消防法 第39条の2
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- 製造所、貯蔵所又は取扱所から危険物を漏出させ、流出させ、放出させ、又は飛散させて火災の危険を生じさせた者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。ただし、公共の危険が生じなかつたときは、これを罰しない。
- 2.前項の罪を犯し、よつて人を死傷させた者は、七年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第39条の2は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第39条の2の条文原文は「製造所、貯蔵所又は取扱所から危険物を漏出させ、流出させ、放出させ、又は飛散させて火災の危険を生じさせた者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。ただ…」で始まります。
- 消防法第39条の2は第九章に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第39条の2の前の条は消防法第39条です。
- 消防法第39条の2の次の条は消防法第39条の2の2です。
- 消防法第39条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第39条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第39条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/39_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法39条の2は、製造所等から危険物を漏出させ火災の危険を生じさせた者に三年以下の拘禁刑または三百万円以下の罰金を科す。公共の危険がなければ罰しない。
Q · ガソリンを撒いただけで、火がつかなくても犯罪になるの?
なりうる。公共の危険が生じれば火災は不要
消防法39条の2第1項は、製造所・貯蔵所・取扱所から危険物を漏出、流出、放出または飛散させ、火災の危険を生じさせた者を三年以下の拘禁刑または三百万円以下の罰金に処します。実際の燃焼は要件ではありません。ただし書により、公共の危険が生じなかったときは罰せられません。人を死傷させた場合は第2項により七年以下の拘禁刑または五百万円以下の罰金となります。
解説
ガソリンスタンド、工場の屋外タンク、タンクローリー。消防法はこれらをまとめて「製造所等」と呼び、そこから危険物をわざと漏らし、流し、撒き、飛び散らせて火災の危険を生じさせた者に、三年以下の拘禁刑または三百万円以下の罰金を科す。押さえるべき点は三つある。第一に、実際に燃えたかどうかは問わない。火がつく手前の「危険」が生じた時点で犯罪が成立する。第二に、罰せられるのは事業者だけではない。条文の主語は単に「者」であり、従業員、運転手、外部の人間も含まれる。第三に、ただし書がある。公共の危険(不特定または多数の人や財産に及ぶ危険)が生じなければ罰しない。つまり勝負どころは「どこまで広がりうる危険だったか」の立証になる。さらに、その結果として人が死傷すれば、刑の上限は七年に跳ね上がる。
法的な位置づけ
消防法第39条の2は、製造所、貯蔵所または取扱所から危険物を漏出、流出、放出または飛散させ、火災の危険を生じさせる行為を処罰する規定である。火災の発生を要しない危険犯であり、公共の危険が生じなかった場合は処罰が除外される。死傷結果が生じた場合は第2項により法定刑が加重される。
よくある質問 AI による整理
Q1危険物漏出罪とは何ですか?
消防法39条の2が定める罪で、製造所・貯蔵所・取扱所から危険物を漏らすなどして火災の危険を生じさせた者を処罰します。火災の発生は不要です。
Q2消防法39条の2の罰則はどれくらい?
三年以下の拘禁刑または三百万円以下の罰金です。人を死傷させた場合は七年以下の拘禁刑または五百万円以下の罰金に上がります。
Q3「製造所、貯蔵所又は取扱所」とはどこのこと?
消防法上の許可を受けて危険物を扱う施設の総称で、工場の製造所、屋外タンクやタンクローリー等の貯蔵所、ガソリンスタンド等の取扱所が含まれます。
Q4公共の危険とはどういう意味?
不特定または多数の人の生命・身体・財産に危険が及ぶ状態を指します。危険が敷地内で封じ込められていれば、ただし書で処罰されない余地があります。
Q5危険物漏出罪の時効は何年?
公訴時効は第1項の罪で3年、第2項の負傷結果で5年、死亡結果で10年です(刑事訴訟法250条)。犯罪行為が終わった時点から数えます。
Q6廃油を排水溝に流すのは違法?
製造所等から故意に危険物を流出させ、火災の危険と公共の危険を生じさせれば本条の対象になりえます。廃棄物処理法や水質汚濁防止法上の責任も別途問題になります。
Q7タンクローリーから油を流したら消防法違反になる?
なりえます。タンクローリーは移動タンク貯蔵所として「貯蔵所」に当たるため、故意に危険物を流出させ火災の危険を生じさせれば本条の射程に入ります。
Q8危険物漏出罪で罰金だけで済むことはある?
法定刑は拘禁刑と罰金の選択刑なので、罰金刑で終わる可能性はあります。量刑は漏出量、拡散範囲、事後対応、被害の有無などで判断されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1火事にもならず、すぐ拭き取ったのに捕まることってあるんですか?
ありえます。消防法39条の2は、火災が発生したことではなく「火災の危険」と「公共の危険」を要件にしているからです。ただ、すぐに封じ込めて危険が敷地の外に及んでいなければ、ただし書で処罰されない余地があります。実務のポイント:争点になるのは量よりも「どこまで広がったか」です。拭き取る前に、拡散範囲が分かる写真を残しておくかどうかで、主張できる中身が変わります
Q2会社の指示で流したのに、自分まで罪になるんですか?
なりえます。本条の主語は「者」なので、実際に漏出させた個人が処罰の対象です。指示した上司も共犯として責任を問われうるので、あなただけが責任を負うわけではありません。実務のポイント:捜査では命令系統の立証が難しく、証拠がないと現場の実行者に責任が集中しがちです。指示を受けた時点でチャットなどの記録に残しておくことが、最大の防御になります
Q3うっかり漏らした場合はどうなりますか?
