古物営業法 第17条
クイックジャンプ
古物市場主は、その古物市場において売買され、又は交換される古物につき、取引の都度、前条第一号から第三号までに規定する事項並びに取引の当事者の住所及び氏名を帳簿等に記載をし、又は電磁的方法により記録をしておかなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 古物営業法第17条は、日本の古物営業法に含まれる条文です。
- 古物営業法第17条の条文原文は「古物市場主は、その古物市場において売買され、又は交換される古物につき、取引の都度、前条第一号から第三号までに規定する事項並びに取引の当事者の住所及び氏名を帳簿等…」で始まります。
- 古物営業法第17条は第三章 古物商及び古物市場主の遵守事項等に置かれています。
- 古物営業法の公布日は昭和24年5月28日です。
- 古物営業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 古物営業法第17条の前の条は古物営業法第16条です。
- 古物営業法第17条の次の条は古物営業法第18条です。
- 古物営業法第17条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
古物営業法(昭和二十四年法律第百八号)第17条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000108 - 本サイト収録
古物営業法(昭和二十四年法律第百八号)第17条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000108/17
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点古物営業法17条は、古物市場主に対し、取引の都度、品目・数量・特徴と売買当事者の住所氏名を帳簿等に記載または電磁的に記録するよう義務づける。金額による例外はない。
Q · 古物市場の主催者は、どんな取引を記録しないといけないの?
市場での全取引を、その都度記録する義務がある
古物営業法17条により、古物市場主は、自分の市場で売買・交換される古物について、取引のたびに、取引の年月日、品目と数量、古物の特徴(16条1号〜3号の事項)と、売り手・買い手の住所氏名を帳簿等に記載するか、電磁的方法で記録しなければなりません。古物商の帳簿義務(16条)にある少額取引の例外は本条には書かれておらず、記録は最終記載日から3年間保存します(18条)。
解説
競り台で一本のロレックスが落札されるまで、数十秒しかかからない。その数十秒の取引ごとに、市場の主催者は記録を残さなければならない。古物営業法17条が古物市場主(古物商どうしが売買・交換する「プロ専用の競り場」の運営者)に課すのは、取引の年月日、品目と数量、古物の特徴、売り手と買い手の住所・氏名を、取引のたびに帳簿か電子データに残す義務である。ここで見落とされやすいのが、古物商自身の帳簿義務(16条)には少額取引の例外が用意されているのに、本条には金額による例外が書かれていない点だ。つまり、一万円の雑貨の束でも記録の対象になる。盗まれたあなたの時計や自転車が、どの業者の手を経て流れていったのかを警察がたどるとき、最初に開くのがこの帳簿である。主催者側から見れば、記録漏れは「事務ミス」では済まず、刑事罰と営業停止の入口になる
法的な位置づけ
古物営業法17条は、古物市場主の帳簿等への記載義務を定める規定である。古物市場主は、古物市場で売買または交換される古物について、取引の都度、取引の年月日、古物の品目と数量、古物の特徴、および取引当事者の住所と氏名を、帳簿等への記載または電磁的方法による記録で残さなければならない。盗品の流通経路を追跡できるようにすることを目的とする。
手順
- 1.参加業者を事前登録する 市場に参加する古物商の住所・氏名(法人名)・許可番号を登録時に本人確認書類と照合して確定させ、会員番号とひも付ける
- 2.出品時に品目・数量・特徴を入力する 出品受付の段階で品目と数量、シリアル番号・車台番号・刻印・傷などの特徴を入力し、項目が欠けたままでは確定できない設定にする
- 3.落札の都度、取引記録を確定する 落札・交換が成立するたびに、取引年月日と売り手・買い手の会員情報を自動で結合して記録する。後からまとめて入力する運用はとらない
- 4.3年間保存し、検索できる状態にする 最終記載日から3年間、日付・品目・業者名で絞り込める形で保存し、バックアップを別の場所に置く。立入検査(22条)ですぐ提示できるか定期的に確認する
よくある質問 AI による整理
Q1古物市場主とは何ですか?
古物商どうしが古物を売買・交換するための市場を運営する者です。古物営業法上の許可が必要で、一般消費者向けのフリーマーケット主催者とは区別されます。
Q2古物市場主の帳簿には何を書く必要がありますか?
