消防法 第25条
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- 火災が発生したときは、当該消防対象物の関係者その他総務省令で定める者は、消防隊が火災の現場に到着するまで消火若しくは延焼の防止又は人命の救助を行わなければならない。
- 2.前項の場合においては、火災の現場附近に在る者は、前項に掲げる者の行う消火若しくは延焼の防止又は人命の救助に協力しなければならない。
- 3.火災の現場においては、消防吏員又は消防団員は、当該消防対象物の関係者その他総務省令で定める者に対して、当該消防対象物の構造、救助を要する者の存否その他消火若しくは延焼の防止又は人命の救助のため必要な事項につき情報の提供を求めることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第25条は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第25条の条文原文は「火災が発生したときは、当該消防対象物の関係者その他総務省令で定める者は、消防隊が火災の現場に到着するまで消火若しくは延焼の防止又は人命の救助を行わなければならな…」で始まります。
- 消防法第25条は第六章に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第25条の前の条は消防法第24条です。
- 消防法第25条の次の条は消防法第26条です。
- 消防法第25条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第25条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第25条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/25
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法25条は、火災時に建物の関係者・居住者・勤務者・火元の者へ、消防隊到着まで消火・延焼防止・人命救助を義務づけ、現場付近の者には協力義務を課す。
Q · 火事が起きたら、その場にいる人には消火する義務があるの?
関係者・居住者・勤務者は義務、通行人は協力義務
消防法25条1項により、燃えている建物の所有者・管理者・占有者(関係者)と、総務省令で定める者(火元の者、出火に直接関係した者、居住者・勤務者)は、消防隊が到着するまで消火・延焼防止・人命救助を行う義務を負います。現場付近にいるだけの人は、これらの人の活動に協力する義務(2項)にとどまります。ただし、身の危険を冒してまで消火することまでは求められないと一般に解されています。
解説
119番を押してから消防車が着くまで、全国平均でおよそ10分前後かかる(消防庁の統計、年により変動)。その空白の時間に誰が火と向き合うのかを、法律はあらかじめ決めている。燃えている建物の所有者・管理者・占有者(消防法上の「関係者」)、さらに総務省令が定める者、つまり火を出した本人、出火に直接関係した者、その建物に住んでいる人や勤めている人である。この人たちには、消防隊が来るまで消火、延焼の防止、人命の救助を行う法的義務がある。たまたま通りかかった人の義務は一段軽く、その人たちの活動に「協力する」ことにとどまる。つまり、燃えている店で働くアルバイトと、居合わせた客とでは立場が違う。ただし、自分の命を危険にさらしてまで火に飛び込めという趣旨ではない、と一般に解されている。できる範囲で消火器を使い、逃げ遅れた人に声をかけ、到着した隊員に「中にまだ二人いる」と伝える。法律が求めているのはこの10分間の具体的な動きであり、それを知っている人ほど迷わずに動ける。
法的な位置づけ
消防法25条は、火災発生時の応急消火義務を定める規定である。1項は消防対象物の関係者および総務省令で定める者(火災を発生させた者、火災の発生に直接関係がある者、居住者・勤務者)に、消防隊到着までの消火・延焼防止・人命救助を義務づける。2項は現場付近に在る者の協力義務を、3項は消防吏員等による情報提供の要求を定める。
手順
- 1.火災を知らせて119番通報する 火災を発見したら大声で周囲に知らせ、119番通報する(消防法24条の通報義務)。建物内なら非常ベルを押す。
- 2.初期の火なら消火器で応急消火する 炎が天井に届く前の小さな火であれば、消火器や屋内消火栓で消火・延焼防止を試みる。天井まで火が回ったら消火をやめて避難に切り替える。
- 3.避難誘導と人命救助を行う 逃げ遅れた人に声をかけ、避難経路へ誘導する。施設の場合は消防計画に従い役割分担して入所者・来店客を避難させる。
- 4.到着した消防隊に情報を伝える 消防隊が到着したら、要救助者の有無と位置、建物の構造、ガスボンベなど危険物の場所を自分から伝える(本条3項)。
- 5.行動を記録し罹災証明を申請する 鎮火後、出火直後にとった行動を時刻つきでメモし、被害を写真で記録する。保険請求や賠償交渉に備えて罹災証明書の交付を申請する。
よくある質問 AI による整理
Q1応急消火義務とは何ですか?