業務中の不注意による漏出は39条の3で処罰され、刑は二年以下の拘禁刑または二百万円以下の罰金です。死傷の結果が出れば五年以下まで上がります。故意か過失かで、刑の上限は一段階違います。実務のポイント:取調べで「わざとではない」の一言を最初にはっきり言えたかどうかが、そのまま調書の骨格になります。曖昧な受け答えは、のちに故意を推認する材料にされやすいのです
間違えやすい点 AI による整理
- 「火事にならなかったのだから罪にはならない」と思われがちだが、本条は火災の発生を要件にしていない。必要なのは「火災の危険」と「公共の危険」であり、実際に燃えた事件より手前の段階で成立する。燃えなかったことは量刑の事情にはなっても、成立を止める理由にはならない
- 危険物の漏出は会社の責任であって、現場の個人には関係ないと考える人が多い。法律の見方は逆で、本条が処罰するのはバルブを開け、撒いた本人である。会社が行政処分を受けることと、個人が拘禁刑の対象になることは別々に進む。この落差が現場作業員を追い詰める
- 「うっかり漏らしても同じ罪になる」と心配する人がいるが、本条が処罰するのは故意の漏出である。不注意による漏出は業務上の過失を処罰する39条の3の守備範囲で、刑は軽い。ただし39条の3は「業務上」に限られるため、業務外の一般人がうっかり漏らした場合にどこまで処罰されるかは、別の法律との関係で個別に判断される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 主観的要件 | 消防法39条の2:故意による漏出・流出・放出・飛散 | 消防法39条の3:業務上必要な注意を怠った過失による漏出等 刑法211条:業務上必要な注意を怠った過失による死傷 |
| 基本の法定刑 | 三年以下の拘禁刑または三百万円以下の罰金 | 二年以下の拘禁刑または二百万円以下の罰金 五年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金 |
| 死傷結果が生じた場合 | 七年以下の拘禁刑または五百万円以下の罰金(第2項) | 五年以下の拘禁刑または三百万円以下の罰金(39条の3第2項) 死傷結果そのものが構成要件 |
| 処罰除外 | 公共の危険が生じなかったときは罰しない(ただし書) | 同様に公共の危険が生じなかったときは罰しない ただし書なし |
他国ではどう定めているか 3 か国
気体の漏逸等により公共の危険を生じさせる行為を処罰する。危険物施設に限定せず刑法典の公共危険罪として置く点で日本と構造が異なる
製造所等から危険物を流出・放出・拡散させ危険を生じさせる行為を処罰する規定で、日本の本条と構成要件の型が近い
危険物品の管理規定に違反し重大事故を起こした場合を処罰する。結果の発生を重視する点で、危険段階で処罰する本条より成立時期が遅い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 配送先と揉めたタンクローリーの運転手が、腹いせに荷卸し用のバルブを開けて灯油を側溝へ流したら、どうなる? 火が出なくても、蒸気が住宅街の排水路に広がった時点で本条の射程に入る。移動タンク貯蔵所も「貯蔵所」だからだ
- あなたは工場の設備担当で、廃油の処分費用を浮かせるために夜のうちに屋外タンクの残油を排水溝へ流すよう指示された。「上司の命令だった」は故意を消さない。実際に手を動かしたあなたが、指示した上司と並んで被疑者になる
- セルフスタンドで店員と口論になった客が、給油ノズルを地面に向けてガソリンを撒いた。この一瞬の行為で、本条の構成要件に触れうる
- 漏出が起きてから、あなたに残された時間は数十分しかない。拡散防止と消防への通報(消防法16条の3)が遅れれば、「公共の危険」はそのぶん現実のものになり、刑事責任の争点も不利な方向へ固まっていく。最初の一時間の動き方で、処分の重さが決まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 近隣で油臭や油膜に気づいたら、火気を遠ざけてすぐ119番。写真と動画で、排水路や側溝への広がりと時刻を記録する2. 発生源と思われる施設名、車両番号を控える3. 自宅や店舗、在庫に被害が出たなら、消防の出動記録の開示を求めたうえで、民法709条にもとづき損害賠償を請求する4. 健康被害がある場合は診断書を取り、刑事告訴も検討する
訴えられた側:1. まず拡散防止の応急措置と通報(消防法16条の3)を最優先する。事後対応の誠実さは情状に大きく響く2. 取調べの前に弁護人をつけ、「故意」だったのか、それとも過失(39条の3)なのかを整理する3. 危険が敷地内にとどまっていた事実(風向き、量、拡散範囲)を示す資料を集め、「公共の危険」がなかったと主張できるか検討する4. 上司の指示があったなら、その記録を確保して命令系統を明らかにする
時効(請求できる期限):公訴時効は、第1項の罪が3年、第2項のうち負傷の場合が5年、死亡の場合が10年である(刑事訴訟法250条)。いずれも犯罪行為が終わった時点から数える(最新の改正状況をご確認ください)
学説
具体的危険犯としての理解:条文が「火災の危険を生じさせた」ことを構成要件とし、さらにただし書で公共の危険の不発生を処罰除外としていることから、実際の危険の発生を個別に認定する必要がある危険犯として整理される
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正による懲役・禁錮の拘禁刑への一本化にともない、法定刑の表記が拘禁刑に改められた
- 制定時期・罰金額の変遷 本条が新設された年と、罰金額が引き上げられた経緯については人による確認が必要
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法改正による懲役・禁錮の拘禁刑への一本化にともない、法定刑の表記が拘禁刑に改められた(令和7年6月1日施行)
- 消防法 第39条の3業務上過失による漏出等の処罰
- 消防法 第10条製造所等以外での危険物貯蔵の禁止
- 消防法 第11条製造所等の設置許可制度
- 消防法 第16条の3漏出事故時の応急措置と通報義務
- 刑法 第211条業務上過失致死傷罪との適用関係
- 刑法 第110条公共の危険概念の解釈上の参照(現行効力を要確認)
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