消防法 第11条の4
クイックジャンプ
- 製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更しないで、当該製造所、貯蔵所又は取扱所において貯蔵し、又は取り扱う危険物の品名、数量又は指定数量の倍数(当該製造所、貯蔵所又は取扱所において貯蔵し、又は取り扱う危険物の数量を当該危険物の指定数量で除して得た値(品名又は指定数量を異にする二以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う場合には、当該貯蔵又は取扱いに係るそれぞれの危険物の数量を当該危険物の指定数量で除して得た値の和)をいう。)を変更しようとする者は、変更しようとする日の十日前までに、その旨を市町村長等に届け出なければならない。
- 2.前項の場合において、別表第一の品名欄に掲げる物品のうち同表第一類の項第十一号、第二類の項第八号、第三類の項第十二号、第五類の項第十一号又は第六類の項第五号の危険物は、当該物品に含有されている当該品名欄の物品が異なるときは、それぞれ異なる品名の危険物とみなす。
- 3.第十一条第七項の規定は、同項に規定する製造所、貯蔵所又は取扱所につき第一項の届出があつた場合について準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第11条の4は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第11条の4の条文原文は「製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更しないで、当該製造所、貯蔵所又は取扱所において貯蔵し、又は取り扱う危険物の品名、数量又は指定数量の倍数(当該製…」で始まります。
- 消防法第11条の4は第三章 危険物に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第11条の4の前の条は消防法第11条の3です。
- 消防法第11条の4の次の条は消防法第11条の5です。
- 消防法第11条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第11条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第11条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/11_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法11条の4は、危険物施設の位置・構造・設備を変えずに危険物の品名・数量・指定数量の倍数を変更する場合、変更日の10日前までに市町村長等へ届け出る義務を定める。
Q · 危険物施設で設備は変えずに中身の油や在庫量だけ変える場合、消防への手続は要りますか?
要る。変更日の10日前までに市町村長等へ届出
消防法11条の4第1項により、製造所・貯蔵所・取扱所の位置・構造・設備を変えずに危険物の品名・数量・指定数量の倍数のいずれかを変更する場合、変更しようとする日の10日前までに市町村長等へ届け出なければなりません。届出は許可ではありませんが、変更後に技術基準を満たさなくなれば別の違反となり、設備変更が必要になれば同法11条の変更許可に切り替わります。
解説
タンクも配管も建屋も一切いじらない。中身の油を灯油から軽油に替えるだけ、在庫を少し増やすだけ。この程度なら消防に言う必要はないと考える現場担当者は多い。消防法11条の4によれば、それは誤りである。製造所・貯蔵所・取扱所の「位置・構造・設備」を変えなくても、扱う危険物の「品名」「数量」「指定数量の倍数」のどれか一つでも変えるなら、変更予定日の10日前までに市町村長等(施設の所在地を管轄する市町村長、都道府県知事または総務大臣)へ届け出なければならない。倍数は、品名ごとに「実際の数量 ÷ 指定数量」を出し、それを合計した値である。届出自体は許可ではないので審査待ちは要らない。それでも届出の時点で消防は数字を確認する。倍数が上がると、保有空地(施設の周りに確保すべき空きスペース)の幅、予防規程の要否、危険物保安監督者の要否、定期点検の義務といった、別の義務の境目をまたぐことがある。届出書を書く手間は小さい。書く前に倍数を計算し直さず、どの境目をまたぐかを確かめなかったことの代償は大きい。
法的な位置づけ
消防法11条の4は、危険物の製造所・貯蔵所・取扱所において、位置・構造・設備を変更しないまま、貯蔵又は取扱いに係る危険物の品名、数量又は指定数量の倍数を変更しようとする者に、変更予定日の10日前までの市町村長等への届出を義務付ける規定である。指定数量の倍数は、品名ごとの数量を指定数量で除した値の和と定義される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.変更後の品名・数量を一覧化する 変更後に貯蔵・取扱う危険物を品名ごとに洗い出し、類・品名・数量を一覧表にまとめる。混合物は含有物品も確認し、第2項のみなし規定に当たらないかを点検する
- 2.指定数量の倍数を計算し直す 品名ごとの数量を政令別表第三の指定数量で割り、その和を求める。変更前の倍数と比較して増減を把握する
- 3.他の義務の境目をまたぐか確認する 変更後の倍数で保有空地の幅、予防規程、危険物保安監督者、定期点検などの要否が変わらないかを確認する。設備の変更が必要になる場合は11条の変更許可手続に切り替える
- 4.所轄消防へ事前相談する 計画段階で所轄消防署の危険物担当へ相談し、変更後の数値で基準上の問題がないかを確認しておく
- 5.変更日の10日前までに届出書を提出する 規則で定める様式の品名、数量又は指定数量の倍数変更届出書を作成し、変更予定日の10日前までに市町村長等(所轄消防本部)へ提出し、控えを保管する
よくある質問 AI による整理
Q1危険物の品名変更届出とは何ですか?
