建設業法 第27条の23(経営事項審査)
クイックジャンプ
- 公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければならない。
- 2.前項の審査(以下「経営事項審査」という。)は、次に掲げる事項について、数値による評価をすることにより行うものとする。
- 一経営状況
- 二経営規模、技術的能力その他の前号に掲げる事項以外の客観的事項
- 3.前項に定めるもののほか、経営事項審査の項目及び基準は、中央建設業審議会の意見を聴いて国土交通大臣が定める。
この条文の基本情報
経営事項審査とは何ですか?
定義経営事項審査とは、建設業法第27条の23に定められた規定で、「公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建設業法第27条の23(経営事項審査)は、日本の建設業法に含まれる条文です。
- 建設業法第27条の23の条文原文は「公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的…」で始まります。
- 建設業法第27条の23は第四章の二 建設業者の経営に関する事項の審査等に置かれています。
- 建設業法の公布日は昭和24年5月24日です。
- 建設業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 建設業法第27条の23の前の条は建設業法第27条の22です。
- 建設業法第27条の23の次の条は建設業法第27条の24です。
- 建設業法第27条の23には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建設業法(昭和二十四年法律第百号)第27条の23 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100 - 本サイト収録
建設業法(昭和二十四年法律第百号)第27条の23(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000100/27_23
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建設業法27条の23は、公共工事を発注者から直接請け負う建設業者に経営事項審査の受審を義務付け、経営状況と経営規模・技術力等を数値で評価すると定める。
Q · 公共工事を元請で受けるには、建設業許可だけでは足りないの?
足りません。経営事項審査の受審が別に必要です
建設業法27条の23第1項により、公共性のある施設・工作物の建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、経営事項審査を受けなければなりません。審査は経営状況(Y)と、経営規模・技術的能力その他の客観的事項(X1・X2・Z・W)を数値で評価する方式です。結果通知は審査基準日(決算日)から1年7か月の間だけ契約に使えるため、毎年の受審が実務上必須です。
解説
役所の入札に参加するための資格は、技術力や熱意ではなく、決算書と人員名簿から計算した一つの数字で決まる。その数字が P 点(総合評定値)で、国や自治体から元請として工事を受けるなら、毎年それを受け直す義務がある。それを定めているのが建設業法27条の23である。審査は二つに分かれる。経営状況(Y 点)は登録経営状況分析機関(国が登録した民間の分析機関)が決算書の数字で評価する。完成工事高(X1)、自己資本など(X2)、技術職員と元請完成工事高(Z)、社会性など(W)は許可行政庁が評価する。これらを0.25X1+0.15X2+0.20Y+0.25Z+0.15W の式で合算したものが P 点である。ここで知っておくべきなのは、点数が「どれだけ稼いだか」だけで決まるわけではないという点だ。完成工事高を2年平均と3年平均のどちらで計算するか、どの技術者をどの業種に割り当てるか、どの加点項目を取りに行くか。同じ会社でも、申請の組み立て方で点数は変わる。合法的な範囲で、点数の設計は経営者の仕事なのだ
法的な位置づけ
建設業法27条の23は経営事項審査の根拠規定であり、公共性のある施設・工作物に関する政令指定の建設工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者に対し、経営状況および経営規模・技術的能力その他の客観的事項について数値による評価を受けることを義務付け、審査の項目と基準を中央建設業審議会の意見を聴いて国土交通大臣が定めるとする。
手順
- 1.決算変更届を4か月以内に提出 事業年度終了後4か月以内に、決算変更届(事業年度終了届)を許可行政庁へ提出する(建設業法11条2項)。経審の申請はこの届出が済んでいることが前提になる
- 2.登録経営状況分析機関に Y 点の分析を申請 決算確定後、国土交通大臣の登録を受けた経営状況分析機関に経営状況分析を申請し、Y 点の結果通知書を受け取る(建設業法27条の24)
- 3.完成工事高の平均年数と技術者配分を決める X1の算定で2年平均と3年平均のどちらを使うか、技術職員を1人2業種までどの業種に割り当てるかを、評点シミュレーションで比較して決める
- 4.許可行政庁に経営規模等評価と総合評定値を申請 許可行政庁に経営規模等評価(X1・X2・Z・W)を申請し、併せて総合評定値(P 点)を請求する(建設業法27条の26、27条の29)
- 5.結果通知を受け取り、発注者ごとに入札参加資格を申請 経審結果通知書の有効期間(審査基準日から1年7か月)を管理しつつ、国・自治体など発注者ごとの競争参加資格審査を申請し、格付けを受ける
よくある質問 AI による整理
Q1経営事項審査とは何ですか?
