消防法 第16条の3
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- 製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該製造所、貯蔵所又は取扱所について、危険物の流出その他の事故が発生したときは、直ちに、引き続く危険物の流出及び拡散の防止、流出した危険物の除去その他災害の発生の防止のための応急の措置を講じなければならない。
- 2.前項の事態を発見した者は、直ちに、その旨を消防署、市町村長の指定した場所、警察署又は海上警備救難機関に通報しなければならない。
- 3.市町村長等は、製造所、貯蔵所(移動タンク貯蔵所を除く。)又は取扱所の所有者、管理者又は占有者が第一項の応急の措置を講じていないと認めるときは、これらの者に対し、同項の応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。
- 4.市町村長(消防本部及び消防署を置く市町村以外の市町村の区域においては、当該区域を管轄する都道府県知事とする。次項及び第六項において準用する第十一条の五第四項において同じ。)は、その管轄する区域にある移動タンク貯蔵所について、前項の規定の例により、第一項の応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。
- 5.市町村長等又は市町村長は、それぞれ第三項又は前項の規定により応急の措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又はその措置の履行について期限が付されている場合にあつては履行しても当該期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法の定めるところに従い、当該消防事務に従事する職員又は第三者にその措置をとらせることができる。
- 6.第十一条の五第四項及び第五項の規定は、第三項又は第四項の規定による命令について準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第16条の3は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第16条の3の条文原文は「製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該製造所、貯蔵所又は取扱所について、危険物の流出その他の事故が発生したときは、直ちに、引き続く危険物の流…」で始まります。
- 消防法第16条の3は第三章 危険物に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第16条の3の前の条は消防法第16条の2です。
- 消防法第16条の3の次の条は消防法第16条の3の2です。
- 消防法第16条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
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- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第16条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第16条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/16_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法16条の3は、危険物施設で流出事故が起きたとき、所有者・管理者・占有者に直ちに応急措置を義務づける。怠れば市町村長等が命令し、行政代執行で費用を請求できる。
Q · 危険物施設で油やガソリンが漏れたら、最初に誰が対応しなければならないの?
施設の所有者・管理者・占有者が直ちに応急措置を行う義務
消防法16条の3第1項により、製造所・貯蔵所・取扱所で危険物の流出などの事故が起きた場合、その施設の所有者、管理者又は占有者が直ちに、流出・拡散の防止や流出した危険物の除去などの応急措置を講じなければなりません。事態を発見した者は誰でも消防署や警察署などへ通報する義務を負います(2項)。施設側が措置を講じなければ市町村長等が措置命令を出し(3項・4項)、履行されない場合は行政代執行により第三者に作業させ、その費用は義務者に請求されます(5項)。
解説
ガソリンスタンドの地下タンクから油がにじみ出したとき、法律が最初に動かすのは消防車ではない。そのタンクの所有者、管理者、占有者の手である。消防法16条の3は、危険物施設で流出などの事故が起きたら、施設側が「直ちに」応急措置を取るよう義務づけている。応急措置とは、これ以上流れ出したり広がったりするのを止めること、流れ出た危険物を取り除くこと、その他の災害防止策をいう。通報の義務は施設の人間だけのものではない。事態を見つけた者は誰でも、消防署、警察署、海上保安庁などに直ちに知らせなければならない。施設側が動かなければ、役所は応急措置を命じられる。それでも履行しない、または期限までに終わりそうにないときは、行政代執行(役所が本人に代わって作業を行い、その費用を本人に請求する手続)に進む。ここで見落とされやすいのは「流出の後始末は本来、施設側の仕事であり、役所の作業は無料ではない」という構造である。初動が遅れた分だけ、他人の手で行われた作業の請求書が厚くなる。
法的な位置づけ
消防法第16条の3は、危険物施設における事故時の応急措置義務を定める規定である。製造所・貯蔵所・取扱所の所有者、管理者又は占有者に対し、危険物の流出その他の事故発生時に、流出・拡散の防止、流出物の除去等の応急措置を直ちに講じる義務を課し、発見者の通報義務、市町村長等の措置命令及び行政代執行による履行確保を併せて規定する。
手順
- 1.流出源を止め、火気を遠ざける バルブの閉止、給油・移送の停止などで流出源を断つ。周囲の火気を遠ざけ、エンジンや電気機器の使用を控えて着火を防ぐ
- 2.通報する 消防署(119番)等へ直ちに通報する。場所、危険物の種類、流出量の見込み、広がっている方向、けが人の有無を伝える。施設の責任者の指示を待つ必要はない
- 3.拡散を防ぎ、流出物を回収する 吸着マット、土のう、オイルフェンスで流出範囲を囲い、側溝・排水路・河川への流入を止める。油分離槽を確認し、回収した危険物と吸着材は安全な容器に保管する
- 4.措置の時刻と内容を記録する 発見時刻、通報時刻、講じた措置、使用資材を写真付きで記録する。応急措置を講じていたかどうかの判断材料となり、措置命令を回避する証拠になる
- 5.命令が出たら期限内の計画を示す 市町村長等から応急措置命令を受けたら期限と内容を確認し、専門業者を当日中に手配する。期限内に完了が難しければ作業工程表を消防に提出して協議し、代執行への移行を防ぐ
よくある質問 AI による整理
Q1消防法16条の3とは何ですか?
