保健師助産師看護師法 第41条
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助産師は、妊娠四月以上の死産児を検案して異常があると認めたときは、二十四時間以内に所轄警察署にその旨を届け出なければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保健師助産師看護師法第41条は、日本の保健師助産師看護師法に含まれる条文です。
- 保健師助産師看護師法第41条の条文原文は「助産師は、妊娠四月以上の死産児を検案して異常があると認めたときは、二十四時間以内に所轄警察署にその旨を届け出なければならない。」で始まります。
- 保健師助産師看護師法第41条は第四章 業務に置かれています。
- 保健師助産師看護師法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 保健師助産師看護師法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 保健師助産師看護師法第41条の前の条は保健師助産師看護師法第40条です。
- 保健師助産師看護師法第41条の次の条は保健師助産師看護師法第42条です。
- 保健師助産師看護師法第41条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第41条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000203 - 本サイト収録
保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第41条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000203/41
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保健師助産師看護師法41条は、助産師が妊娠四月以上の死産児を検案して異常を認めたとき、24時間以内に所轄警察署へ届け出る義務を定める。
Q · 助産師が死産児に異常を見つけたら、警察に届けないといけないの?
はい。異常を認めたら24時間以内に所轄警察署へ届出が必要です
保健師助産師看護師法41条により、助産師は妊娠四月以上(実務上は満12週以後と解される)の死産児を検案して異常があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署へ届け出なければなりません。届出は犯罪の告発ではなく、異常の有無を公的に確認する入口です。「異常」の定義は条文になく、医師法21条に関する最高裁判例を参考に、外表の所見を軸に判断されることが多いとされます。
解説
妊娠12週を過ぎて生まれた死産児は、法律の上では単なる流産の結果ではなくなる。墓地、埋葬等に関する法律では「死体」として扱われ、死産届が必要になり、異常があれば警察も関わってくる。保健師助産師看護師法41条は、助産師が妊娠四月以上(実務上は妊娠満12週以後と解されている)の死産児を検案し(体の外側を観察して死亡の状況を確かめること)、異常があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署へ届け出るよう義務づけている。医師には医師法21条で同じ義務がある。助産所や自宅出産の現場で医師がいないとき、犯罪の痕跡を最初に見るのは助産師だけかもしれない。そのため法律は、助産師を社会の見張り役にもしているのである。ただし「異常」とは何かは条文に書かれておらず、実務上、解釈が分かれている。母親と家族にとって最もつらい時間に警察が来る理由も、助産師が「報告すべきか」で迷う理由も、この一文にある。
法的な位置づけ
保健師助産師看護師法41条は、助産師の死産児に関する届出義務を定める規定である。妊娠四月以上の死産児を検案し、異常があると認めた助産師は、24時間以内に所轄警察署へ届け出なければならない。医師法21条の異状死体等届出義務と同じ構造をもち、医師が関与しない分娩でも異常な死産を捜査機関の確認につなげる機能を担う。
手順
- 1.検案直後に外表所見を記録する 死産児の外表を観察し、所見・検案時刻・写真を助産録に記録する。母体の経過や分娩状況もあわせて書き留める(同法42条)
- 2.異常の有無を判断し、迷えば嘱託医に相談する 説明のつかない外傷や処置痕など、外表に異常がないかを確認する。判断に迷う場合は嘱託医や連携医療機関の医師に相談し、相談の日時と内容を記録する
- 3.家族へ手続の趣旨を先に説明する 警察が来る前に、届出は法律上の確認手続であり、家族を疑っているわけではないことを伝える
- 4.24時間以内に所轄警察署へ届け出る 異常を認めた時から24時間以内に所轄警察署へ届け出る。届出の日時、相手方、伝えた内容を助産録に記録する
- 5.死産証書・死胎検案書を交付する 家族が死産後7日以内に市町村長へ死産届を出せるよう、求めに応じて死産証書または死胎検案書を交付する。自ら分娩介助・検案していない死胎については交付できない(同法40条)
よくある質問 AI による整理
Q1助産師の異常死産届出義務とは?
保健師助産師看護師法41条が定める義務で、妊娠四月以上の死産児を検案して異常を認めた助産師は、24時間以内に所轄警察署へ届け出なければなりません。
Q2妊娠四月以上とは何週から?