火災が起きた建物の関係者や居住者・勤務者などが、消防隊の到着まで消火・延焼防止・人命救助を行う義務です。消防法25条1項が根拠です。
Q2応急消火義務を負うのは誰?
建物の所有者・管理者・占有者のほか、総務省令で定める火を出した者、出火に直接関係した者、その建物の居住者・勤務者が対象です。
Q3アルバイトにも消火義務はある?
あります。火災が起きた建物の勤務者は総務省令で定める義務者に含まれ、雇用形態は問いません。消火器の位置確認は自分を守る準備でもあります。
Q4応急消火義務に違反したら罰則はある?
本条1項違反を直接処罰する規定は消防法に置かれていないと一般に説明されます。ただし失火罪・放火罪や民事責任が別途問題になりえます。
Q5消防隊が到着したら義務はどうなる?
本条の義務は「消防隊が火災の現場に到着するまで」です。到着後は消防隊の指揮下に移り、3項に基づく情報提供への協力が中心になります。
Q6火事の現場で消防に聞かれたら答える義務がある?
消防吏員・消防団員は関係者などに建物の構造や要救助者の有無の情報提供を求めることができます(3項)。知っていることは即答するのが原則です。
Q7通りすがりの人も消火しないと違法?
現場付近にいる人の義務は、関係者らの消火・救助に協力することです(2項)。自ら消火の主体となる義務まで課されているわけではありません。
Q8消火を手伝ってけがをしたら補償される?
消防作業に協力して死傷した場合、消防法36条の3に基づき市町村が条例で損害を補償する仕組みがあります。消防本部へ申し出ましょう。
この条文についての質問 AI による整理
Q1隣の家が燃えてて、窓を割って中の人を助けたら、窓の弁償をしなきゃいけないの?
原則として弁償の心配は小さいと考えてよい。他人の身体や財産への差し迫った危険を避けるために行った行為は緊急事務管理(民法698条)にあたり、悪意または重大な過失がなければ損害賠償責任を負わない。実務のポイント:救助のためにケガをした場合は、消防法36条の3による市町村の災害補償の対象になりうる。後で自治体の消防本部に必ず申し出ることである
Q2マンションの別の部屋が火事のとき、自分にも消火の義務ってあるの?
消防法施行規則は、火災が発生した建物の居住者や勤務者を本条1項の義務者に含めている。建物全体を一つの消防対象物とみれば、他の住戸の居住者も含まれると読むのが自然である(実務上の解釈)。実務のポイント:自分の命を危険にさらす義務まではない。廊下の消火器で初期消火を試みる、各戸のインターホンを押して回る、それだけでも義務を果たす行動として十分に評価される
Q3自分の不注意で火を出して、怖くて逃げちゃった。罪になる?
逃げること自体が直ちに犯罪になるわけではない。ただ、出火が重大な過失によるものなら重過失失火罪(刑法117条の2)が問題になる。さらに、容易に消せた火を燃え広がるに任せる意思で放置すれば、不作為による放火罪とされた判例もある(最判昭和33.9.9)。実務のポイント:捜査で重く見られるのは、逃げた後に119番したか、周囲に知らせたかという点である。逃げながらでも通報を入れておけば、評価は大きく変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「消火は消防の仕事で、素人は逃げるだけでいい」と思われがちだが、本条1項は関係者や居住者、勤務者に対し、消防隊が到着するまでの消火・延焼防止・人命救助を明確に義務として課している。ただし、身の危険を冒すことまで求められるわけではないと一般に解されており、「逃げる」と「できることをやる」は両立する
- 義務違反でも罰金がなければ実害はない、と考える人がいる。本条1項違反そのものを直接処罰する規定は消防法に置かれていないと一般に説明される(最新の改正状況をご確認ください)。しかし、本当に怖いのは別の法律である。火を出した本人が容易に消せた火を放置すれば、不作為による放火罪が問題になり、重大な過失による出火であれば重過失失火罪(刑法117条の2)や民事上の損害賠償責任につながる。罰則がないことは免責を意味しない
- 「通りすがりの自分にも消火義務があるのか」という問いの立て方自体がずれている。現場付近にいる人の義務は、関係者が行う消火・救助に「協力する」こと(2項)であり、独自に消火の主体になる義務とは段階が違う。法律はその場にいる人を「主役」と「協力者」の二層に分けて設計している
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の内容 | 消防法25条:消防隊到着までの消火・延焼防止・人命救助(現場付近の者は協力) | 消防法24条:火災発見者の消防署等への通報 消防法29条:消防隊による破壊消防・消火活動への従事命令 |
