要点相続税法1条の2は、扶養義務者を配偶者及び民法877条に規定する親族と定義し、期限内申告書・更正・決定などの用語の意義を定める。扶養義務者の範囲が生活費の贈与税非課税を左右する。
Q · 祖父母や親からの援助が贈与税非課税になるかは、どこで決まるの?
扶養義務者は配偶者と民法877条の親族。同居は不要です。
相続税法1条の2は、扶養義務者を配偶者及び民法877条に規定する親族(直系血族と兄弟姉妹、家庭裁判所の審判があれば三親等内の親族)と定義します。この範囲に入る者どうしの生活費・教育費の贈与は、通常必要と認められる範囲で同法21条の3により非課税となります。同条はほかに期限内申告書、期限後申告書、修正申告書、更正、決定の意義も定め、申告期限や不服申立ての起点を読み解く土台になります。
相続税法の条文を開くと、最初に並ぶのは無味乾燥な用語リストだ。扶養義務者、期限内申告書、更正、決定。読み飛ばしたくなる。だが先頭の「扶養義務者」の定義だけは、あなたの財布に直結する。ここでいう扶養義務者とは、配偶者と、民法877条が定める親族、つまり直系血族と兄弟姉妹(家庭裁判所が認めれば三親等内の親族まで)を指す。なぜこれが効くのか。相続税法21条の3は、扶養義務者どうしが生活費や教育費として渡したお金を、通常必要な範囲であれば贈与税非課税とする。祖父母が孫の大学の学費を払う、親が別居の子に生活費を送る、それが誰との間でなら非課税になるのかを決める入口が、この定義なのだ。残りの用語は申告書と税務署の処分に関する手続の骨格。地味だが、一語を取り違えると、課税されるかどうかそのものが変わる。
相続税法1条の2は、同法で用いる用語の意義を定める定義規定である。扶養義務者とは配偶者及び民法877条に規定する親族をいい、期限内申告書とは27条・28条・29条の規定による申告書をいう。期限後申告書、修正申告書、更正、決定は、それぞれ国税通則法18条2項、19条3項、24条・26条、25条の定義を借用している。
扶養義務者、期限内申告書、期限後申告書、修正申告書、更正、決定という6つの用語の意義を定める定義規定です。課税されるかどうかの入口を静かに決めている条文です。
配偶者と民法877条の親族、つまり直系血族(親子、祖父母と孫)と兄弟姉妹です。家庭裁判所が特別の事情ありと認めれば三親等内の親族まで広がります。
なります。同居は要件ではありません。遠方に住む子への仕送りや、離れて暮らす孫への学費援助も、続柄が直系血族なら扶養義務者間の援助として扱われます。
相続税法27条1項・2項、28条1項・2項、29条による申告書、つまり法定期限内に提出された申告書を指します(50条2項の場合を除く)。期限を過ぎると期限後申告書となります。
扶養義務者間で、通常必要と認められる範囲の生活費なら非課税です(相続税法21条の3)。ただし必要な都度渡すことが前提で、預金や投資に回った分は課税対象になりえます。
民法877条2項により、特別の事情があるときに家庭裁判所が扶養義務を負わせる審判をした場合です。審判がなければ、おじ・おばや甥・姪は扶養義務者に含まれません。
含まれません。1条の2がいう配偶者は法律婚の配偶者です。内縁のパートナーへの生活費援助には、21条の3の非課税規定が当然には及ばない点に注意が必要です。
相続開始を知った日の翌日から10か月です(相続税法27条1項)。この期限内に出した申告書が1条の2でいう期限内申告書で、遅れると無申告加算税や延滞税が加わります。
扶養義務者どうしの教育費なら、通常必要な範囲で贈与税は非課税です(相続税法1条の2、21条の3)。祖父母と孫は直系血族なので扶養義務者にあたります。ただし条件は「必要な都度、直接その費用に充てる」こと。業界裏話ヒント:一括でまとまった額を渡し、孫が預金や株式投資に回すと非課税枠から外れます。入学金や授業料を、その支払時期に合わせて学校や本人へ直接渡す形にするのが、税務署に否認されないコツです
更正は、あなたが出した申告書の内容を税務署が直す処分(国税通則法24条)、決定は、そもそも申告していないあなたに税務署が税額を決める処分(同25条)です。相続税法1条の2は、これらの用語を国税通則法から借りて定義しています。業界裏話ヒント:どちらも不服なら再調査の請求や審査請求で争えますが、期限は処分を知った日の翌日から3か月と短い。通知書が届いたら、名前が更正か決定かをまず確認し、放置せず期限内に動くかを即決することです
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 1条の2:扶養義務者などの用語を定義する入口規定 | — |
| この条文だけで税額が動くか | 動かない。適用範囲を画するだけで、単独の課税・非課税効果はない | — |
| 実務で最初に確認すること | 相手が配偶者・直系血族・兄弟姉妹に当たるか(民法877条) | — |
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