実務上は妊娠満12週以後と解されています。墓地、埋葬等に関する法律でも、妊娠四箇月以上の死胎は「死体」に含まれます。
Q3助産師の警察への届出24時間はいつから数える?
条文上は「異常があると認めたとき」から24時間以内です。検案の時刻と、異常と判断した時刻を助産録に記録しておくことが重要です。
Q4助産師が届出をしないと違法?
異常を認めたのに届け出なければ本条違反となり、同法の罰則規定により罰金刑の対象になりえます。最新の罰則条文は e-Gov で確認してください。
Q5死産の警察への届出はどこにする?
届出先は所轄警察署です。死産届(市町村長宛て、死産後7日以内)とは別の手続で、提出先も目的も異なります。
Q6自宅出産で死産になったら誰が届け出る?
分娩に立ち会い検案した助産師が異常を認めた場合、その助産師に本条の届出義務が生じます。医師が検案した場合は医師法21条の義務が別に生じます。
Q7死産の届出は電話でできる?
条文は届出の方式を定めていません。実務では電話で一報したうえで、警察の指示に従うことが多いとされます。届出の日時と相手方は記録に残しましょう。
Q8助産師の届出と医療事故調査制度の報告は同じ?
違います。本条の届出は所轄警察署宛て、医療事故調査制度の報告は医療事故調査・支援センター宛てで、目的も要件も別です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1「異常」って、具体的にどこまでなら届け出なきゃいけないの?
条文に定義はなく、実務上、解釈が分かれている。医師法21条については、最高裁が「検案」を外表の検査と解釈しており(最判平成16.4.13)、厚生労働省も外表の異状を判断の軸とする考え方を示してきた。本条も同じ構造で読まれることが多い。実務のポイント:迷った時点で嘱託医に相談した記録を残しておくと、届け出た場合も見送った場合も、判断の過程を説明できる。現場で後から本当に問われるのは、結論そのものより判断の過程である
Q2届け出たら、お母さんが逮捕されちゃうんですか?
届出は捜査の開始とは限らない。警察はまず、死産児の状況に犯罪の疑いがあるかどうかを確認する。病気や胎盤の異常など自然な原因と判明すれば、そこで手続は終わることが多い。実務のポイント:届出を受けて警察が行うのは、まず検視などの確認の手続である(刑事訴訟法229条参照)。家族に「事件にするための手続ではなく、事件ではないことを確かめる手続でもある」と伝えると、受け止め方が和らぐ
Q3医師も一緒に診た死産なら、助産師は届け出なくていいの?
医師が検案して医師法21条に基づき届け出たのであれば、同じ事実について重ねて届け出る実益は小さい。ただし条文上、助産師の義務は医師の義務と別に定められており、自分が異常を認めた場合は独立して義務を負うと読むのが安全である。実務のポイント:連名で届け出るか、誰が届け出たかを助産録に明記しておく。「医師がやってくれたと思っていた」は、後から最も弁明しにくい空白になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「警察に届け出る=助産師が家族を疑っている」と受け取られがちだが、法律の構造は違う。届出は異常の有無を公的に確かめる入口にすぎず、犯罪を前提としたものではない。届け出たことで家族を告発したことにはならない
- 届出義務は「明らかに事件性がある場合だけ」と考える助産師は多い。だが条文の要件は事件性ではなく「異常」である。医師法21条について最高裁(最判平成16.4.13、都立広尾病院事件)は、検案とは死体の外表を検査することであり、自分が診療していた患者でも届出義務を負うと判断した。判例は医師についてのものだが、同じ文言の本条でも、異常を狭く読んで黙っていると罰則のリスクを負いうる
- 立てる問いがそもそもずれている。「12週未満なら関係ない」という線引きだけを見ていると、12週以後の死産が埋葬、死産届、死胎検案書と一連の手続に乗るという全体像を見落とす。妊娠四月という一線は、法律上「死体」として扱うかどうかの境目なのである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 保助看法41条:検案した死産児に異常があるときの警察への届出 | 保助看法40条:自ら分娩介助・検案しない死産証書等の交付禁止 医師法21条:医師の異状死体・死産児の警察への届出 |
| 義務を負う者 | 助産師 | 助産師 医師 |
| 対象 | 妊娠四月以上の死産児(異常があるもの) | 出生証明書・死産証書・死胎検案書 死体または妊娠四月以上の死産児(異状があるもの) |
