労働組合法 第33条
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- 法人である労働組合の清算人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、五十万円以下の過料に処する。
- 一第十三条の五に規定する登記を怠つたとき。
- 二第十三条の七第一項又は第十三条の九第一項の公告を怠り、又は不正の公告をしたとき。
- 三第十三条の九第一項の規定による破産手続開始の申立てを怠つたとき。
- 四官庁又は総会に対し、不実の申立てをし、又は事実を隠ぺいしたとき。
- 2.前項の規定は、法人である労働組合の代表者が第十一条第二項の規定に基いて発する政令で定められた登記事項の変更の登記をすることを怠つた場合において、その代表者につき準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働組合法第33条は、日本の労働組合法に含まれる条文です。
- 労働組合法第33条の条文原文は「法人である労働組合の清算人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、五十万円以下の過料に処する。」で始まります。
- 労働組合法第33条は第五章 罰則に置かれています。
- 労働組合法の公布日は昭和24年6月1日です。
- 労働組合法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 労働組合法第33条の前の条は労働組合法第32条の4です。
- 労働組合法第33条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第33条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000174 - 本サイト収録
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第33条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000174/33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働組合法33条は、法人である労働組合の清算人が登記・公告・破産申立てを怠ると、組合ではなく清算人個人に五十万円以下の過料を科す規定である。
Q · 労働組合の清算人を引き受けたら、登記を忘れただけで自分が罰せられるって本当?
本当です。組合ではなく清算人個人が五十万円以下の過料を科されます
労働組合法33条により、法人である労働組合の清算人が、清算の登記(13条の5)や債権者への公告(13条の7)、債務超過時の破産手続開始の申立て(13条の9)を怠り、または官庁・総会に不実の申立てをすると、五十万円以下の過料を個人として科されます。これは罰金ではなく秩序罰なので前科はつきませんが、裁判所の決定で実際に自分の財布から金が出ます。第2項により、変更登記を怠った代表者にも同じ過料が準用されます。
解説
労働組合が法人格を取得すると、会社と同じく登記される存在になる。だから解散して清算する段になると、その清算人は会社の清算人とほとんど同じ義務を背負う。解散と清算結了の登記、債権者への公告、財産が足りなければ破産手続の申立て、役所や総会への正直な報告。これらを怠ったり、不正な公告をしたり、嘘の申立てや事実の隠ぺいをしたりすると、組合ではなく清算人個人が五十万円以下の過料を取られる。ここで誤解してはいけないのは、過料は罰金ではないという点だ。過料は秩序罰であって刑事罰ではなく、前科もつかない。だが裁判所の決定で、あなた個人の財布から現実に金が出ていくことに変わりはない。解散総会で「じゃあ清算は君に任せる」と頼まれ軽くうなずいたあなたが、書類を引き出しに入れたまま手続を後回しにした結果、数か月後に自分宛ての過料通知を受け取る。第2項では、清算の場面に限らず、代表者が政令で定められた登記事項の変更登記を怠った場合にも、同じ過料が代表者個人に準用される。
法的な位置づけ
労働組合法33条は、法人である労働組合の清算人および代表者に対する過料を定める秩序罰規定である。清算に関する登記・公告の懈怠、不正公告、破産手続開始の申立ての懈怠、官庁または総会への不実の申立て・事実の隠ぺいを類型化し、各違反につき五十万円以下の過料を個人に科す。
よくある質問 AI による整理
Q1過料と科料の違いは何ですか?
過料は秩序罰で前科がつかず裁判所が非訟手続で決定します。科料は刑事罰で前科がつきます。読みは同じ『かりょう』でも全く別物で、労働組合法33条は過料です。
Q2労働組合の清算人は誰がなりますか?
原則として解散時の組合の役員が清算人になります。規約や総会決議で別の者を選ぶこともできます。誰がなっても登記・公告等の義務は清算人個人に乗ります。
Q3労働組合法33条の過料はいくらまでですか?
五十万円以下です。各違反類型ごとに別個に過料の理由になり得るため、登記・公告・破産申立てを複数怠ると重ねて問われる可能性があります。
Q4清算結了の登記はいつまでにすべきですか?
