消防法 第39条
クイックジャンプ
第十八条第一項の規定に違反して、みだりに火災報知機、消火栓又は消防の用に供する貯水施設を損壊し、又は撤去した者は、これを五年以下の拘禁刑に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第39条は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第39条の条文原文は「第十八条第一項の規定に違反して、みだりに火災報知機、消火栓又は消防の用に供する貯水施設を損壊し、又は撤去した者は、これを五年以下の拘禁刑に処する。」で始まります。
- 消防法第39条は第九章に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第39条の前の条は消防法第38条です。
- 消防法第39条の次の条は消防法第39条の2です。
- 消防法第39条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第39条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第39条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/39
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法39条は、みだりに火災報知機・消火栓・消防用の貯水施設を損壊または撤去した者を、5年以下の拘禁刑に処すると定める。罰金刑の選択肢はない。
Q · 消火栓や火災報知機を壊したら、どんな罰を受けるの?
罰金はなく、5年以下の拘禁刑のみ。示談後も起訴されうる
消防法39条により、正当な理由なく火災報知機・消火栓・消防の用に供する貯水施設を損壊または撤去した者は、5年以下の拘禁刑に処されます。一般の器物損壊罪(刑法261条)と異なり罰金刑の選択肢がなく、親告罪でもないため、被害者と示談しても起訴される可能性があります。いたずらで使用した、使用を妨げたにとどまる場合は、より軽い別の罰則(消防法44条)の問題となります。
解説
罰金で済ませる道が、条文に書かれていない。ここが消防法39条の核心である。他人の物を壊したときの一般的な罪、器物損壊罪(刑法261条)には「三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金若しくは科料」という幅があり、罰金で終わることも多い。ところが、火災報知機・消火栓・防火水槽のような消防用の貯水施設を「みだりに」(正当な理由なく)壊したり持ち去ったりすると、刑罰は「五年以下の拘禁刑」だけになる。罰金はない。起訴されて有罪になれば、執行猶予が付くかどうかの勝負になる。理由ははっきりしている。壊されたのは一本の金属の箱ではなく、その地域の人の命を守る仕組みそのものだからだ。泥酔して路上の消火栓の蓋をこじ開ける、工事の邪魔だからと防火水槽の設備を無断で撤去する、酔った勢いで街頭の火災報知機を蹴り壊す。本人は「ちょっと物を壊した」程度の感覚でも、法律の評価は一段も二段も重い。なお、ボタンをいたずらで押す、消火栓の前に物を置いて使えなくするといった「使用」や「妨害」は39条ではなく、より軽い別の罰則の対象になる。壊したか、使ったか。その一線が、刑の重さを分ける。
法的な位置づけ
消防法39条は消防設備損壊罪を定める罰則規定であり、同法18条1項に違反して、みだりに火災報知機、消火栓又は消防の用に供する貯水施設を損壊し、又は撤去した者を五年以下の拘禁刑に処する旨を規定する。罰金刑を定めない点で、刑法261条の器物損壊罪に対する加重的な特別規定として機能する。
よくある質問 AI による整理
Q1消防法39条とは何ですか?
火災報知機・消火栓・消防用の貯水施設を正当な理由なく壊したり撤去したりした者を、5年以下の拘禁刑に処する罰則規定です。罰金はありません。
Q2消火栓を壊したら罰金で済みますか?
済みません。消防法39条の法定刑は拘禁刑のみで、罰金刑の選択肢がありません。起訴されれば執行猶予が付くかどうかが焦点になります。
Q3消火栓 壊した 示談 できる?
示談自体はできますが、39条は親告罪ではないため示談しても起訴は可能です。ただし早期の弁償と謝罪は起訴猶予の判断で重視されます。
Q4器物損壊と消防法違反の違いは?
器物損壊罪(刑法261条)は罰金・科料もあり親告罪です。消防法39条は拘禁刑のみで親告罪ではなく、より重く扱われます。
Q5防火水槽を撤去するのは違法?
