少年法 第6条の6(警察官の送致等)
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- 警察官は、調査の結果、次の各号のいずれかに該当するときは、当該調査に係る書類とともに事件を児童相談所長に送致しなければならない。
- 一第三条第一項第二号に掲げる少年に係る事件について、その少年の行為が次に掲げる罪に係る刑罰法令に触れるものであると思料するとき。
- 一故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪
- 二イに掲げるもののほか、死刑又は無期若しくは短期二年以上の拘禁刑に当たる罪
- 二前号に掲げるもののほか、第三条第一項第二号に掲げる少年に係る事件について、家庭裁判所の審判に付することが適当であると思料するとき。
- 2.警察官は、前項の規定により児童相談所長に送致した事件について、児童福祉法第二十七条第一項第四号の措置がとられた場合において、証拠物があるときは、これを家庭裁判所に送付しなければならない。
- 3.警察官は、第一項の規定により事件を送致した場合を除き、児童福祉法第二十五条第一項の規定により調査に係る少年を児童相談所に通告するときは、国家公安委員会規則の定めるところにより、児童相談所に対し、同法による措置をとるについて参考となる当該調査の概要及び結果を通知するものとする。
この条文の基本情報
警察官の送致等とは何ですか?
定義警察官の送致等とは、少年法第6条の6に定められた規定で、「警察官は、調査の結果、次の各号のいずれかに該当するときは、当該調査に係る書類とともに事件を児童相談所長に送致しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 少年法第6条の6(警察官の送致等)は、日本の少年法に含まれる条文です。
- 少年法第6条の6の条文原文は「警察官は、調査の結果、次の各号のいずれかに該当するときは、当該調査に係る書類とともに事件を児童相談所長に送致しなければならない。」で始まります。
- 少年法第6条の6は第二節 通告、警察官の調査等に置かれています。
- 少年法の公布日は昭和23年7月15日です。
- 少年法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 少年法第6条の6の前の条は少年法第6条の5です。
- 少年法第6条の6の次の条は少年法第6条の7です。
- 少年法第6条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第6条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000168 - 本サイト収録
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第6条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000168/6_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点少年法6条の6は、警察官が触法少年の事件を調査し、人を死亡させた罪など重大な罪に触れると思料したとき、事件を児童相談所長に送致する義務を定める。
Q · 14歳未満の子どもが重大事件を起こしたら、警察はどう扱うの?
調査のうえ、児童相談所長に事件を送致します
少年法6条の6第1項により、警察官は触法少年の事件を調査し、故意の犯罪行為で人を死亡させた罪や、死刑・無期・短期2年以上の拘禁刑に当たる罪に触れると思料するときは、調査書類とともに事件を児童相談所長に送致しなければなりません。この1号の送致を受けた児童相談所長は、必要がないと認めるときを除き、事件を家庭裁判所に送る義務を負います(6条の7)。それ以外の事件は、通常の通告(3項)で児童相談所の判断に委ねられます。
解説
刑法41条は十四歳未満を罰しない。そのため多くの大人は、小学生や中学一年生が重大な事件を起こしても「警察は手を出せず、児童相談所が話を聞いて終わり」と考えている。本条はその思い込みを崩す。警察官は触法少年(十四歳未満で刑罰法令に触れる行為をした子ども)の事件を調査できる。そのうえで、故意の犯罪で人を死なせた罪、または死刑・無期・短期二年以上の拘禁刑に当たる罪(殺人、強盗、現住建造物等放火、不同意性交等など)に触れると判断したときは、調査書類をつけて児童相談所長に「送致」しなければならない。ふつうの「通告」とは重さが違う。送致を受けた児童相談所長は、必要がないと認める場合を除き、事件を家庭裁判所に送る義務を負う(6条の7)。つまり重大事件は、子どもであっても福祉の窓口を通って司法の審判台まで運ばれる。保護者が見落としがちなのは、警察の調査の段階から弁護士を付添人に選べるという事実だ(6条の3)
法的な位置づけ
少年法6条の6は、触法少年事件における警察官の送致義務を定める規定である。重大な罪に触れる事件、または家庭裁判所の審判に付することが適当な事件について、警察官は調査書類とともに事件を児童相談所長に送致しなければならない。家庭裁判所送致の措置がとられた場合の証拠物送付義務、送致以外の通告時の調査結果通知義務も併せて定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.警察に手続の種類を確認する 警察から連絡を受けたら、呼出しの日時を決める前に、本件が1項の送致を見込む事件か、3項の通告にとどまる事件かを確認する。対象となる罪名もあわせて聞く
- 2.少年事件に詳しい弁護士を付添人に選任する 最初の聴取の前に弁護士へ連絡し、付添人として選任する(少年法6条の3)。呼出しや質問に強制力はないため(6条の4)、日程は付添人と調整してよい
- 3.聴取に付添人と臨む 子どもの供述を保護者が誘導しない。聴取の内容は調査書類として児童相談所長へ引き継がれるため、事実と異なる記載がないか付添人に確認してもらう
- 4.児童相談所へ家庭の改善計画を示す 送致後の児童相談所での面談では、家庭環境の改善策や学校との連携策を書面で示す。6条の7ただし書の「家庭裁判所送致の必要がない」という判断材料になりうる
- 5.家庭裁判所送致後の手続に備える 家庭裁判所に送られた場合、観護措置の期間内に付添人活動を組み立てる。証拠物は警察から家庭裁判所に送付されるため(本条2項)、記録の確認を付添人に依頼する
よくある質問 AI による整理
Q1触法少年とは何歳のことですか?