設備を変えずに危険物施設で扱う品名・数量・指定数量の倍数を変える際、変更日の10日前までに市町村長等へ出す届出です。消防法11条の4が根拠です。
Q2危険物 数量変更 届出 いつまで?
変更しようとする日の10日前までです(消防法11条の4第1項)。起算点は変更予定日なので、社内決定から逆算して余裕を持って準備する必要があります。
Q3指定数量の倍数の計算方法は?
品名ごとに実際の数量を指定数量で割り、その値を合計します。指定数量は危険物の規制に関する政令の別表第三で品名ごとに定められています。
Q4危険物の在庫を増やすだけでも届出は必要?
必要です。品名が同じでも数量や倍数が変われば届出の対象です。さらに倍数の増加で保有空地や予防規程などの基準をまたがないか確認が要ります。
Q5品名変更の届出書はどこに出す?
施設を管轄する市町村長等、実務上は所轄の消防本部・消防署の危険物担当窓口に提出します。様式は危険物の規制に関する規則で定められています。
Q6危険物の届出を忘れたら違法?
届出義務違反になり、消防法の罰則規定の対象です。気付いた時点で速やかに届け出て、変更後の状態が技術基準を満たしているかを確認するのが先決です。
Q7品名変更届出に審査はある?
届出は許可ではないため許可審査を待つ必要はありません。ただし消防は届出内容を確認し、基準不適合があれば是正の指導や命令につながることがあります。
Q8含有物の配合が変わっても品名変更になる?
なりえます。第2項により、第1類11号など「含有するもの」とされる品名は、含有物品が異なれば別の品名とみなされるため、配合変更も確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1灯油を軽油に替えるだけで、同じ第4類なのにそれでも届出がいるんですか?
要ります。灯油と軽油は同じ第4類第2石油類に属しますが、品名ではなく倍数の扱いが変わりうる点に注意が必要です。第4類のなかで品名をまたぐ変更(第2石油類から第3石油類など)や、数量・倍数の変動があれば、消防法11条の4の届出の対象になります。実務のポイント:同じ品名のなかで物質を替えるだけで数量も倍数も変わらない場合は、扱いが所轄によって異なることがあります。自己判断で省略せず、所轄に電話一本で確認しておくと、立入検査のときの説明が楽になります
Q2届出を出し忘れていたことに後から気付きました。もう遅いですか?