消防の用に供する貯水施設を正当な理由なく撤去すれば39条に当たりえます。事前に所轄消防署へ照会し、協議記録を残すことが重要です。
Q6消防法39条の時効はいつまで?
法定刑の長期が10年未満の拘禁刑のため、公訴時効は5年です(刑事訴訟法250条2項5号)。行為が終わった時から起算します。
Q7火災報知機のボタンをいたずらで押したら逮捕される?
押しただけなら損壊・撤去ではなく「みだりに使用」の問題で、39条ではなく消防法44条などのより軽い罰則の対象になります。
Q8車で消火栓にぶつけて壊したら犯罪?
39条は「みだりに」損壊する故意犯を想定しています。過失の事故なら通常は民事の修理費賠償が中心ですが、状況により捜査対象になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1酔って消火栓の蓋を壊しちゃったんですが、弁償すれば警察沙汰にならないですよね?
弁償は重要だが、それで事件が消えるわけではない。消防法39条は器物損壊罪(刑法261条)と違い親告罪ではないため、被害者が許しても起訴は可能である。実務のポイント:検察官が見るのは弁償の有無だけでなく、弁償の早さと、再発防止の姿勢(断酒の誓約、家族の監督など)だ。送検前に弁償と謝罪を終えている事案ほど、起訴猶予の判断に傾きやすい
Q2子どもが学校の火災報知機をいたずらで押したら、親も罰せられますか?
押しただけなら「みだりに使用」の問題で、39条の損壊・撤去とは別の、より軽い罰則(消防法44条)の領域になる。しかも14歳未満なら刑事責任は問われない(刑法41条)。実務のポイント:問題は刑事より民事である。消防車の出動費用は原則請求されないが、壊れた設備の修理費や施設の損害は、親の監督責任(民法714条)として請求されうる。学校とは早めに話し合う方が結果的に安く済む
Q3更地にする土地に古い防火水槽が残っています。勝手に壊していいんですか?
自分の土地にあっても、消防水利として指定・使用されている貯水施設なら、無断で撤去すると39条の「撤去」に当たりうる。まず所轄消防署に照会し、水利としての指定の有無と撤去手続を確認すること。実務のポイント:自治体によっては防火水槽の撤去・移設に協議や代替施設の確保を求めることがあり、工期とコストに直結する。土地売買の重要事項説明で見落とされやすいので、購入前の段階で確認しておくべきだ
間違えやすい点 AI による整理
- 消火栓を壊しても、器物損壊と同じく弁償して示談すれば終わると考えている人は多い。だが器物損壊罪は親告罪(刑法264条)であり告訴がなければ起訴できないのに対し、消防法39条は親告罪ではない。被害者である自治体が「弁償されたからいい」と言っても、検察官は起訴できる。示談は情状として効くが、事件そのものを消す力はない
- 「いたずらでボタンを押しただけ」と「壊した」は同じ罪だと思われがちだが、条文の構造は違う。39条が罰するのは「損壊」と「撤去」であり、みだりに使用することや正当な使用を妨げることは、別の罰則(消防法44条、拘留又は科料等)に回されている。行為の種類を正確に切り分けないと、自分が問われている罪の重さを読み違える
- 重い刑罰は、実際に火事が起きて誰かが被害を受けたときの話だと思っていないか。39条は火災の発生を要件にしていない。平時に壊した、その時点で成立する。逆に、火災の最中に消火用の物を壊して消火を妨げれば、刑法114条の消火妨害罪(一年以上十年以下の拘禁刑)というさらに重い罪が視野に入る。事故が起きなかったことは、免罪符にならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる行為 | 消防法39条:火災報知機・消火栓・消防用貯水施設の損壊・撤去 | 消防法44条:みだりな使用・正当な使用の妨害など 刑法261条:他人の物一般の損壊 |
| 法定刑 | 5年以下の拘禁刑のみ(罰金なし) | 罰金・拘留等のより軽い刑(現行条文要確認) 3年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金若しくは科料 |
