消防法 第23条の2
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- ガス、火薬又は危険物の漏えい、飛散、流出等の事故が発生した場合において、当該事故により火災が発生するおそれが著しく大であり、かつ、火災が発生したならば人命又は財産に著しい被害を与えるおそれがあると認められるときは、消防長又は消防署長は、火災警戒区域を設定して、その区域内における火気の使用を禁止し、又は総務省令で定める者以外の者に対してその区域からの退去を命じ、若しくはその区域への出入を禁止し、若しくは制限することができる。
- 2.前項の場合において、消防長若しくは消防署長又はこれらの者から委任を受けて同項の職権を行なう消防吏員若しくは消防団員が現場にいないとき又は消防長若しくは消防署長から要求があつたときは、警察署長は、同項の職権を行なうことができる。この場合において、警察署長が当該職権を行なつたときは、警察署長は、直ちにその旨を消防長又は消防署長に通知しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第23条の2は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第23条の2の条文原文は「ガス、火薬又は危険物の漏えい、飛散、流出等の事故が発生した場合において、当該事故により火災が発生するおそれが著しく大であり、かつ、火災が発生したならば人命又は財…」で始まります。
- 消防法第23条の2は第五章に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第23条の2の前の条は消防法第23条です。
- 消防法第23条の2の次の条は消防法第24条です。
- 消防法第23条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第23条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第23条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/23_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法23条の2は、ガスや危険物の漏えいで火災の危険が著しく大きいとき、消防長又は消防署長が火災警戒区域を設定し、火気の使用禁止や退去命令を出せると定める。
Q · まだ火が出ていないのに、ガス漏れだけで家から退去を命じられることはあるの?
ある。火災前でも消防長等は退去を命じられる
消防法第23条の2により、ガス・火薬・危険物の漏えい等で火災発生のおそれが著しく大きく、発生すれば人命・財産に著しい被害が生じるおそれがあるとき、消防長又は消防署長は火災警戒区域を設定できます。区域内では火気の使用禁止、退去命令、出入りの禁止・制限が可能です。消防側が現場にいないときや要求があったときは、警察署長も同じ職権を行使できます。命令違反には罰則があります(同法44条)。
解説
黄色いテープの内側に入れるかどうかは、火が出る前から決められている。消防法23条の2は、ガス・火薬・危険物が漏れたり飛び散ったりして、火災の危険が非常に大きく、燃え広がれば人命や財産に大きな被害が出るおそれがあるとき、消防長または消防署長が「火災警戒区域」を設定できると定める。この区域では、火気の使用を禁止できる。さらに、総務省令が定める者以外には退去を命じたり、出入りを禁止・制限したりできる。燃えているのは「まだ何もない」状態でも発動できる点が、火災現場を対象とする28条の消防警戒区域との決定的な違いである。消防側が現場にいないときや消防側から要求があったときは、警察署長が同じ権限を使える。目の前に炎がなくても、制服の指示は法律の裏付けを持った命令であり、従わなければ罰則がある。自宅の玄関先でタバコに火をつける一動作が、違反になる区域もある。
法的な位置づけ
火災警戒区域とは、消防法第23条の2に基づき、ガス・火薬・危険物の漏えい、飛散、流出等の事故により火災発生のおそれが著しく大きく、かつ人命又は財産に著しい被害を与えるおそれがある場合に、消防長又は消防署長が設定する区域をいう。区域内では火気使用の禁止、総務省令で定める者以外の者に対する退去命令及び出入りの禁止・制限が行われる。
手順
- 1.命令を受けたら即座に退出する 退去命令や火気禁止の指示を受けたら議論せず、身分証・常用薬・スマホだけを持って区域外へ出る。照明スイッチ、コンロ、ライター、電子タバコには触れない
- 2.区域外で状況を記録する 区域外の安全な場所で、命令を受けた時刻、命令した機関(消防か警察か)、区域の範囲を記録し、区域の外から写真を残す
- 3.区域内に残る家族の情報を伝える 区域内に高齢者や要救助者が残っている場合、自分で入ろうとせず、現場の指揮者に住所・部屋番号・持病などを具体的に伝える
- 4.解除後に損害を数値化する 区域解除後、休業時間、停止した設備、予約キャンセル、廃棄した食材などを証拠とともに整理し、漏えいの原因者に対する損害賠償請求や保険請求に備える
よくある質問 AI による整理
Q1火災警戒区域とは?