危険物施設で流出などの事故が起きたときの応急措置義務と、発見者の通報義務、行政の措置命令・代執行を定めた条文です。
Q2危険物の応急措置とは具体的に何をすること?
これ以上の流出・拡散を止めること、流れ出た危険物を取り除くこと、その他火災などの災害を防ぐための措置を指します。
Q3危険物が漏れたら通報先はどこ?
消防署、市町村長の指定した場所、警察署、海上保安庁などの海上警備救難機関です。実務上は119番が最も早い手段です。
Q4危険物施設の事故で応急措置命令を出すのは誰?
固定施設は許可権者である市町村長等、移動タンク貯蔵所(タンクローリー等)は事故現場を管轄する市町村長などが命じます。
Q5テナントの危険物事故で大家にも責任はある?
本条の義務者は「所有者、管理者又は占有者」のため、施設の所有者である大家も名宛人になり得ます。契約で対応分担を決めておくことが重要です。
Q6応急措置命令に従わないとどうなる?
市町村長等は行政代執行法に従い、職員や第三者の業者に措置をさせることができ、その費用は命令を受けた者から徴収されます。
Q7応急措置命令に不服がある場合は?
処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求、知った日から6か月以内に取消訴訟を検討できます。ただし措置自体は止めないことが安全です。
Q8危険物の流出で近隣に損害が出たら賠償責任は?
本条は行政上の義務ですが、流出で他人の財産や健康に損害が生じれば、民法709条・717条などに基づく損害賠償責任が別途問題になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ちょっと漏れただけで、もう止まってます。それでも消防に連絡しないとダメですか?
消防法16条の3第2項は、流出などの事故を発見した者に「直ちに」通報する義務を課しており、量による例外は定めていない。少量に見えても、地下に浸み込んでいたり、配管の別の箇所が劣化していたりすることがある。実務のポイント:後の立入検査で漏えいの痕跡が見つかり、通報記録がなかった場合、「少量だった」という説明は施設の保安体制が弱いことの裏付けとして受け取られやすい。早く通報した施設ほど、その後の指導は事務的に終わりやすい
Q2役所が代わりに片付けた費用って、本当にこっちに請求されるんですか?
請求される。5項は行政代執行法に従うと定めており、同法2条、5条により、代執行にかかった費用は義務者から徴収される。納付しなければ国税滞納処分の例により強制的に徴収される(同法6条)。実務のポイント:代執行では役所が業者を選び、緊急対応の単価で作業させるため、自社で手配するより割高になることが多い。命令が出た段階で自社手配の計画を示し、代執行に進ませないことが、最も直接的な費用対策になる
Q3タンクローリーが他県で事故ったら、どこの役所の命令に従えばいいんですか?
