要点労働組合法 33 条は、法人である労働組合の清算人が登記・公告・破産申立てを怠ると、組合ではなく清算人個人に五十万円以下の過料を科す規定である。
Q · 労働組合の清算人を引き受けたら、登記を忘れただけで自分が罰せられるって本当?
本当です。組合ではなく清算人個人が五十万円以下の過料を科されます
労働組合法 33 条により、法人である労働組合の清算人が、清算の登記(13 条の 5)や債権者への公告(13 条の 7)、債務超過時の破産手続開始の申立て(13 条の 9)を怠り、または官庁・総会に不実の申立てをすると、五十万円以下の過料を個人として科されます。これは罰金ではなく秩序罰なので前科はつきませんが、裁判所の決定で実際に自分の財布から金が出ます。第 2 項により、変更登記を怠った代表者にも同じ過料が準用されます。
労働組合が法人格を取得すると、会社と同じく登記される存在になる。だから解散して清算する段になると、その清算人は会社の清算人とほとんど同じ義務を背負う。解散と清算結了の登記、債権者への公告、財産が足りなければ破産手続の申立て、役所や総会への正直な報告。これらを怠ったり、不正な公告をしたり、嘘の申立てや事実の隠ぺいをしたりすると、組合ではなく清算人個人が五十万円以下の過料を取られる。ここで誤解してはいけないのは、過料は罰金ではないという点だ。過料は秩序罰であって刑事罰ではなく、前科もつかない。だが裁判所の決定で、あなた個人の財布から現実に金が出ていくことに変わりはない。解散総会で「じゃあ清算は君に任せる」と頼まれ軽くうなずいたあなたが、書類を引き出しに入れたまま手続を後回しにした結果、数か月後に自分宛ての過料通知を受け取る。第2項では、清算の場面に限らず、代表者が政令で定められた登記事項の変更登記を怠った場合にも、同じ過料が代表者個人に準用される。
労働組合法 33 条は、法人である労働組合の清算人および代表者に対する過料を定める秩序罰規定である。清算に関する登記・公告の懈怠、不正公告、破産手続開始の申立ての懈怠、官庁または総会への不実の申立て・事実の隠ぺいを類型化し、各違反につき五十万円以下の過料を個人に科す。
過料は秩序罰で前科がつかず裁判所が非訟手続で決定します。科料は刑事罰で前科がつきます。読みは同じ『かりょう』でも全く別物で、労働組合法 33 条は過料です。
原則として解散時の組合の役員が清算人になります。規約や総会決議で別の者を選ぶこともできます。誰がなっても登記・公告等の義務は清算人個人に乗ります。
五十万円以下です。各違反類型ごとに別個に過料の理由になり得るため、登記・公告・破産申立てを複数怠ると重ねて問われる可能性があります。
清算が結了したら遅滞なく登記する必要があります。登記事由の発生から所定期間を過ぎると『怠った』状態が成立し、過料の対象になります。
33 条は『法人である労働組合』の清算人・代表者が対象です。法人格のない組合には登記義務自体がないため、本条の過料は適用されません。
清算中に債務超過が判明したのに 13 条の 9 の申立てを怠ると、33 条 1 項により清算人個人が過料の対象になります。債権者への損害賠償リスクも別に生じます。
放置しないことです。過料の裁判では意見陳述の機会があり、病気や引き継ぎ不全など正当な理由を述べれば減免・不処罰の余地があります。未了の手続は直ちに履行します。
33 条 2 項により、11 条 2 項の政令で定める登記事項の変更登記を怠った代表者にも、清算人と同じ過料が準用されます。清算の場面に限られません。
つきません。過料は秩序罰で、刑法上の刑罰である罰金とは別系統です。検察官の起訴も刑事裁判もなく、地方裁判所が非訟事件手続法に基づいて決定します。当然、前科として記録されません。業界裏話ヒント:「過料」と「科料」は読みが同じ『かりょう』で混同されますが、科料は刑事罰(前科がつく)、過料は秩序罰(前科がつかない)で全く別物です。通知に『過料』とあれば刑事記録には残らない、これを知っているかどうかで通知を受けた後の動揺がまるで違います
本条が義務を課しているのが組合ではなく清算人個人だからです。清算人は法人の機関として、第13条の5以下の登記・公告・破産申立て・正直な報告を個人の責任で果たすことが求められ、その懈怠は組合の財産からでなく清算人個人に対する過料になります。業界裏話ヒント:だからこそ就任前の費用負担の取り決めが効きます。登記や公告を司法書士に委任し、その費用を組合が負担する旨を就任の条件にしておくと、実務リスクを大幅に下げられます。引き受けてからでは遅い
委任していても、清算人である以上、本条の名宛人としての最終責任は残ります。ただし、専門家に適切に委任し自分は履行されたと信じる正当な理由があった事情は、過料の裁判で斟酌される余地があります。業界裏話ヒント:過料は『怠った』という懈怠を要件にするため、怠ったことの正当性が争点になります。委任の経緯、専門家とのやり取り、なぜ履行されなかったかの記録を残しておくと、意見陳述で減免・不処罰を求める材料になります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制裁の性質 | 労組法 33 条の過料:秩序罰(行政上の秩序維持のための制裁) | — |
| 前科の有無 | 前科はつかない | — |
| 手続 | 裁判所が非訟事件手続法に基づき決定(検察官・起訴なし) | — |
| 名宛人 | 清算人・代表者の個人 | — |
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