ガス・火薬・危険物の漏えい等で火災の危険が著しく大きいとき、消防長又は消防署長が設定する区域です。区域内では火気禁止や退去命令が出されます(消防法23条の2)。
Q2火災警戒区域 誰が設定する?
原則は消防長又は消防署長です。委任を受けた消防吏員・消防団員も職権を行い、消防側が現場にいないときなどは警察署長も設定できます。
Q3火災警戒区域 退去命令 拒否したらどうなる?
命令違反は消防法44条の罰則の対象になります。火が見えていない段階でも命令は法的拘束力を持つため、まず従い、異論は事後に争うのが現実的です。
Q4火災警戒区域 いつまで続く?
法律に期間の定めはなく、漏えいが止まり火災の危険が解消したと消防側が判断した時点で解除されるのが通常です。数時間で解除される例が多いとされます。
Q5火災警戒区域内で電気をつけてもいい?
避けるべきです。スイッチの火花も着火源になり得ます。火気使用の禁止が出ている場合、ライターや電子タバコも含めて使わず、指示に従って退出してください。
Q6ガス漏れ 警察に退去を命じられた 従う義務は?
あります。消防側が現場にいない場合や要求があった場合、警察署長は消防長と同じ職権を行使できます(23条の2第2項)。制服の違いで効力は変わりません。
Q7火災警戒区域 休業補償 誰に請求できる?
本条に損失補償の規定はなく、行政への補償請求は原則難しいです。漏えいを起こした事業者や工事業者に対し、民法709条等で損害賠償を求めるのが基本です。
Q8火災警戒区域 入れる人は?
総務省令で定める者に限られ、それ以外の者は退去を命じられ、出入りを禁止・制限されます。家族であることだけでは当然には入れません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1火事になってないのに、なんで家から追い出されなきゃいけないんですか?
消防法23条の2は、ガスや危険物の漏洩で火災発生のおそれが著しく大きく、被害も重大になると見込まれる段階で発動できるからです。火災発生後の現場を対象とする28条とは別の制度です。実務のポイント:ガス漏れでは、住人が照明スイッチを入れた火花が爆発の引き金になった事例があります。退去命令は「あなたが着火源にならないため」の命令でもあります
Q2ガス漏れで丸一日お店を閉めました。役所に補償してもらえますか?
本条には損失補償の規定がなく、区域設定そのものを理由とする行政からの補償は原則として期待できません。請求の相手は漏洩の原因を作った者です(民法709条)。実務のポイント:工事業者がガス管を破損した場合、元請けやガス事業者の保険が使えることが多くあります。原因調査報告書の写しを早めに求めておくと、交渉が一気に進みます
Q3区域の中に住んでる親を迎えに行きたいのに、入れてもらえません。
区域に出入りできるのは、総務省令が定める者(復旧作業の従事者、救護にあたる者など)に限られ、それ以外の者は出入りを禁止・制限できます(23条の2第1項)。家族というだけでは当然には入れません。実務のポイント:無理に入るより、現場の指揮者に親の住所・部屋番号・持病を具体的に伝えるほうが早く救出につながります。隊員が救助対象として把握すれば、優先的に確認に向かえるからです
間違えやすい点 AI による整理
- 「火事が起きていないのに追い出される理由はない」と感じる人は多いが、本条はまさに火災が「起きる前」の段階を対象にしている。要件は火災発生のおそれが著しく大きく、かつ被害も著しいと認められること。炎の有無は関係ない
- 警察官の指示は「お願い」で、強制力は消防にしかないと思われがちだが、2項により、消防側が現場にいない場合や要求があった場合には警察署長が同じ権限を行使できる。制服の色で従うかどうかを決めると、そこで判断を誤る
- 退去命令に従うかどうかは個人の自己責任の問題だと考えるのは、視点がずれている。あなたが居座ったまま火気を使えば、危険にさらされるのは自分だけではない。近隣の命と財産、救助に入る隊員の安全までが一緒に巻き込まれる。だからこそ違反には刑事罰(消防法44条)が用意されている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動の場面 | 消防法23条の2:ガス・危険物等の漏えい事故で火災のおそれが著しい段階(火災前) | 消防法28条:火災の現場(火災発生後) 消防法23条:火災の危険がある地域・期間(平時の予防) |