移動タンク貯蔵所については、4項により、事故現場を管轄する市町村長が応急措置を命じる。消防本部・消防署を置かない市町村では、その区域を管轄する都道府県知事が命じる。許可を出した自治体ではない点に注意が必要である。実務のポイント:運送会社の事故対応マニュアルが本社所在地の消防の連絡先しか載せていないことは珍しくない。全国を走る車両なら、運転手が「その場で119番」をためらわないよう、マニュアルの最初の行にそう書いておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「流出したら消防が片付けてくれる」と思われがちだが、1項の義務者は施設の所有者、管理者、占有者である。消防の現場活動は火災・爆発の危険への対応が中心であり、流出物の除去と拡散防止は本来、施設側の責任である。施設側が動かなければ3項の命令、5項の代執行へと進み、代執行の費用は義務者に請求される(行政代執行法2条、5条、6条)
- 通報義務は知っていても、その範囲の広さを知らない人が多い。2項の主語は「前項の事態を発見した者」であり、従業員、配送業者、通行人まで含む。施設側には「通報すると処分が重くなる」という心理が働きやすいが、後で事実関係を調べられたとき、遅れた通報は初動の不備を示す証拠として残る
- 自宅の灯油タンクやホームセンターの在庫も16条の3の対象だと思い込んでいる人がいる。前提が違う。本条の対象は許可を受けた製造所、貯蔵所、取扱所であり、指定数量未満の少量危険物は市町村の火災予防条例(消防法9条の4)で規制されている。ただし施設の対象外でも、流出させて火災の危険を生じさせれば別の罰則や民事責任の問題になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 目的 | 消防法16条の3:事故発生後の流出・拡散防止と除去(応急措置) | 消防法12条の3:公共の安全のための施設の緊急使用停止・制限 消防法39条の2:危険物を流出させ火災の危険を生じさせた者への刑事罰 |
| 名宛人 | 施設の所有者・管理者・占有者(通報は発見者全員) | 製造所等の所有者・管理者・占有者 危険物を流出等させた者 |
| 行政の手段 | 応急措置命令 → 行政代執行(費用は義務者負担) | 使用の一時停止命令・使用制限 行政処分ではなく刑事手続 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は公共危険物品の製造・貯蔵場所の安全管理を中央主管機関の辦法で規律する。事故時の具体的な措置義務の構造は日本と細部が異なるため個別確認が必要
韓国も危険物の流出事故時に施設関係者の応急措置・通報義務と行政の措置命令を定め、日本と類似の構造をとる
米国は油・有害物質の流出について通報義務と除去責任を定め、政府が除去した費用を責任者から回収する仕組みをとる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 早朝の給油所で、計量機の下に虹色の膜が広がっているのにアルバイト店員が気付いた。店長は不在。「店長の指示を待つ」は答えにならない。吸着マットで囲い、側溝への流入を止め、119番通報する。一人の店員の10分が、河川流出事故になるかどうかを分ける
- もし散歩中に、工場裏の水路から灯油の臭いがして油膜が流れてきたら、あなたにも通報義務はあるのか? ある。2項は「発見した者」と定めており、関係者に限っていない。119番でも110番でも構わない。場所、臭い、色、広がっている方向を伝えれば足りる
- タンクローリーを運転するあなたが、高速道路の出口で横転事故を起こした。積荷の軽油が路肩に漏れている。会社の所在地がどこであっても、応急措置を命じるのは事故現場を管轄する市町村長である。会社に電話して指示を仰ぐ前に、漏えいを止める初動と通報をその場で行う
- 倉庫を貸している大家のあなたに、消防から連絡が入った。借主が保管していた危険物が流出したという。義務を負うのは「所有者、管理者又は占有者」。賃貸借契約で管理責任の分担を決めていなかった場合、誰が動くかで押し付け合っているあいだにも、役所の命令と代執行の準備は進む
- 残り時間は48時間。市町村長から応急措置命令が届き、期限が付いていた。業者の手配が間に合わず期限を過ぎれば、役所が第三者の業者に作業させ、その費用はあなたの会社に請求される。手配の見通しが立たないなら、今日中に消防と協議し、作業工程表を出す
取るべき行動
被害を受けた側:1. 近隣の施設から油やガソリンが流れ込んできたら、火気を遠ざけ、すぐに119番または110番へ通報する(2項)。2. 流出の範囲、臭い、時刻を写真と動画で記録する。3. 自宅の井戸、田畑、店舗への被害は、施設側に民法709条または717条で賠償を請求する。4. 施設側が動かない場合は、消防本部に3項の応急措置命令を出すよう求める。役所の調査記録は、後の損害賠償で強力な証拠になる
訴えられた側:1. まず流出源を止め、土のうや吸着材で拡散を防ぎ、流出物を回収する。これが1項の応急措置の中身である。2. 同時に消防署へ通報する。3. 措置の時刻、内容、使った資材を記録する。4. 命令書を受け取ったら、期限と内容を確認し、自社で対応できない部分はその日のうちに専門業者を手配する。5. 命令に不服があっても、措置を止めるのは危険である。安全を確保しながら審査請求を検討する
時効(請求できる期限):応急措置と通報には期限の日数がなく、「直ちに」と定められている。応急措置命令に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。流出被害に対する損害賠償請求は、損害と加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年、民法724条、724条の2)
- 消防法 第11条製造所等の設置許可、市町村長等の定義
- 消防法 第11条の5命令の公示と標識設置を本条6項で準用
- 消防法 第12条の3公共の安全のための緊急使用停止命令
- 消防法 第39条の2危険物を流出させ火災の危険を生じさせる罪
- 行政代執行法 第2条5項の代執行の要件と費用徴収
- 水質汚濁防止法 第14条の2事業場の事故時の応急措置と届出
- 石油コンビナート等災害防止法 第23条特定事業所の異常現象の通報(現行効力を要確認)
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