| 義務を負う者 | 関係者・火元の者・出火に直接関係した者・居住者・勤務者 | 火災を発見した者(誰でも) 消防吏員等の命令を受けた現場付近の者 |
| 時間軸 | 出火から消防隊到着まで | 火災発見の直後 消防隊到着後の消火活動中 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は防火管理人制度による消防防護計画(初期消火・通報・避難訓練)で初動を担保する設計。関係者の応急消火義務の直接規定の有無は要確認。
韓国も関係者に対し、消防隊到着まで人命救出・消火・延焼防止の措置を義務づける点で日本と近い構造をとる。
ドイツは事故・公共の危険時の救助不作為を一般的に処罰する。消防活動上の義務は各州の消防法に委ねられる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 居酒屋の厨房でフライヤーから火が上がった。店長は買い出しで不在、厨房にいるのはバイトのあなただけ。勤務者として、あなたは応急消火の義務を負う側に立っている。消火器の位置を知らなかったでは済まない立場である
- タバコの不始末で自室のカーテンが燃え始め、怖くなってそのまま外へ逃げた。もし、すぐ消せる小さな火だったのに放置したと後で分かったら、どうなる? 判例上、自分の過失で出した火を容易に消せたのに、燃え広がるのを利用する意思で放置して立ち去れば、不作為による放火罪が成立しうる(最判昭和33.9.9)
- 通勤途中、民家の二階から煙。住人が庭で消火器を手に慌てている。あなたは通りすがりの「現場附近に在る者」として協力を求められる立場だ。
- 老人ホームの夜勤中に火災報知器が鳴る。消防車の到着まで約10分、入所者は20人、職員は二人。誰をどの順で避難させるか、到着した隊員に何を伝えるか。施設の消防計画を読んだことがあるかどうかで、この10分の中身が決まる
- 賃貸アパートの隣の部屋から出火し、駆けつけた消防隊員に「この部屋の住人は何人ですか、今日は家にいますか」と聞かれた。同じ建物の居住者として、知っていることは即答することが求められる(本条3項)。その一言で、隊員が突入するかどうかが変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 火災を見つけたら、まず119番通報と周囲への大声での知らせ(消防法24条の通報義務) 2. 初期の小さな火なら消火器で対応するが、天井に火が届いたら消火をやめて避難に切り替える3. 逃げ遅れの有無、建物の構造、危険物の位置を到着した隊員にすぐ伝える4. 鎮火後は被害を写真で記録し、罹災証明書の交付を申請して保険請求と賠償交渉に備える
訴えられた側:1. 自分が火元や関係者とされた場合、出火直後にとった行動(通報・消火・避難誘導)を時刻つきで書き出す2. 消防の火災原因調査には事実を正確に答える。推測で話すと不利な記録が残る3. 近隣から賠償を求められたら、失火責任法により重大な過失がなければ不法行為責任は負わない点を確認する(賃貸の原状回復義務は別問題) 4. 刑事責任が疑われる段階なら、取調べ前に弁護士へ相談する
時効(請求できる期限):本条の義務自体に特定の時効はなく、火災発生から消防隊到着までが行動の時間枠となる。火災に起因する損害賠償請求には一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)や不法行為の時効(民法724条、損害及び加害者を知った時から3年、人の生命・身体の侵害は5年)が適用される
学説
一般的理解:本条1項の義務は、自己の生命・身体を危険にさらしてまで消火を求めるものではなく、可能な範囲での初期消火・延焼防止・救助を求める趣旨と解されている。直接の罰則規定はないとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:消防法(昭和23年法律第186号)の制定とともに、火災時の関係者等の応急消火義務、現場付近の者の協力義務、情報提供要求の規定として設けられた。
- 消防法 第2条関係者・消防対象物の定義
- 消防法 第24条火災発見者の通報義務、初動の前段
- 消防法 第8条防火管理者の消防計画、応急消火の準備
- 消防法 第29条消防隊到着後の破壊消防・従事命令
- 消防法 第36条の3協力者の死傷に対する市町村の補償
- 民法 第698条緊急事務管理、救助時の賠償責任軽減
- 失火ノ責任ニ関スル法律 第1条重過失なき失火の不法行為責任免除
- 軽犯罪法 第1条変事に際し援助要求を拒む者の処罰(8号)
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