保健師助産師看護師法 第42条
クイックジャンプ
- 助産師が分べんの介助をしたときは、助産に関する事項を遅滞なく助産録に記載しなければならない。
- 2.前項の助産録であつて病院、診療所又は助産所に勤務する助産師が行つた助産に関するものは、その病院、診療所又は助産所の管理者において、その他の助産に関するものは、その助産師において、五年間これを保存しなければならない。
- 3.第一項の規定による助産録の記載事項に関しては、厚生労働省令でこれを定める。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保健師助産師看護師法第42条は、日本の保健師助産師看護師法に含まれる条文です。
- 保健師助産師看護師法第42条の条文原文は「助産師が分べんの介助をしたときは、助産に関する事項を遅滞なく助産録に記載しなければならない。」で始まります。
- 保健師助産師看護師法第42条は第四章 業務に置かれています。
- 保健師助産師看護師法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 保健師助産師看護師法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 保健師助産師看護師法第42条の前の条は保健師助産師看護師法第41条です。
- 保健師助産師看護師法第42条の次の条は保健師助産師看護師法第42条の2です。
- 保健師助産師看護師法第42条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第42条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000203 - 本サイト収録
保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第42条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000203/42
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保健師助産師看護師法42条は、分べんを介助した助産師に助産録の遅滞ない記載を義務づけ、勤務先の管理者または助産師本人が5年間保存すると定める。
Q · 出産のときの助産録って、何年保存されるの?
5年間。勤務先の管理者か助産師本人が保存する
保健師助産師看護師法42条2項により、助産録の保存期間は5年間です。病院・診療所・助産所に勤務する助産師が行った助産の記録はその施設の管理者が、自宅出産などを扱う開業助産師の記録は助産師本人が保存します。助産録は本人の個人情報でもあるため、個人情報の保護に関する法律にもとづき写しの開示を請求できます。損害賠償請求権の期限より短いため、気になることがあれば早めの請求が重要です。
解説
出産の記録は病院のカルテだけだと思われがちだが、助産師が分べんを介助した場合、法律はそれとは別に「助産録」という専用の記録を求めている。書くのは介助した助産師本人で、期限は「遅滞なく」(後回しにせず、という意味)。保存期間は5年。病院・診療所・助産所に勤める助産師が書いたものはその施設の管理者が保存し、自宅出産を扱う開業助産師が書いたものは助産師自身が保存する。何を書くかは厚生労働省令(保健師助産師看護師法施行規則34条)で決まっている。分べんの年月日時分、経過と処置、異常の有無、子どもと胎盤などの所見、産後の経過までが並ぶ。産んだのがあなたなら、陣痛から娩出までの時刻と、そのとき助産師が何を判断したかがここに残っている。後で子どもの発達に不安が出たとき、あの夜に何が起きたかを確かめられる一次資料はこれしかない。そして5年を過ぎると、法律上の保存義務はなくなる。
法的な位置づけ
助産録とは、助産師が分べんを介助した際に作成する法定の記録であり、保健師助産師看護師法42条により遅滞なき記載と5年間の保存が義務づけられる。保存責任者は、病院・診療所・助産所に勤務する助産師による助産の場合は当該施設の管理者、それ以外の場合は助産師本人である。記載事項は同法施行規則34条が定める。
よくある質問 AI による整理
Q1助産録とは何ですか?
助産師が分べんを介助したときに作成が義務づけられた記録です。保健師助産師看護師法42条が根拠で、分べんの経過や処置、産後の経過などを記載します。
Q2助産録の記載事項は何ですか?
保健師助産師看護師法施行規則34条が定めています。妊産婦の情報、分べんの場所と年月日時分、分べんの経過と処置、異常の有無、児と胎児附属物の所見、産じょくの経過などです。
Q3助産録の保存期間はいつまで?
5年間です(本条2項)。起算点は条文に明記がなく、実務上は分べん日や記録の完結日とされることが多いため、余裕をもって保存する施設もあります。
Q4助産録は誰が書くのですか?
分べんを介助した助産師本人が書きます。代筆を前提とした規定ではなく、介助した助産師が遅滞なく記載する義務を負います。
Q5開業助産師の助産録は誰が保存する?
病院・診療所・助産所に勤務していない助産師が行った助産、例えば出張による自宅出産の助産録は、助産師本人が5年間保存する義務を負います。
Q6助産録を書かないと違法?