取引の年月日、古物の品目と数量、古物の特徴、取引当事者(売り手と買い手)の住所と氏名です。古物営業法17条が16条1号〜3号を引用して定めています。
Q3古物市場の帳簿は何年保存しますか?
最終の記載をした日から3年間です(古物営業法18条1項)。紙でも電子データでも、警察の求めに応じてすぐ提示できる状態で保管する必要があります。
Q4古物市場主の記録義務に少額の例外はありますか?
17条には金額による例外が書かれていません。古物商の帳簿義務(16条)には少額取引の例外がありますが、市場主の記録は少額でも取引ごとに残すのが原則です。
Q5古物市場の帳簿をつけないと違法ですか?
違法です。記載義務違反は罰則の対象とされ(33条、最新の改正状況を要確認)、公安委員会による指示や営業停止、許可取消しにつながるおそれもあります。
Q6業者向け中古車オークションも古物市場にあたりますか?
古物商どうしが車両を売買する業者オークション会場は、多くの場合古物市場にあたり、運営者は17条の記録義務を負います。個別の該当性は所轄警察署に確認してください。
Q7古物市場の記録はいつ警察に見られますか?
警察官は営業時間中に古物市場に立ち入り、帳簿等を検査できます(古物営業法22条)。予告なしの立入りもあり得るため、日常的に提示できる状態が必要です。
Q8古物市場の帳簿は手書きでないとダメですか?
手書きでなくてかまいません。17条は電磁的方法による記録を明文で認めています。ただし必要事項が漏れなく記録され、すぐ検索・提示できることが前提です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1常連の業者さんばかりなんですが、毎回住所まで書かないとダメなんですか?
書く必要がある。17条は「取引の都度」記録するよう求めており、常連かどうかや金額による例外は定められていない。実務のポイント:実務では、参加業者を事前に会員登録させておき、会員番号と登録情報をシステム上でひも付けて取引ごとに自動で記録される仕組みが一般的である。毎回手書きするのではなく、登録の段階で正確な情報を固めておくことが、漏れを防ぐいちばん安い方法になる
Q2紙の帳簿じゃなくてエクセルやクラウドで管理しても大丈夫ですか?
大丈夫である。17条は電磁的方法による記録を明文で認めている。ただし必要な事項がすべて記録され、18条の保存期間(最終記載日から3年)の間、求められたときにすぐ出せる状態であることが前提になる。実務のポイント:立入検査で問題になるのは、記録の形式よりも検索性である。日付、品目、業者名ですぐに絞り込めないデータは、現場で「出せない帳簿」と扱われかねない
Q3落札された品物が盗品だったら、市場主も責任を問われるんですか?
盗品と知りながら関与すれば刑法256条の盗品等関与罪が問題になるが、知らなかった場合に直ちに罪になるわけではない。ただし、17条の記録が不十分であれば、それ自体が別の違反になる。実務のポイント:盗品の疑いがある品について警察から照会を受けたとき、帳簿がきちんと整っている市場主は「捜査に協力する側」に立てる。整っていなければ「疑われる側」に回される。記録は義務であると同時に、主催者自身を守る防具でもある
間違えやすい点 AI による整理
- 「古物市場の参加者は全員古物商で、それぞれ自分の帳簿をつけているのだから、主催者の記録は形式的なもの」と思われがちだ。実際はその逆で、取引の両当事者をひとつの記録で結べるのは主催者の帳簿だけである。捜査の現場では、各業者の帳簿の食い違いを突き合わせる基準として使われる
- 記録義務があること自体は知っていても、違反の重さまで知っている市場運営者は少ない。帳簿の記載義務違反は6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象とされ(33条、最新の改正状況をご確認ください)、さらに公安委員会からの指示や営業停止、許可取消しにつながりうる。記録の空白は事務上のミスではなく、営業許可の土台を崩す行為として扱われる
- 「メルカリやヤフオクも古物市場だから、同じ記録義務があるはず」という問いの立て方は前提から外れている。一般の利用者が出品するネットオークションは、法律上は古物競りあっせん業という別の類型に整理され、相手方の確認や記録は原則として努力義務にとどまる。本条が厳格に縛るのは、古物商どうしが取引するプロの市場の主催者である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務を負う者 | 17条:古物市場主(業者間市場の運営者) | 16条:古物商 18条:古物商・古物市場主(保存と提示) |
