消防法 第38条
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第十八条第一項の規定に違反して、みだりに消防の用に供する望楼又は警鐘台を損壊し、又は撤去した者は、これを七年以下の拘禁刑に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第38条は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第38条の条文原文は「第十八条第一項の規定に違反して、みだりに消防の用に供する望楼又は警鐘台を損壊し、又は撤去した者は、これを七年以下の拘禁刑に処する。」で始まります。
- 消防法第38条は第九章に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第38条の前の条は消防法第37条です。
- 消防法第38条の次の条は消防法第39条です。
- 消防法第38条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第38条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第38条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/38
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法38条は、18条1項に違反してみだりに消防の用に供する望楼または警鐘台を損壊・撤去した者を、七年以下の拘禁刑に処すると定める。罰金刑はない。
Q · 古い火の見櫓を勝手に解体したら罪になるの?
まだ消防用なら最高七年の拘禁刑の対象です
消防法38条は、消防の用に供する望楼(火の見櫓)や警鐘台を、正当な理由なく(みだりに)損壊・撤去した者を七年以下の拘禁刑に処すると定めます。罰金刑はありません。自分の土地に立っていても、施設の所有者が市町村や消防団で、正式な用途廃止の手続が済んでいなければ対象になりえます。撤去の前に管轄の消防部局へ確認するのが安全です。
解説
古い火の見櫓(ひのみやぐら)を、ただの錆びた鉄塔だと思っていないだろうか。消防の用に供する望楼(見張り台)や警鐘台(半鐘を吊るす台)を正当な理由なく壊したり撤去したりすると、消防法38条で七年以下の拘禁刑に処される。罰金刑の選択肢はない。他人の物を壊す一般的な器物損壊罪(刑法261条)は三年以下の拘禁刑または罰金等で、しかも被害者の告訴がなければ起訴できない親告罪である。本条はそのどちらでもない。告訴は不要で、上限は器物損壊の二倍を超える。理由は単純で、壊されたのは一人の財産ではなく、地域全体が火災を知るための目と耳だからだ。ポイントは「みだりに」の三文字である。所有者である自治体が用途廃止の手続を経て解体するなら処罰の対象ではない。逆に、地主や解体業者が「もう使っていないはず」と思い込んで撤去すれば、その思い込みが争点になる。動かす前に、誰の施設で、まだ消防の用に供されているかを確かめる。それだけで線の内側にとどまれる。
法的な位置づけ
消防法38条は、消防の用に供する望楼または警鐘台の損壊・撤去に対する罰則規定である。同法18条1項が定める消防施設の使用・損壊・撤去等の禁止のうち、望楼・警鐘台をみだりに損壊または撤去する行為を対象とし、法定刑を七年以下の拘禁刑のみと定める。一般の器物損壊罪(刑法261条)より重い特別の処罰規定として位置づけられる。
よくある質問 AI による整理
Q1望楼とは何ですか?
火災を見張るための高い櫓で、一般に「火の見櫓」と呼ばれます。消防法では、消防の用に供する望楼が18条1項・38条の保護対象です。
Q2警鐘台とは何ですか?
火災などを知らせる半鐘を吊るすための台です。消防の用に供するものは、望楼と同じく消防法38条で損壊・撤去が処罰されます。
Q3消防法38条の罰則はどのくらい重い?
七年以下の拘禁刑のみで、罰金刑はありません。略式手続で罰金を払って終わる道がなく、起訴されれば公判となります。
Q4火の見櫓の撤去は誰に相談すればいい?
施設がある市町村の消防部局(消防本部・消防署)が窓口です。所有者が誰か、用途廃止済みかを確認したうえで撤去の主体を決めます。
Q5消防法38条は親告罪ですか?
親告罪ではありません。器物損壊罪と違い、被害者の告訴がなくても捜査・起訴が可能です。
Q6消防法38条の時効は何年?
法定刑の上限が拘禁刑七年なので、公訴時効は五年です(刑事訴訟法250条2項5号)。行為が終わった時から起算します。
Q7火の見櫓の解体を請け負った業者も処罰される?
実際に損壊・撤去した者として責任を問われる可能性があります。施主の言葉だけでなく、所有者の承諾や用途廃止の書面を確認すべきです。
Q8未遂でも処罰されますか?
消防法38条には未遂を処罰する規定はありません。ただし手を加えた部分が損壊に当たれば既遂となりうるため、軽く考えるべきではありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1使われてない火の見櫓を地主がスクラップにしたら、本当に捕まるんですか?
まだ消防の用に供されている施設を、所有者の承諾も正当な理由もなく撤去すれば、本条の対象になりえます。消防法38条の刑は拘禁刑のみです。実務のポイント:多くの火の見櫓は、設置時期が古く台帳上の所有者が曖昧なまま残っています。撤去の前に市町村へ照会すれば、用途廃止済みかどうかと撤去費用を誰が負担するかが同時に分かることが多いです
Q2器物損壊罪と何が違うんですか?
器物損壊罪(刑法261条)は三年以下の拘禁刑または罰金等で、被害者の告訴が必要な親告罪です。消防法38条は七年以下の拘禁刑のみで告訴は不要。実務のポイント:両方の罪が問題になる場面では、通常、より重く特別な規定である本条が中心になると考えられていますが、罪数の処理は事案によって実務上判断が分かれうるため、具体的な見通しは弁護士に確認されたい
Q3半鐘を外して鳴らしてみただけなら大丈夫ですか?
