保健師助産師看護師法 第37条の2
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- 特定行為を手順書により行う看護師は、指定研修機関において、当該特定行為の特定行為区分に係る特定行為研修を受けなければならない。
- 2.この条、次条及び第四十二条の四において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
- 一特定行為診療の補助であつて、看護師が手順書により行う場合には、実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされるものとして厚生労働省令で定めるものをいう。
- 二手順書医師又は歯科医師が看護師に診療の補助を行わせるためにその指示として厚生労働省令で定めるところにより作成する文書又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)であつて、看護師に診療の補助を行わせる患者の病状の範囲及び診療の補助の内容その他の厚生労働省令で定める事項が定められているものをいう。
- 三特定行為区分特定行為の区分であつて、厚生労働省令で定めるものをいう。
- 四特定行為研修看護師が手順書により特定行為を行う場合に特に必要とされる実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能の向上を図るための研修であつて、特定行為区分ごとに厚生労働省令で定める基準に適合するものをいう。
- 五指定研修機関一又は二以上の特定行為区分に係る特定行為研修を行う学校、病院その他の者であつて、厚生労働大臣が指定するものをいう。
- 3.厚生労働大臣は、前項第一号及び第四号の厚生労働省令を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、医道審議会の意見を聴かなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保健師助産師看護師法第37条の2は、日本の保健師助産師看護師法に含まれる条文です。
- 保健師助産師看護師法第37条の2の条文原文は「特定行為を手順書により行う看護師は、指定研修機関において、当該特定行為の特定行為区分に係る特定行為研修を受けなければならない。」で始まります。
- 保健師助産師看護師法第37条の2は第四章 業務に置かれています。
- 保健師助産師看護師法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 保健師助産師看護師法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 保健師助産師看護師法第37条の2の前の条は保健師助産師看護師法第37条です。
- 保健師助産師看護師法第37条の2の次の条は保健師助産師看護師法第37条の3です。
- 保健師助産師看護師法第37条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第37条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000203 - 本サイト収録
保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第37条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000203/37_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保健師助産師看護師法37条の2は、手順書で特定行為を行う看護師に、指定研修機関での区分別の特定行為研修を義務づける。医師が直接指示する場合は本条の研修要件は及ばない。
Q · 看護師が医師に電話せずに点滴の量を変えたりするのは、法律上問題ないの?
手順書で行うなら区分別の研修修了が必要
保健師助産師看護師法37条の2により、医師があらかじめ作成した手順書に従って看護師が自ら病状を判断し特定行為を行う場合、その看護師は指定研修機関で当該行為が属する特定行為区分の研修を受けていなければなりません。一方、医師がその場で具体的に指示する場合は、通常の診療の補助(同法5条・37条)として行うことができ、本条の研修要件は及びません。研修は区分ごとなので、修了していない区分の行為は手順書では行えません。
解説
夜中の病棟で、医師が来る前に看護師が点滴の量を変え、気管カニューレを交換する。こうした場面は、2015年10月から制度として認められた。条件になるのが本条の「手順書」と「特定行為研修」である。手順書とは、医師があらかじめ「この病状の範囲ならこの処置まで任せる」と書いておく指示書で、紙でも電子データでもよい。これがあれば、看護師はその場で医師に電話しなくても、自分で病状を見極めて処置できる。ただしそうするには、厚生労働大臣が指定した研修機関で、その行為が属する区分の研修を終えていなければならない。見落とされがちな点がある。研修を受けていない看護師でも、医師がその場で具体的に指示すれば同じ処置はできる。本条が研修を求めているのは、「手順書に従って看護師が自分で判断する」という働き方に限られる。家族が入院したとき、処置をしているのが誰で、どの仕組みの下で動いているのかを確かめれば、医療の質を見る目が一段変わる。
法的な位置づけ
保健師助産師看護師法第37条の2は、特定行為研修制度の根拠規定である。特定行為とは、看護師が手順書により行う場合に高度かつ専門的な知識・技能と判断力が特に必要とされる診療の補助として厚生労働省令で定めるものをいい、これを手順書により行う看護師は、指定研修機関で当該特定行為区分に係る特定行為研修を受けなければならない。
手順
- 1.手順書で任せたい行為と区分を洗い出す 夜間・在宅・介護施設連携など、医師が不在になりやすい場面で手順書運用が必要な処置を列挙し、それが省令上どの特定行為・特定行為区分に当たるかを特定する
- 2.対象看護師を指定研修機関に送り出す 必要な区分を扱う指定研修機関を選び、受講者を決めて申し込む。研修は数か月以上かかることが多いため、運用開始日から逆算して計画する
- 3.医師が手順書を作成する 医師(または歯科医師)が、対象患者の病状の範囲、診療の補助の内容、医師への報告方法など省令所定の事項を明記した手順書を、文書または電磁的記録で作成する
- 4.修了区分と手順書の対象を突き合わせて割り当てる 看護師ごとの修了区分と手順書の対象行為が一致していることを書面で確認してから業務を割り当てる。修了証の写しを保管し、区分外の割当てをしない
- 5.病状逸脱時の報告ルールを運用・記録する 患者の病状が手順書の範囲を外れたら直ちに医師へ報告し、手順書による処置を止める。報告の時刻・内容を看護記録に残し、定期的に手順書を見直す
よくある質問 AI による整理
Q1特定行為とは何ですか?