清算が結了したら遅滞なく登記する必要があります。登記事由の発生から所定期間を過ぎると『怠った』状態が成立し、過料の対象になります。
Q5法人でない労働組合でも過料はありますか?
33条は『法人である労働組合』の清算人・代表者が対象です。法人格のない組合には登記義務自体がないため、本条の過料は適用されません。
Q6破産手続開始の申立てを怠るとどうなりますか?
清算中に債務超過が判明したのに13条の9の申立てを怠ると、33条1項により清算人個人が過料の対象になります。債権者への損害賠償リスクも別に生じます。
Q7過料の通知が来たらどうすればいいですか?
放置しないことです。過料の裁判では意見陳述の機会があり、病気や引き継ぎ不全など正当な理由を述べれば減免・不処罰の余地があります。未了の手続は直ちに履行します。
Q8代表者が変更登記を怠った場合も過料ですか?
33条2項により、11条2項の政令で定める登記事項の変更登記を怠った代表者にも、清算人と同じ過料が準用されます。清算の場面に限られません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1過料って、罰金みたいに前科がつくんですか?
つきません。過料は秩序罰で、刑法上の刑罰である罰金とは別系統です。検察官の起訴も刑事裁判もなく、地方裁判所が非訟事件手続法に基づいて決定します。当然、前科として記録されません。実務のポイント:「過料」と「科料」は読みが同じ『かりょう』で混同されますが、科料は刑事罰(前科がつく)、過料は秩序罰(前科がつかない)で全く別物です。通知に『過料』とあれば刑事記録には残らない、これを知っているかどうかで通知を受けた後の動揺がまるで違います
Q2組合の手続上のミスなのに、なぜ私個人が五十万円払うんですか?
本条が義務を課しているのが組合ではなく清算人個人だからです。清算人は法人の機関として、第13条の5以下の登記・公告・破産申立て・正直な報告を個人の責任で果たすことが求められ、その懈怠は組合の財産からでなく清算人個人に対する過料になります。実務のポイント:だからこそ就任前の費用負担の取り決めが効きます。登記や公告を司法書士に委任し、その費用を組合が負担する旨を就任の条件にしておくと、実務リスクを大幅に下げられます。引き受けてからでは遅い
Q3登記を専門家に任せていたのに怠ったことになった場合は、どうなりますか?
委任していても、清算人である以上、本条の名宛人としての最終責任は残ります。ただし、専門家に適切に委任し自分は履行されたと信じる正当な理由があった事情は、過料の裁判で斟酌される余地があります。実務のポイント:過料は『怠った』という懈怠を要件にするため、怠ったことの正当性が争点になります。委任の経緯、専門家とのやり取り、なぜ履行されなかったかの記録を残しておくと、意見陳述で減免・不処罰を求める材料になります
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「組合の事務手続のちょっとしたミス」だが、法律から見れば「清算人個人の秩序違反」である。この視角の落差が、五十万円をあなた個人の財布から引き出す。組合の口座からではない
- 過料は罰金と同じで前科がつく、と思い込んでいる人が多い。実は過料は秩序罰であって刑事罰ではなく、前科はつかず、刑事手続でもなく、検察官も起訴も登場しない。裁判所が非訟手続で決定する別系統の制裁である
- 登記を怠るのが過料対象なのは知っていても、その深刻さを知らない。本条が捕捉するのは登記懈怠だけではない。公告の懈怠・不正公告、破産申立ての懈怠、不実の申立て・隠ぺいまで、清算の全工程に網がかかり、各段階の懈怠が別個に過料の理由になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制裁の性質 | 労組法33条の過料:秩序罰(行政上の秩序維持のための制裁) | 刑事罰の罰金:刑罰(刑法9条の主刑) 刑事罰の科料:刑罰(1,000円以上1万円未満の財産刑) |
| 前科の有無 | 前科はつかない | 前科がつく 前科がつく |
| 手続 | 裁判所が非訟事件手続法に基づき決定(検察官・起訴なし) | 検察官の起訴 → 刑事裁判 検察官の起訴 → 刑事裁判(略式が多い) |
