建設業法 第23条の2(工事監理に関する報告)
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請負人は、その請け負つた建設工事の施工について建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第十八条第三項の規定により建築士から工事を設計図書のとおりに実施するよう求められた場合において、これに従わない理由があるときは、直ちに、第十九条の二第二項の規定により通知された方法により、注文者に対して、その理由を報告しなければならない。
この条文の基本情報
工事監理に関する報告とは何ですか?
定義工事監理に関する報告とは、建設業法第23条の2に定められた規定で、「請負人は、その請け負つた建設工事の施工について建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第十八条第三項の規定により建築士から工事を設計図書のとおりに実施するよう求め…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建設業法第23条の2(工事監理に関する報告)は、日本の建設業法に含まれる条文です。
- 建設業法第23条の2の条文原文は「請負人は、その請け負つた建設工事の施工について建築士法(昭和二十五年法律第二百二号)第十八条第三項の規定により建築士から工事を設計図書のとおりに実施するよう求め…」で始まります。
- 建設業法第23条の2は第一節 通則に置かれています。
- 建設業法の公布日は昭和24年5月24日です。
- 建設業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 建設業法第23条の2の前の条は建設業法第23条です。
- 建設業法第23条の2の次の条は建設業法第24条です。
- 建設業法第23条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建設業法(昭和二十四年法律第百号)第23条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100 - 本サイト収録
建設業法(昭和二十四年法律第百号)第23条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000100/23_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建設業法23条の2は、工事監理者から設計図書どおりの施工を求められた請負人が従わない場合、その理由を直ちに注文者へ報告する義務を定める。
Q · 建築士の是正指示に工務店が従わないのは違法なの?
従わないこと自体は違法でないが、理由を直ちに施主へ報告する義務がある
建設業法23条の2は、工事監理者(建築士)から建築士法18条3項に基づき設計図書どおりの施工を求められた請負人が、これに従わない理由を持つ場合、直ちに、19条の2第2項で注文者から通知された方法により、注文者にその理由を報告するよう義務づけています。不服従そのものは禁じられていませんが、黙って図面と違う施工を続けることは許されません。違反すると建設業法28条1項の指示処分の対象となり、従わなければ営業停止へ進みえます。
解説
設計図どおりに造れという指示に、現場の施工業者が「それはできない」と考える場面は珍しくない。地盤が想定と違う、図面同士が食い違っている、施主が現場で別の指示を出した、などである。建設業法23条の2は、こうした食い違いを請負人の胸の内や現場の口論で終わらせない。建築士法18条3項に基づき、工事監理者(設計図どおりに工事が進んでいるかを確認する建築士)から設計図書どおりの施工を求められ、請負人がそれに従わない理由を持っているなら、直ちに注文者へその理由を報告しなければならない。報告の方法は、19条の2第2項で注文者から通知された方法(監督員への意見申出の方法)による。施主にとっての意味は大きい。建築士法上、監理者は「施工者が従わない」と施主に報告する義務を負う。本条は、その反対側にいる施工者の言い分も施主の机に届くようにしている。両方の報告が揃って初めて、施主は「誰が正しいのか」を自分で判断できる。施工者にとっては、黙って図面と違う造り方を続けるという選択肢が法律上なくなる、ということでもある
法的な位置づけ
建設業法第23条の2は、工事監理に関する報告義務を定める規定である。建築士法第18条第3項に基づく工事監理者の設計図書どおりの施工要求に対し、請負人が従わない理由を有する場合、請負人は直ちに、建設業法第19条の2第2項により通知された方法で、注文者に当該理由を報告しなければならない。
手順
- 1.是正要求の内容を記録する 工事監理者から設計図書どおりの施工を求められたら、指摘の日時・箇所・内容をその場で記録し、該当する図面番号と現場写真を確保する
- 2.従わない理由を文書化する 図面同士の矛盾、構造上の問題、施主の直接指示など、従わない理由を具体的に文書にまとめ、構造計算や写真などの根拠資料を添付する。施主の指図が原因なら指図の日時と内容を明記する
- 3.通知された方法で注文者に報告する 19条の2第2項により注文者から通知された方法(監督員宛など)で直ちに提出する。通知がない場合は施主本人に書面とメールの両方で送り、送付記録を保存する
- 4.施主の判断を書面で残す 施主が監理者と施工者のどちらの判断に従うか、追加費用と工期の負担を含めて決定内容を書面化し、双方が保管する
よくある質問 AI による整理
Q1建設業法23条の2とは何ですか?