診療の補助のうち、看護師が手順書により行う場合に高度な知識・技能と判断力が特に必要として厚生労働省令で定める行為です。保健師助産師看護師法37条の2第2項1号が定義しています。
Q2手順書とは何ですか?
医師または歯科医師が看護師に診療の補助をさせるための指示として作成する文書または電磁的記録で、対象患者の病状の範囲や診療の補助の内容などを定めたものです(同条2項2号)。
Q3特定行為研修はどこで受けられますか?
厚生労働大臣が指定した指定研修機関で受けます。大学・大学院、病院などが指定を受けており、受講したい特定行為区分を扱っている機関を選ぶ必要があります。
Q4特定行為研修の期間はどれくらい?
共通科目と区分別科目で構成され、受講する区分の数や機関によって期間が異なります。数か月から1年以上かかる例もあるため、募集要項で事前に確認が必要です。
Q5研修を受けずに手順書で処置したら違法?
本条1項の要件を欠く運用になります。事故が起きれば看護師本人だけでなく、手順書を作成した医師や業務を割り当てた病院の管理体制も責任を問われ得ます。
Q6歯科医師も手順書を作れますか?
作れます。本条2項2号は手順書の作成者を「医師又は歯科医師」と定めており、歯科医師の指示による診療の補助も手順書の対象になります。
Q7特定行為の範囲は誰が決めるのですか?
厚生労働大臣が省令で定めます。ただし本条3項により、特定行為と研修基準を定めたり変更したりする際は、事前に医道審議会の意見を聴かなければなりません。
Q8看護師の修了区分はどう確認できますか?
指定研修機関は修了者に修了証を交付します。患者や家族は、担当看護師や病院の医療安全部門に、どの区分を修了しているかを尋ねるのが現実的な確認方法です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1特定行為研修を受けた看護師って、診療看護師(NP)と同じですか?
同じではない。保健師助産師看護師法37条の2が定めているのは、特定行為研修とその修了という仕組みだけで、「診療看護師」という国家資格はない。NP は大学院課程や学会の認定による呼び名である。実務のポイント:病院の求人やパンフレットにある「NP」「特定看護師」は法令上の資格名ではない。確かめるべきなのは、肩書きではなく修了した特定行為区分である
Q2手順書って、患者や家族も見せてもらえるんですか?