違法です。記載・保存義務違反は同法の罰則の対象とされ、罰金以上の刑を受けると免許取消しや業務停止の行政処分につながりえます(同法14条)。
Q7助産録は電子保存してもいい?
厚生労働省の電子保存に関するルール(e-文書法の省令やガイドライン)に沿えば、電子媒体での保存も認められるとされています。真正性・見読性・保存性の確保が条件です。
Q8閉院した助産所の助産録はどうなる?
条文は閉院後の扱いを明記していません。まず元管理者や引継ぎ先を確認し、記録の所在を突き止めることが現実的な第一歩です。所在不明なら弁護士に相談します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1病院で産んだんですけど、助産録ってこっちから見せてもらえるんですか?
見られる。助産録は本条にもとづき管理者が保存する記録で、あなたの個人情報でもあるので、個人情報の保護に関する法律33条の開示請求の対象になる。実費相当の手数料がかかることはある。実務のポイント:「助産録」とだけ書くと、その一冊しか出てこないことがある。分べん監視装置の記録や看護記録も、名前を挙げて一緒に請求すると、時刻のつき合わせができる
Q2助産所って5年たったら記録を捨てていいんですか?
本条が義務づけている保存期間は5年なので、それを過ぎた廃棄は直ちに違法とはいえない。ただ、損害賠償請求権は最長20年残るため(民法724条ほか)、紛争リスクを考えてあえて長く保存する施設もある。実務のポイント:期限が近いと分かったら、「紛争の可能性があるので廃棄しないでほしい」と書面で伝えておく。その通知を受けた後に廃棄すると、施設側は裁判で不利な扱いを受けかねない
Q3書き忘れた所見を後から足したら、まずいですか?
追記や訂正そのものは禁止されていない。大事なのは、いつ誰が何を直したかが分かる形で残すこと。元の記載を塗りつぶしたり、作成日を偽ったりすると、改ざんを疑われるうえ、本条違反(同法45条の2の罰金)や行政処分の問題にもなる。実務のポイント:民事訴訟の証拠保全は、裁判所の決定が当日、執行の直前に届くことが多い。その日に慌てて整えても間に合わない。日々の記録がすべてだ
間違えやすい点 AI による整理
- 「記録を見せてもらえるだろうか」と遠慮がちに考える人が多いが、問いの立て方がずれている。助産録はあなた自身の個人情報でもあり、民間の病院や助産所に対しては個人情報の保護に関する法律33条にもとづく開示請求ができる。事業者が断れるのは法律が定める例外にあたる場合だけで、頼みごとではなく請求である(公立病院には同じ法律の行政機関等向けの規定が適用される)
- 5年保存という数字は知っていても、それが損害賠償請求の期限よりずっと短いことは見落とされやすい。人の生命・身体の侵害による請求権は、損害と加害者を知った時から5年、行為の時から最長20年残る(民法724条、724条の2、166条、167条)。請求権が残っていても、それを裏付ける記録は先に消えているかもしれない
- 助産師から見れば、書き遅れや記載漏れは忙しい現場で起きる小さなミスにすぎない。法律から見ると話が違う。本条違反は罰金の対象であり(同法45条の2)、罰金以上の刑を受けると、免許の取消しや業務停止の行政処分(役所が直接下す具体的な決定)につながりうる(同法9条、14条)。この落差が、記録一枚で職業人生を揺るがす
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 記録の種類 | 保助看法42条:助産録(分べん介助の記録) | 医師法24条:診療録(診療の記録) 保助看法41条:異常死産児の届出(記録ではなく警察署への届出) |
| 義務を負う人 | 分べんを介助した助産師 | 診療をした医師 妊娠4か月以上の死産児を検案した助産師 |
| 期限・保存期間 | 遅滞なく記載、5年間保存 | 遅滞なく記載、5年間保存 異常を認めたときから24時間以内に届出 |
| 保存責任者 | 勤務先施設の管理者、それ以外は助産師本人 | 病院・診療所勤務なら管理者、それ以外は医師本人 保存義務の規定なし |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は助産人員の業務記録作成義務と、医療機関の病歴保存義務(成人は少なくとも7年)の二本立てで規律する。保存期間は日本の5年より長い
韓国は医療法で医療人に진료기록부・조산기록부・간호기록부の作成を一括して義務づけ、保存期間は施行規則で定める構造