工事監理者から設計図書どおりの施工を求められた請負人が従わない場合に、その理由を注文者へ直ちに報告する義務を定めた条文です。
Q2工事監理者とは誰のことですか?
設計図書どおりに工事が行われているかを確認する建築士です。建築士法に基づき、施工者が是正に応じない場合は建築主に報告する義務を負います。
Q3建設業法23条の2の報告は口頭でもいい?
条文は19条の2第2項で注文者から通知された方法によると定めています。証拠を残すため、実務上は書面やメールでの報告が無難です。
Q4建設業法23条の2違反 罰則はある?
直接の刑事罰はありません。ただし建設業法28条1項の指示処分の対象となり、指示に従わなければ営業停止処分に進むことがあります。
Q5工事監理の報告 いつまでにすればいい?
条文上は「直ちに」で、具体的な日数の定めはありません。是正を拒む判断をした時点で、施工を進める前に報告するのが実務上の目安です。
Q6建築士と工務店が対立したら施主はどうすればいい?
監理者の報告と施工者の理由報告の両方をそろえ、図面や現場写真と照らして判断します。必要なら第三者の建築士に意見を求めます。
Q7設計施工一括の住宅でも理由報告は必要?
必要です。監理者と施工者が同じ会社でも、請負人が注文者に理由を報告する義務は残ります。施主は報告書が届いているか確認すべきです。
Q8工務店が報告せずに施工したら行政に通報できる?
許可行政庁である国土交通大臣または都道府県知事へ情報提供できます。建設業法28条の監督処分のきっかけになりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1工務店が建築士の言うことを聞かないのって、それだけで違法なんですか?
それだけでは違法とはいえない。建設業法23条の2が求めているのは、従わない理由を注文者に直ちに報告することである。建築士の指摘が誤っている可能性もあるため、法律は最終的な判断材料を施主の手に渡す仕組みにしている。実務のポイント:本当に問題になるのは「従わないこと」よりも「黙っていること」である。紛争になったとき、報告書の有無が施工者の信用を左右する
Q2監督員なんて置いてない個人の家づくりでも、この報告義務はあるんですか?
報告の方法として19条の2第2項の通知が前提とされているため、監督員を置かず通知もない場合の扱いは、実務上、解釈が分かれうる。ただ、報告義務そのものが消えると考えるのは危険である。実務のポイント:慎重な工務店は、施主本人に書面とメールの両方で送る。施主の側も、契約書に意見申出の窓口を一行書かせておくと後で揉めない
Q3施主の私が現場で頼んだ変更が原因でも、工務店の責任になりますか?
民法636条により、注文者の指図が原因で生じた不適合について、請負人は原則として責任を負わない。ただし、請負人が指図の不適当さを知りながら告げなかった場合は別である。実務のポイント:本条に基づく理由報告書は、まさにこの「告げた」ことの証拠になる。施主は、自分の指図について警告を受けた書面に軽い気持ちでサインしないほうがよい
Q4報告しなかった業者には何かペナルティがありますか?
本条違反に直接の罰則はない。ただし、建設業法28条1項により、許可行政庁(国土交通大臣または都道府県知事)の指示処分の対象となる。指示に従わなければ営業停止へ進みうる。実務のポイント:監督処分を受けると、行政庁のサイトなどで公表されうる。公共工事の入札で不利に働くため、施主から行政への情報提供は、業者にとって訴訟以上に重い圧力となる
間違えやすい点 AI による整理
- 「監理者の指示に逆らえば違法だ」と考えられがちだが、本条は施工者が従わないことを禁じていない。禁じているのは、理由を施主に報告せずに黙って従わないことである。監理者の指摘が誤っている場合もある。法律が求めているのは服従ではなく、対立を施主から見える場所に出すことである
- 報告義務の存在は知っていても、その重さを軽く見ている施工者は多い。本条違反には直接の刑事罰はないが、建設業法28条1項による指示処分の対象となり、指示に従わなければ営業停止処分へ進みうる。民事でも、報告の記録がない施工者は、後の契約不適合をめぐる争いで最も重要な防御材料を失う
- 施主の立場からは「監理者と施工者の喧嘩は専門家同士で片付けてくれ」と思いがちである。しかし法律上、最終判断の材料を受け取るのは施主であり、費用と工期の負担を引き受けるのも施主である。報告を読まずに放置すれば、その判断を誰かに預けたことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 23条の2:監理者の是正要求に従わない理由を注文者へ報告する義務 | 19条の2:監督員・現場代理人の権限や意見申出方法を相手方へ通知する義務 28条:違反業者に対する指示処分・営業停止 |