| 名宛人 | 清算人・代表者の個人 | 犯罪を行った個人(両罰規定で法人も) 犯罪を行った個人 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾も法人の理事・清算人が監督命令等に従わない場合に主管機関・裁判所が罰鍰を科す構造を持ち、法人ではなく機関個人を名宛人とする点で日本と類似する。
ドイツでも登記社団(e.V.)の清算(Liquidation)に関する登記・公示の懈怠に対し、登記所が理事・清算人に強制金(Zwangsgeld)を科し得る。秩序維持のための個人制裁という点で発想が近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、解散した労働組合の清算人を引き受けたあなたが、財産の分配を終えたのに清算結了の登記を出し忘れたとしたら? 義務は組合ではなくあなた個人にかかったまま消えない。数か月後、地方裁判所からあなた個人宛ての過料の通知が届き、なぜ自分がと困惑することになる
- 清算を進めるうちに、組合の負債が残った財産を上回ることに気付いた。それでも「もう少しで片付くから」と破産手続開始の申立てを先延ばしにする。第13条の9の申立て懈怠で、あなた個人が過料の対象になる。債権者から見れば、あなたは申立てを怠った清算人だ
- 総会で「財産はすべて分配し終えました」と報告したが、実際には一部が手元に残っていた。これは官庁又は総会に対する不実の申立て・事実の隠ぺいに当たる。報告の一言が、過料の引き金になる
- あなたに残された時間はわずか。登記事由が発生してから所定の登記期間を過ぎれば「怠った」状態が成立する。引き継ぎが済んでいない、前任者の書類が見つからない、それでも期間は止まってくれない
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが組合員や債権者で、清算人が登記・公告・破産申立てを怠っていると疑う場合。1. 法人登記を取得し、清算結了登記や変更登記がされているか確認する2. 怠りが財産分配や債権回収に影響しているなら、清算人に書面で履行を求め、記録を残す3. 清算人の任務懈怠で損害が出たなら、過料とは別に清算人個人への損害賠償(民法709条等)を検討する4. 過料自体は私人が科すものではなく裁判所が職権等で判断するため、監督官庁や裁判所への情報提供という形になる
訴えられた側:あなたが清算人または代表者として過料の通知を受けた、または受けそうな場合。1. まず過料は刑事罰でなく前科がつかないと理解し、冷静になる2. 通知を放置しない。過料の裁判では意見陳述の機会があるため、怠った理由(病気・引き継ぎ不全・前任者の書類不備など)を整理して述べる3. 未了の登記・公告・申立てがあるなら、過料の判断前に直ちに履行し、是正の事実を示す4. 登記を司法書士に委任していた場合でも最終責任は清算人に残るが、正当事由の斟酌材料にはなるので経緯を記録する
時効(請求できる期限):刑事罰ではないため公訴時効はない。ただし義務には期限があり、変更登記等は登記事由の発生から所定期間(一般に2週間以内が原則、最新の登記令の定めをご確認ください)を過ぎると「怠った」状態が成立する。過料そのものは非訟事件手続法に基づき裁判所の決定で科される
学説
通説:過料は秩序罰であって刑事罰ではなく、前科を伴わず、検察官の起訴や刑事手続によらず、裁判所が非訟事件手続法に基づき決定するとされる。労組法33条の過料もこの性質に従い、名宛人は法人ではなく清算人・代表者の個人である。
- 労働組合法 第11条法人格の取得と登記、第2項の政令委任(本条準用の前提)
- 労働組合法 第13条の5清算に関する登記、第1項1号の義務の根拠
- 労働組合法 第13条の7債権者に対する公告、第1項2号の義務の根拠
- 労働組合法 第13条の9清算中の破産手続開始の申立て、第1項2号3号の根拠
- 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第342条法人清算人の過料に関する同型規定(現行効力・条番号を要確認)
- 非訟事件手続法 第119条過料事件の裁判手続を定める一般法(条番号を要確認)
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