要点相続税法1条の3は相続税の納税義務者を定め、財産取得時に日本に住所がある者等は国外財産にも課税される。住所がなくても相続開始前10年以内に住所があれば全世界財産が対象となる。
Q · 海外に移住したら、海外の財産に日本の相続税はかからなくなるの?
移住だけでは不十分、10年間の住所歴が鍵です
相続税法1条の3により、財産取得時に日本に住所がある人は、国外にある財産にも日本の相続税がかかります。住所が海外にあっても、被相続人と財産を取得したあなたの双方が相続開始前10年以内に日本に住所を有していれば、やはり全世界の財産が課税対象です。この10年要件は2017年改正で5年から延長されました。国外財産を課税対象から外すには、双方が10年間日本に住所を持たない状態が必要です。
「相続税は日本国内にある財産の話」だと思っている人ほど、この条文でつまずく。相続税法1条の3は、納税義務者を「相続開始時に日本に住所があるか」「日本国籍か」「相続人・被相続人が過去10年以内に日本へ住んでいたか」という座標で四つに切り分ける。日本に住所がある者(居住無制限納税義務者)は、世界中どこにある財産にも日本の相続税がかかる。逆に財産だけを日本に残して住所は海外なら、日本にある財産だけが課税対象だ。ここで多くの資産家が誤算するのが、いわゆる10年ルール。海外へ移住しても、あなたと相続人の双方が相続開始前10年以内のどこかで日本に住所を持っていれば、国外財産にも容赦なく課税される。かつて5年だったこの期間は、2017年に10年へ延ばされた。国境を越えれば逃げ切れるという発想は、この一条で封じられている。
相続税法1条の3は、相続税の納税義務者を定める規定である。相続又は遺贈により財産を取得した個人について、取得時の住所の有無、国籍、相続開始前10年以内の住所の有無等により区分し、全世界財産に課税される無制限納税義務者と、国内財産のみに課税される制限納税義務者とを画する。一時居住者、外国人被相続人、非居住被相続人の定義も本条に置かれる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
日本国内外すべての財産に相続税が課される納税義務者です。財産取得時に日本に住所がある者や、住所がなくても相続開始前10年以内に日本に住所があった日本国籍者などが該当します。
課税されるのが日本国内にある財産だけになります。海外の預金や不動産は課税対象外ですが、その代わり債務控除の範囲も国内財産に対応するものに限定されます(相続税法13条)。
被相続人と財産取得者の双方が相続開始前10年以内に日本に住所を有していなければ、国外財産は課税対象から外れるという要件です。2017年改正で5年から10年に延長されました。
相続開始時に入管法別表第一の在留資格を有し、かつ相続開始前15年以内に日本に住所を有していた期間の合計が10年以下である者をいいます(相続税法1条の3第3項)。
相続開始時に在留資格を有し、かつ日本国内に住所を有していた被相続人をいいます。この区分に当たると、相続人側の国外財産への課税が外れる場合があります。
相続開始時に日本に住所がなく、過去10年以内に住所があった期間はいずれも日本国籍を有していなかった被相続人、または過去10年以内に一度も日本に住所がなかった被相続人です。
所得税法137条の2・137条の3の納税猶予を受けていた個人が死亡した場合、相続開始前10年以内に日本に住所を有していたものとみなされます(相続税法1条の3第2項)。
相続税の申告期限は相続の開始を知った日の翌日から10か月以内です(相続税法27条)。この間に無制限か制限かを確定しないと、申告漏れか過大申告に転びます。
半分正しく半分間違いです。あなたと相続人の双方が相続開始前10年以内に日本に住所を持たなければ、国外財産に相続税はかかりません(相続税法1条の3第1項)。ただし片方でも日本に住所歴があれば国外財産も課税されます。業界裏話ヒント:この期間は2017年に5年から10年へ延長されました。古い節税本は「5年」と書いていることがあり、その数字を信じて移住プランを組むと、10年目前で相続が起きて計画が破綻する。年数は必ず現行法で確認する
在留資格で滞在し、過去15年以内で日本の住所が通算10年以下なら「一時居住者」に該当し、国外財産は課税対象から外れます(相続税法1条の3第3項)。長期滞在で10年を超えると国外財産も課税されます。業界裏話ヒント:この一時居住者・外国人被相続人の区分は、高度外国人材を呼び込むため2017〜2018年に整備されたものです。本人も日本の勤務先の人事も知らないまま帰国し、後で母国の相続で余計な申告をしている例が多い
住民票の有無ではなく、生活の本拠が日本にあるかという実態で判断されます(相続税法基本通達1の3・1の4共-5)。住民票を海外へ移しても、家族・仕事・資産の中心が日本にあれば住所は日本と認定されます。業界裏話ヒント:税務署は出入国記録・銀行取引・家族の居所まで見て住所を認定します。形だけ住民票を抜いた「ペーパー移住」は否認され、加算税まで上乗せされる。実態を伴う移住でなければ意味がない
| dimension | thisArticle | alternatives |
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| 定める内容 | 相続税法1条の3:誰が相続税を納める義務を負うか(納税義務者の区分) | — |
| 判定の座標 | 財産取得時の住所・国籍・相続開始前10年以内の住所歴・在留資格 | — |
| 誤ったときの帰結 | 区分を取り違えると申告すべき財産の範囲自体が変わり、申告漏れか過大申告になる | — |
| 関連する不利益 | 制限納税義務者は債務控除の範囲が限定される(相続税法13条) | — |
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