| 権限者 | 消防長又は消防署長(不在時等は警察署長) | 現場の消防吏員又は消防団員 市町村長 |
| できる措置 | 火気使用の禁止、退去命令、出入りの禁止・制限 | 退去命令、出入りの禁止・制限 たき火・喫煙の制限 |
| 区域の名称 | 火災警戒区域 | 消防警戒区域 区域の設定ではなく地域・期間の限定 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾消防法第20条は火災現場周辺の警戒区画定と疏散を、災害防救法第31条は災害発生又はそのおそれがある場合の警戒区域画定と立入制限・退去命令を定める。漏えい段階の予防的封鎖は後者が近い
韓国は災害発生又はそのおそれがある場合に市長・郡守等が危険区域を設定し、立入禁止・退去命令を行える一般規定を置く
火災現場の指揮において警戒区の画定や局所的な交通規制を認める。漏えい事故の予防的封鎖は突発事件対応の一般法制と組み合わせて運用される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 近所の工事現場で都市ガス管が破損し、ガス臭が漂い始めた。消防隊が到着してロープを張り、「この区域の方は退去してください」と告げる。火はどこにも見えない。それでもこれは本条に基づく退去命令であり、「うちは大丈夫だから」と居座れば罰則の対象になりうる
- あなたは小さな町工場を経営していて、自社タンクから危険物が流出した。区域設定で取引先のトラックも従業員も敷地に入れず、出荷は全面停止になる。生産ラインを止めたまま一晩が過ぎる。事故を起こした側として、損害は最終的に誰が負うのか、今夜のうちに保険証券を確認しておく必要がある
- タンクローリーが高速道路の出口付近で横転し、ガソリンが路面に広がった。到着したのは消防より先にパトカーだった。警察官が周辺の店舗に火気使用の中止を求めてくる。消防がいないとき、警察署長は同じ権限を行使できる
- 区域内のマンションに住む高齢の母が、ペットを置いていけないと避難を拒んでいる。迎えに行くあなたは区域に入れてもらえるのか。家族というだけでは、総務省令が定める出入り許可者に当然には当たらない
- 退去を命じられてから三十分。区域内のラーメン店主が仕込みのコンロを止めずにいると、店ごと爆発の起点になりかねない。火気の使用禁止は、命令が出た瞬間から効力を持つ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 退去を命じられたら議論せず、身分証・常用薬・スマホだけ持って出る。電気のスイッチやコンロには触らない(火花が着火源になる) 2. 区域の外で、設定と解除の時刻、命令した機関名をメモする3. 店舗や事業の休業損害は、レシート・予約キャンセル記録で数値化する4. 本条には損失補償の規定がないため、請求の相手は漏洩を起こした事業者になる(民法709条、ガス事業者なら約款も確認)
訴えられた側:1. 自社設備から漏洩が起きたら、すぐ119番通報し、危険物取扱者に初動措置を取らせる2. 区域内の自社従業員は全員退去させ、出入りが許される者の範囲を消防に確認する3. 退去命令に従わなかったと疑われた場合は、命令を受けた時刻や内容が明確だったかを記録し、弁護士に相談する4. 近隣への損害賠償請求に備え、施設賠償責任保険の担当者へ当日中に報告する
時効(請求できる期限):本条の命令違反(消防法44条、30万円以下の罰金又は拘留。最新の改正状況をご確認ください)の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。命令そのものを争う場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月(行政事件訴訟法14条)。ただし区域はすぐ解除されることが多く、実際には事後の損害賠償が主戦場になる。不法行為に基づく請求は損害と加害者を知った時から3年(人の生命・身体侵害は5年、民法724条、724条の2)
- 消防法 第28条火災現場での消防警戒区域、発生後の対応
- 消防法 第44条本条の命令違反に対する罰則
- 消防法 第36条水災時への準用規定(現行効力を要確認)
- 消防法 第23条たき火・喫煙制限との平時対比
- 災害対策基本法 第63条市町村長の警戒区域設定、災害一般の特則
- 警察官職務執行法 第4条危険時の避難等の措置、警察の一般権限
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