ドイツは治療契約の一環として記録義務を民法典に置き、原則10年の保存を求める。患者の閲覧権は § 630g が定める
米国は連邦法で本人のアクセス権を保障する一方、記録の保存期間は州法に委ねられ、州ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 子どもが3歳になって発達の遅れを指摘された。出産した助産所がもう閉院していたらどうなる? 条文が保存義務を負わせているのは「管理者」で、閉院後の扱いは明記されていない。実務では、まず元管理者の行方を追い、記録を誰が持っているかを確かめるのが現実的な第一歩になる
- 夜勤で3件の分べんが続き、あなたは助産録を翌々日にまとめて書いた。数年後、ある家族が訴訟を起こし、証拠保全で記録が押さえられる。記載された時刻が分べん監視装置の記録と15分ずれていた。それだけで、記録全体の信用性が法廷で疑われる
- 産科医療補償制度の申請期限は、子どもの満5歳の誕生日まで。助産録の法定保存期間も5年。誕生日まであと半年なら、写しの請求は今週中に出す
- 自宅出産を考えている友人から相談された。分べんの前に助産師へ「終わったら助産録の写しをもらえますか」と一言聞いておくよう勧めればいい。開業助産師の場合、記録を持っているのは助産師本人ただ一人だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 出産した施設名、分べん日、介助した助産師名を整理する2. 病院・助産所勤務の助産師なら施設の管理者に、開業助産師なら本人に、書面で助産録と分べん監視記録の写しを請求する(個人情報の保護に関する法律33条) 3. 保存期限が近い場合は、廃棄しないよう求める旨も書面に入れる4. 開示を拒まれた、記録がないと言われたら、医療事故に詳しい弁護士に証拠保全(民事訴訟法234条)を相談する5. 産科医療補償制度の対象かどうかを早めに確認する
訴えられた側:1. 分べんのたびに、施行規則34条の記載事項を漏れなく、遅滞なく記載する2. 訂正するときは元の記載を消さず、訂正日と訂正者を残す。後からの書き換えは改ざんを疑われる最大の原因になる3. 開業助産師は保存場所と保存期限の台帳を作り、廃業時の引継ぎ方法も決めておく4. 開示請求には原則として応じ、断る場合は法律上の理由を書面で示す5. 紛争の兆しがあれば、5年を過ぎても廃棄しない
時効(請求できる期限):保存期間は5年(本条2項)。起算点は条文に明記がなく、実務上は分べん日または記録の完結日とされることが多い(解釈が分かれるため長めに保存するのが無難)。損害賠償請求権は、不法行為なら損害と加害者を知った時から5年、行為の時から20年(民法724条、724条の2)。契約責任なら知った時から5年、権利を行使できる時から20年(民法166条、167条)。産科医療補償制度の申請は原則として子の満5歳の誕生日まで(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 昭和23年(1948年) 保健婦助産婦看護婦法の制定により、助産婦の助産録記載・保存義務が設けられた(制定時の文言は要確認)
- 平成13年(2001年)公布、平成14年(2002年)施行 法律名が保健師助産師看護師法に改められ、「助産婦」が「助産師」に改正された。本条の主語も助産師となった
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:保健婦助産婦看護婦法の制定により、助産婦の助産録記載・保存義務が設けられた(制定時の文言は要確認)
- 2.平成13年(2001年) 改正:法律名が保健師助産師看護師法に改められ、「助産婦」が「助産師」に改正された(平成14年施行)。本条の主語も助産師となった
- 保健師助産師看護師法 第40条自ら介助しない出生証明書の交付禁止
- 保健師助産師看護師法 第41条妊娠4か月以上の異常死産児の届出義務
- 保健師助産師看護師法 第30条助産業務の独占、記録義務の前提
- 保健師助産師看護師法 第14条罰金以上の刑等による免許取消・業務停止
- 保健師助産師看護師法 第45条の2助産録義務違反への罰金(現行効力を要確認)
- 医師法 第24条診療録の記載・5年保存の並行規定
- 個人情報の保護に関する法律 第33条本人による助産録の開示請求権
- 戸籍法 第49条出生届と出生証明書の添付
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める