本条が罰するのは損壊と撤去です。ただ、みだりに使用すること自体も消防法18条1項で禁止されており、別の罰則規定の対象になりえます(該当条文と罰則の範囲は最新の法令でご確認ください)。実務のポイント:誤って半鐘を鳴らすと、近隣住民が火災と誤解して通報することがあります。罰則より先に、地域の信頼を失うことのほうが痛手になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分の土地に立っているのだから、撤去は自分の自由だ」と考えがちだが、問われるのは土地ではなく施設の所有者と現在の用途である。市町村や消防団が設置し、まだ消防の用に供されている施設なら、地主でも勝手には撤去できない
- 器物損壊と同じくらいの軽い罪だと思われているが、深刻さが一段違う。本条の刑は七年以下の拘禁刑のみで罰金がないため、略式手続(書面審理で罰金を言い渡して終わる手続)で終わらせる道がない。起訴されれば公開の法廷に立つことになる
- 「もう誰も使っていない火の見櫓を壊して何が悪いのか」という問いは前提がずれている。法律が見るのはあなたの目に使われているように見えるかではなく、正式に消防の用途から外されたかどうかである。サイレンや防災無線に置き換わっていても、用途廃止の手続が済んでいるとは限らない(個別の認定は事案によるため、管轄の消防部局に確認されたい)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象物 | 消防法38条:消防の用に供する望楼・警鐘台 | 消防法39条:火災報知機・消火栓・消防の用に供する貯水施設 刑法261条:他人の物一般 |
| 行為 | みだりに損壊・撤去すること | みだりに損壊・撤去すること 損壊・傷害(効用を害する行為を広く含む) |
| 法定刑 | 七年以下の拘禁刑のみ(罰金なし) | 拘禁刑のみ(上限は最新法令で要確認) 三年以下の拘禁刑または三十万円以下の罰金・科料 |
| 告訴の要否 | 不要(非親告罪) | 不要(非親告罪) 必要(親告罪、刑法264条) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では消防施設の損壊について一般の毀損器物罪で対応するのが基本で、望楼・警鐘台を特掲した重罰規定は確認できていない(要確認)
韓国は消防用水施設等の損壊・使用を消防基本法で禁止し、別条で刑罰を定める。対象施設の範囲は日本と異なる
ドイツは救助・警報設備の妨害と公共の用に供する物の損壊を刑法典の一般規定で処罰する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続した山林の隅に古い火の見櫓が立っている。邪魔なので業者に頼んで解体しようとしているが、それが市町村や消防団の管理物で、まだ消防の用に供されていたら、どうなる? 自分の土地の上でも、他人の施設を勝手に撤去したことになる
- 解体業を営むあなたは、施主から「この鉄塔もついでに撤去して」と頼まれた。所有者の確認も用途廃止の書面も取っていない。施主の言葉だけを信じて重機を入れれば、実行した側としての責任が問われうる
- 銅の買取価格が高騰した時期、各地で神社の銅板や公共施設の金属部品が盗まれた。警鐘台の半鐘を外して売れば、窃盗罪(刑法235条)に加えて本条の撤去も成立しうる。軽い小遣い稼ぎのつもりが、罰金で済まない事件になる
- 自治会の役員会で、老朽化した警鐘台の撤去が議題に上がった。来月の祭りまでに片付けたい、と会長は急いでいる。あと数週間で業者を入れる前に、所有者は自治会か市か、市の消防部局との協議は済んでいるか、議事録に残しておく必要がある
- 酔った勢いで仲間と火の見櫓に登り、手すりを蹴り折った。悪ふざけでも、消防施設の損壊は器物損壊とは別の重い罪になりうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 火の見櫓や警鐘台の損壊・撤去を見つけたら、現場の写真・日時・車両ナンバーなどを記録する2. 施設を管理する市町村の消防部局と警察に通報する。本条は親告罪ではないため、告訴を待たず捜査が進みうる3. 自治会や消防団が管理者なら、修繕・再設置の費用は民法709条に基づく損害賠償として加害者に請求を検討する4. 金属部品が持ち去られた場合は、近隣のスクラップ業者にも情報提供を依頼する
訴えられた側:1. 撤去の経緯を示す書面(施主の依頼書、所有者の承諾、自治体とのやり取り)をすぐに集める。正当な理由または所有者の同意の有無が「みだりに」の判断の中心になる2. 消防の用途がすでに廃止されていたかを自治体に確認する3. 警察の取調べの前に弁護士に相談する。初回は当番弁護士制度を利用できる4. 修繕費用の弁償や再設置への協力は、起訴するかどうかの判断や量刑の判断で有利な事情になりうる
時効(請求できる期限):法定刑の上限が拘禁刑七年なので、公訴時効は五年(刑事訴訟法250条2項5号、行為が終わった時から起算)。民事の損害賠償は損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正による懲役・禁錮の拘禁刑への一本化に伴い、本条の刑も拘禁刑に改められた(改正回数の全体は人による確認が必要)
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:消防法(昭和23年法律第186号)の制定に伴い、消防の用に供する望楼・警鐘台の損壊・撤去に対する罰則として設けられた
- 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年)施行 改正:刑法改正による懲役・禁錮の拘禁刑への一本化に伴い、本条の法定刑が七年以下の拘禁刑に改められた
- 消防法 第18条本条が違反を処罰する禁止規定
- 消防法 第39条消火栓等の損壊・撤去の罰則(現行効力を要確認)
- 消防法 第44条みだりな使用等への軽い罰則(現行効力を要確認)
- 刑法 第261条一般の器物損壊罪との関係
- 刑法 第121条火災時の消火妨害罪との区別
- 刑法 第235条半鐘等の持ち去りにおける窃盗罪
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