公共工事を元請で受注しようとする建設業者の経営状況や規模、技術力を数値で評価する審査です。建設業法27条の23が根拠で、略して経審と呼ばれます。
Q2経審の有効期間はいつまで?
審査基準日(通常は決算日)から1年7か月です(建設業法施行規則18条の2)。切れ目なく公共工事の契約を続けるには毎年の受審が必要です。
Q3P 点の計算式は?
総合評定値 P=0.25X1+0.15X2+0.20Y+0.25Z+0.15W です。X1は完成工事高、X2は自己資本等、Y は経営状況、Z は技術力、W は社会性等を表します。
Q4経審は誰に申請する?
経営状況分析(Y)は登録経営状況分析機関に、経営規模等評価(X・Z・W)と総合評定値の請求は建設業許可を受けた許可行政庁(国土交通大臣または知事)に申請します。
Q5経審を受けないと違法?
受審していないこと自体に罰則があるわけではありませんが、有効な結果通知がなければ対象の公共工事を発注者と直接契約できません。民間工事や下請工事なら不要です。
Q6経審の申請に必要な書類は?
決算変更届(事業年度終了届)の提出済み控え、経営状況分析結果通知書、工事経歴書、技術職員名簿と資格証、社会保険加入の確認資料などが代表的です。詳細は許可行政庁の手引で確認してください。
Q7経審の手数料はいくら?
許可行政庁への経営規模等評価・総合評定値の手数料は審査を受ける業種数に応じて増え、別に分析機関への分析手数料がかかります。金額は改定されうるため、申請先の手引で確認してください。
Q8経審で虚偽申請するとどうなる?
建設業法50条の刑事罰の対象となり、監督処分による営業停止もありえます。さらに発注者から指名停止を受け、公共工事の受注が一定期間途絶えるリスクがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1民間の工事しかやってないけど、経審って受けなきゃダメ?
法律上の義務はない。建設業法27条の23が義務付けているのは、公共性のある施設の工事を発注者から直接請け負おうとする場合だけで、民間工事や下請工事には適用されない。実務のポイント:それでも大手ゼネコンや金融機関は、取引先審査や融資判断に P 点を参考にすることがある。公共工事をやらなくても、点数を持っていること自体が信用の名刺になる
Q2去年より売上は増えたのに、P 点が下がったのはなぜ?
P 点は完成工事高(X1)だけで決まらない。自己資本・利益(X2)、決算書の財務比率から計算する経営状況(Y)、技術職員数(Z)、社会性(W)の合計だからだ(同条2項・3項)。売上増に借入れ増が伴えば Y が下がる。実務のポイント:完成工事高は2年平均か3年平均かを選べる。直近で急伸した年は2年平均、落ち込んだ年は3年平均というように、毎回有利なほうを選ぶのが実務の基本である
Q3技術者が一人辞めたら、点数ってどれくらい響く?
Z 点は技術職員の資格の種類と人数で計算されるため、1級施工管理技士のような高評価の資格者が抜けると、その業種の点数が目に見えて下がる。技術職員は1人につき2業種まで割り当てられるので、1人の退職で2業種が同時に下がることもある。実務のポイント:審査基準日(決算日)時点で6か月を超える雇用期間が必要とされている。決算直前の駆け込み採用は点数に反映されないので、採用は早めに(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「建設業許可があれば公共工事を受けられる」と考える人は多いが、許可と経審は別の制度である。公共性のある施設の工事を発注者から直接請け負うには、許可に加えて経審を受け、有効な結果通知を持っていなければならない(建設業法27条の23第1項、建設業法施行規則18条の2)
- 経審の結果が出れば入札に参加できると思われがちだが、問いの立て方が違う。経審は全国共通の客観的な点数にすぎず、実際に入札するには発注者ごとに競争参加資格審査を別に申請する必要がある。発注者は経審の点数(客観点)に独自の評価(主観点)を加えて格付けするため、同じ P 点でも自治体ごとに等級が違うことがある
- 「点数は実力の写し鏡だから、いじりようがない」と諦めている経営者がいる。法令の範囲内で、選べる項目は少なくない。完成工事高の2年平均と3年平均の選択、技術職員を1人につき2業種まで割り当てる配分、W 点の加点項目の取得である。会社から見れば点数は結果だが、制度から見れば申請の選択の積み重ねでもある