14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年を指します(少年法3条1項2号)。刑法41条により刑罰は科されませんが、保護の対象にはなります。
Q214歳未満の子が人を死なせたらどうなる?
警察官は事件を児童相談所長に送致しなければなりません(少年法6条の6第1項1号)。児童相談所長は原則として家庭裁判所に送ります(6条の7)。
Q3送致と通告の違いは何ですか?
1項1号の送致を受けた児童相談所長には、原則として家庭裁判所へ送る義務が生じます。3項の通告は、児童相談所の福祉的判断に委ねる手続です。
Q4小学生でも少年院に入ることはある?
少年院送致は、おおむね12歳以上から可能です(少年院法4条)。そのため、小学校高学年でも家庭裁判所の審判で少年院送致となる余地があります。
Q5警察が送致する罪はどんな罪ですか?
故意の犯罪行為で被害者を死亡させた罪と、死刑・無期・短期2年以上の拘禁刑に当たる罪です。殺人、強盗、現住建造物等放火などが該当します。
Q6送致の後、証拠物はどこへ行く?
児童相談所長が家庭裁判所送致の措置をとった場合、警察官は証拠物を家庭裁判所に送付しなければなりません(少年法6条の6第2項)。
Q7重大事件でなくても家裁に送られることはある?
あります。警察官が家庭裁判所の審判に付することが適当と思料すれば、1項2号で送致できます。ただし6条の7の原則送致義務は1号の事件に限られます。
Q8送致されなかった事件の調査結果はどうなる?
警察官が児童相談所に通告するときは、国家公安委員会規則に従い、調査の概要と結果を児童相談所に通知します(少年法6条の6第3項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1小学生でも警察に取り調べられるんですか?
刑事事件の取調べではないが、警察官は触法少年の事件を「調査」できる(6条の2)。呼出しや質問は強制できず(6条の4)、保護者は調査中いつでも弁護士の付添人を選べる(6条の3)。実務のポイント:調査の結果は本条の送致書類としてそのまま引き継がれる。最初の聴取に付添人が立ち会えるかどうかで、事件の見え方が変わりやすい
Q2児童相談所に送られたら、裁判所までは行かないんですよね?