| 記録する内容 | 取引年月日・品目と数量・特徴+取引当事者双方の住所氏名 | 取引年月日・品目と数量・特徴+相手方の住所・氏名・職業・年齢と確認方法 記録内容ではなく、帳簿等の保存と管理 |
| 金額による例外 | 条文上の定めなし | 少額取引など一定の場合の例外あり 該当なし(最終記載日から3年間保存) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では質屋に質物の登記と警察照合の仕組みがあるが、日本の古物市場のような業者間市場を直接対象とする全国法は確認できない
ドイツは中古品取引などを監督対象業種とし、州の規則で帳簿義務を課す。業者単位の規制が中心である
フランスは中古品業者と中古品販売催事の主催者に registre(警察帳簿)の作成を義務づけ、違反を刑事罰の対象とする点で日本に近い
米国は州ごとに中古品業者・質屋の取引報告義務を定め、警察への電子報告を求める州もある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 中古車オークション会場を運営する会社で、繁忙期に入力担当が足りず、出品車の車台番号を後でまとめて入れる運用になっていた。警察の立入りで記録の空白が見つかれば、「後で入れるつもりだった」は通用しない。取引の都度という文言がそのまま争点になる
- 盗まれたブランドバッグが、三か月後に別の地方のリサイクルショップの店頭に並んでいた。どうやってそこまで流れたのか? 警察は店の仕入れ帳簿から古物市場にたどり着き、市場主の帳簿で出品した業者を特定する。記録の鎖が一か所でも切れていれば、追跡はそこで止まる
- あなたは小さな古物市場の主催者で、常連の古物商から「いつもの人だから住所はいいでしょ」と言われた。それでも書く。書かなければ違反になるのは主催者であるあなただ
- 明日、警察の立入検査(22条)が予告なしに入るかもしれない。昨年分の帳簿が別の倉庫の段ボールの中で、電子データのバックアップもない。保存期間は最終記載日から3年。すぐに出せない帳簿は、実質的に存在しないのと変わらない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 盗難に気づいたらすぐ被害届を出し、シリアル番号、刻印、傷、購入時の写真など特徴を具体的に伝える2. 品物が古物商の店頭やオークション会場で見つかっても自分で取り返そうとせず、警察に連絡して帳簿による流通経路の照合を依頼する3. 盗難から1年以内なら、古物商に無償での返還を求められる(20条)。日付の証拠を確保しておく4. 1年を過ぎた場合は民法上の回復請求(民法193条、194条)を検討する
訴えられた側:1. 立入検査や指摘を受けたら、記録漏れの範囲(期間、件数、欠けている項目)をすぐに洗い出し、事実関係を時系列で整理する2. 後から帳簿を書き足して取り繕うことは絶対に避ける。改ざんを疑われると情状が大きく悪化する3. 入力システムの必須項目化、二重チェック、バックアップといった再発防止策を文書化して示す4. 法人として運営している場合は両罰規定で会社も罰金の対象になりうるため、早い段階で弁護士に相談する
時効(請求できる期限):帳簿等は最終の記載をした日から3年間保存する義務がある(18条1項)。記載義務違反の罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。被害者の無償回復請求は盗難・遺失の時から1年以内(20条)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 新設:古物営業法(昭和24年法律第108号)制定。古物の売買を通じた盗品流通の防止と被害回復を目的とする業規制として成立した
- 古物営業法 第16条古物商の帳簿記載義務、本条の記載事項の基準
- 古物営業法 第18条帳簿等の3年間保存義務
- 古物営業法 第20条盗品等の1年以内の無償回復請求
- 古物営業法 第22条警察官による立入検査と帳簿の確認
- 古物営業法 第33条帳簿記載義務違反の罰則(現行効力を要確認)
- 民法 第194条公の市場で取得した盗品の代価弁償の一般則
- 刑法 第256条盗品等の有償譲受け・あっせんの処罰
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める