- 虚偽申請は「書類のミス」程度だと考えている人がいるが、深刻度が違う。申請書への虚偽記載は刑事罰(建設業法50条)の対象となり、監督処分による営業停止もありうる。さらに発注者側からは指名停止を受けるため、公共工事の売上がしばらくゼロになりかねない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 27条の23:経審の受審義務と評価の枠組みを定める | 27条の24:経営状況分析(Y)の申請先と分析機関 27条の26:経営規模等評価(X1・X2・Z・W)の申請 |
| 審査する主体 | 制度全体(Y は分析機関、その他は許可行政庁) | 国土交通大臣の登録を受けた登録経営状況分析機関 建設業許可をした国土交通大臣または都道府県知事 |
| 評価の材料 | 経営状況+経営規模・技術的能力その他の客観的事項 | 決算書の財務比率(純支払利息比率・自己資本対固定資産比率など) 完成工事高・自己資本・技術職員数・社会性等 |
| 成果物 | 経営事項審査の受審義務(入札前提条件) | 経営状況分析結果通知書 経営規模等評価結果通知書(27条の29の請求で総合評定値通知) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は機関が案件ごとに投標廠商の資格を定め、營造業は資本額・技術者等で等級区分される。日本の経審のような全国共通の数値評点(P 点)方式とは異なる
韓国は国土交通部長官が建設業者の施工能力を毎年評価・公示する制度を持ち、全国共通の数値で業者を序列化する点で経審に近い
米国連邦調達は契約担当官が案件ごとに責任能力(responsibility)を判断する方式で、全国共通の点数制度はない。履行保証(ボンド)が信用審査の役割を担う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 決算日から1年7か月が近づいているのに、今期の経審をまだ申請していない。審査結果の通知が届く前に有効期間が切れると、その間は自治体と元請契約を結べない。落札しても契約できず、入札参加を見送るしかない
- 元請として市の下水道工事を落札したいのに、「うちは建設業許可を持っているから大丈夫」と思っていたらどうなるか? 許可と経審は別物である。経審の結果通知を持っていない業者は、公共工事を発注者から直接請け負えない
- あなたは経理担当で、社長から「完成工事高を少し多めに書いておけ」と言われた。経審の申請書に虚偽の記載をして提出すると、建設業法50条の刑事罰の対象になる。会社だけでなく、書類を作ったあなた個人も責任を問われうる
- 元請の大手ゼネコンから「御社の経審の点数を出してください」と言われた。民間工事なので経審は法律上は不要である。それでも取引先は与信の物差しとして P 点を見ている
- 下請専門で20年やってきた工務店の二代目が、「これからは公共工事の元請を取りに行く」と決めた。最初の一年でやるべきことは営業ではなく、決算書の見直しと技術者資格の棚卸しである。経審の点数は、前期の決算で作り込まれた数字から計算されるからだ
取るべき行動
被害を受けた側:経審の点数が不当に低い、あるいは競合他社の点数の水増しが疑われる場合を想定する。1. まず自社の評価結果を項目別に確認し、技術職員の業種配分や平均年数の選択に計算上の誤りがないか見直す2. 許可行政庁の処分に不服があれば、審査請求や取消訴訟を検討する3. 競合の点数に虚偽が疑われるなら、CIIC で公表データを確認し、客観的な根拠をそろえて許可行政庁に情報提供する
訴えられた側:許可行政庁から経審申請の内容について照会を受けた場合。1. 完成工事高の根拠(契約書・請求書・入金記録)、技術職員の資格証と雇用期間の証明を直ちにそろえる2. 単純な誤りなら自分から訂正を申し出る。故意ではないことを記録で示すことが、監督処分や刑事責任の判断に影響する3. 虚偽を疑われた段階で建設業に詳しい弁護士に相談し、行政書士任せにしない
時効(請求できる期限):経審の結果は、審査基準日(決算日)から1年7か月の間、公共工事の契約に使える(建設業法施行規則18条の2)。前提となる決算変更届(事業年度終了届)は、事業年度終了後4か月以内に提出する(建設業法11条2項)。虚偽申請罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成6年(1994年)改正(要確認) 公共工事を元請で受注しようとする建設業者に経営事項審査を義務付ける現在の枠組みが整備されたとされる。改正年と条文の変遷については人的検証が必要
- 評価基準の見直し(告示改正、要確認) 条文本体ではなく、本条3項に基づく告示の改正で、W 点の加点項目(ワーク・ライフ・バランス認定、CCUS 活用、知的財産など)が段階的に追加されてきた
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める