| 義務を負う者 | 請負人(施工者) | 注文者(監督員の通知)・請負人(現場代理人の通知) 許可行政庁が処分権限を持つ |
| 本条との関係 | 報告の中身と発生条件を定める | 報告の方法(ルート)を定める 報告義務違反の行政上の帰結を定める |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾民法496条ただし書は、承攬人が定作人の指示の不適当を知りながら告げない場合の責任を定め、日本民法636条に対応する。監造人と承造人の責任は建築法で規律されるが、本条のような施工者から注文者への理由報告を独立の行政上の義務とする構造とは異なる
韓国では工事監理者が施工者に是正を求め、従わない場合の報告ルートを建築法で定める。監理者側の規律が中心である
中国では工程監理人員が施工の不適合を発見した場合に施工企業へ改正を求める権限を持ち、監理制度が法定化されている
ドイツでは請負人が施工方法や注文者の指示に疑義を持つ場合、着工前に書面で注文者へ通知する Bedenkenanzeige が実務の中心で、本条と機能的に近い
米国では法律ではなく標準約款で、請負人が契約図書の誤りや不整合を発見した場合に建築家・発注者へ報告する義務を定めるのが一般的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 注文住宅の基礎工事の段階で、監理者の建築士が「アンカーボルトの位置が図面と違う、やり直せ」と指摘した。工務店の現場監督は、図面のほうが構造上おかしいと考えている。この意見の対立を口頭のやりとりだけで終わらせれば、後日、欠陥住宅をめぐる争いで「施工者が勝手に変えた」とされる材料になる
- 施主が現場に来て「この窓、もう少し大きくして」と大工に直接頼み、大工はそのとおりに施工した。監理者は図面と違うと指摘する。工務店が従わないなら、「施主ご本人の指示による」という理由を、施主へ書面で報告しておくべき場面である
- もし監理者の是正要求を無視したまま竣工を迎え、引渡し後に雨漏りが出たらどうなる? 理由を報告した記録がなければ、施工者は「自分の判断は正しかった」と後から証明する手段をほとんど持たない
- あなたは中規模ゼネコンの現場所長である。監理者から是正を求められたが、図面の納まりでは物理的に施工できない。明日にはコンクリートを打設する予定だ。報告は「直ちに」が要件である。今日中に、注文者から通知されている方法で理由を文書にして送る必要がある
- 友人が自宅を新築中で、「建築士と工務店が揉めていて、どちらを信じればいいのか分からない」と相談してきた。工務店から理由の報告が来ているかを、まず確認するよう伝えることになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 施主の立場なら、監理者から「施工者が従わない」と報告を受けた時点で、施工者からの理由報告が届いているかを確認する。届いていなければ書面での提出を求める2. 両方の報告と図面、現場写真をそろえ、必要なら第三者の建築士にセカンドオピニオンを依頼する3. どちらに従うかの決定と費用負担を書面に残す4. 施工者が報告せずに施工を続けた場合は、国土交通大臣または都道府県知事への通報(建設業法28条の監督処分の端緒)を選択肢として持っておく
訴えられた側:1. 是正を求められて従わない判断をしたら、その日のうちに理由を文書にする。根拠となる図面の矛盾、構造計算、現場写真を添付する2. 注文者から通知された方法(監督員宛など)で提出し、送付記録を保存する3. 施主の指図が原因であれば、その指図の日時と内容を明記する。民法636条ただし書の「告げた」証拠になる4. 通知された方法が定められていない場合は、施主本人へ書面とメールの両方で送る
時効(請求できる期限):本条は「直ちに」報告することを求めており、具体的な日数の定めはない。施工を進めてしまう前に報告するのが実務上の目安である。報告を怠った場合の民事上の請求については、契約不適合を知った時から1年以内の通知が必要となる(民法637条)。そのうえで一般消滅時効(民法166条:知った時から5年、権利を行使できる時から10年)がかかる(最新の改正状況をご確認ください)
- 建設業法 第19条の2報告方法となる意見申出方法の通知
- 建設業法 第28条違反時の指示処分・営業停止
- 建設業法 第19条請負契約の書面化義務
- 建築士法 第18条監理者の是正要求と建築主報告
- 建築士法 第20条工事監理終了時の結果報告義務
- 民法 第636条注文者の指図による不適合の免責
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