| 期限・相手方 | 24時間以内/所轄警察署 | 期限なし(交付行為そのものの禁止) 24時間以内/所轄警察署 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では医師が屍体・死産児を検査して非病死またはその疑いがある場合、検察機関へ通報して相験を求める。届出先が警察ではなく検察である点が日本と異なる
韓国では医師・歯科医師・韓医師に加え助産師(조산사)も、変死の疑いがある死体を警察署長へ届け出る義務を負う。一つの条文に複数の職種をまとめている
ドイツでは検死(Leichenschau)を州法が規律し、不自然死の疑いがあれば警察へ通報する。連邦統一法はない
米国では州ごとに不審死の報告先と報告義務者が異なり、fetal death の報告も州の人口動態統計法で規律される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 開業助産師として自宅出産に立ち会い、妊娠30週の死産となった。胎児の体に説明のつかない皮下出血がある。母親は「転んだだけ」と言っている。信頼関係を壊したくないという気持ちと、24時間という期限の両方を、あなたは同時に抱えることになる
- 妊娠20週の死産で、助産師が警察に届け出たらどうなるのか? 家族は「なぜ私たちが犯罪者扱いされるのか」と怒るかもしれない。だが届出は告発ではなく、異常の有無を公的に確認するための手続である。この区別を知っているかどうかで、家族の受け止め方は大きく変わる
- 死産から20時間が経った。検案のときは気にしていなかった臍帯の処置痕が、記録を見直すと不自然に思えてきた。残り4時間で、届け出るかどうかを決めなければならない
- あなたは死産を経験した母親の姉である。妹から「警察の人が来て写真を撮っていった」と泣きながら電話が来た。あなたはまず、それが捜査なのか、検視のための確認なのかを落ち着いて聞き分ける必要がある
- 公衆トイレで見つかった妊娠後期の胎児について、助産所に意見を求める連絡が来た。分娩介助をしていない死胎について助産師が検案書を作ることには、同法40条の制約がある。誰が検案し、誰が届け出るのか、その線引きが現場で問われる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 死産を経験した本人や家族のもとに警察が来ても、それは異常の有無を確かめるための手続であり、直ちに犯罪を疑われているわけではないと理解する2. 聴取では分かる事実だけを話し、推測は口にしない。不安があれば弁護士に同席を相談する3. 死産届は死産後7日以内に、助産師または医師の死産証書、または死胎検案書を添えて市町村長に提出する(死産の届出に関する規程) 4. 医療行為に疑問があれば、医療事故調査制度の対象になるかどうかを助産所に確認する
訴えられた側:1. 検案の時刻、外表所見、写真、母体の経過を直ちに助産録に記録する(同法42条) 2. 異常かどうか迷う場合は、嘱託医や連携医療機関の医師に相談したうえで、届け出る方向で判断する。届け出なかったことの不利益の方が大きい3. 届出の前後に家族へ手続の趣旨を説明しておく4. 自らの医療行為が問われそうな場合は、警察とのやり取りの前に弁護士に相談する。届出義務と黙秘権の関係は、医師法21条の議論に準じて争点になりうる
時効(請求できる期限):異常があると認めた時から24時間以内に、所轄警察署へ届け出る。死産届は死産後7日以内。違反は同法の罰則規定により罰金刑の対象となる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成13年(2001年)改正、平成14年(2002年)施行 法律名が保健婦助産婦看護婦法から保健師助産師看護師法に改められ、条文中の「助産婦」も「助産師」に変更されたとみられる。本条の実質的な要件に変更があったかは人による確認が必要
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:保健婦助産婦看護婦法の制定により、助産婦の異常死産児の届出義務として規定された
- 2.平成13年(2001年) 改正:法律名が保健師助産師看護師法に改められ、「助産婦」が「助産師」に変更された(2002年施行)。届出義務の実質的な要件に変更があったかは要確認
- 保健師助産師看護師法 第40条死胎検案なき死産証書等の交付禁止
- 保健師助産師看護師法 第42条助産録の記載・保存義務
- 保健師助産師看護師法 第39条検案時の証明書交付義務
- 保健師助産師看護師法 第45条届出義務違反の罰則(現行効力を要確認)
- 医師法 第21条医師の異状死体等の届出義務
- 墓地、埋葬等に関する法律 第2条妊娠四箇月以上の死胎を死体と定義
- 刑法 第192条検視を経ない変死者密葬の処罰
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