遅れていても、速やかに提出するのが最善策です。消防法11条の4の届出懈怠には罰則規定があります(同法44条、最新の改正状況をご確認ください)。ただ実務では、自主的に申告して是正していれば、まず指導で終わることが多いとされています。実務のポイント:本当に危ないのは、届出漏れそのものよりも、変更後の数量で技術基準違反(空地不足や容量超過など)が起きている状態を放置することです。こちらは命令や許可取消しにつながるおそれがあるので、まず現状が基準を満たしているかを確かめることです
間違えやすい点 AI による整理
- 「設備を変えないなら消防は関係ない」と思われがちだが、本条はまさに設備を変えない場合のための規定である。設備を変えるなら11条の変更許可、変えないなら本条の届出。どちらの場合も消防への手続は必ず要る。手続が要らないという選択肢は、もともと存在しない
- 届出を出せば義務は果たしたと考える人が多いが、本条の届出は「この変更をしてよい」という許可ではない。届出後の数量や倍数で施設が政令の技術基準を満たさなくなるなら、それは別の違反になる。基準を満たすために空地や設備を変える必要が出てくれば、それはもう本条の届出ではなく11条の変更許可の対象になる。届出は安全の証明ではなく、変更の申告にすぎない
- 混合物や含有物を扱う現場ほど見落としやすいのが第2項である。第1類第11号のように「前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの」とされる品名は、含まれている物品が違えば別の品名とみなされる。分類上は同じ号に入っていても、配合が変われば品名変更になりうる。現場の感覚と法律の基準がずれるのは、ここである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる変更 | 消防法11条の4:設備を変えず品名・数量・倍数のみ変更 | 消防法11条:位置・構造・設備の変更 消防法10条:指定数量以上の貯蔵・取扱い全般 |
| 手続の種類 | 事前届出(許可不要) | 変更許可+完成検査 許可施設以外での貯蔵・取扱いの原則禁止 |
| 期限・時点 | 変更予定日の10日前まで | 変更工事着手前に許可取得 貯蔵・取扱い開始前に許可施設で行う |
| 違反時のリスク | 届出懈怠の罰則、基準不適合なら別途是正 | 無許可変更として罰則・使用停止等 無許可貯蔵として罰則 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も管制量(日本の指定数量に相当)の倍数で規制の強弱を分ける構造を持ち、日本の危険物規制と設計思想が近い
韓国も品名・数量・指定数量の倍数の変更について事前の変更申告制度を置き、日本と同型の二段構え(許可と申告)をとる
ドイツは許可対象施設の変更について、重要な変更は許可、それ以外は事前届出(Anzeige)とする二段階制をとる
米国は施設単位の許可より、一定量以上の有害化学物質在庫を毎年州・地域の緊急対応機関へ報告させる仕組みが中心
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 工場の一般取扱所で、洗浄用の溶剤をトルエン(第4類第1石油類)からより安い別の溶剤に切り替える。購買部が単価だけを比べて決め、保安担当には三日前に知らされた。品名が変われば届出が要る。しかも変更日の10日前という期限は、すでに過ぎている
- 在庫を倍に積み増したら、倍数が10を超えるのでは? そうなると製造所や一般取扱所などでは予防規程(施設ごとの火災予防ルール集、市町村長等の認可が要る)の作成義務が生じる可能性がある。届出書一枚では済まない話になる
- あなたは物流倉庫の管理者で、荷主から「来月から塗料の保管量を3割増やしたい」と頼まれた側である。倉庫が危険物の屋内貯蔵所として許可を受けているなら、増やす前に倍数を計算し直し、許可時の保有空地の幅が足りるかを確かめる必要がある。荷主は消防法の届出のことまで考えていない
- 消防の立入検査で、許可・届出上の品名と実際の在庫が一致していないと指摘された。中身を入れ替えた二年前に、誰も届出をしていなかった。前任者はもう退職している
取るべき行動
被害を受けた側:1. 変更が決まったら、変更後の品名ごとの数量を一覧にし、指定数量(危険物の規制に関する政令の別表第三)で割って倍数を合計する2. 倍数の変化で保有空地、予防規程、危険物保安監督者、定期点検の要否が変わらないかを確認する3. 設備変更が必要になるなら11条の変更許可の手続に切り替える4. 届出だけで済むなら、規則で定められた様式の届出書を、変更日の10日前までに所轄の消防本部へ出す。迷ったら事前相談を活用する
訴えられた側:1. 届出漏れを指摘されたら、まず現在の実際の品名と数量を正確に洗い出し、事実関係を固める2. 変更後の状態で技術基準を満たしているかを確認し、満たしていない部分は直ちに数量を減らすなどして是正する3. 遅れてでも速やかに届出を出し、経緯と再発防止策(購買稟議への保安チェック欄の追加など)を書面で示す4. 社内の変更管理フローを見直し、担当者が交代しても引き継がれる仕組みにする
時効(請求できる期限):変更しようとする日の10日前までに届出が必要である(消防法11条の4第1項)。起算点は変更予定日であり、余裕を持って提出するのが安全である。届出を怠った場合の罰則は消防法の罰則規定に定めがある(最新の改正状況をご確認ください)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める