| 親告罪か | 親告罪ではない(示談後も起訴可能) | 親告罪ではない 親告罪(刑法264条、告訴が必要) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では一般の毀損器物罪で対応するのが基本とみられ、日本のように消防設備損壊を拘禁刑のみで加重する特別規定の有無は要確認
韓国も消防用水施設の損壊・効用侵害を禁止し、懲役または罰金で処罰する。罰金の選択肢がある点で日本より柔軟
ドイツは消火・救助用具の損壊・除去を刑法典で処罰し、自由刑または罰金を定める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 忘年会帰りの終電を逃した夜、仲間の一人がふざけて路上の消火栓の標識柱を引き抜き、蓋を蹴り飛ばした。防犯カメラに全員が映っている。あなたは見ていただけでも、一緒に囃し立てていれば共犯の疑いをかけられる余地がある。翌朝、警察からの電話にどう答えるかで流れが変わる
- もし、あなたの会社の解体工事現場で、作業員が「邪魔だから」と敷地内の防火水槽の吸管投入口や付属設備を無断で外してしまったら、どうなる? 現場の判断ミスが、撤去した作業員本人の刑事責任に加え、元請の安全管理体制への追及にまで発展しうる
- 子どもが公園脇の消火栓ボックスを石で叩き壊した。14歳未満なら刑事罰は科されないが(刑法41条)、修理費の賠償は親の監督責任(民法714条)として請求されうる
- マンションの廊下で、喫煙のために感知器を外して捨てた入居者がいた。管理組合は39条で告発すべきか迷っている。建物内に設置された自動火災報知設備が18条1項の「火災報知機」に含まれるかは実務上解釈が分かれるため、器物損壊罪や消防用設備等の維持管理規定とあわせて検討することになる
- 逮捕から48時間以内に、事件は検察官に送られる。勾留が決まれば最大20日間。その間に被害を受けた自治体や水道事業者への弁償と謝罪を固められるかで、起訴されるかどうかが左右される。あなたに残された時間は、思っているより短い
取るべき行動
被害を受けた側:1. 損壊・撤去された設備を写真と動画で記録し、日時と位置を残す2. 公設の消火栓や防火水槽なら所轄消防署と水道事業者へ、建物内設備なら管理会社へ直ちに連絡し、使えない状態を早急に解消する(火災時に使えないこと自体が最大の危険) 3. 防犯カメラ映像は上書き前に保全を依頼し、警察へ被害届を出す4. 修理費は加害者へ民法709条で請求できる。刑事手続と並行して見積書を確保しておく
訴えられた側:1. 取調べの前に弁護人に相談する。当番弁護士は初回無料で呼べる2. 自分の行為が「損壊・撤去」か「使用・使用妨害」かを正確に整理する。後者なら39条より軽い罰則の問題になりうる3. 正当な理由(工事の事前協議、緊急時の使用など)があれば、その記録を集める4. 起訴前に修理費の弁償と謝罪を済ませる。罰金刑がない以上、起訴猶予を得られるかが最大の分岐点になる
時効(請求できる期限):公訴時効は5年(法定刑の長期が10年未満の拘禁刑、刑事訴訟法250条2項5号)、起算点は行為が終わった時。修理費等の民事賠償は、損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)。逮捕後は48時間以内に送検、勾留は最大20日(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部改正に伴う整理により、従来の「懲役」が「拘禁刑」に改められた。その他の改正経緯は人的検証が必要
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律に伴う整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(令和7年(2025年)6月1日施行)
- 消防法 第18条本条が罰する禁止行為の本体規定
- 消防法 第44条使用・使用妨害の軽い罰則(現行効力を要確認)
- 消防法 第20条消防水利の基準と指定、貯水施設の位置付け
- 刑法 第261条一般の器物損壊罪、罰金選択肢あり
- 刑法 第114条火災時の消火妨害罪、より重い類型
- 民法 第709条修理費等の損害賠償請求の根拠
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める