳未満の촉법소년は刑事罰を受けず、少年部の保護処分の対象となる
ドイツでは14歳未満は責任無能力とされ、少年刑法の対象外。子どもへの対応は主に児童・少年援助の枠組みで行われる
米国では少年事件でも不合理な捜索・押収の禁止が及ぶ。具体的な手続は州法ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 小学6年の息子が同級生を突き飛ばし、相手が骨折した。翌週、警察から「お宅の中を確認させてほしい」と連絡が来た。断れるのか? ただの協力依頼なら応じるかどうかを自分で決められる。しかし裁判官の令状を持って来た場合、6条の5に基づく捜索は拒めない。どちらなのかを最初に確かめることが分かれ目になる
- 13歳の娘のスマホが、SNS いじめの証拠として押収された。あなたは転勤で引っ越し、警察からの還付の連絡が新しい住所に届かない。還付先が分からない押収物は警察署長などが公告し、公告の日から6か月以内に請求がなければ都道府県のものになる。家族写真も連絡先も入った端末が、知らないうちに戻らなくなる
- 近所の空き家が燃えた。火をつけたのは12歳の子だという噂がある。刑事罰がなくても、警察は令状を得て現場検証や出火原因の鑑定の依頼ができるので、原因はうやむやにならない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 加害者が14歳未満でも警察に被害を届け出る。触法調査として検証や鑑定の依頼が動く可能性がある2. 現場の写真、壊れた物、診断書を自分でも保全する3. 事件が家庭裁判所に送られた場合は、記録の閲覧・謄写(少年法5条の2)を申し出る4. 賠償は民事で求める。子どもに責任能力がなければ保護者の監督責任(民法712条・714条)を軸に組み立てる
訴えられた側:1. 令状の提示を求め、場所と対象物をメモで記録する2. 住居主として捜索に立ち会い、押収品目録を必ず受け取る3. 弁護士を付添人に選任する(少年法6条の3)。子どもへの質問は強制にわたってはならない(6条の4第2項)ことを確認する4. 必要のない物が押収されたら還付・仮還付を求める。不服申立ての方法は弁護士と検討する
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期限はない。押収物を還付できない場合は、警視総監・道府県警察本部長または警察署長が公告し、公告の日から6か月以内に還付請求がなければ当該都道府県に帰属する(刑事訴訟法499条を読み替えて準用)。被害者の民事請求は、損害及び加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、民法724条・724条の2)
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年) 少年法等の一部を改正する法律により、触法少年の事件に対する警察の調査権限の一環として新設されたとされる。押収・捜索・検証・鑑定嘱託を明文化した
- 令和7年(2025年)ごろ 刑事訴訟法への電磁的記録提供命令の創設に伴い、本条に同命令を組み込む改正が行われたとみられる。公布日・施行日は要人的検証
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 新設:少年法等の一部を改正する法律により、触法少年の事件に対する警察の調査権限(6条の2以下)が整備され、押収・捜索・検証・鑑定の嘱託が明文化された
- 少年法 第3条触法少年の定義を置く
- 少年法 第6条の2触法調査の権限の基本規定
- 少年法 第6条の3調査段階での付添人選任権
- 少年法 第6条の4呼出し・質問は強制不可
- 少年法 第6条の6調査後の児童相談所長への送致
- 刑事訴訟法 第218条令状による差押え等の準用元
- 刑事訴訟法 第102条の2電磁的記録提供命令の本体規定(現行効力を要確認)
- 刑法 第41条14歳未満は処罰しない前提
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