通告(本条3項)なら、児童相談所の判断で福祉的な措置にとどまることも多い。しかし1項の送致を受けた場合、児童相談所長は必要がないと認めるときを除き、家庭裁判所へ送る義務を負う(6条の7)。実務のポイント:児童相談所での面談は「話を聞かれる場」ではなく、ただし書の判断材料を示せる事実上最後の機会である。家庭の改善計画を書面で用意して臨む家族は少ない
間違えやすい点 AI による整理
- 「十四歳未満だから少年院には行かない」と思われがちだが、平成19年(2007年)の改正で、少年院送致はおおむね十二歳以上から可能になった(少年院法4条)。本条の送致は、その可能性へ続く入口である
- 送致と通告は同じようなものだと考える人が多い。実際は、通告(3項)は児童相談所に判断を委ねるにとどまる。一方、1項の送致を受けた児童相談所長は、原則として家庭裁判所に事件を送る義務を負う(6条の7)。言葉が一字違うだけで、行き先の確率が大きく変わる
- 保護者から見れば「子どもが警察に少し話を聞かれるだけ」かもしれない。しかし法律から見れば、その聴取の結果が、家庭裁判所に送る事件かどうかを判断する材料になる。保護者が気楽に構えている間に、記録は審判を見据えて作られていく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の主体 | 少年法6条の6:警察官が児童相談所長へ送致 | 少年法6条の7:児童相談所長が家庭裁判所へ送致 児童福祉法25条:要保護児童の児童相談所等への通告 |
| 対象となる事件 | 重大な罪に触れる触法事件(1号)、家裁審判が適当な事件(2号) | 6条の6第1項1号で送致された事件 保護者のない児童、保護者に監護させることが不適当な児童 |
| 家庭裁判所への到達 | 直接は送らず、児童相談所長を経由 | 必要がないと認めるときを除き、家裁送致の措置が義務 児童相談所の福祉的判断に委ねられる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は2019年改正で12歳未満の触法行為を少年事件處理法の対象から外し、福祉と教育の枠組みで対応する。日本のように警察が重大事件を司法ルートへつなぐ仕組みとは方向性が異なる
韓国は10歳以上14歳未満を촉법소년とし、警察署長が家庭法院・地方法院の少年部へ直接送致する。児童福祉機関を経由しない点が日本と異なる
ドイツは14歳未満を責任無能力とし、少年裁判所の手続ではなく少年援助(Jugendamt)による対応が中心となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 十二歳の息子が友人と遊び半分でアパートの郵便受けに火をつけ、壁の一部が焦げた。現住建造物等放火に触れる可能性があり、警察は「通告」ではなく「送致」のルートに乗せうる。保護者のあなたがまず確認すべきは、警察がどちらの手続をとるつもりかである
- 警察から「お子さんの件で少しお話を聞きたい」と電話が来た。明日の午前十時に署へ来てほしいという。残り十数時間で、弁護士の付添人に同行を頼むか決めなければならない。触法調査での呼出しや質問は強制できない(6条の4)が、その場で話した内容は調査書類に載り、児童相談所長への送致とともに引き継がれる
- もし被害に遭ったのがあなたの子どもで、加害者が十三歳だったら、事件は闇に消えるのか? 消えない。重大事件なら本条1項で児童相談所長へ送致され、原則として家庭裁判所の審判に付される道がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害届と診断書を確保し、加害者が十四歳未満でも警察に触法調査を求める2. 警察に、本条1項の送致なのか3項の通告なのかを確認する3. 家庭裁判所に送られたら、記録の閲覧・謄写(5条の2)、意見陳述(9条の2)を申し出る。重大事件で加害少年が十二歳以上なら、審判傍聴(22条の4)の対象になりうる4. 損害賠償は別に民事で、親の監督義務者責任(民法714条)も含めて検討する
訴えられた側:1. 呼出しや質問に強制力はない(6条の4)。日時の調整を求めてよい2. 聴取の前に、少年事件に詳しい弁護士を付添人に選任する(6条の3) 3. 子どもの供述を保護者が誘導したり、口裏合わせを求めたりしない。かえって不利になる4. 児童相談所では、家庭環境の改善策や学校との連携策を具体的に示す。家庭裁判所に送る必要がないという判断(6条の7ただし書)を得る材料になる
時効(請求できる期限):本条には特定の時効や期限はない。ただし実務上、送致の後に児童相談所の一時保護が行われると原則2か月以内(児童福祉法33条)、家庭裁判所の観護措置は原則2週間で、更新すると通常は最長4週間程度になる(少年法17条)。この期間内に付添人の活動を組み立てる必要がある(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)改正 警察官による触法少年の調査権限(6条の2から6条の7)とともに新設され、重大な触法事件を児童相談所長へ送致する義務が定められた
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 懲役と禁錮が拘禁刑に一本化されたことに伴い、1項1号の対象罪の法定刑の表記が改められた
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 新設:少年法改正により、警察官の触法調査権限(6条の2から6条の7)とともに新設。重大な触法事件を児童相談所長へ送致する義務が定められた
- 2.令和4年(2022年) 改正:懲役と禁錮を拘禁刑に一本化する刑法改正に伴い、1項1号の対象罪の法定刑表記が改められた(令和7年6月1日施行)
- 少年法 第3条触法少年の定義と審判に付す要件
- 少年法 第6条の2警察官による触法調査の根拠
- 少年法 第6条の3調査中の弁護士付添人選任権
- 少年法 第6条の4呼出し・質問の任意性
- 少年法 第6条の7児童相談所長の家庭裁判所送致義務
- 児童福祉法 第25条要保護児童の通告義務、本条3項の前提
- 児童福祉法 第27条家庭裁判所送致の措置(1項4号)
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