手順書は医師の指示として診療に使われる文書なので、診療記録と一緒に開示請求の対象になりうる(個人情報の保護に関する法律)。何を記載するかは厚生労働省令で決まっていて、対象患者の病状の範囲、行為の内容、医師への報告方法などが含まれる(同法37条の2第2項2号)。実務のポイント:紛争になったとき最初に見るのは「病状の範囲」の欄である。ここがあいまいに書かれている手順書は、病院側の弱点になりやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「特定行為研修を受けていない看護師は、特定行為をやってはいけない」と思われがちだが、本条が研修を義務づけているのは手順書で行う場合だけである。医師がその場で具体的に指示すれば、研修を受けていない看護師も診療の補助として同じ行為ができる(保健師助産師看護師法5条、37条)。問うべきなのは「誰がやるか」より「誰の、どんな指示で動いているか」である
- 研修を修了すれば特定行為を全部任せられると考える人がいるが、研修は区分ごとに設けられている。呼吸器関連の区分を終えた看護師でも、創傷管理の区分を終えていなければ、手順書でデブリードマンをすることはできない。修了証は万能の許可証ではない。区分の数だけ扉がある
- 患者側からは「看護師が処置した」としか見えないが、法律の上では「医師が手順書で範囲を定め、看護師が要件を満たしたうえで判断した」という二層の構造になっている。トラブルのときにこの構造を知らないと、責任の所在を看護師一人に押しつけて、本来問うべき医師や病院の体制を見逃す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 37条の2:手順書による特定行為(看護師が自ら病状を判断して実施) | 37条:医師・歯科医師の指示のない医療行為の禁止 5条:看護師の定義(療養上の世話・診療の補助) |
| 必要な指示の形 | 事前作成の手順書(病状の範囲・行為内容等を定めた文書/電磁的記録) | 医師・歯科医師の指示(具体的指示を含む) 診療の補助は医師等の指示の下で行う前提 |
| 看護師側の追加要件 | 指定研修機関で当該特定行為区分の研修を受けること | 看護師免許の範囲内であること(研修要件なし) 看護師免許を有すること |
| 見落としやすい点 | 研修は区分ごと。修了区分外の行為は手順書では不可 | 研修未修了でも医師の具体的指示があれば同じ行為が可能 「特定看護師」「NP」は法令上の資格名ではない |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は「専科護理師」という独立の資格を設け、医師の監督の下で一定の医療業務を認める。日本が肩書きではなく区分別の研修修了で権限を区切るのとは設計が異なる
韓国は分野別の専門看護師資格制度をとり、近年は看護法で診療支援業務の法的根拠の整備が進んでいる
ドイツは医師業務の一部を看護職に委ねる仕組みを、まずモデル事業として法定した。日本の全国一律の研修制度より段階的に導入している
フランスは上級実践看護師(IPA)を法定し、修士レベルの養成を要件とする。研修区分ではなく職種単位で業務範囲を広げている
米国はナース・プラクティショナーの業務範囲を州法で定め、州によっては医師の監督なしでの独立した診療も認める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 在宅療養中の父の褥瘡が悪化した。訪問看護師が「先生の手順書の範囲なので、壊死組織を今日取り除きます」と言う。家族が聞いておくべきことは二つある。その看護師がこの区分の研修を修了しているか、手順書に書かれた病状の範囲に父が入っているか。
- 研修を修了していない看護師に、手順書による処置を任せるよう病棟でシフトを組まされたら、責任は誰が負うのか? 本条の要件を満たしていない運用で事故が起きれば、指示した医師、看護師本人、病院の管理体制がそろって問われる。「上に言われたから」では身を守れない
- あなたが看護部長で、来月に介護施設との連携が始まる。夜間に医師がいない現場で手順書を使うなら、それまでに対象の看護師を指定研修機関の研修に送り出し、修了を確認しておかなければならない。研修は数か月かかることも多く、逆算するともう時間がない
- 手順書は一度作れば終わりではない。患者の病状が手順書の範囲から外れたのに、看護師が書類どおりに輸液の量を調整し続けたとする。その時点で、本条が前提にしている「医師の指示の範囲内」という土台が崩れる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 処置の後に容体が悪くなったら、まず誰がどの処置を、いつ、どの指示で行ったかを記録しておく2. 診療録・看護記録・手順書の開示を病院に求める(個人情報の保護に関する法律に基づく開示請求)3. その看護師がその区分の研修を修了していたか、患者の病状が手順書の範囲に入っていたかを確認する4. 医療安全支援センターに相談するか、医療過誤に詳しい弁護士に記録を見てもらう
訴えられた側:1. 自分の研修修了区分と、使った手順書の対象行為・病状の範囲が一致していることを、修了証と手順書の写しで示す2. 病状が範囲を外れた時点で医師に報告した記録があれば、それが防御の核になる3. 研修を修了していないのに手順書業務を割り当てられていた場合は、その指示系統を記録として残す4. 個人で抱え込まず、病院の医療安全部門と看護協会の相談窓口を使う
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。患者側の損害賠償請求は、不法行為なら損害と加害者を知った時から5年(人の生命・身体の侵害、民法724条の2)、行為の時から20年。債務不履行なら権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から20年(民法166条、167条)
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年) 地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律により新設され、平成27年(2015年)10月1日に施行された。その後の文言改正の有無は人による確認が必要
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律により新設され、平成27年(2015年)10月1日に施行。特定行為研修制度が創設された
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